5/6【ALL TOGETHER】ATメインで“プロレス新時代"熱闘 清宮締めるもゲイブ襲撃、まさかのGHCヘビー挑戦表明
『ALL TOGETHER 〜日本プロレスリング連盟発足記念・能登半島復興支援チャリティ大会〜』日本武道館(2024年5月6日)
○清宮海斗&海野翔太&上野勇希vsKONOSUKE TAKESHITA&シュン・スカイウォーカー&上村優也×
日本プロレス連盟発足記念となった夢の祭典『ALL TOGETHER』のメインで、4団体の若きエース、ホープ、実力派6選手が躍動。新GHCヘビー級王者の清宮が締めくくって“プロレス新時代"をアピールしたが、その清宮をゲイブ・キッドが無法襲撃し、ベルトを強奪してまさかのGHCヘビー挑戦を表明した。
これまで新日本、全日本、NOAHの3団体によって開催されてきた夢の祭典『ALL TOGETHER』だが、今年はコロナ禍を契機に設立された『日本プロレス連盟』発足記念として開催。能登半島復興支援チャリティ大会の側面も持ち、大会前には各団体の選手らが募金活動にいそしんだ。
加入6団体から実に42選手が参加。メインイベントに据えられたのが、プロレス界の未来を照らす6人によるタッグマッチだった。
海野(新日本)&清宮(NOAH/GHCヘビー級王者)&上野(DDT/KO-D無差別級王者)の陽性トリオが実現し、上村(新日本/KOPW 2024保持者)&TAKESHITA(DDT/AEW)&シュン(DRAGONGATE)のトリオと対峙。序盤から、それぞれのカラーを出しながら白熱の攻防を繰り広げたが、なかでのTAKESHITAの規格外っぷりが際立つ。中盤過ぎには同級生のライバル・上野との熱闘で武道館を揺らした。
終盤には次々に6選手が入り乱れる見応え十分の乱戦状態に。清宮&上野がサンドイッチ式シャイニングウィザードを繰り出したものの、シュンが絶妙なタイミングでカットプレーに入り続けて独特の存在感を発揮した。
それでも海野がエプロンサイドへのDDTでシュンを黙らせると、そのまま清宮&海野&上野の3人が別々のコーナーに上がる。続けざまに上村めがけてトリプル・ミサイルキックを繰り出して武道館を大いに揺らすや、最後は清宮が変型シャイニング・ウィザードで上村から3カウントを奪ってみせた。
“プロレス新時代"を印象付ける熱闘の末に、新GHCヘビー級王者の清宮が堂々のALL TOGETHERメイン快勝。マイクを握った清宮は「改めましてNOAH・GHCヘビー級チャンピオンの清宮海斗です。皆さん本日はプロレスの力、いかがだったですか? プロレスには何度でも立ち上がるパワーがあると思ってます。日本のプロレス界をみんなで盛り上げていきます。ここにいるみんなでプロレス界を創っていこうぜ!」とメッセージを送って大会を締めくくった……かと思われた。
恒例の集合写真が終わり、清宮がにこやかに観衆に手を振っているその時だった。BULLET CLUB WAR DOGSのゲイブがデビッド・フィンレーらとともに乱入。清宮を背後から襲ってパイルドライバーでKOすると、「ニュージェネレーションでトップなのは俺だ!」と叫びながらGHCヘビーのベルトを手に取り「次は俺だ」と宣言した。
まさかのGHCヘビー挑戦表明となったゲイブは、そのままベルトを強奪して退場すると、「俺が新世代のリーダーだ! このベルトを勝ち取って、名前を変えてやる」と予告した。
清宮とゲイブは昨年の新日本G1 CLIMAX公式戦(7・27大田区)で対決。大荒れの展開から両者リングアウト決着となっても、暴走状態で果てなき大乱闘を繰り広げていた。晴れ舞台を見事に潰された形となった清宮は「ゲイブ! やりたかったらいつでもやってるぞ!」と怒りの迎撃宣言を放ち、思わぬ副産物を産み落としながら『ALL TOGETHER』武道館大会の幕が下ろされた。
連盟発足記念・第2弾となる『ALL TOGETHER』は6・15札幌で行われる。
【試合後の清宮&海野&上野】
▼上野「日本プロレス連盟という、プロレス界が力を合わせて、プロレス盛り上げるぞって、『ALL TOGETHER』、こうして、大変な人みんなに、プロレスで元気を与えるために、戦い続けます。立ち上がり続けます。お腹が空いたり、ゆっくり寝たり、それと同じぐらい、プロレスでみんなに受け取ってもらえる元気はたくさんあると思う。そのために、僕たちはプロレスをし続けます。いろんな人に伝えます。僕は今、(※肩のベルトを叩いて)DDTのKO-D無差別級のチャンピオンです。DDTのトップとして、プロレスの可能性、もっと見せます。日本武道館も、次の北海道も、プロレスが、プロレスというジャンルも、全て、もっと盛り上げますよ。プロレス界が、DDTが、僕が盛り上げます。海斗も、翔太も、今日出てくれたみんなも、プロレスに携わっている全員が、元気に満ち溢れています。僕たちはこれからも戦い続けます。オモロいこと、し続けます。みんなプロレスを愛していきましょう。僕は愛してます。ありがとう」
※清宮は海野の肩を借りてインタビュースペースに辿り着くと、床に崩れ落ちる
▼清宮「(※終始涙声で絶叫)オイ、ふざけんな、ゲイブ! テメー、やりてえんだったらやってやるよ! やりてえんだったらNOAH来てみろよ! やってやるよオイ!」
※そこに拳王が現れる
▼拳王「清宮、清宮。(※肩に手をかけ)オイ、大丈夫か。オイ、大丈夫か。(※清宮に肩を貸し、少し海野を見て)オイ、行くぞ(※と、清宮とともに立ち去る)」
▼海野「(※清宮を見送ると床に座り込んで)クソッ。『ALL TOGETHER』って、一つのテーマあるけど、能登半島震災のチャリティー興行でもあるけど、俺は1人のレスラーなんだよ。新日本プロレスの代表の、メインイベントのレスラーなんだよ。見ただろ。海斗もGHCヘビー持って、勇希もKO-Dチャンピオンで、俺は丸腰だよ。タイトルも獲ったことねえ、チャンピオンでもねえ、何の実績もねえ。シュン・スカイウォーカーが言ってた、『一番格下』かもしんねえ。見ただろ、今日の景色。これが現実だよ。これが今の俺の全てだよ、この野郎。でもな、悔しいけど、何も劣ってることはねえよ。実績でも、負けてねえよ。実力でも、負けてねえよ。負けてたまるか! 新日本の代表のレスラーなんだ、俺は。前回6月、『ALL TOGETHER』で、『次はメインイベントに立つ』って言った。今回、叶えた。次の『ALL TOGETHER』、いつになるかわかんないけど、必ず、5月11日に行われるアメリカ大会、ジョン・モクスリーからIWGP世界ヘビー級チャンピオンになって、『ALL TOGETHER』に帰ってきてやる。日本全国、笑顔に! プロレスの活力をもっともっと生かして、プロレスを大爆発させたいんだよ。俺らの若い世代、この世代だったら絶対できる! 今までのプロレスの歴史の中でも、一番大爆発できる! 俺はそう信じてるから。プロレスの力を信じてるから。今日のメインイベンターみんなで、大爆発させようぜ」
【試合後のTAKESHITA、シュン、上村】
▼TAKESHITA「オイ、オイ、対戦相手の3人、俺の味方の今日の2人、5人。いや、俺たち世代の今日試合出てないヤツも全員に言わせてもらうぞ。オイ、お前ら一番になりたいんやろ? なあ、今日は『ALL TOGETHER』、みんなで力を合わせて能登半島の人たちに勇気を与えよう、それはもちろん俺たちプロレスラーの使命だと思う。でも、仲良しこよしでは新しい時代なんか、作られへんねん。なあ? みんな一番になりたいんやろ? 俺だって一番になりたいよ。なあ、もっと俺たち仲良しこよしでやるんじゃなくて、ギラギラ、ビシビシやっていこうぜ。オイ、『ALL TOGETHER』、今日で終わりじゃないやろ? 俺はいつでもアメリカからこの日本に戻ってくるつもり。次は3vs3なんかじゃなくて、1on1で上村優也でもいい、シュン・スカイウォーカーでもいい、上野勇希、清宮海斗、海野翔太、誰でもいい。俺とシングルマッチでやる勇気があるヤツは名乗り出ろ」
▼シュン「OK! OK! 試合は勝った。でも、なんで竹下幸之介の凄さを、俺がこんなに思い知らされたか? その疑問を、答えを教えてあげるよ、フハハハ! 竹下幸之介、オウ、見せてもらったよ、彼の凄さ。間違いなく、このリングで一番だったんじゃないか? 6人、いや今のプロレス界、日本プロレス界で最も高い活躍、闘いを見せたと言っても過言じゃない。でも、それがなぜか疑問に思う。その疑問に俺が答えるよ。なぜかと言えば、俺が目指していたのは、この3人でのチームでの勝利だ。3人で一丸となってのチームの勝利だよ。棚橋弘至新日本社長は言ってた。このメインイベントは6人の中で、誰が一番目立つかってね。俺はそんなこと、正しいと思わないよ。そんなのは詭弁に過ぎないよ。それだったら優勝は竹下幸之介かな? 俺もそう思うよ。でも一番強いのはわかってるでしょ? ハハハ、一番強いのはシュン・スカイウォーカーでしょう。タッチさえ回せば、シュン・スカイウォーカーに竹下幸之介がタッチさえ回してたら、この結果はまた違った。勝者はシュン・スカイウォーカーになってた。そう思うでしょ? その疑問の答えはそこですよ。だから俺は竹下幸之介と1vs1でやる必要があるんだよ。こんなチームでやるのも別に構わない。それが被災地復興になるんだったら、支援になるんだったら俺は善人だからね、心からいい人だから、そこに否定はしない。でも、こんな清宮海斗、海野、そして上野、彼らが言うような綺麗事じゃない。そして誰が一番目立つかじゃない。誰が勝つかの勝負なんだよ。そういう意味じゃ、フハハハ、シュン・スカイウォーカーかなぁ? まあ、ネクストは竹下幸之介vsシュン・スカイウォーカー、それしかないだろう。そこで勝ったヤツが一番強いんだよぉぉぉ!」
▼上村「(※KOPWのベルトを持ってやってくると、床に突っ伏して)クソーッ! 今、レスリング団体が世界にごまんとある中で、常に新日本プロレスがトップであり続けねえといけねえんだよ。なのに、俺は今日、他団体の清宮に負けちまった。別に俺は他団体のことをとやかく言わないし、凄いヤツは凄い。俺はKOPWチャンピオンなんだ……チャンピオンじゃない、保持者か? ここで勝たないとこのベルトが輝かねえんだよ! 輝かない。次、清宮、上野、そして海野、TAKESHITA、シュン、次もう1回やらせろ。シングルでそれぞれに勝ってやる! 勝つまで終わらねえ! 今日負けちゃったのは悔しいけど、これが今の現実だ。これを認めて、俺は次もNEVERのタイトルマッチが決まってんだよ! KOPWのタイトルマッチじゃない。NEVERのタイトルマッチが決まってんだよ。(※NEVERのベルトを肩にかけて、コメントスペースにいた鷹木の姿を見つけて)なあ、鷹木!」
▼鷹木「(※声をかけられたので、上村に近づき)ちょっと邪魔するぜ。なんだ邪魔しようと思ったのに、声かけられちまった。上村! タイトルマッチ決まって、何負けてんだよ。新日本プロレスのチャンピオンが、NOAHのチャンピオンに負けていいのか?」
▼上村「負けていいわけねえだろう!」
▼鷹木「ちょっとがっかりするぜ。俺は自分の試合後に言ったんだよ。シュンよりも、TAKESHITAよりも目立てよと。確かに目立ってたな、負けてよ。どうすんだ、オイ? 負けて、俺とタイトルマッチやんのか? ただのシングルでいいだろう、もう」
▼上村「俺は、強い新日本プロレスを取り戻してえんだよ! そのためには…」
▼鷹木「待て!」
▼上村「なんだよ!」
▼鷹木「俺は1つちゃんと聞きたかったことがある。お前はこのベルトが欲しいのか? それとも俺を倒したいのか、どっちだ?」
▼上村「俺は強い新日本プロレスを作る! そのためには俺が新日本プロレスを、強くなって俺が引っ張っていかなきゃいけねえんだよ! そのためにはよ、強えアンタを倒してえんだよ!」
▼鷹木「(※NEVERのベルトをパンと叩いて)じゃあタイトルマッチやるしかねえな。断る理由はねえよ!(※と言って、先に引き上げる)」
▼上村「オイ、いいかよ! KOPWはあくまで保持者だ。ここにチャンピオンって書いてるけど、俺はまだチャンピオンじゃねえんだよ! 俺はあの強い鷹木とKOPWのルールでやるのじゃなくて、プロレスの、通常のプロレスルールで強さを競いてえんだよ! それが俺が鷹木に、そしてNEVERに挑戦する理由だ! 文句あるヤツはいつでも俺の前に来て、言ってくれよ」