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2/11【新日本】オスプレイが壮絶ラストマッチで大流血ごう沈 新日本マットに別れも「いつかここに帰ってくる」

『THE NEW BEGINNING in OSAKA』エディオンアリーナ大阪(府立体育会館)(2024年2月11日)
ドッグパウンドケージマッチ ○デビッド・フィンレー&アレックス・コグリン&ゲイブ・キッド&クラーク・コナーズ&ドリラ・モロニーvsジェフ・コブ&HENARE&TJP&フランシスコ・アキラ&ウィル・オスプレイ×

 オスプレイの新日本ラストマッチとなった金網戦は凶器が飛び交い、リングのキャンバスが引っぺがされる壮絶な死闘に。最後は大流血に追い込まれたオスプレイが孤立し、BC WAR DOGSの総攻撃を浴びてごう沈。バッドエンドに終わったものの、大声援を受けると、「いつかここに帰ってくると約束する」と涙ながらに語り、日本語で「マタネ。アリガトウゴザイマシタ!」と観客にメッセージ。新日本マットに別れを告げた。

 オスプレイはオカダ・カズチカの推薦により、CHAOSのメンバーとして2016年4月から新日本に参戦。当初はジュニア戦線で活躍した。2020年にヘビー級転向を果たし、UNITED EMPIREを結成。リーダーとしてユニットをけん引してきた。約8年間で数々の名勝負を生み出し、IWGP世界ヘビー級王座をはじめ、いくつもタイトルを獲得してきたが、昨年11月にAEWとの契約を発表。今大会で新日本ラストマッチを迎えた。

 最後の試合は、血で血を洗う抗争を展開してきたUNITED EMPIREとBC WAR DOGSの全面対抗戦となる金網マッチに。1対1からスタートし、2分ごとに選手が1人ずつ入場。全選手が揃ったら鍵が施錠される反則裁定なしのノーDQルールで行われた。リングを囲むように金網が設置されると、場内は異様な緊張感に包まれる。

 試合はまさかの形でスタートした。IWGP GLOBAL王座を巡って激闘を繰り広げたオスプレイとフィンレーが互いに先発し、いきなり対峙したのだ。三沢光晴さんを思わせる緑色のロングタイツで入場したオスプレイはルール変更を提案。急きょ、3人目の選手のみ入場が5分後に変更された。

 ゴングが鳴ると、いきなり喧嘩腰のエルボー合戦で火花。オスプレイはあいさつ代わりにプランチャを敢行すると、シーソーホイップで金網に激突させた。フィンレーもラフファイトで譲らず、5分経過となると、この試合に関係ない帝国軍のポール・ニューマンを引きずりながら、モロニーが登場。金網にニューマンを手錠で拘束する。それに目を奪われたオスプレイをフィンレーがイスで痛打。ここからWAR DOGSに流れが傾き、先入場の数的有利な状況を生かして、その後も主導権を持ち続けた。

 試合は荒れに荒れた。WAR DOGSがフォークや有刺鉄線が持ち込むと、オスプレイは早くも額から大流血。奮闘したHENAREやTJP、アキラも非情な凶器攻撃で叩き潰される。しかし、最後に入場したコブが大暴れ。ちぎっては投げ、ちぎっては投げ…と、WAR DOGSを投げまくった。オスプレイも復活。華麗な空中殺法で観客を魅了すると、再びフィンレーと激しくやり合う。

 イスやテーブル、ラダーのほか、画鋲まで投入され、他の選手も大流血。大技が連鎖して10選手が同時に大の字になったものの、両軍が総出で殴り合った。ここでオスプレイは場外のテーブルにコナーズのスピアーで叩きつけられてしまい、KO寸前に。それでも他の帝国軍がオスプレイのためにと時間を稼ぐと、コブが手錠で金網に固定されてしまったものの、ようやくオスプレイが復活する。

 オスプレイはフィンレーにその場飛びスパニッシュフライをズバリ。ヒドゥンブレードもねじ込んだ。そして、大歓声の中で、ストームブレイカーの構えに。防いだフィンレーはINTO OBLIVION2連発で一転猛攻。ここで、外道がレフェリーから鍵を奪い取り、施錠されていた金網内に侵入すると、有刺鉄線の巻かれたテーブルを投入した。

 機転を利かせた帝国軍のグレート-O-カーンも介入し、序盤から金網に固定されていたニューマンを救出。外道がリングに乱入したものの、ニューマンも飛び込むと、師匠格のオスプレイと同時オスカッターを繰り出す。そして、オスプレイ有刺鉄線テーブルめがけてフィンレーにパワーボムを強行して、決定機を掴んだ。

 だが、フィンレーは意地のキックアウト。ここからWAR DOGSが大暴走して巻き返す。オスプレイを非情な攻撃を連発して叩き潰すと、さらに、TJPをイスへのハイジャックパイルドライバーでKO。キャンパスを引っぺがし、リングの一部を鉄骨と板だけの状態にすると、HENAREを叩き潰し、手錠で金網に拘束。アキラもむき出しのリング板めがけてのハイジャックパイルドライバーでKOした。

 帝国軍は徹底的に叩きのめされ、オスプレイは孤立。1対5の状況に。怨敵を取り囲んだフィンレーは「1回だけチャンスをやろう」とメッセージを送るが、オスプレイはヒドゥンブレードを放っても力が入らずに崩れ落ちる。コナーズ&モロニーはサンドイッチ式スピアーをズバリ。最後はフィンレーが有刺鉄線を使ってのオーバーキル(変型ニーアッパー)でオスプレイを葬った。

 1時間を超す死闘はWAR DOGSに凱歌。フィンレーは大ブーイングを浴びながらも、「新日本を支配しているのはWAR DOGSだ!」と豪語し、リングを去っていく。血まみれのオスプレイは大の字となるが、客席からは「サンキュー・オスプレイ」コールが発生。大流血したHENAREを除くUNITED EMPIREの面々がオスプレイを立ち上がらせると、声援はさらに大きくなった。

 再び「サンキュー・オスプレイ」コールの大合唱になると、オスプレイは感極まった表情でマイクを持つ。「オーサカ…。8年もの間、みんなは俺のホームだった。ヤングボーイから男に成長する過程を見届けてくれた。全ての人々に感謝する。またいつたここに帰ってくると約束する。だから、忘れないでくれ。俺もみんなのことを決して忘れない。愛している。新日本プロレスが作り上げたものを世界に披露してくる。俺が今日ここにいるのもみんなのおかげだ。必ず帰ってくる」とメッセージ。そして、最後は日本語で「マタネ。アリガトウゴザイマシタ!」と別れの言葉を観客に送った。

 場内はいつ果てることなく「オスプレイ」コールがこだまする。オスプレイは試合を見守っていた恋人のアレックスさんと抱擁。仲間に見守られながら、別れを惜しむようにリングサイドの観客とタッチを交わす。そして、涙をにじませながら、入場ゲート前で深々と一礼。この日一番の大「オスプレイ」コールを浴びながら、8年間激闘を重ねてきた新日本マットに別れを告げた。

 早期の新日本参戦には「AEWとの契約には新日本プロレスとの試合も含まれている。ただ、それがいつになるかわからない。とにかくまずはバランスを見つけないいけない」と慎重な姿勢を示したが、それでも「男の約束だ。俺は必ず戻ってくるよ。必ずだ」と明言した。

 「あなたにとって新日本プロレスとはなんですか?」と問われたオスプレイは「家族、ホーム」と表現。「今日の俺がいるのも、新日本プロレスのおかげだ」と最後まで感謝の言葉を重ねると、「包み隠さず言うけど、たぶんプロレス界で一番いろいろいけないことをしてきたと思う。それでも成長することを受け入れ、見守ってきてくれた。それは日本だから、新日本プロレスだから実現したこと。本当に光栄で喜びしかないよ」と締めくくった。

 今後のUNITED EMPIREは仲間たちに託し、日本に一旦別れを告げたオスプレイ。未来の再会を見据えながら、ひとまずはAEWに主戦場を移す。

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