11/17【ドラディション】10周年・LEONAが初栄冠、船木とタッグT制覇 父・藤波との対戦に意欲
『DRADITION 15th ANNIVERSARY THE RISE OF SPIRIT TOUR PHASE-2 IN TOKYO レックpresents DRAGON CUP 2023〜準決勝&優勝決定戦〜』後楽園ホール(2023年11月19日)
DRAGON CUP 2023」決勝戦 ○LEONA&船木誠勝vs諏訪魔&長井満也×
デビュー10周年を迎えるLEONAが船木とのコンビでタッグトーナメントを制覇。初の栄冠を掴んだLEONAは、船木の言葉を借りて、「また明日から生きていきます」と未来を見据えると、父・藤波辰爾との対戦にも前向きな姿勢を見せた。
ドラディション初のタッグトーナメント・DRAGON CUPは「若手からベテランまでが共に競い合う」、「若手選手はベテランから『経験』を、ベテラン選手は若手選手から『刺激』を与え合う」をテーマに8チーム参加で行われ、決勝は船木&LEONAと長井&諏訪魔によって争われた。
LEONAにとって船木は2013年10月19日、今日と同じく後楽園ホールで行われたデビュー戦の相手。10年間溜め込んできた思いを爆発させるかのように、LEONAは必死のファイトを披露した。
決勝戦らしい正攻法でのシーソーゲームとなったが、気を吐いたLEONAが長井をダブルアームスープレックスで投げると、直後にが長井&諏訪魔は暴走。場外乱闘でしつこくLEONAをいたぶり、主導権を強奪する。諏訪魔はダブルチョップやラリアット、逆エビ固めなど厳しい攻撃を連発。長井も場外ブレーンバスターやパイプイス攻撃で追い討ちした。
ホームリングのファンから大きな声援を浴びると、LEONAは奮起。諏訪魔の猛攻をしのぐと、父親譲りのドラゴンスクリューで活路を開いた。あとを受けた船木は打撃戦で反撃に転じると、諏訪魔とのアンクルホールド合戦でも譲らず。長井にはランニングローキックを叩き込み、好機にLEONAにスイッチする
LEONAは串刺しドロップキック、ダブルアームスープレックスと長井相手に躍動。ドラゴンスープレックスの体勢に。これが不発に終わると、長井&諏訪魔はミドルキックとダブルチョップを交互に連発し、ダブルブレーンバスターまで繰り出すが、船木が好フォロー。諏訪魔を分断すると、LEONAは長井にビンタを猛連打した。
長井も魔界ドライバーを皮切りに逆襲。諏訪魔の投げ捨てジャーマン、長井のバックドロップが連続してさく裂するも、LEONAは3カウントを許さない。ストレッチプラムでギブアップ寸前に追い込まれ、長井のキャプチュード、雪崩式キャプチュードの餌食になってしまうが、自力でキックアウト。後楽園は大きな「LEONA」コールに包まれた。長井はミドルキックでメッタ打ちにし、ハイパーニー空牙で仕留めにかかるが、間一髪でLEONAが前転して回避。不意を突く首固めで泥臭く抑え込み、大逆転勝利を手にした。
LEONAが大先輩の長井からワンチャンスをものにして3カウント奪取。2日後にデビュー10周年を迎えるが、その節目に初の栄冠を手に。EONAは優勝トロフィーを受け取り、船木と一緒に高々と掲げた。
リング上で船木に「10年前、ここで2人でデビュー戦やったけど、あれから10年か。あっと言う間に10年。10年やっていればいい選手になる。その結果がこれ。次は15周年、頑張って」と激励されたLEONAは、「10年前の11月19日、大学2年生でした。この後楽園ホールで容赦なく船木さんにぶっ飛ばされて、死ぬ思い出このリングを降りたのを覚えてます。それから10年後、その船木さんとこうやってタッグでトーナメントを優勝できて本当に嬉しいです」と感慨深げ。「日本のプロレス界で二世ってまだまだ難しい存在ですし、父は誰が何と言おうと偉大だと思います。その中でもファンの皆さんに応援してもらうためには、ここで汗と血をを流すしかないと思います。明日、また長野で試合します。船木さんの言葉じゃないですけど、また明日から生きていきます」と観客の前で決意をあらたに。父・藤波もLEONAの優勝を祝福した。
バックステージでLEONAは「途中2年ちょっと怪我で休んだり、コロナもありましたけど、またこうして無事に10年をリングで迎えることができました。その節目に、自分にとっては最高のスタートが切れたと思います。それが船木さんとまたスタートを切れるというのはメチャクチャ嬉しいです。ありがとうございました」と船木に感謝。その船木から「10年やったんだから、胸貸してもらったら?」と藤波戦を提案されると、LEONAは「二世でやっていくという中で、厳しい声があるのもわかるし、比べられることもわかるし、いろんな声もあるのもわかるけど、自分は絶対にそれは逃げるつもりない」と決意に満ちた表情を見せた。
そして、「生まれた時、物心ついた時、その時にもう悟ったんで。一生自分は戦わなきゃいけない人生なんで。それが今、このプロレス界で、さっきもそうですけど、厳しい戦いを10年間やってきて、ちょっとその気持ち、父に近づく気持ちが一歩前に進んだかなって思います。父も来年70歳ですし、全力でやれるタイミングで向かい合いたい。そう思います」と初となる親子対決実現に意欲を見せた。
【試合後の船木&LEONA】
▼LEONA「ああ、キツかった」
▼船木「大丈夫?」
▼LEONA「はい。途中、飛んじゃいそうで。10年前の11月19日に、この後楽園で、船木さんに殺される思いでデビュー戦をしていただいて。途中2年ちょっと怪我で休んだり、コロナもありましたけど、またこうして無事に10年をリングで迎えることができました。その節目に、自分にとっては最高のスタートが切れたと思います。それが船木さんとまたスタートを切れるというのはメチャクチャ嬉しいです。ありがとうございました」
――船木選手から見たLEONA選手の印象は?
▼船木「もう10年経ったかなっていう感じですね。あっと言う間に。ところどころ違う大会で一緒になったんですけど、じっくり見てなかったですから。この間と今日と、だいぶ成長したなと思います。体がまず一回り大きくなった。あのヘビー級に投げられて、打たれて、耐えられる体を作ったんだなと思って。ただ、プロレスっていつどうなるかわからないですから。彼も怪我を1回したというんで。いつできなくなるかわからないんで、そういう意味では本当に気をつけて、次は15周年。あと5年。あっと言う間にまた来ると思うんで。そうなった時にまた自分がいるのか、いないのか、わからないですけど、いたらもう1回戦うなり、組むなりしてみたいなと。そろそろ1回お父さんとやってもいいんじゃない? やったことあるの?」
▼LEONA「ないです」
▼船木「ないでしょ。10年やったんだから、胸貸してもらったら?」
▼LEONA「はい」
――藤波選手との対戦はどういう風に考えている?
▼LEONA「僕がこのプロレス界に入った理由は、藤波辰爾と向かい合いたいという最初の目標があって。まだまだ自分の中で雲の上の存在だと思って、今までまだまだ対戦したことがない。でも、さっきもリングで言った通り、この日本のプロレス界で、また少ない中で二世でやっていくという中で、厳しい声があるのもわかるし、比べられることもわかるし、いろんな声もあるのもわかるけど、自分は絶対にそれは逃げるつもりないし。生まれた時、物心ついた時、その時にもう悟ったんで。一生自分は戦わなきゃいけない人生なんで。それが今、このプロレス界で、さっきもそうですけど、厳しい戦いを10年間やってきて、ちょっとその気持ち、父に近づく気持ちが一歩前に進んだかなって思います。父も来年70歳ですし、全力でやれるタイミングで向かい合いたい。そう思います。ありがとうございました」
※船木が最後に胸板にチョップを叩き込む