11/5【新日本】石森高笑い 共闘一転ヒロム襲撃で見殺し
『バトル・オータム '22』エディオンアリーナ大阪(府立体育会館)(2022年11月5日)
インクレディブルタッグマッチ ○マスター・ワト&エル・デスペラードvs石森太二&高橋ヒロム×
IWGPジュニア4WAYマッチの前哨戦で王者・石森が残り3選手を手玉。ヒロムと共闘した直後に裏切って襲撃し、最後は見殺しに。ワトに勝利を贈呈して高笑いを決めた。
来年の1・4東京ドーム大会ではIWGPジュニア王者・石森に、ヒロム、デスペラード、ワトが挑戦する4WAY戦が行われる。その前哨戦として、抽選で組み合わせが決まるインクレディブルタッグマッチが組まれた。前日の抽選会でカードが「石森&ヒロムvsデスペラード&ワト」に決定。ヒロムだけが石森とのタッグ結成を喜んだが石森はぶ然とするばかり。デスペラードとワトは険悪ムードで、不穏な空気が漂っていた。
入場からデスペラードとワトが反目する一方、ヒロムは入場ゲートで待ち構えて石森に握手を求めるが拒否される。ヒロムとワトが先発すると、真っ向から気持ちをぶつけ合うが、石森はヒロムとのタッチを拒否した。一方、デスペラードとワトは何度も衝突。タッチも通常通りにはいかず、ビンタやチョップなどで強引に交わす。
左ヒザを攻められたヒロムのローンバトルが続いたが、デスペラードとワトがついに小競り合いを繰り広げた場面でようやく反撃。石森からタッチを求めたものの、ヒロムが自陣に飛び込んだ瞬間、場外に降りてスカし、不敵な笑みを浮かべる。怒りをあらわにするヒロムだったが、デスペラードがそこを奇襲。花道でブレーンバスターを強行した。場外で倒れるヒロムをよそに、デスペラードとワトはここでも乱闘を繰り広げる。
ヒロムはデスペラード&ワトを相手に自力で意地の反撃。またもタッチを求める石森に怒りのエルボーを浴びせる。これでタッチ成立となったが、ヒロムの怒りは収まらず、エプロンから場外の石森めがけてショットガンドロップキックを敢行。感情に任せて石森をリングに押し込み、ファルコンアローを決めると、そのまま押さえ込んだが、当然認められない。
冷静なワトが石森を追撃するも、デスペラードが横やり。スキを突いて強引にブラインドタッチを決めると、ワトを上手くコントロールし、石森をマフラーホールドに捕獲する。ワトも仕方なくヒロムをペンダバルに捕らえて分断した。しかし、石森はYes Lockで切り返しに成功。逃れようとするデスペラードをヒロム&ワトに投げつける。そして、意識もうろうとしてエプロンで倒れ込むヒロムと無理矢理にスイッチした。石森はそのまま花道を下がろうとするが、そこにワトがトペコンヒーロを発射。ヒロムのダイビングセントーンアタック、デスペラードのトペコンヒーロが連鎖し、ここから試合は4WAYマッチ状態に突入する。
リング上では大技が連鎖して乱戦に。すると、石森が再び動いた。態度をひょう変させて、ヒロムと共闘し、連係攻撃を連発。デスペラードをサイファーウタキで戦線離脱に追い込むと、勢いに乗ったヒロムがワトに大技ラッシュ。ポップアップ式パワーボム、コーナーへのデスバレーボムからTIME BOMBの体勢に。しかし、突然、裏切った石森がジャンピングニーを叩き込むと、ワトが回転十字固めで丸め込む形となり、そのまま試合終了となった。
友好的だったヒロムの気持ちを手玉に取り、一旦は共闘しつつ、最後は裏切って、対戦相手のワトに勝利を贈呈した石森。してやったりの表情を浮かべると、残りの3選手が倒れる中、ベルトを掲げて高笑いを決める。ヒロムたちを嘲笑すると、ベルトを腰に巻き、ひとり先に悠然と花道を下がっていった。
バックステージでもヒロムを前にして「(組み合わせが)決まった時点で俺はもう、勝つこと考えてねぇから。ハハハ、好きにやるだけ」と笑い飛ばした石森。「試合に勝ちてぇんじゃねぇのか?」とヒロムに迫られても、「全然。今回の、インクレディブル? どうでもよかった」と斬り捨てると、「俺はもう、昨日クジを引いた時点で、この感じが頭に浮かんだからよ」と明かした。石森はシリーズ中から「聞きたい質問がある」と明言していたが、「人気があるなし、そんなこと気にして試合してねぇと思うけどよ、でもよ、こっからシン・大質問だよ。ヒロム、なぜ俺って人気ないの?」とニヤリ。怒りに震えるヒロムは「俺はあんなヤツがパートナーだったのか……はぁ、心底悲しいよ」と肩を落とすしかなかった。
【試合後の石森&ヒロム、デスペラード&ワト】
▼石森「(薄笑いを浮かべながらやってきて)なんだよ、この試合? どいつもこいつもやっべぇヤツばっかだけどよ、なぁ。でもな、お前らが見たのは幻だから。俺は今日のことは全く記憶にない。幻。フハハハハハハ。さてさて、それよりもよ、引っ張って引っ張って引っ張り続けて、だいぶハードルが高くなってっけどよ、オーイ、ヒロム! いるんだろ? デスペ! ヒロム、いるんだろ!?」
▼ヒロム「(遠くから声が聞こえてくる)てめぇ、チワワ!」
▼石森「(向かってくるヒロムの姿を確認して)来たか。ハハハハハハ……」
▼ヒロム「てめぇ、そこ動くんじゃねぇぞ! おい、チワワ! どういうことだ? チームじゃねぇのか?」
▼石森「(組み合わせが)決まった時点で俺はもう勝つこと考えてねぇから。ハハハ、好きにやるだけ。ハハハハハハ」
▼ヒロム「おかしいだろ? おかしいだろ? てめぇ、俺と友情タッグ組んだんじゃねぇのか?」
▼石森「それはお前が感じてるだけだろ、友情タッグ?」
▼ヒロム「はぁ? 俺が感じてるだけだと?」
▼石森「そう」
▼ヒロム「あぁ! じゃあ俺は自分勝手だと言いてぇのか? おい! おかしいだろ、てめぇ! 試合に勝ちてぇんじゃねぇのか?」
▼石森「全然。今回のインクレディブル? どうでもよかった。ハハハハハハ」
▼ヒロム「俺だけかよ? じゃあ」
▼石森「そうだよ」
▼ヒロム「楽しみに待ってたのは!」
▼石森「ハハハハハハ」
▼ヒロム「スゲェ楽しみにしてたんだぞ!」
▼石森「残念だったな」
▼ヒロム「昨日だってよ、おめぇと組めること、クジで引いた瞬間、うれしくて仕方なかったんだ。その思い、踏みにじんのか?」
▼石森「ハハハ、俺はもう昨日クジを引いた時点で、この感じが頭に浮かんだからよ」
▼ヒロム「うるせぇな!」
▼石森「ハハハハハハハハハ……」
▼ヒロム「クソ野郎にもほどがある!」
▼石森「残念だったな、ホントに。ま、4WAYがあるとサクサクっとな。本番は4WAYだからよ。な? ということで……」
▼ヒロム「(つぶやくように)勝ちたかった……」
▼石森「ということで、今日はここまでだ。じゃあな」
▼ヒロム「おい!」
▼石森「あと、締めてくれ(と言い残して控室に向かう)」
▼ヒロム「(1人残されて吐き捨てるように)ふざけんな、お前いい加減にしろ。俺はどんだけ楽しみにしてたと思ってんだ? それからデスペラード、ワト……おい、ワト! てめぇ、これで勝った気でいんじゃねぇぞ! 悔しくとも何ともねぇぞ、こんな負け。お前、勝った気になってんじゃねぇぞ。今日は、今日は負けた! 今日負けたけどな……負けた。今日は負けた。負けた……。チクショー、おかしい……おかしい! 俺だけだったのか? やる気あったの俺だけだったのか? あんだけおい、誰も助けてくれねぇしよ! どうなってんだよ! おい、ワト! てめぇ、覚えとけよ! ワト、お前大阪出身か、実家近ぇだろ? チクショー! ワトの実家にでも乗り込んでやるかな。ご飯食べてやる。(石森が戻ってくる姿が目に飛び込んできて)おぉ、なんだ、てめぇ!」
▼石森「聞きたいことがある。聞きたいこと」
▼ヒロム「なんだよ、聞きたいことって?」
▼石森「ずっと引っ張ってきてさ、さっき言ってなかったからさ。ヒロムやデスペ、お前らはよ、どの会場行ってもよ、ホント絶大なる人気があるよ。そんなことはな、お前らどう思ってるか知らないけどさ、人気があるなし、そんなこと気にして試合してねぇと思うけどよ、でもよ、こっからシン・大質問だよ。ヒロム、なぜ俺って人気ないの? フハハハハハ。なぜ? 答えてくれよ。ハハハハハハ! 頼むよ。まぁ、いいや(と改めて控室へ)」
▼ヒロム「俺は、俺はあんなヤツがパートナーだったのか……はぁ、心底悲しいよ。はぁ。このシリーズの始まりから、ずっと聞きたいこと聞きたいことあるとか、俺とデスペラードに聞きたいことあるって言ったけど……」
▼デスペラード「(コメントスペースに入ってきながら)だからどうなんだ! なにお前こんなのに負けてんだよ!」
▼ヒロム「お前が助けに来ねぇから悪いんだろ!」
▼デスペラード「なにお前のこと助けなきゃならねぇんだ?」
▼ヒロム「俺だって、あいつのこと信じてたんだよ!」
▼デスペラード「(ワトに向かって)お前だって、こいつの上に乗ってただけだろうが! なにがこの野郎!」
▼ヒロム「(ワトに向かって)勝った気でいるんじゃねぇぞ。勝った気でいんじゃねぇぞ、お前」
▼ワト「わかったよ、おい。俺はしっかり東京ドームでお前を潰してやる」
▼デスペラード「おいおいおい、俺そういうの大っ嫌い。潰してやるとか、具体的じゃないんだよ」
▼ヒロム「嫌いだって。パートナーさんが嫌いだって。パートナーさんが嫌いだってよ」
▼デスペラード「どうやんだよ?」
▼ワト「大口叩いてるけどさ、俺が東京ドームで結果を見せたら、お前の口、しっかりとしゃべれぬように塞いでやる。俺が……」
▼ヒロム「てめぇら2人でやっててくれよ……(と言い残して控室へ)」
▼ワト「俺があんたを……」
▼ヒロム「あぁ石森君、ガッカリだぜ、おい!」
▼デスペラード「はぁあ、こんな感じだぜ、ずーっと。どうも空回りしてんだ。それが歯車が合うわけねぇだろ。別にノブさんと比べる気もねぇ、DOUKIと比べる気もねぇ、お前はお前だから。比べるつもりはねぇが、こんなに息の合わないチームもなかなかないですね! ヤングライオンと組んでた方がうまくいってたかもな(と吐き捨てて控室へ)」
▼ワト「(1人残されて)好き放題言えるのもな、今のうちだ。俺が1月4日、新日本プロレスの、新日本プロレスジュニアを変える。その日がターニングポイントだ」