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4/16【NOAH】ジェイクが中嶋退けGHCヘビー初防衛 25周年イヤー・丸藤と両国決戦へ

『GREEN JOURNEY 2023 in SENDAI』宮城・ゼビオアリーナ仙台(2023年4月16日)
GHCヘビー級選手権試合 ○ジェイク・リーvs中嶋勝彦×

 NOAH仙台ビッグマッチのメインを飾ったGHCヘビー級王座戦で、王者ジェイクが中嶋の挑戦を退けて初防衛に成功。5・4両国大会で丸藤正道と激突することが決定的となった。

 杜の都で実現した危険なシングル初対決。前哨戦では両者“狂気の笑み"を浮かべあいながら、KOやレフェリーストップ決着で星を奪い合った。3日前の調印式では中嶋が“戦慄のビンタ"でジェイクをKO。「一瞬で唐突に終わる」緊張感をはらんだ王座戦となった。

 『GLG』と『金剛』のメンバーがセコンドを固めるなか、序盤から凄みを発揮したのは中嶋。強烈なミドルキックで何度もジェイクのボディをえぐって場内をどよめかせた。ジェイクも高身長の“落差"を生かした攻撃で中嶋の腰を攻め立てて巻き返し、前哨戦でレフェリーストップに追い込んだ狂気の拷問コブラも繰り出したが、中嶋も屈さない。

 先に決定機を作ったのは中嶋だった。右ハイキック交錯から先に立ち上がった中嶋は、寝転がるジェイクのボディに猛烈なサッカーボールを発射。のたうち回るジェイクのどてっ腹を蹴り抜いた。前後からのサッカーボールキックを乱打し、バーティカルスパイクをD4Cで切り返されても止まらない。コーナー際で再びボディを蹴り上げるや、ランニングミドルキックでボディをえぐり、今度こそのバーティカルスパイクで突き刺してカウントの大合唱となった。

 だが、3カウントは入らない。逆に中嶋の右ハイキックを間一髪で避けたジェイクは、起死回生の急角度バックドロップを放つ。急激な落差で叩きつけられた中嶋も必死に立とうとしたが、そこへ今度はジャイアントキリングがクリーンヒット。なおもフラフラと立ち上がった中嶋の顔面に、狙いすました走り込んでのフロントハイキックをズバリと叩き込んだジェイクが、3カウントを奪い去った。

 中嶋をねじ伏せたジェイクがGHCヘビー級王座初防衛に成功。ベルトを手にしてマイクを握ると「“俺がノアだ"と自他ともに認めた中嶋勝彦を倒したのはこの俺だ。次はどうしようかな。さて…」と思案したところで、丸藤のテーマ曲が鳴り響いた。

 NOAH・Tシャツを着込んでジェイクと向き合った丸藤は「ジェイク・リー、今この船には俺より強いヤツ、すごいヤツがたくさんいる。でも腐っても丸藤だ。それにお前が舵とってる船に乗ってたら船酔いしそうだ。俺が本当の“舵の取り方"を教えてやる」と挑戦表明し、場内も喝采に包まれた。

 悠然とベルトを掲げて応じたジェイクも「おい副社長、それなら船酔いに慣れてくれ。その船酔いはどんどん気持ちよくなるさ。なぜなら、その船酔いが気になれば、どんな船酔いだろう?って、みんなが観に来るからだ。そしたらあっという間に虜(とりこ)だ」と切り返す。そして最後は「なぜ俺がそこまで断言できるか。それは俺が今、NOAHの舵を取ってるからだ!」と改めての“舵取り宣言"で仙台ビッグマッチを締めくくった。

 「闘いたい相手が多くいるから」と昨年末に全日本からNOAHに主戦場を移したジェイクは、かねてより“闘いたい相手"として中嶋、杉浦貴、そして丸藤の名を挙げていた。一方の丸藤も今年はデビュー25周年イヤー。NOAH上半期総決算となる5・4両国大会を前に、“方舟の舵"をめぐるシングル初対決が決定的となった。


【試合後のジェイク】

――試合を振り返ると?

▼ジェイク「ああ、そうか。正直、あんな蹴り、この業界には中嶋勝彦以外いないよ。蹴りだけじゃない。あの存在感もそう。俺はずっとパンドラの箱と言ってきた。もったいないと言ってきた。誰も触れないから。その気持ちがよりいっそう増した。だから、この勝負は勝ち負け、ベルトを守った、もちろんそれも大切だが、それ以上に中嶋勝彦とシングルでここまで触れ合えたという喜びのほうが圧倒的に強い」

――防衛に成功して今の気持ちは?

▼ジェイク「防衛に成功したというより、今日は中嶋勝彦に勝てた。結果、ただベルトが付いてきただけ。俺の中ではまだGHCのベルトっていうのはその位置だ。まだ俺は何も知らない。聞いて見て、それだけだ。まだ何も知らないんだよ、俺は。その過程なんだよ。だから、今日は大きな一歩だ」

――次期挑戦者として丸藤選手が浮上したが?

▼ジェイク「腐っても丸藤……上手いこと言うね。『腐っても鯛』から取ったんだろうけど、腐っているかどうかは見ている人が一番知っているんじゃないか? それをあえて、あの場であの言葉をチョイスするなんて、天才らしいなあと」

――今後に向けては?

▼ジェイク「俺がこのままこのベルトを持ち続けた場合、何が起こるかわかるかい? 6月9日に行われる『ALL TOGETHER』、俺がこのベルトを持ってその場に立つということだ。NOAHに来てまだ間もない人間が…いや、間もないというより、まだ何も知らない人間が。本当にそれでいいのか? そうじゃないだろ。だから、副社長がわざわざ、丸藤選手がわざわざ来たんだ。他の選手ももっとアピールしたほうがいいんじゃないか? これはまずいって。違うかい? さて、そんなものでいいかな、質問は。あと他に聞きたいことは? 他の人で。なしということで、今日はとりあえず休ませてくれ。以上だ」

【丸藤の話】「リング上で言ったとおり。彼の舵の取り方が雑だ。気持ち悪い。吐いちまう。俺が教えてやる」

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