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5/24【新日本】デスペがイーグルスとの足殺し合戦制してスーパーJr.Bブロック首位通過 「俺が優勝するしかねぇだろ」

『BEST OF THE SUPER Jr.30』エディオンアリーナ大阪(府立体育会館)第2競技場(2023年5月24日)
Bブロック公式戦 ○エル・デスペラードvsロビー・イーグルス×

 デスペラードがイーグルスとの足殺し合戦を制し、スーパージュニアBブロック1位通過を決定。「俺が優勝するしかねぇだろ」と悲願のスーパージュニア初制覇を誓った。

 スーパージュニアBブロックはデスペラード、YOH、ワトが勝ち点12で首位タイでこの日の最終公式戦を迎えた。ワトがナイトを破り、YOHは金丸に敗戦。デスペラードは負けさせしなければ決勝トーナメント進出が決まる状況でイーグルスと対決した。

 のっけからチョップ合戦で火花を散らし、デスペラードがフロントインディアンデスロックでヌメロ・ドスへの布石を打つ。しのいだイーグルスは高速ジャーマンで反撃。場外戦に持ち込んでお返しとばかりに足攻めに出る。その後もイーグルスがロン・ミラー・スペシャルの布石となる各種足攻めで試合を支配。しのいだデスペラードも足攻めで押し返した。

 一進一退の足攻め合戦を経て、イーグルスがスワンダイブ式ミサイルキックで左ヒザを射抜き、ロン・ミラー・スペシャルで捕らえた。デスペラードもすぐさまロープに逃れ、スパインバスターで逆襲。ヌメロ・ドスで絞め上げる。立ち上がって逃れたイーグルスはカナディアンデストロイヤーでグサリ。デスペラードの動きが一気に鈍った。

 それでもデスペラードは逆水平合戦を強烈なエルボーで制し、ニークラッシャーを敢行したが、2度目をロン・ミラー・スペシャルで切り返されてギブアップ寸前に追い込まれてしまう。蹴り技を連発されたデスペラードはカウンターでキャッチしてのドラゴンスクリューをさく裂。ギターラ・デ・アンヘルで叩きつけた。ピンチェロコをフェイントにヌメロ・ドスを狙うと、イーグルスがロン・ミラー・スペシャルで切り返しにかかったが、デスペラードがさらにヌメロ・ドスで切り返した。

 イーグルスも再びカナディアンデストロイヤーで切り返しにかかったが、デスペラードはデュードバスターで真っ逆さま。イーグルスの抵抗をグラウンドドラゴンスクリューで黙らせると、再びヌメロ・ドスで捕獲。一気に絞め上げてイーグルスをギブアップに追い込んだ。

 デスペラードが7勝目を挙げ、勝ち点14で公式戦全日程を終了。Bブロック1位通過を決めた。試合後、「言うてもまだ予選が終わったばっかなんだ。信じらんねぇよ。何だ? このキチガイみたいな日程は」と振り返ったデスペラードは「でも、そのキチガイじみた日程の最後の最後が俺とロビーだ。どうだった?」と問うと、大阪のファンは大歓声。「ありがとな、ロビー。お前じゃなかったら、こんななってねぇぞ」と感謝したデスペラードは「実は君たちは知らないかもしれないけど、スーパージュニア優勝したことないんだ。ここまで引っ張ったんだ。俺が優勝するしかねぇだろ。今年は俺が締めるぞ。スーパージュニアは俺のもんだ」と初制覇を宣言して締めた。

 この結果、5・26代々木大会の準決勝は「デスペラードvsティタン」、「マイク・ベイリーvsワト」に決定。あと2大会で今年のスーパージュニア優勝者が決まる。


【試合後のデスペラード】
▼デスペラード「こんだけしんどい思いして、ようやく予選終了だ。毎回毎回、決勝戦の気分だよ。ロビー、終わってからお前が言ったことは忘れん。もとよりそのつもりだ。最高じゃないか。ほぼ純新日本。一人二人ぐらいだろ? ゲストは。これが新日本プロレスのジュニアの層の厚さ、濃度の濃さだ。各試合外れなんかないだろ。さて、こっからだ。えぇと、基本的に予選を1等賞で通過した時は良くないことが起こる。相手誰だ? 誰かわかる? 1位と2位と…何か俺よくわかってねぇんだよ。Aブロックそもそも気にしてねぇしな。Bブロック通過するまでAブロック予選のことを気にする余裕なかったし。知ってる人?」

――1位がマイクベイリー、2位がティタンだが?

▼デスペラード「1位が2位とやるから俺はティタンか。凄ぇな。10年前、ルチャリブレ好きなだけで大して何もできない人間がCMLLの第3試合に入る。向こうの人間は各試合、各試合、1回1回、試合をして、そのファイトマネーが給料なわけだ。一人でも枠が潰れたら一人給料がなくなるんだよな。そういう時、あいつはだいたい同じ第3試合目だった。練習も一緒にやったよ。あいつの家に遊びに行った。俺のせいで試合が飛んだこともあっただろう。人数的な意味でな。枠があるんだから、それぞれ。少なくとも俺が見える範囲であいつは俺に嫌な顔をせず、いつも助けてくれた。あいつの家で、あいつはあまり酒飲まないけど、俺は昼間からあいつの汚ぇ、グラウンドにある整備室みてぇな部屋だ。マジで。6畳、地べた、ベッドなし、ただ地べたにマットレス。家の隅っこにTシャツがたくさん積んであって、練習着なのか普段着なのか区別もつかねぇ。床には靴が何足か。そんなところに遊びに行かせてもらって、俺は昼間からビール飲んでたら、ソベラーノが遊びに来たりよ。俺の青春は間違いなくメキシコにあった。そんなヤツとスーパージュニアの決勝出るか出ねぇかを競うってのも面白いね。でも、ここは俺の庭だ。昔の恩はちゃんと持ってる。それはちゃんと返す。お前が日本に来た時、俺は必ず助ける。でもリングの上では譲らん」

【ロビーの話】「(藤田に抱えられてやって来ると、一旦床に倒れ込んでから上半身を起こして大きなため息をつき)俺はここに座って、過去のように泣き言を言うつもりはない。でも、本当に立てないんだ。彼(デスペラード)は(日本語で)メッチャ、ナマイキ。両足が…あぁ…。デスペラード、お前は恐らく俺の最大のライバルだ。さっきの俺から獲った勝利がこの“スーパージュニア"という階級の最強であることを証明したと思ってる。俺から勝利を得たということ、そこに意味がある。でも俺は諦めない。BEST OF THE SUPER Jr.は俺の長年の夢だ。新日本プロレスで唯一、叶えることのできていない夢だ。オンラインでも今日の試合がどれほど大事なものかと投稿したら、それに対して多くの人が俺こそが勝利に値すると言ってくれて。でもこの業界ではありがちな話で、そんなのは全く通用しないんだ。もしそれが本当なら、俺はこのトーナメントを5回制覇していなければおかしい。2021年にIWGPジュニアヘビー級王座、IWGPジュニアタッグチーム王座を同時に獲ったけど、声援を受けることなく、見下された。俺はいったいこれ以上、何をやれば人々から注目してもらえるんだ! 俺はこのトーナメントのMVPになっても、トーナメントを制覇しない以上、意味がないと言った。今も全くその通りだと思う。俺は世界中の強豪ぞろいの中に名前を並べないといけないからで、全く身勝手な理由ではない。俺は忘れられがちな国の出身で、最高峰まで成し遂げたプロレスラーは数人しかいない。でも、それ以上いるべきなんだ。でも、世界のどこからも遠い場所にあって、誰からも注目されない。だからこそ、俺はこのスーパージュニアを制覇して、またジュニアヘビーの王座を獲らなくてはならないんだ。オーストラリアを見て、たくさんの最高のプロレスラーがいる国だと認知してもらわなくてはいけないんだ。(自分のタイツに縫われたフィリピンの旗を指差し)フィリピンも同じだ。才能あるプロレスラーが軒並みいるが、国が違うだけで全く注目されていない。オーストラリアで俺たちに巡ってくるチャンスをアメリカやイギリス、プロレスが盛り上がっている国々、プロレスで生計が立てられる国々のヤツらに巡ってくるチャンスと同じようにしなくてはいけない。『NEW JAPAN TAMASHII』はその一部だ。ロビー・イーグルス、BEST OF THE SUPER Jr.覇者になるまで、(立ち上がり、痛みで思わず声を上げてから)俺は止まらない」

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