9/16【全日本】鈴木秀樹が諏訪魔との決着見据えて宣戦布告 「向かって来いよ、ただ俺のやり方でやるぞ」
鈴木秀樹が対諏訪魔を全日マットにおけるテーマと明確にし、「俺はここにいるから向かって来いよと。ただ、俺のやり方でやるぞ」と宣戦布告した。
鈴木は7・16新木場大会で9年ぶりに全日本参戦を果たし、9・14新木場大会では野村卓矢&阿部史典と組んで、諏訪魔&田村男児&井上凌に勝利した。その前に諏訪魔とは天龍プロジェクト8・16新木場大会における6人タッグマッチ(鈴木&佐藤光留&河野真幸vs諏訪魔&SUSHI&田村)で対戦している。
9・14新木場では諏訪魔とレスリングを主体としたせめぎ合いを展開。鈴木が「来いよ」と手招きして挑発する姿が印象的だったが、その先の展開を描いて罠を張り巡らせる鈴木と、容易に飛び込まずスキを窺う諏訪魔の構図は緊迫感に満ちたものだった。「あれが僕はプロレスだと思って戦っている」という鈴木にすれば相手、状況に応じて戦術を駆使して戦っているに過ぎない。「出来ない人は恥ずかしいと感じた方がいいですね。そもそも、それが出来ない人はプロレスラーじゃないわけですから。僕の気持ちとしては当たり前のことを当たり前にやっただけ。それは対戦相手の諏訪魔もそうなんでしょうけど」と持論を展開した鈴木は「そこをコントロールしきれないようにさせた諏訪魔の力も多少感じましたけどね」と振り返った。
その2度のタッグ対決を通じて鈴木は「今のところ全日本というよりは諏訪魔かなって感じ。僕の中でやることはそこ」と全日本参戦のテーマを定めた。鈴木はIGFでデビューしているが、2014年に退団。当時から諏訪魔は気になる存在だったという。その年の6月には全日本初参戦と諏訪魔との初対決が実現している。
「いろいろやらかしてることもあるじゃないですか、あの人。天龍さんの引退興行とか。そういうのを見ていて、あなたのやりたいこととお客さんが見たいものは違うんじゃないの?というのはずっとありましたね」との疑問もあって、鈴木は諏訪魔のことを「カマボコ野郎」と揶揄してきた。時に暴走する諏訪魔をけん制するように「お客さんが見たいものを提供するのがプロだから、ちゃんとプロレスやろうぜってことですね」と投げかけた。
鈴木は自身のX(旧Twitter)アカウントで「#ちゃんとプロレスやろうぜ」のハッシュタグを発信し続けてきた。NOAH中嶋勝彦がDDT遠藤哲哉を張り手で失神させた際、秋山準が発した言葉だが、鈴木は「違うんだと思いますよ。仲間がやられたなら、その時点で向かっていけばいいと思ったし」とプロレス観の違いを感じた。「あれから1年以上経って、誰もあんまり言及しなくなったんですね。灯を絶やしちゃいけないんですよ。風化させちゃいけない」というのが発信を続ける理由で、「そういう悪い趣味を持ってるんですよ、僕は。もともとの性格の悪さじゃないかなと思います」と自らを卑下した。
強いこだわりを持つ鈴木にすれば、諏訪魔の「鈴木秀樹、プロレスしようぜ」発言は看過できず。「『プロレスしようぜ』って間違ってる。『プロレスやろうぜ』だ」と事あるごとに誤りを指摘してきた。「プロレスラーなんだからプロレスやるのは当たり前の話で。それをいちいちプロレスやろうぜって言うことが異常なことであって、ありえない話」と釘を刺す一方で、「僕の中ではちゃんとしたプロレスを…ちゃんとしたプロレスといったら変ですけど、普通にプロレスやっただけ」と振り返ったように諏訪魔との戦いに不満はなかった。
だからこそ、「やり足りねぇ、こりゃ続くぞ」とネクストを見据えていた諏訪魔に対し、鈴木も「やるしかないでしょう。今までなんとなくフワフワとやって決着つかなかったわけだから」と呼応した。10・9角田大会では鈴木が新崎人生&岩本煌史、諏訪魔が田村&井上とそれぞれ組んでの再激突も組まれている。いずれはシングル対決も期待されるところだが、「お客さんが見たいものを提供するのが僕らですから、最終的な形としてシングルマッチがあるのかもしれないし、どういう形で決着つくかわからない」というのが本音。「こないだの6人タッグも僕の中では決着戦だし、次、10月の東北で当たる時も決着戦だし。どっかでシングルが組まれるだろう、組ませようと思ったうえでの試合をしてるつもりは一切ない」との考えを示した鈴木は一戦一戦を諏訪魔との「最後の勝負」と意識して臨むつもりだ。
9・14新木場では探り合いに終始した感があるが、10・9角田ではさらに踏み込んだ戦いとなるか。「俺はここにいるから向かって来いよと。ただ、俺のやり方でやるぞってこと」と宣戦布告した鈴木の目はすでに諏訪魔との再戦へと向けられている。
【鈴木秀樹インタビュー】
――リング上のお話を伺う前に、「#ちゃんとプロレスやろうぜ」のハッシュタグを使い続けている理由をお聞きしたいのですが?
▼鈴木「あれから1年以上経って、誰もあんまり言及しなくなったんですね。灯を絶やしちゃいけないんですよ。風化させちゃいけない。そういう悪い趣味を持ってるんですよ、僕は」
――ある意味、ケンドー・カシン譲りかもしれないですね。
▼鈴木「よく言われるんですけど、もともとの性格の悪さじゃないかなと思います」
――そんなことはないと思いますが?
▼鈴木「よくないと思います。人として終わってると思います。周りに言われなくても、いや分かってるからって。僕、別に自分のことをいい人間だとも、ちゃんとしてる大人とも思ってないですから。自覚してます」
――使い続けていく中で目指す着地点はありますか?
▼鈴木「これはないです。でも半永久的に。永久電池ですよ。永久にちゃんとプロレスやろうぜ。いずれ『ちゃんとプロレスやろうぜ』に無限大のマークがつくかもしれない」
――鈴木選手のプロレス観とは違うということですね?
▼鈴木「そこだけじゃないですけどね。違うんだと思いますよ。仲間がやられたなら、その時点で向かっていけばいいと思ったし。みんなそれぞれそうだと思いますけど、プロレスじゃなくても自分が教わった人の影響って強く受けるじゃないですか。僕の場合、やっぱり(ビル・)ロビンソンだったり、ケンドー・カシンだったりとかがあるから。ケンドー・カシンなんて四半世紀以上、言い続けてますからね。中西学さんのことを。何であんな言い続けるんだろうと思ったけど、自分も大して変わらないと思うと、言葉にうまくできないけど、理由がちゃんとあるんだなと」
――鈴木選手が言い続けてきたことで浸透してきた感があります。
▼鈴木「どうなんですかね。半々か、下手したら8割ぐらいは嫌なんじゃないですか。『いつまでもしつこく言って』って思ってるんじゃないですか。そういう方々に言いたいです。いつまでもしつこく言い続けますと。でも相手にしてもらいたいとか全く思ってないですよ。ただ言いたい。それだけ。諏訪魔のカマボコ野郎も藤田(和之)さんが言った言葉ですけど、あれも理由を聞いたら面白いからずっと言い続けてるんです」
――「ちゃんとプロレスやろうぜ」は田村選手や井上選手など全日本勢も使うようになってきましたね。
▼鈴木「田村選手はちゃんとしてるからやめた方がいいんじゃないかなと思う反面、自由に好きに使っていただいて。ただ一つ言いたいのは、お前らの先輩の諏訪魔が『プロレスしようぜ』って間違ってる。『プロレスやろうぜ』だよ。そういうとこがダメなんだよ」
――7月から久しぶりに全日本に上がるようになりましたが、対全日本で具体的に描いているテーマは?
▼鈴木「天龍プロジェクトでUNタッグに挑戦した時から全日本プロレスの選手たちと戦うようになって、その中で諏訪魔が出てきて。今のところ全日本というよりは諏訪魔かなって感じ。僕の中でやることはそこなのかなというのがありますね」
――天龍プロジェクトの一員としてUNタッグを取り返すという意識も強いですか?
▼鈴木「もちろん、最初に100%その理由があったんですけど、諏訪魔という存在も僕の中にはずっとあったので。同じぐらいのレベルで考えてますね」
――諏訪魔選手は「鈴木秀樹、プロレスしようぜ」と発言していました。
▼鈴木「僕以外じゃなくてもプロレスやれよと。プロレスラーなんだからプロレスやるのは当たり前の話で。それをいちいちプロレスやろうぜって言うことが異常なことであって、ありえない話であって。僕らの仕事ですからね、プロレスをやるのは。それをわざわざ言うことほど愚かなことはないということですね。僕はもともと全て自分がやっていることがプロレスですから」
――9・14新木場ではレスリングの攻防に引き込まれました。
▼鈴木「僕はあの時に限らず常に同じことをしてると言ったら変ですけど、あれが僕はプロレスだと思って戦っているので。言葉狩りになってしまうとホントは嫌なんですけど、レスリングの攻防っていうふうにたぶんマスコミの方々が思ってしまうってことが、いかにそれが少ないことの証明だと思うので。出来ない人は恥ずかしいと感じた方がいいですね。そもそも、それが出来ない人はプロレスラーじゃないわけですから。僕の気持ちとしては当たり前のことを当たり前にやっただけ。それは対戦相手の諏訪魔もそうなんでしょうけど」
――最近あまり見ない攻防なので逆に新鮮に映りました。
▼鈴木「それがいいか悪いか微妙なところですね。仕事をするうえで特殊性というか、自分じゃなきゃできないものを持ってれば強いじゃないですか。今おっしゃっていただいたことが僕の特殊性ではあると思うんですけど、それってどうなのかなと思う時もあります」
――新木場では諏訪魔選手とちゃんとプロレスをやったということですね?
▼鈴木「そうですね。僕の中ではちゃんとしたプロレスを…ちゃんとしたプロレスといったら変ですけど、普通にプロレスやっただけですよ」
――10・9角田大会でも対戦が組まれていますが、今後、諏訪魔選手と戦っていくうえで楽しみな部分はできましたか?
▼鈴木「これはわりと前からずっと、フリーになった時に一番最初のどっかのインタビューで答えてるんですけど、興味はあったんですね。それは変わらないですよ、ずっと。変わらないけど、いろいろやらかしてることもあるじゃないですか、あの人。天龍さんの引退興行とか。そういうのを見ていて、あなたのやりたいこととお客さんが見たいものは違うんじゃないの?というのはずっとありましたね。お客さんが見たいものを提供するのがプロだから、ちゃんとプロレスやろうぜってことですね」
――いずれシングル対決も期待されます。
▼鈴木「これは濁してるとか一切そういうことじゃなく、こないだの6人タッグも僕の中では決着戦だし、次、10月の東北で当たる時も決着戦だし。どっかでシングルが組まれるだろう、組ませようと思ったうえでの試合をしてるつもりは一切ないんで。プロレスってホント何が起こるかわからないし、何かがあって、これが最後になるかもしれないですから。と考えたらシングルがあるからどうだとか、タイトルマッチ目指してどうとか、そういう考えは僕には一切ないので。1回1回が最後の勝負だと思って悔いなく戦ってますよ。僕なんかフリーランスなんで『お前なんかいらねぇよ』っていつ言われるかわからない立場なんで、そういうことももちろんあるから。だからこそ一回一回を前哨戦にはしたくないですね。するつもりもないし。お客さんが思う決着と僕が思う決着は少し違うんですけど、さっき言ったようにお客さんが見たいものを提供するのが僕らですから、最終的な形としてシングルマッチがあるのかもしれないし、どういう形で決着つくかわからないですね」
――シングルだろうがタッグだろうが勝負を決めるのは同じということですね?
▼鈴木「じゃなかったら、いわゆる前哨戦的に組まれた試合しか見れなかった人たちに対して失礼じゃないですか。これカッコつけとかじゃなくて本当に。こないだの新木場もタイトルマッチの前哨戦二つやってたけど、そこはもちろん全力でやってるはずだと思うんですよ。メインのお客さんの歓声も聞こえてきたし、そこに前哨戦という意識は選手たちは持ってはいけないと思うし、ここで勝負を決めるんだという戦いをやらなきゃいけないですよね」
――一戦一戦が勝負、いつ決着がつくかわからない部分でいうと、諏訪魔選手との勝負がこれから続いていくのは望むところですか?
▼鈴木「やるしかないでしょう。今までなんとなくフワフワとやって決着つかなかったわけだから。俺はここにいるから向かって来いよと。ただ、俺のやり方でやるぞってことです」
――新木場では鈴木選手のやり方だったように感じました。
▼鈴木「そこをコントロールしきれないようにさせた諏訪魔の力も多少感じましたけどね」
――派手さがなくても、そういったせめぎ合いもプロレスの勝負のポイントですよね。
▼鈴木「そこがお客さんであり、マスコミの人に伝わっていたのであれば、お客さんが見たいものを提供できてたんだと思いますね」
――諏訪魔選手は「やり足りない。こりゃ続くな」と発言していました。
▼鈴木「お前が言うなって伝えといてください(笑)」