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2/11【新日本】オカダが“最後の棚橋戦"に激勝 またも涙で「新日本の誇り」噛みしむ

『THE NEW BEGINNING in OSAKA』エディオンアリーナ大阪(府立体育会館)(2024年2月11日)
○オカダ・カズチカvs棚橋弘至×

 オカダが思い出の地・大阪で棚橋と“最後"の一騎打ち。レインメーカーで逸材を下すと、1・24後楽園大会に続き、またも涙を流しながらマットに刻まれた新日本伝統のライオンマークに座礼。「棚橋さんの、新日本プロレスの誇りになれるように、また次も進んでいきたい」と誓った。

 1月いっぱいで新日本を退団し、残すはフリーとして出場する2月3大会のみとなったオカダ。今大会では社長の棚橋とシングルマッチで対戦した。両者は12年前に同じく大阪で激突。海外遠征から凱旋直後のオカダが11度の防衛を誇った棚橋からIWGPヘビー級王座を奪取し、のちに“レインメーカーショック"と称される大番狂わせをやってのけた。

 その後も新春の東京ドーム大会メインで3度も対戦するなど激闘を重ねてきた2人が所属同士として“最後"の一騎打ち。12年越しの雪辱を狙う棚橋は当時のテーマ曲『HIGH ENERGY』に乗って入場した。一方、オカダも当時の髪色に戻して登場。大「オカダ」コールで迎え入れられると、早くも感極まった表情を見せた。

 試合はこれまでの歴史を振り返るような激闘になった。序盤はオカダペース。ラフファイトを連発し、お株を奪うドラゴンスクリューを決めると、観客はブーイングを送る。あえて顔を突き出し、棚橋のエルボーを正面から受け止めた。

 棚橋もフライングフォアアーム、ダイブ式サンセットフリップ、ドラゴンスクリューと惜しみなく得意技を連発して呼応。大一番にしか見せない場外ハイフライフローアタックを敢行する。負けじとオカダも得意技を披露。フラップジャック、リバースネックブリーカードロップ、さらには久々にヘビーレインまで繰り出した。レインメーカーポーズを決めると、場内は沸騰する。

 棚橋はレインメーカーをスリングブレイドで切り返して活路。気迫全開のエルボー合戦で一歩も引かず、レインメーカー狙いをかいくぐり、ドラゴンスープレックスでぶん投げた。スリングブレイドも火を吹くと、ハイフライフローで勝負に出る。しかし、オカダはこれを剣山で迎撃。「オカダ」コール、「棚橋」コールが交錯した。

 オカダは「棚橋!」と絶叫しながらショットガンドロップキックを放つと、ショートレンジラリアットを振り抜く。棚橋もこん身のビンタを連発するが、オカダは何度も会場を沸かせてきたドロップキックで鎮圧する。ツームストンパイルドライバーで突き刺すとレインメーカーへ。棚橋はカウンターの首固めで起死回生を狙うも、オカダはキックアウト。抵抗する棚橋をファイヤーマンズキャリーから落とす変型ツームストンで黙らせると、万感の思いを込めて、レインメーカーを振り抜き、逸材を沈めた。

 熱のこもった一騎打ちはオカダに軍配が上がった。2人は四つん這いになりながら会話を交わすと、最後は抱擁。棚橋がリングを去り、場内は「オカダ」コール一色に。1・24後楽園大会に続き、またも涙をにじませたオカダは四方の客席に向けて手を掲げると、深々と一礼。最後はリング中央に刻まれたライオンマークに座礼した。熱い涙を流すオカダに割れんばかりのコールが送られる。別れを惜しむように大阪の観客に手を振ると、オカダは入場ゲート前で惜別のレインメーカーポーズを決めた。

 バックステージでオカダは「棚橋さん、ありがとうございました」と直接思いを伝え、抱擁を交わした。「いったん今日で終わり。俺はお前を誇りに思ってるから」と語りかけられて号泣し、「世界に俺たちがここまでやってきたことを見せて来てくれよ」とエールを送られると、「わかりました。ありがとうございました」と声にならない声で呼応した。

 「やっぱりレインメーカーっていうのは棚橋さんあってのレインメーカーだったと思うし、大阪っていう地もレインメーカーの始まりの場所でもあるし」。そう噛みしめたオカダは「自分が活躍して、また新日本プロレスの良さを広めていけたらいいなと思いますんで。本当に棚橋さんの、新日本プロレスの誇りになれるように、また次も進んでいきたい」と誓った。今後の去就については語らなかったものの、「俺はもう新日本じゃねえから! 潰すかんな、このヤロー!」と外敵のスタンスで通告。残るは2・23&2・24札幌2連戦のみとなったが、オカダは最後までレインメーカーを貫く。

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