プロレス・格闘技の情報満載!全日本・ノア公式モバイルサイト

7/30【新日本】棚橋が手負い後藤を非情粉砕 準地元で久々「愛してま〜す」締め

『ヤマダインフラテクノス Presents G1 CLIMAX 33』愛知県体育館(ドルフィンズアリーナ/名古屋市)(2023年7月30日)
Dブロック公式戦 ○棚橋弘至vs後藤洋央紀×

 棚橋が手負いの後藤を容赦なく攻めてハイフライフローで粉砕。“準地元"の名古屋で久々に「愛してま〜す」と拳を突き上げて、今G1で初めてメインを締めた。

 2勝2敗で並ぶ棚橋と後藤が名古屋大会で対決。4年連続でG1同ブロックとなった2人だが、昨年は後藤が勝利し、「お父さんは本当には強いんだ!」と愛する息子へのメッセージを叫んた。しかし、今年の荒武者は7・23長野大会で脇腹を負傷。7・26後楽園大会ではアレックス・コグリンに6分あまりで敗れ、怪我は深刻な状況だった。

 どちらにとっても準地元である名古屋での一戦。今大会でも右腹部にテーピングを施して入場した後藤だが、必死の奮闘を見せる。エルボーを連発すると、序盤からGTRの構え。冷静な棚橋に丸め込まれても気持ちで引かず、ショルダータックルで場外まで吹き飛ばした。後藤は脇腹を気にしながらも、棚橋を先にリングへ押し入れた。

 スキを突いた棚橋はロープを挟んだ状態でドラゴンスクリューを連発。容赦なく後藤の脇腹にストンピングを浴びせる。棚橋は休む暇を与えずに攻め続けると、後藤は脇腹のみならずヒザまで押さえて苦しんだ。

 それでも後藤は追尾式ラリアットでなんとか一矢報いる。客席からは「後藤」コールが発生。荒武者は村正、バックドロップの連続攻撃で流れを変えると、奥の手・雪崩式回天の構えに。だが、この大技を防いだ棚橋は雪崩式ドラゴンスクリューで鎮圧。後藤も追尾式ラリアットで食らいついたものの、攻勢を緩めない棚橋はスリングブレイドでやり返した。先に立ち上がった棚橋は脇腹をガッチリと固めると、ダルマ式ジャーマンで追撃。ハイフライフローで勝負に。

 後藤は自爆を誘うと、棚橋のビンタに被弾しながらも牛殺しで執念を発揮。逸材の両手を固めた状態で頭突きを連続してねじ込むと、GTWで叩きつけた。そして、昇天・改を狙うが、棚橋は脇腹ごと押し潰して防御。動きの鈍った後藤にショートレンジのスリングブレイドを決めると、最後はハイフライフローアタックからハイフライフローにつなげて3カウントを奪った。

 棚橋が後藤を容赦ない攻撃で下し、3勝目を獲得。出身地の岐阜県に近い準地元・名古屋大会のメインで勝利した。名古屋のファンから棚橋コールを受けると、「名古屋に新日本プロレスが、そして、会場に声援が帰ってきたぞ!」と雄叫び。大声援を浴びると、感極まった表情を浮かべつつ、「皆さん、本当にありがとう。心から感謝しているんです。まだプロレスを楽しんでもらえる、そういった状況を絶対俺が…この俺が作り上げるからな!」と叫んでリングに倒れ込んだ。

 棚橋は「まだまだG1公式戦続くんで、頑張っていきますね」と観客に誓うと、一旦マイクを置いたものの、声援に応えて再びリングイン。「物凄い覚えてないぐらい久しぶりにやりますか」とアピールすると、セコンドからエアギターを受け取ってかき鳴らす。「アンコール」の声に応えて、3度演奏し、「棚橋最高!」コールを浴びて笑顔を見せた逸材は「最高なのか、優勝なのか。最高はもう全日本にいるからな。G1 CLIMAX、ちょっくら優勝してきます」と断言。「最後に名古屋の皆さん、愛してま〜す!」と観客とともに拳を突き上げた。

 白星を先行させた棚橋は「こういうG1 CLIMAXの公式戦の中で今日の会場、今日の対戦相手、いろんなタイミングでいろんな条件が重なると、やっぱりこう過去の記憶、そういうものがいつも以上の棚橋を出してくれたんじゃないかなと思う」と試合を振り返りつつも、「ただ、プラスアルファがないと、今の棚橋はやっぱり厳しいというのをしっかり受け止めて」とシビアに自分の状況を見定めた。

 次戦は8・2広島大会でのアレックス・コグリン戦。そして、8・5&8・6大阪2連戦を挟んで、最終公式戦となる8・9浜松大会では内藤哲也戦が控えている。「広島、俺のパワースポット。内藤のパワースポットでもあるけどね。そして、静岡の対戦相手、内藤。大阪はね、しっかりコンディションを作ってクソ盛り上げて、Dブロックに注目を集めるんで、まだまだ最後まで目を離さないで」とアピールした棚橋は「そうして最後には、ちょっくら、ちょっくら、いや、必ず優勝してきます」と5年ぶりの優勝を誓った。

 一方、敗れた後藤だったが、「俺たち棚橋世代は、まだまだこれからなんだよ! いいか、俺は絶対に、最後まで諦めねえぞ!」と断言。脇腹の負傷を抱える荒武者は8・2広島大会でジェフ・コブと対戦する。

【棚橋の話】「よし! これで勝ち点を五分に。勝敗を五分に。こういう『G1 CLIMAX』の公式戦の中で今日の会場、今日の対戦相手、いろんなタイミングでいろんな条件が重なると、やっぱりこう過去の記憶、そういうものがいつも以上の棚橋を出してくれたんじゃないかなと思う。ただ、そこだよね。プラスアルファがないと今の棚橋はやはり厳しいというのをしっかり受け止めて、(指を折って)広島、俺のパワースポット。内藤のパワースポットでもあるけどね、そして静岡の対戦相手、内藤。大阪はね、しっかりコンディションを作ってクソ盛り上げて、Dブロックに注目を集めるんで、まだまだ最後まで目を離さないで。そうして最後には、ちょっくら、ちょっくら…いや、必ず優勝してきます」

【後藤の話】「(呻き声を上げながらインタビュースペースに着くと床に手とヒザを突き、背中を少し冷やして向き直り、脇腹に手をやって顔をしかめ)クソッ……クソッ……。勝てはしなかったけど(体勢を変えて座り)これで分かっただろう。俺たちの世代はまだ全然終わっちゃいねぇんだ。(片ヒザ立ちになって)俺たち棚橋世代は、まだまだこれからなんだよ! いいか、俺は絶対に最後まで諦めねぇぞ!」

プロ格 情報局