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8/13【新日本】内藤が6年ぶり3度目のG1制覇、オカダの3連覇阻止 「このリングの主役は…俺だ!」

『ヤマダインフラテクノス Presents G1 CLIMAX 33』両国国技館(2023年8月13日)
優勝決定戦 ○内藤哲也vsオカダ・カズチカ×

 内藤がオカダの3連覇を阻み、6年ぶり3度目のG1制覇。終始続いた「内藤」コールに応えて勝利をもぎ取った制御不能男は、かつて何度も口にした言葉「このリングの主役は…俺だ!」を叫ぶと、最後は「デ!ハ!ポン!」の大合唱で締めくくった。

 内藤は前夜の準決勝でウィル・オスプレイと壮絶な死闘を展開。最後はデスティーノ3連発で勝利をもぎ取り、6年ぶりにG1の決勝に勝ち上がった。対戦相手は3連覇を狙うオカダ。両者は昨年に3度対戦しているが、内藤が1勝2敗と負け越している。制御不能男は6年ぶり3度目のG1制覇を狙って、レインメーカーと雌雄を決した。

 1年3ヶ月ぶりに一騎打ちとなったが、G1の決勝で対戦するのは初めて。ゴングと同時に集まった8283人の観客から「オカダ」コール、「内藤」コールが巻き起こり、真夏の両国に期待感が充満した。

 序盤からシーソーゲームになったが、オカダはエプロンでの急角度DDTで内藤をリングアウト寸前に追い込むと、リングでもDDTで突き刺す。負けじと内藤は各種バックブリーカーを連発。ヒップトス式の牛殺しや鉄柵へのネックブリーカードロップなどエグい攻撃を繰り出したが、オカダもリバースネックブリーカーで巻き返し、互いに必殺技につなげるべく首を攻め合う消耗戦に。

 オカダが先に動いた。コーナー上の内藤をドロップキックで蹴り落とすと、場外では非情なツームストンパイルドライバーを強行。リングに戻ると、ジャーマン、ローリングラリアットと大技を連発した。レインメーカーは空を切っても、完璧なタイミングでドロップキックを発射。内藤は大の字に。両国は大きな「内藤」コールに包まれる。

 内藤はオカダのエルボースマッシュに被弾しながらも、ツバを吐きかけて意地の反抗。スイング式DDTで突き刺すと、後頭部へのバックエルボー乱射や雪崩式フランケンなどで再び執ような首攻めを展開する。エスペランサやバレンティアでも首を攻めると、準決勝に続きスターダストプレスで勝負に出た。G1初制覇を遂げた際の必殺技だったが、オカダが避けて痛恨の自爆に。

 30分経過直後からオカダが反撃に出るも、内藤はレインメーカーをかいくぐり、棚橋弘至を破ったスイングDDT式首固めでクルリ。オカダがキックアウトしても若手時代から得意とするジャンピングエルボーをぶち込んだ。しかし、オカダはドロップキックで鎮圧。開脚ドライバーにつなげると、再びレインメーカーへ。

 内藤がデスティーノで切り返しを狙っても、踏ん張ったオカダはショートレンジラリアットをズバリ。それでも引かない内藤は秘策のポルボ・デ・エストレージャで丸め込んで揺さぶると、コリエンド式デスティーノを決めて勝機を掴んだ。正調デスティーノを読んだオカダは急角度の変型ドライバーで突き刺したものの、内藤はまさかのレインメーカー式デスティーノで大逆転。一気に正調デスティーノにつなげて3カウントを奪った。

 オカダを上回る大歓声を浴び続けた内藤が34分を超す激闘を制し、史上最大となる32人が出場した2023年のG1制覇。オカダの3連覇という大記録樹立を阻み、6年ぶり3度目の優勝を果たした。

 両者はリング上でしばらく大の字。それでも大「内藤」コールが巻き起こると、内藤が勝ち名乗りを受ける。敗れたオカダはセコンドの肩を借りてリングをあとに。オカダにも大きな拍手が送られた。内藤には優勝トロフィーが贈呈され、G1男・蝶野正洋から優勝旗も渡される。内藤と蝶野は拳を突き合わせるL・I・J流のポーズを決めた。

 L・I・Jのメンバーがリングに現れて内藤を祝福。マイクを持った内藤は「今年で33回目を迎えたG1 CLIMAX、今年も例年通り…いや、例年以上にこのG1 CLIMAXの夏を皆様楽しんでいただけましたでしょうか? 7月15日、北海道立総合体育センターで開幕した今年のG1 CLIMAX、テレビ、インターネットを通じて、そして各会場で応援してくださった方々、そして今日、両国にお集まりくださったたくさんのお客様、心から感謝いたします。グラシアス・アミーゴ」と感謝の言葉を口にした。

 そして、「俺、“ずっと"という言葉あまり好きじゃなくて。だからこそ、今を思い切り楽しみたい。だからこそ今というもう二度と戻らないこの瞬間を目一杯楽しみたい」と今の思いを語ると、「俺は何度でも言いますよ。このリングの主役は…俺だ」と断言。かつてブーイングを浴びても言い続けたL・I・J以前の決め台詞を叫んで、またも「内藤」コールを巻き起こした。

 最後は昨日に続く大合唱締めに。内藤は「じゃあ、皆様、最後は思いっきり叫びましょうか。このG1 CLIMAX史上最高の大合唱、皆様準備はよろしいでしょうか?」と煽ると、「新日本プロレス、『G1 CLIMAX 33』、最後の締めはもちろん」と前口上。L・I・Jのメンバーの名前を次々と叫ぶと、最後は8283人の観客とともに「デ!ハ!ポン!」の大合唱締め。L・I・Jのメンバーと拳を合わせると、再び大きな「内藤」コールに包まれ、激闘続きとなった33回目のG1はフィナーレとなった。

 バックステージで内藤は「これからどうするか、明日会見あるのかな。明日会見で何を話すか。そのへんはまた後で寝て起きた時に考えるよ。今は何も考えたくない」としたうえで、「とにかくこのG1 CLIMAX33、無事に終えれたこと、そして優勝という最高の結果を残し、今日この舞台、この場所に立てていることをうれしく思いながらいい夢を見たいですね」と6年ぶりの栄冠をじっくりと噛み締める構えをみせた。

 そして内藤の前にジェフ・コブが現れた。コブは初戦で内藤を撃破しており、「G1・2日目、俺はお前を倒している。チャレンジ・ユー」と宣戦布告。内藤が「いつ?」と問うと、コブは「すぐにだ」と即答した。「もうさ、1ヵ月近く前のこと、今思い出したくないよ。今日は今、この瞬間を俺は楽しみたいよ」としながらも内藤にとってコブへの雪辱はG1覇者として避けて通れそうにない。ロード・トゥ・1・4の第一歩はコブとの再戦となりそうだ。


【試合後の内藤、コブ】

※コブが拍手しながら現れて

▼コブ「ガンバッテ、ベイビー。ガンバッテ。ヘイ、ユー・チャンピオンね」

▼内藤「凄い? 内藤凄い?」

▼コブ「イェイ。ああ、だがサッポロでお前を倒したことを覚えてるか?」

▼内藤「……いつ?」

▼コブ「サッポロでだよ。G1の初日、いや2日目だった。メインイベントだったよ。だからあの負けを挽回するまではG1チャンピオンなんて呼ぶことはできないぞ? ダイジョブ? ……ア、オミヤゲ」

▼内藤「オミヤゲ? お金?」

▼コブ「(いつも身に着けているポシェットから何かを出すふりをして中指を立てる)だからね、俺がチャレンジしてもいいだろ?」

▼内藤「チャレンジ?」

▼コブ「アイ・チャレンジ」

▼内藤「おぉ。ウェン(いつ)?

▼コブ「スーン(すぐにだ)!」

▼内藤「スーン?」

▼コブ「ガンバッテ。アディオス」

※コブは去る

▼内藤「ずいぶん礼儀正しいガイジンだね。もうさ、1ヵ月近く前のこと、今思い出したくないよ。今日は今、この瞬間を俺は楽しみたいよ。6年ぶり3度目の優勝。これからどうするか。明日会見はあるのかな? 明日会見で何を話すか。そのへんは、またあとで寝て起きた時に考えるよ。今は何も考えたくない。とにかくこのG1 CLIMAX 33、無事に終えれたこと、そして優勝という最高の結果を残し、今日この舞台に、この場所に立てていることをうれしく思いながら、いい夢を見たいですね。何か聞きたいことはあります? ありますか? あったとしても残念ながら今、答える気はないな。俺の言いたいこと、俺の答え、何だと思いますか? そう、俺の答えはもちろんトランキーロ。あっせんなよ。とにかく今日は疲れたんだ。カンサードなんだ。ゆっくり、そうだな。27時間ぐらいかな。ゆっくり寝かせてくれよ。明日、会見あるのかな? あるのかどうか知らないけど、もしあるのであれば、また明日、皆様、会見場に楽しみにしながらお待ちください。いつ始まるのか、その答えはもちろんトランキーロ、あっせんなよ。アディオス」

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