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11/12【DDT】上野が親友・ブルックス撃破で涙のKO-D王座初戴冠 感謝の「ありがとう」締め

『Ultimate Party 2023』東京・両国国技館(2023年11月12日)
KO-D無差別級選手権試合 ○上野勇希vsクリス・ブルックス×

 上野が親友・ブルックスを下し、涙のKO-D無差別級王座初戴冠を達成。The 37KAMIINAのメンバーのほか、所属選手やファンに何度も感謝すると、最後は観客とともに「ありがとう!」の雄叫びで両国大会を締めくくった。

 7・23両国大会でKO-D無差別級王座を奪取したブルックスは、その後、入江茂弘、赤井沙希を破り、2度の防衛に成功。王者のまま再び両国のメインに立った。そんな王者に挑むのは悲願のKO-D初戴冠を目指す上野。ユニットこそ違えど、仲の良い親友の2人は遺恨なき激闘を繰り広げた。

 トルニージョで先制した上野は、場外戦になると入場ゲート上から笑顔を浮かべてケブラーダを発射。負けじとブルックスも本部席のテーブルの上でパイルドライバーを強行し、荒れた幕開けに。ブルックスはしつこく得意のオクトパスストレッチを狙う作戦に出た。上野は必死に反撃したものの、苦しい展開が続き、エプロンでのツームストンパイルドライバーで大ピンチに陥る。

 だが、上野はコーナーに上がったブルックスに、場外めがけての雪崩式フランケンを敢行。決死の荒技で形勢打開を果たし、試合をイーブンに持ち込んだ。上野がダルマ式ジャーマンを決めれば、ブルックスも得意のプレイングマンティスボムでお返しし、その後も一進一退のシーソーゲームが続く。

 先に勝負に出た上野はパイルドライバー、後頭部へのランニングニー、ダイビングボディプレス、そして必殺のWRと一気呵成。強烈なヒザ蹴りをねじ込むと、BME(ステップアップ式ムーンサルトプレス)を投下する。これを下から蹴り上げて撃墜したブルックスが一転して猛攻。みちのくドライバーII、プレイングマンティスボムと出し惜しみせずにたたみかけると、意識もうろうとする上野を担ぎ上げてからの変型プレイングマンティスボムで突き刺した。

 勝負あったかと思われたが、上野は意地のキックアウト。場内がドッと沸くと、上野はバズソーキック3連発を食らっても立ち上がり、なりふり構わないラリアットを振り抜いて執念を見せる。ブルックスのビンタ連打には高打点ドロップキックで返答。BME2連発でもブルックスは沈まなかったが、上野は今日2発目のWRでついに3カウントをもぎ取った。

 デビュー7年の上野が5度目の挑戦でついにKO-D無差別級王座初戴冠。ブルックスは名残惜しそうにベルトを手にするが、潔く上野の腰に自ら巻いて祝福。2人は抱擁して健闘を称え合った。

 上野は「クリス、あなたは日本に来たときから素敵で、僕はすぐにあなたと友達になりたいと思いました。でも、それはあなたが本当に素晴らしいレスラーで、素晴らしい人間で、今は誰よりも僕はクリスが、ハチャメチャで、楽しくて、強くて、面白くて、バカで、最高のDDTだと思います」とマイクで親友を称賛。「クリスはこれからも日本にいて、DDTで僕と一緒に何十回も何百回も試合しましょう。僕たちがDDTです。日本に来てくれてありがとう。DDTに来てくれてありがとう。僕と出会ってくれてありがとう」と涙ながらに感謝の思いを伝えた。

 さらに、上野は「高校2年生の時に僕はDDTに竹下のおかげで出会って。こんなに楽しい世界があるのかって、こんなに力をくれる世界があるのかって、プロレスが好きになって、DDTが好きになって。プロレスラーになれて、みんなのおかげでちょっとずつ成長して、なれると思ってなかったチャンピオンになれました」と改めて観客に報告。「僕のこと、お前はできるって、大丈夫って、ずっと言ってくれる仲間がいるから。アホなことして、凄いことして、どの試合も凄い試合をしてくれる仲間がいるから、僕は頑張れます」とDDTの仲間たちにも感謝した。

 上野は「僕の夢はどの興行も超満員にすること。僕が大好きなDDTを今日見てくれた人たちには伝わったと思います。でも、もっともっとたくさんの人が、僕が大好きなDDTが大好きになってもらうことが夢です」と王者して早くも“超満員の誓い"を立て、「みんなチャンピオンの僕に期待してください。僕を面白がってください。その思いがあれば、僕はどこまででも行けます。みんな一緒に行きましょう!」と決意をあらわにした。

 最後に「僕はみんなのことを思います。仲間たちのことを思います。最後、僕はみんなありがとうって叫びますんで、皆さんも僕じゃなくてもいい。他の人誰でもいい。みんなもせっかくなんで、あんま言えないことだと思うから、ありがとうって叫んで今日は終わりましょう」と“ありあとう締め"を提案。「みんながいてくれると思うと、楽しくなってきました。僕はDDTが大好きです。DDTのことを気にしてくれる、DDTを好きに思ってくれる人が大好きです!」と呼びかけ、観客とともに「ありがとう!」の絶叫で激闘続きの両国大会を締めた。

 感極まった上野は観客に「ありがとう」と叫びながらリングをあとに。観客からも「ありがとう」と声が飛ぶ。上野が花道を下がると、ビジョンには控え室の模様が映し出された。The 37KAMIINAのメンバーをはじめ、所属選手たちが上野を待ち受けており、ベルト奪取を祝福。今日で引退した赤井や激闘を繰り広げたばかりのブルックスもそこに加わる。

 上野は「皆さん、いつもありがとうございます。チャンピオンとして一生懸命頑張りますので、これからもよろしくお願いします」と選手たちの前で所信表明。王者の初仕事として、赤井の労をねぎらい、花束&寄せ書きを贈呈した。

 赤井が「皆さん、これからも私の大好きなDDTをよろしくお願いします」と最後のメッセージを告げると、上野も「DDTは最高だ!」と叫ぶ。平田のアイアンマン王座を他の選手が狙い、控え室は大混乱。逃げる平田を追って選手たちが姿を消すと、1人残った上野の前に、高校時代の同級生であり、ライバルである竹下幸之介が立つ。ベルトを掲げる上野と竹下は抱擁し、波乱続きの両国大会はフィナーレとなった。

 初戴冠に喜びを爆発させた上野だが、2週間後にはシングルリーグ戦・D王GPが開幕。上野もAブロックにエントリーしており、他の選手から今まで以上に厳しく狙われるのは確実だ。上野は超満員の誓いを実現させるためにも、DDTの先頭に立ち、まずは残り2ヶ月となった2023年を全力疾走で駆け抜ける。

プロ格 情報局