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1/22【NOAH】さらばムタ…ラストマッチでスティングと有終V 白使卒塔婆に血文字で『完』

『GREAT MUTA FINAL “BYE-BYE"』横浜アリーナ(2022年1月22日)
○グレート・ムタ&スティング&ダービー・アリンvsAKIRA&丸藤正道&白使×

 武藤敬司の引退に先立ち、グレート・ムタの“ラストマッチ"が横浜アリーナで行われ、“ライバル"スティングとの豪華タッグで有終V。白使の卒塔婆に返り血で「完」と書き込むと、多くのファンに見送られながら、もう二度と開くことはない“魔界の扉"の奥に消えた。

 2・21東京ドーム大会での内藤哲也戦での引退が決まった武藤。先立って“化身"ムタのラストマッチが行われた。その舞台は1990年9月、首都圏初登場となったムタが天井から降りてきた横浜アリーナ。引退試合では、ムタ最大のライバルでもある超大物・スティング、AEWのアリンと組んで、白使&AKIRA&丸藤のトリオと対決した。

 入場から異空間だった。丸藤はボディペイントをほどこし、AKIRAは歌舞伎ペイント、白使はWWF時代のテーマ曲に乗り、卒塔婆を付け人に持たせて花道を歩く。

 ムタの“パパ"グレート・カブキもヌンチャク&毒霧パフォーマンスを披露し、アリンも『ByeBye』と描かれたスケボーに乗ってリングイン。そして超大物・スティングもムタと抗争していた1990年代の曲を前奏とする特別テーマで現れた。

 そして最後に現れたムタはいつものようにユラユラとリングイン。頭巾を脱げば、フェイスマスクに『ByeBye』と描かれていた。

 1996年4月29日に新日本・東京ドーム大会で行われた「グレート・ムタvs新崎“白使"人生」は今でも語り草の名勝負。のっけからムタが白使の卒塔婆を折って額を叩き割り、26年の名シーンが早くもフラッシュバックした。

 中盤には大物スティングがAKIRAにスコーピオンデスロックを仕掛けて見せ場を作ったが、終盤にかけてはムタが一転して窮地に。AKIRAの延髄斬り、丸藤の虎王を立て続けに被弾するや、血まみれとなった白使が狂気の表情で地獄突きを突き刺し、26年越しの雪辱を狙う。

 だが、続く拝み渡りを引きずり落としたムタはすかさず緑色の毒霧を噴射。続けざまに閃光魔術を放つ。さらにはスティングがスコーピオンデスドロップ(リバースDDT)、アリンがコフィンドロップ(背面式ダイビングセントーン)で援護射撃するや、ムタは再び閃光魔術を放って白使から3カウントを奪ってみせた。

 見事に有終勝利を飾ったムタは、そのままへし折った卒塔婆に白使の血で文字を書き込む。26年前は「死」と書いたが、今回は「完」と書き込み、場内は切なさにあふれた大歓声に包まれた。

 そして“すべてのエネルギーが切れた"かのように、スティングとアリンに肩を借りながら退場。花道奥で客席を振り返るや、最後の力を使って別れの毒霧を噴射し、トレードマークの首かっきりポーズを残してスモークのなかに消えた。

 バックステージで改めて姿を現したムタは車イス姿。「バイバイ…ノーモア・ムタ」と残した。さらば悪の化身、さようなら魔界からの使者。多くのプロレスファンを魅了した悪魔は、惜しまれながらもう二度と開くことはない“魔界の扉"の奥に消えた。

【試合後のムタ&スティング&アリン】

※ムタが乗った車椅子をアリンが押して登場する

▼ムタ「Bye-bye everybody.No more MUTA.Bye-bye.Good-bye」

▼スティング「私にとっても日本は最後なのかもしれない。ただ、こうして今回日本に来ることができて、凄く嬉しかった。よかったと思う。数々の名勝負を繰り広げたこの日本で試合をすることができて、そしてこうしてグレート・ムタと一緒に試合ができたことを本当に嬉しく思っている。グレート・ムタによって、いつも限界を必ず超えるようなことをさせられてきた。限界値をどんどん上げてくれた。本当にありがとう。日本でもアメリカでもたくさん試合をしたが、ありがとう」

▼ムタ「Thank you.But no more」

▼アリン「グレート・ムタの最後、そしてスティングにとってもこれが日本最後の試合になってしまうかもしれないが、その中で自分が初めて日本で試合ができて、本当に光栄だった。これがこれから何度も日本に来る始まりとなるように、TNTのチャンピオンとして突き進んでいきたい」

▼ムタ「Thank you.Bye-bye」

※アリンがムタの車椅子を押して去っていく

【AKIRAの話】「スプラッシュやって、フォールにいった時に、武藤さんの目を見て涙が出てきました。それだけ言いたくて、ちょっとここに来ました。武藤さんありがとうございました。俺のプロレス人生で幸せな1ページでした。ありがとうございます」

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