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4/23【スターダム】たむがジュリア粉砕で涙のワールド初戴冠 女子プロ20年ぶり横アリを「ビリーブ・イン・たむ」締め

『ALLSTAR GRAND QUEENDOM 2023』神奈川・横浜アリーナ(2023年4月23日)
ワールド・オブ・スターダム選手権試合 ○中野たむvsジュリア×

 たむがジュリアを粉砕し、涙のワールド王座初戴冠。女子プロレスでは20年ぶりとなった横浜アリーナ大会を「ビリーブ・イン・たむ!」の雄叫びで締めた。

 2003年3月の全日本女子プロレス35周年記念大会以来、女子プロレスとしては20年ぶりの開催となった横浜アリーナ大会。メインイベントに据えられたのはワールド王者・ジュリアとたむによる遺恨戦だった。両者は2021年3月に敗者髪切りマッチで対決。たむが勝利して、ジュリアを丸坊主にした過去がある。ユニット間の引き抜きなどをキッカケに因縁が再燃。調印式ではブチ切れたジュリアがたむを大流血に追い込んでいた。

 いきなりジュリアがノーザンライトボムで突き刺して幕開け。リングサイドにテーブルを設置すると、コーナーに上がったたむをデッドリードライブで投げ捨てた。テーブルがへし折れ、たむな大ダメージを負う。ジュリアの攻撃は止まらず、特設花道に連行してグロリアスドライバーを狙うも、たむはリバースDDTで逆転。花道をダッシュしてのバイオレットシューティングを連続して放って試合をイーブンに戻した。

 コーナー上でも激情をぶつけ合うと、頭突きから揃って場外に転落。リングアウト寸前で滑り込むと、ビンタ合戦を繰り広げる。エキサイトしたジュリアはストレートパンチで顔面を射抜くと、ファルコンアローやバックドロップでたたみかけ、グロリアスドライバーもさく裂した。

 防戦一方のたむだったが、変型グラウンド卍でジュリアの動きを止めると、タイガードライバーやバイオレットシューティング乱射で大技ラッシュ。急角度のジャーマンスープレックスでジュリアを追い詰める。

 ジュリアはまたも非情なストレートパンチをぶち込み、ヒザ蹴りからノーザンライトボムで突き刺してあっと言う間に勝機。グロリアスドライバーや雪崩式ダブルアームスープレックスを狙うが、どちらもたむは必死の抵抗。逆にジュリアを雪崩式ダブルアームスープレックスでぶん投げた。

 たむはタイガースープレックス、ジュリアはグロリアスバスターを決めるが、それぞれカウント1でキックアウト。ジュリアはすぐさま投げ捨てジャーマンを決めたものの、たむは掟破りの逆ノーザンライトボムで一気に勝機をたぐり寄せる。トワイライト・ドリームもさく裂。ジュリアは肩を上げたものの、たむはバイオレット・スクリュー・ドライバーで突き刺し、ジュリアを葬った。

 たむがジュリアを粉砕して赤いベルト初戴冠。20年ぶりの横浜アリーナ大会はタイトルが全て移動する劇的な興行ととなった。

 喜びを爆発させたたむはマイクを持つと、「ジュリア、私さ、ブスかな? あんたはバケモンだよ。あんたの大切な赤いベルトを奪ってやったぞ。私の最大のライバルであるあんたと戦うなら命でも捧げても構わないって思ってる。どうせあんたのことだからしつこくこのベルト獲り返しにくるんだろ。来てよ。来なきゃ絶対許さない」と感情を剥き出しでジュリアに投げかけた。

 ジュリアは「しつこいのはおめえだろうがよ。私のこれからやりたいことにどうしても必要なその赤いベルトを奪ったんだ。たむ、絶対許さねえ。でも、今日は楽しかったよ」と素直な心境を吐露。「ただし、お前の顔はもう当分見たくねえ。またいつかな。そして、横浜アリーナにお越しの諸君。見たか。これが最高峰だ。そしてこれがジュリアだ。そしてこれが中野たむだ! たむ、アリベデルチ、じゃあな」と吠えて、リングを去っていく。客席からは「ジュリア」コールが巻き起こった。

 それを見送ったたむは「横浜アリーナにお越しの宇宙の皆さん、こんにちは。第26代ワールド・オブ・スターダムチャンピオンになりました!」と絶叫。感極まって涙を流したたむは「この世界は本当にどうしようもないことばっかりで、頑張っても報われないことが多くて、どうしても勝てないヤツがたくさんいて。でも、そんな世界にほんの少しだけ奇跡を起こせるのがプロレスだ!」と思いの丈を叫んだ。

 そして、「今日だけはちょっとだけワガママ言ってもいいですか……いつもか。今だけみんなで一緒にやってほしいことがある」と語りかけると、観客に起立を促し、「たむがさ、横浜アリーナのみんなに言ってもらいたいことがある」と提案。最後に「宇宙にきらめくたむロードについてこい」とアピールすると、観客とともに「ビリーブ・イン・たむ!」と大合唱。20年ぶりに行われた女子プロレスの横浜アリーナ大会を締めくくった。

 「これから私のことをぶっ壊す覚悟がある挑戦者と片っ端から戦っていきたい。そして、たむにぶっ壊される覚悟があるヤツら、挑戦待ってます」とバックステージでは早くも挑戦者を募っていたたむ。“宇宙にきらめく"たむの防衛ロードはようやくスタート地点を迎えたばかりだ。

【たむの話】「かわいいですか? ブスですか? ジュリアは化け物ですよ。命がどんだけあっても足りない。でも、あいつとの戦いにはこの命どれだけ捧げてもいいって思ってる。この世の中は本当にどうしようもないことばっかで、どんなに頑張っても報われないことが多くて。どんなにもがいても、努力しても、勝てないヤツが超いっぱいいて。でも、そんな世界でプロレスは奇跡を起こせるんだって思ってます。こんなに顔メチャクチャになって、ボコボコになって。ジュリアの顔は本当に毎日夢に出てきて、ノイローゼになりそうで。本当に顔も見たくないけど、でもあいつがいたから、私は今までこれだけ奇跡を起こせてきたっていうのも事実だと思ってる。でもやっぱ、もうしばらくはゆっくり眠らせてくれ。もう夢に出てこないで。第26代ワールド・オブ・スターダムチャンピオンになりました。これから私のことをぶっ壊す覚悟がある挑戦者と片っ端から戦っていきたい。そして、たむにぶっ壊される覚悟があるヤツら、挑戦待ってます。ありがとうございました。宇宙にきらめくたむロードについてこい! ビリーブ・イン・たむ!」

【ジュリアの話】「私はこの赤いベルトを手に入れた時、『ベルトは守るものじゃない。自分より強いヤツ、自分より面白そうなヤツと戦うためのチケットだ』って言った。それは本当に心からそう思ってた。ただし、まだまだ私はあのベルトを持っているからこそ戦える相手……いろんなヤツいるでしょ? やりたいこといっぱいあったんだよ。獲られちゃいましたね。奪われちゃいましたね。でも私は死んじゃいねえよ。生きてるよ。生きてるから何でもできるよ。また出直して、獲りにいくよ。それだけだよ。また1つやりたいことが、やらなくちゃいけないことが私に増えたってことで。またここから精進したいと思います。短い防衛ロードだったけど、楽しかったよ。また獲りにいきます。ありがとうございました」

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