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2/28【新日本】42年ぶり「タイガーvsビジャノ3号」 タイガー制してメキシコでの再戦に色気

『NJPW Presents CMLL FANTASTICA MANIA』東京・後楽園ホール(2023年2月28日)
○タイガーマスクvsイホ・デル・ビジャノ3号×

 42年ぶりに実現した「タイガーマスクvsビジャノ3号」はタイガーが快勝。メキシコに舞台を移しての再戦に色気を見せた。

 タイガーとビジャノがFANTASTICA MANIA最終戦で一騎打ちを迎えた。タイガーの師匠・初代タイガーマスクとビジャノの父・ビジャノ3号は1981年6月24日、蔵前国技館で一騎打ちを行い、初代タイガーが勝利している。あれから約42年の歳月を経て、再び「タイガーvsビジャノ」が実現した。前夜の後楽園大会ではタッグマッチで対戦後、ビジャノがダイビングボディプレスでタイガーをKOしている。

 先手を取ったのはビジャノ。サーフボード、メキシカンストレッチを流れるように決め、エプロンからのサーフボードで捕らえた。カンガルーキックで振りほどいたタイガーはトペスイシーダで先制打。ミドルキック連打を浴びせた。

 追撃を阻止したビジャノはジャンピングネックブリーカードロップで反撃。フロントハイキック、ギロチンドロップ、ブレーンバスターの波状攻撃に出ると、ミサイルキック、コーナー最上段からのトペコンヒーロ、トップロープからのダイビングボディプレスを次々に発射していく。雪崩式ブレーンバスター、ハリケーンドライバーと大技を連発すると、ダイビングボディプレスを放った。

 ピンチを迎えたタイガーだったが、両ヒザで迎撃して難を逃れた。串刺しハイキック、雪崩式ダブルアームスープレックスで一気に巻き返した。タイガースープレックス狙いは急所蹴りで阻止されても風車式バックブリーカーで逆襲し、タイガードライバーを爆発させた。2カウントで粘るビジャノが再び急所蹴りを狙っても阻止し、ニールキックを放ったタイガーはタイガースープレックスホールドでトドメを刺した。

 タイガーがビジャノに快勝。父の代理リベンジならなかったビジャノだが、試合後は潔く負けを認め、握手と抱擁を交わした。「彼のお父さんと佐山さん(初代タイガー)の試合を何回も見ているし、メキシコの試合も何回も見ているし、本当に彼のお父さんは偉大です。そしてまた佐山さんも偉大です」と先人たちに敬意を表したタイガーは「偉大なる者同士が戦った後にこうやって息子と弟子という部分で試合ができたことに関しては本当にありがたい」と時空を超えた戦いを噛み締めた。

 試合後はノーサイドとなったが、タイガーは続きも見据えている。「今回のビジャノvsタイガーマスクは一件落着というか一回終止符」とする一方で、「ここが終わりじゃない。ここからが始まり。彼と俺はまだまだ戦いたい」とメキシコでの再戦に色気を見せていた。


【試合後のタイガー】
▼タイガー「まあ、この『FANTASTICA MANIA』、本当に1週間っていう短い期間でしたけど、僕にとっては凄い熱い、そして刺激のあるシリーズでした。また、こうやって時代を超えてイホ・デル・ビジャノ3号が来てくれて、自分に牙を剥いてくれて嬉しかったっていうか。やはり僕自身、彼のお父さんと佐山さんの試合を何回も見ているし、またメキシコの試合も何回も見ているし、本当に彼のお父さんは偉大です。そしてまた佐山さんも偉大です。偉大なる者同士が闘った後にこうやって、僕は息子じゃないけど、息子と弟子という部分で試合ができたことに関しては本当にありがたいし、新日本プロレスとしてCMLLに感謝します。ただ、これが終わりじゃなくてね。まだ僕もメキシコに行きたいと思っていますから。アレナ・メヒコ、アレナ・コリセオ、どこでも彼とぶつかれるし、まだまだ彼は若いしね。僕はもうそんなに時間がないけど、彼はまだまだこれからの人間ですし、トップに立てる器は凄いあると思いますから、本当に僕は彼の成長が楽しみですね。お父さんみたいな気分になっちゃいますよね。また新日本プロレスで最後にタイガースープレックスで勝ったっていう。久々にタイガースープレックスを出したっていう。新日本プロレスでね。全日本プロレスでは何度か出していますけど、そういう部分ではまだまだナメるなよと。タイガーマスク、ナメるなよと。そういうのを見せつけられたんじゃないかなと思います。非常に楽しかったですね。ワクワクしました」

──戦前はマスクを剥いだりなんだり因縁も生まれていたが、最後は終わってみれば。

▼タイガー「まあ彼なりの挑発でもあると思いますし、それだけ俺は熱くなっているっていうのをね。僕も今までのキャリアを考えてみれば、そんな人はいっぱいいたし。でも、彼は最後はマスクを狙わずにね、正攻法の技できたわけですから。あとは彼の今日はちょっとしか出さなかったけど、ジャベという関節技ですよね。動けなくするという、日本の関節技とはちょっと違うけど、そういった部分でも見せた部分はあったからね。これは僕自身が習得したいなっていつも思っているんですね。今は日本の選手は誰もやらないでしょ? 僕自身、それを習得したい。だから今日はやられて良かったなと思うしね。まあ1981年の6月の蔵前でやったビジャノ3号vs初代タイガーマスク、あの時はリングアウトという結末だったんですよね。今回はシングルで決着がついた…とは言いません。言わないけども、今回のこのビジャノvsタイガーマスクは一件落着というか、1回終止符というかね。ただ、ここが終わりじゃない。さっきも言ったようにこっからが始まり。彼と俺はまだまだ闘いたいと思っています。楽しかったです」


【ビジャノの話】「タイガーマスク、あなたが素晴らしいレスラーだってことを認めるしかない。俺たちは日本のファンのみんなにベストな勝負を捧げた。俺たちの師匠の時代から続く歴史を見せた。ビジャノ3号の今現在の実力をしっかりと出せた。今夜、あなたは俺より強かった。だが、あくまでも今夜は、だ。また当たる機会があるかもしれない。でも日本であなたと1vs1でやれてとても光栄だった。日本のファンのみんなに力を見せることができた。このシリーズに参戦できて本当に嬉しかった。また次の『FANTASTICA MANIA』で戻って来たい。いや、もっと早くにまた戻って来るかな? ムチャス・グラシアス、ジャパン、タイガーマスク、CMLL、新日本プロレス。今回の機会に心から感謝してる。勝てなかったが、幸せな気持ちでこのシリーズを終えることができる。今日のタイガーマスクは強かったと認めるよ」

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