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3/5【ZERO1】「大谷さんにベルト姿を」 田中が善戦・北村跳ね返して世界ヘビーV4

『澤村建設PRESENTS ZERO1創立22周年記念大会』東京・後楽園ホール(2023年3月5日)
世界ヘビー級選手権試合 ○田中将斗vs北村彰基×

 「大谷さんにベルトを持った姿っていうのをまだ見てもらえてないんで、やっぱ簡単には負けられへん」との強い思いで田中が北村を下し、世界ヘビー級王座V4を達成した。

 世界ヘビー王者・田中は1・1後楽園大会でNOAHのマサ北宮を退け、3度目の防衛に成功。試合後、「世界ヘビーを僕が腰に巻いて、僕が作りたい新しいZERO1を作ってみせます」と挑戦の名乗りを上げたのが北村だった。ZERO1の22周年記念興行で北村デビュー5周年記念試合となるタイトルマッチが組まれた。

 時代をかけた一戦は白熱。北村がブエロ・デ・アギラで先制し、コーナーからの場外ダイブを狙えば、阻止した田中は場外への雪崩式ブレーンバスターの構え。未遂に終わってもコーナー最上段からのスーパーフライによるテーブルクラッシュを敢行。テーブルの破片で北村の左足をめった打ちにした。

 ここから田中は徹底した左足攻めを展開。しのいだ北村はゼロ戦キックで反撃ののろしを上げ、大谷ばりの顔面ウォッシュをさく裂させる。串刺しジャンピングエルボー、フェースクラッシャーの連続攻撃に出たが、田中がDDTでせき止めた。ラリアット、ダイアモンドダスト、雪崩式ブレーンバスター、ラリアットの猛攻に出ると、ブルーサンダーで応戦する北村をスライディングラリアット、垂直落下式ブレーンバスターで押し返した。

 北村もスーパーフライを自爆させ、スワンダイブ式ミサイルキック、流星キック、ジャーマンの猛反撃で巻き返す。エルボー合戦でも渡り合い、大谷ばりのケサ斬りチョップもさく裂。田中のスライディングDをかいくぐって晋道をぶち込むと、ダルマ式ジャーマンで勝負に出たが、田中は3カウントを許さない。2発目の晋道をかいくぐってエルボーを乱れ打ち、ローリングエルボーをグサリ。スーパーフライで追い討ちをかけると、粘る北村にスライディングDを突き刺して熱戦に終止符を打った。

 田中が北村に時代を渡さず、世界ヘビー4度目の防衛を果たした。「22周年興行、たくさんのご来場、誠にありがとうございました」と感謝した田中は客席で声援を送っていた愛息と愛娘に向かって「弾丸チルドレン、お前ら二人いつもパパのことバカにしてるけどな、やる時はやるんだよ!」と父の威厳たっぷりに言い切った。

 そして北村に向かって田中は「まだまだ俺は負けるつもりはない。でもお前にカウント3獲られるのを楽しみにしてるからな」とエール。「俺はまだまだこのリングに立たなあかんのや。いつか負けるかもしれへん。でも俺、簡単には負けへんからな」と変わらず高い壁となって立ちはだかり続ける構えを見せた。北村も呼応。「田中さん、いつか必ず俺があなたから3カウント奪って、その世界ヘビー絶対腰に巻いてやるからな! 絶対俺が新しいZERO1の顔になってみせます! またイチから這い上がっていきます! 本日はありがとうございました!」と誓いを立てて感謝した。

 盟友・大谷がこの日、病床からVTRで登場し、3・26靖国大会への来場を宣言した。「大谷晋二郎は戦ってます。俺らと一緒に戦ってます。その大谷晋二郎が3月26日の靖国に来場します。その時は大・大谷コールで皆さん、大谷晋二郎を迎えてあげてほしいと思います」と呼びかけた田中は予行演習とばかりに観客から大谷コールを3回大合唱してもらうと、「いくぞ! 3、2、1、ゼロワーン!」の叫びとともに後楽園大会を締めた。

 「大谷晋二郎は弱音を吐かずに頑張ってる。俺も同い年として弱音なんか吐かれへんし、まだまだリングに上がっていろんなものを見せていかなあかんと思ってる」。そう言い切った田中は大谷来場決定を受けて「大谷晋二郎がチャレンジして獲れんかったベルトを俺がその相手(杉浦貴)から獲ってベルトを持ってるわけやから。目の前でこのベルトを持った姿っていうのをまだ見てもらえてないんで、やっぱ簡単には負けられへんし、その姿を見せなきゃいけない」との思いを強くし、それが新世代の台頭を跳ね返す原動力となった。世界ヘビー級王者として靖国のリングに立つ田中は盟友・大谷の眼前でベルト姿を見せるつもり。それが回復と復帰を目指す大谷にとって大きな刺激となるのは間違いない。


【試合後の田中】
▼田中「(客席で声援を送っていた愛息、愛娘を引き連れて)パパ見てたのか? パパ緊張したよ。本当に何ていうかな。大谷晋二郎もパパやってるし、俺もパパやってる。大谷晋二郎は弱音を吐かずに頑張ってる。俺も同い年として弱音なんか吐かれへんし、まだまだリングに上がっていろんなものを見せていかなあかんと思ってるし。北村が今日、タイトルマッチの位置まで来たけど、俺はまだそう簡単に負けるわけにいかへんねん。新しい景色見せるって、俺もいろんな人間もずっとずっと言ってきたこと。俺も橋本真也を超えたいとずっと思ってたし、上にいる人間倒したいって思わんかったら成長していけへんからね。北村がこの位置まで自分の力で来た。それはそれでうれしいことだと思います。でも簡単に負ける気はせん。今まで他団体の人間とか同世代の人たちと戦ってきたけど、世代が違う人と、こんだけキャリアが違う人間ともしかしたらタイトルマッチでやるのは初めてかもしれんけど、これが北村にとっていい経験になったっていうだけで終わらせたら絶対あかんと思うし。これからの田中将斗にももちろん期待してほしいし、北村にも期待してほしいと思います」

――大谷選手の3・26靖国来場が決まったことが負けられない要素になったのでは?

▼田中「大谷晋二郎がチャレンジして獲れんかったベルトを俺がその相手(杉浦貴)から獲ってベルトを持ってるわけやから。やっぱり大谷晋二郎も知ってると思うんです。ツイッターとか大谷さんもやってるしね。でも目の前でこのベルトを持った姿っていうのをまだ見てもらえてないんで、やっぱ簡単には負けられへんし、その姿を見せなきゃいけないですよ」

――客席から「パパ」の声も飛んだが?

▼田中「力にもなったし、フニャってなった部分もありましたけど、この二人がいるからまだまだ頑張って現役で…やらなあかんからね、ぶっちゃけ。そういう気持ちは凄く強いんで、会場に来て応援してくれるのもそうだし、普段このベルトを家に持っていってる時に『取られちゃいけない』『パパのベルトだ』って言うんで負けられないです」

――次の挑戦者は現れなかったが今後については?

▼田中「北村のように階級でいったら僕もジュニアの体重しかないんで、階級とかそういうのはないですけど、あのキャリアで自分の前に立ったというのは素晴らしいことだと思うし、そういう人間がもっともっと出てきたら、その中でやってみて、こいつおもろいんちゃうか、こいつやったら10年先でもベルト持ってるんじゃないかなと思えるヤツだったら誰でもいいですね。ただ単にベルトの防衛回数重ねただけでもう田中将斗の価値は上がっていかないと思うんで、ベルトという付加価値が付いた中で試合内容、強さ、競い合いができるような人間が来てくれればいいかなと思います」

――家ではどんなパパ?

▼田中「おうちではずっと殴られてるし、パパの言うことは全然聞かないし。パパ大好き? ありがとう。言うこと聞いてね。じゃあ帰りましょ」


【北村の話】「これからもこの先も世代闘争っていうのは、どこの団体でも永遠のテーマだと思うし、俺は今日負けただけで終わりだと思ってないし。俺から直接3カウント獲られるのが楽しみで仕方ないってリング上で田中将斗がマイクで言った話、もう一回ゼロから俺がどんな形であろうと這い上がって、また田中将斗に挑戦するだけです。負けてしまったけど、俺はいつでも度のベルトにも挑戦する覚悟、気持ちができてます。ジュニア2冠、インターコンチネンタルタッグ、その他、もしかしたら他団体のベルト持ってるヤツ覚悟しとけ。そして、最終的に世界ヘビー、田中将斗の首も俺が獲ってやります。ゼロから這い上がっていきます。ありがとうございました」

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