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3/4【スターダム】雪妃と壮絶ケンカマッチ…ジュリアが両リン決着もワールドV2、再戦に含み たむが挑戦表明

『TRIANGLE DERBY I〜優勝決定戦〜』東京・国立代々木競技場 第二体育館(2023年3月4日)
ワールド・オブ・スターダム選手権試合 △ジュリアvs雪妃真矢△

 雪妃との遺恨戦は壮絶なケンカマッチの末に両リン決着。不本意な形ながらもワールド王座V2を果たしたジュリアは再戦に含みを持たせた。また、試合後に中野たむが挑戦表明。4・23横浜アリーナ大会でのタイトルマッチが浮上した。

 昨年末の両国大会で朱里を破り、ワールド王座初戴冠を果たしたジュリア。2・4大阪大会ではアイスリボン時代の関係を引きずる鈴季すずを破り、初防衛に成功した。この日のV2戦の相手に指名したのもアイスリボン時代の因縁が残る雪妃。互いに「大嫌い」と公言してはばからない2人の遺恨戦は壮絶な展開から幕を開けた。

 タイトルマッチのセレモニーを無視してジュリアがベルトで雪妃の顔面を殴打。いきなり大乱闘で幕を開け、客席付近までなだれ込んで怨念をぶつけ合う。リングアウト寸前に戻ると、強烈なエルボー合戦で火花。意地になって投げ合うと、戦いは再び場外戦へ。荒ぶる雪妃は特設花道の上でブレーンバスターを狙うが、ジュリアが逆にファルコンアローで投げつけた。喧嘩腰の戦いは続き、互いにテーブルや鉄柱に顔面から叩きつけ合う。

 ジュリアはこれでもかと頭突きを乱射すると、胴絞めスリーパーやバックドロップでたたみかけるが、雪妃も左右のビンタを猛連打。動きの止まったジュリアをハイキックで蹴り倒し、串刺しニーをねじ込んだものの、ジュリアは豪快な雪崩式ダブルアームスープレックスでぶん投げた。雪妃も雪崩式ダブルアームスープレックスを狙うが、ジュリアは抵抗。コーナー上でビンタを打ち合い、頭突きが相打ちとなると、両者はもつれて場外に転落した。

 ブチ切れモードのジュリアは場外で馬乗りになってエルボーやビンタを連打。雪妃を強引に立たせると、リングサイドに設置されたテーブルの上に寝かせた。止める村山レフェリーを突き飛ばすと、テーブル上でパイルドライバーを強行。テーブルが真っ二つにへし折れる。

 しかし、雪妃はテーブルの破片で殴りかかるなどして抵抗。ジュリアの追撃をものともせずに、本部席のテーブル上でタイガードライバーを敢行した。リングに戻ろうとするジュリアを蹴り飛ばし、距離を取って突っ込むが、ジュリアはキャッチしてノーザンライトボムをズバリ。リングに戻ろうとするも、雪妃が足にしがみついたため、両者リングアウト決着となった。

 完全にブチ切れた2人はゴングが鳴っても髪を掴み合って大乱闘。なんとか引き離されると、「クソ女」と吐き捨てたジュリアは「どうするんだよ?」と詰め寄る。客席からは「延長!」コールが発生するが、ジュリアは「するかバカ!」と一喝。「雪妃真矢、足元にお気をつけてお帰りください」と言い放った。一方、雪妃は「希望してなかったのに求められちゃった。また会うかもね」とつぶやくと、ジュリアの決めセリフを拝借して、「アリベデルチ」と捨てゼリフを残して去っていく。「またな」と返したジュリアは、バックステージで「もう一丁やってやるよ」と再戦に含みを持たせた。

 また、試合後にたむが登場。花道を下がるジュリアを呼び止めると、「しけた顔してるね。あんた言ったよね。ジュリアには中野たむが必要だって。私にもあんたが必要だ。スターダム最大のビッグマッチ、横浜アリーナ! ジュリアの相手は中野たむしかいないでしょ」と挑戦表明。ジュリアは「また中野たむかよ。月山の子守りは終わったのか?」とぼやいたが、たむは引かずに「私はあんたが持つ赤いベルトが欲しいんだよ。何を懸けたっていい。髪だって、財産だって、名前だって、なんだって懸けてやる。奴隷になったっていい!」と猛アピールした。ジュリアは「今の私たちだったら、このベルトを懸けるだけで十分なんじゃねえの? たむ、お前をまた地獄に突き落としてやるから楽しみにしとけよ」と受諾。たむはジュリアの髪を掴んでにらみつけると、「また宇宙に漂う塵にしてやる」と言い放ち、4・23横浜アリーナ大会でのワールド王座戦が決定的となった。

【ジュリアの話】「なんだろう? 悔しい。雪妃真矢はやっぱり強かったよ。なんだろうね。これもなんかの縁というか、運命なのかわかんないけど、もう一丁。もう一丁やってやる。(一度立ち去ろうとするが)あっ、中野たむ。あんたとは次懸けて戦うのはこの赤いベルト。今のうちらには髪の毛も財産も何もかもそんな細けえ話いらねえよ。この最高峰、その証を懸ける。これで十分だよ。横浜アリーナまで楽しみだな。またな」

【雪妃の話】「とりあえず結果ちょっとすいません。熱くなりすぎて、不透明な終わりになってしまって。雪妃に思いを託してくださった方が多かったので、今回の試合に関しては。本当に悔しい思いを外に出せずに何年も経っていた人がたくさんいて。今回こういう試合をすることになって、そういう人たちの気持ちを背負って勝ちたいと思ってたんですけど、勝てなかったことが本当に申し訳ないですね。ただ、スターダムに上がらないとずっと言っていたんですけど、過去のことを随分とどいつもこいつもほじくりたがるなと。自分は無きことにして、自分の世界で生きていこうと思ってたんですけど、みんな過去とか、因縁とか好きねって思ってたんですよ、戦うまで。だけど、一番過去にこだわっていた人間というのは、ジュリア選手に関わらないようにしようとか、スターダムに触れないようにしようとか、そういう風に決めて、意固地になってた自分が一番過去にとらわれてたのかなと。そう思っています。なので、Rebel&Enemyのメンバーにはこうやってスターダムに連れてきてくれて、こうやって自分が踏み出すきっかけを作ってくれて、本当に感謝しています。ただ、対戦相手のジュリア選手に関しては、過去にもちろんいろいろあって。本当に憎かった時期があったけど、でもそういう一件があったあとに、彼女が今の地位を築くまでに並ならぬ努力があって、今の彼女があるなんてことは、そんなのは戦う前からわかっていて。同じ業界にいて、活躍ももちろん見たくなくても目に入りましたし。だから、彼女のリスクを顧みないところとか、貪欲なところとか、そういうのはファイターとして、プロレスラーとして、言い方によってはパフォーマーとしてとか、エンターテイナーとして、羨ましいなって本当に素直に思う部分もあって。自分は持っていない部分…こうやってリスクを顧みずに、どんどん行動できるっていうのは。これは全然嫌味じゃないですよ。嫌味じゃなくて、本当に凄いことだなって思いますし。ただ、これからも嫌い同士の両思いでいようという感じですかね、私としては。勝てなかったことで、もう私はスターダムを追放された女として生きていこうとゴングが鳴った時に思ったんですけど、お客様からは『決着をつけろ』という声が聞こえたんで、おかしいなと。追放したかった人がいたはずなのに、これはどうなるのかなと。知らないですよ、私は先のオファーを受けてませんから。ベルトを獲ったら、横浜は出なきゃというのは聞いてましたけど、それ以外、スケジュールは何も聞いてませんので。追放されるのかな。それはそれでいいですよ。私のキャッチコピーを『クリスタルスノー』から『スターダムを追放された女』に変えさせていだいて、やらせていただきます。とりあえず雪妃に気持ちを託してくれた皆様、すいませんでした。そして、ありがとうございました。どちらにしても、私が追放されるにせよ、されないにせよ、ラム会長、尾崎妹加をスターダムのファンの皆様、よろしくお願いします。ジュリア選手はもしかして…。結局、日本の女子プロレスを盛り上げたいと思っている志はきっと同じなんでしょうから、同じ業界で続けていたら、きっと会ってしまうでしょう。アリベデルチ、その日まで、またな」

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