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4/29【新日本】タイチがKOPW奪取 過酷43分死闘で鷹木超え「俺らしいKOPWの世界に持って行く」

『レスリング薩摩の国』西原商会アリーナ(鹿児島アリーナ)(2023年4月29日)
「KOPW 2023」争奪戦 ○タイチvs鷹木信悟×

 タイチが4度目のKOPW戦で鷹木超え。43分40秒の過酷な死闘の末にKOPWを奪取し、「鷹木が作ったしんどさを残したまま、俺らしいKOPWの世界に持って行こうかなと思ってるよ」と宣言した。

 4度目となる鷹木とタイチによるKOPW戦が鹿児島の地で実現した。タイチからルールを一任された鷹木が提示したのは「鷹木式トライアドマッチ」。ピンフォール、ギブアップ、KO、TKO、リングアウトの5つの決着法の中で3本を先取した方が勝者となるものだ。

 序盤から激しい削り合いを展開した両者。まずはタイチが場外DDTでリングアウト寸前に追い込んだが、外道クラッチ、グラウンドコブラと丸め込みを連発した鷹木が1本先取となるピンフォールを奪った。その後も熨斗紙でKO寸前に追い込んだり、STFでギブアップを迫ったりと鷹木が攻勢。エプロンでのデスバレーボムを敢行してタイチをリングアウト寸前に追い込んだ。

 何とかリングに滑り込んだタイチはラスト・オブ・ザ・ドラゴンを不時着すると、電光石火のタイチ式外道クラッチで3カウントを奪取。1対1のイーブンに持ち込んだ。ここから両者はバックドロップ合戦、パンピングボンバーとラリアットの相打ちと意地の攻防を展開。タイチがジャンピングハイキックをさく裂させ、タイチ式ラストライド、アックスボンバー、ブラックメフィストと一気にたたみかけて鷹木をKOに追い込んだ。

 2本目を取ってタイチがリーチ。あとはギブアップ、TKO、リングアウトのいずれかを奪えば勝利となる。後がない鷹木を鷹木コールが後押ししたが、かき消すようにタイチが聖帝十字陵で絞め上げる。耐えた鷹木がMADE IN JAPAN、スライディングラリアットで逆襲すると、互いの手を取り合った状態で左ラリアットとアックスボンバーをショートレンジで撃ち合う意地の攻防に突入した。

 競り勝った鷹木がタカギドライバー98、パンピングボンバー、後頭部へのスライディングエルボーとたたみかけ、ラスト・オブ・ザ・ドラゴンで追い討ち。タイチは立ち上がれず10カウントが数えられた。これで2-2。一気に勝負を決めたい鷹木はSTAY DREAM(雪崩式デスバレーボム)を敢行。胴締めスリーパー、グラウンドコブラでギブアップを奪いにかかる。セコンドの金丸がタオルを手にエプロンに上がったが、タイチは耐え続けて何とかロープに脱出。そのまま場外に転落してしまった。

 すると鷹木はリングアウト勝ちを嫌ってタイチをリング内に戻した。ラスト・オブ・ザ・ドラゴンが不発に終わってもパンピングボンバーを連打。意地で倒れないタイチはバックドロップで逆襲し、ハイキックをさく裂させると、横綱式かち上げエルボーをぶち込んだ。が、両者ともに場外に転落。先にタイチが戻ると、鷹木も20カウント寸前にかろうじて生還した。

 両者ともすでにフラフラ。持てる力を振り絞ってケサ斬りチョップを連打し合う。鷹木がナックルパンチを見舞えば、タイチはヘッドバットで徹底抗戦。鷹木コールが後押しする中、エルボーを打ち合うと、タイチの天翔十字鳳がさく裂。グッタリした鷹木を起こすと聖帝十字陵で絞め上げた。耐える鷹木はタイチがジャンピングハイキックを連射しても意地で倒れず。3発目を食い止め、パンピングボンバーを狙ったが、タイチはカウンターのジャンピングハイキックで迎撃し、再び聖帝十字陵でひねり上げた。鷹木は完全にグッタリ。ヒロムがタオルを手にエプロンに上がったものの悩みに悩んだ末に投げず。これ以上は無理と判断したレフェリーが試合を止め、タイチが3本目となるTKO勝ちをもぎ取った。

 43分40秒の死闘を制したのはタイチ。3本先取で勝利を決め、鷹木からKOPWを奪取した。ベルトを手にしたタイチはさすがに疲労困ぱい。それでも何とか立ち上がると、「鷹木、鷹木…何度も俺の前に立ってくれて、俺の壁になってくれて、鷹木どうもありがとう」と感謝のメッセージ。「お前がいたから、これをかけて熱い戦いができた。鷹木、またやろうぜと思ったけど、しばらくいいわ」と続けた。

 「でもよ、こうやって何度も何度も負けても、何度も跳ね返されても、あきらめずにやれば、あきらめずチャレンジすれば必ずいつか結果が出るんだと。やはり人生はチャレンジなんだなって、このメンバーが教えてくれました。どうもありがとう」。そうJust 5 Guysのメンバーにも感謝したタイチはバックステージで「途中で帰りたかったよ。何度も帰りたかったよ。全身しびれて、今もしびれてるよ。こんな経験初めてだし、何でこうなってんのかもわかんない」と過酷な死闘を振り返った。

 その代償として「歴史ないベルトかもしれないけど、IWGP世界ヘビーにも負けてないベルトがもう一つここにもあるってことが証明できたんじゃないか」との感触を得た。「このままだと死人が出る可能性もある。やめた方がいいよ。次は本当に病院送りになるまでってルールになる」と過激さがエスカレートすることを危惧しながらも「この鷹木が作ったしんどさを残したまま、俺らしいKOPWの世界に持って行こうかなと思ってるよ」と新たなKOPW像を築いていく構えを見せていた。


【試合後のタイチ】
▼タイチ「ちょっと待って。無理、無理、無理。もう無理。マジ、マジ、マジ」

▼SANADA「いい酒飲めそうだな」

▼タイチ「乾杯の音頭、誰だ?」

▼SANADA「俺が取らさせてもらいます。5℃?」

▼金丸「その温度じゃないよ、SANAやん」

▼TAKA「乾杯!」

※タイチを中心にJust 5 Guysのメンバーで乾杯

▼TAKA「最高だったよ、最高のKOPW。よかったよかった」

▼タイチ「これ、最低の気分だな。目も痛いし」

▼金丸「目が痛い。コスチュームが臭くなる。素晴らしい。おめでとう」

▼タイチ「わかんない。試合したのか? 手震えてる。途中、全身痺れちゃってダメかと思った」

▼TAKA「ようやったよ、あんなに。あんなの食らってよく立った」

▼SANADA「43分」

▼金丸「長いね」

▼タイチ「IWGP世界ヘビーよりきついかもしれない。でも、それぐらいの価値を鷹木が作ってくれたのは間違いねぇし。昨日今日できたベルトかもしれないけど、俺と鷹木の中では間違いなくIWGPヘビーにも負けてない、価値のあるベルトだと、そう思って戦ってるし、それが獲れて俺はうれしいよ。水色かもしれないし、歴史ないベルトかもしれないけど、IWGP世界ヘビーにも負けてないベルトがもう一つここにもあるってことが証明できたんじゃないか。本当に鷹木には何回も言うよ。感謝してる。俺の前に何回も立ちはだかって感謝してる。これでようやく俺も新しい景色に向かってSANAやんと一緒に、このメンバーと一緒に新しいステージに、1ステージ上に歩いて行ける。そんな気がするよ。やっぱりSANAやんも言った通り、こんな頼もしい仲間がいて獲れてさ。何度もあきらめかけたけど、この4人の声援とか音…途中ふざけたことぬかしやがって。試合中ふざけてんじゃないよ。空耳か? それは俺の気のせいか。それも俺らしい。人生はチャレンジだな、やっぱり。以上。もう何にもない。わかんない。しゃべれない。どうなった?」

――試合を振り返って、どんな心境になった?

▼タイチ「途中で帰りたかったよ。何度も帰りたかったよ。全身しびれて、今もしびれてるよ。こんな経験初めてだし、何でこうなってんのかもわかんないし。だけど俺自身のあきらめない心、そして何より何度もいうように仲間って改めて大事だなって」

――KOPWは過酷なルールが続いているが?

▼タイチ「このままだと死人が出る可能性もある。俺、今日やってよかった。やめた方がいいよ。次は本当に病院送りになるまでってルールになるし。でも、この鷹木が作ったしんどさを残したまま、俺らしいKOPWの世界に持って行こうかなと思ってるよ。鷹木がやれなかった、だけど鷹木が残したもの、KOPWにしかない、しんどいルールも残しつつ新しいところに向かっていくよ。意識飛びそう」

▼TAKA「タイチがこの勲章を手にしたことによってよ、鷹木式が今まで幅利かせてきたけど、これからはタイチ式でよ、これ使っていろんなことやればいいんじゃないかな。いろんなこと仕掛けていくかもしんねぇし。次の挑戦者、相当ハードルが高いってのは今日見てわかると思う。とりあえずベルトがまた来た。少しずついろんなものを集めていって景色を変える。何度も言ってきたけど、この新日本の景色を変えるのは俺たち5人組、Just 5 Guys」

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