6/16【新日本】二世レスラー安田、自衛隊出身・永井がそろってデビュー
『NEW JAPAN SOUL 2024』北海道立総合体育センター 北海きたえーる(2024年6月16日)
△安田優虎vs永井大貴△
安田優虎と永井大貴が新人対決でそろってデビューを果たした。
安田は1999年7月24日、メキシコシティ出身の24歳。3歳から20歳まで札幌で育ち、2020年6月に新日本に入門したものの、2021年にケガのため退団。治療とリハビリを経て、2022年9月に再入門を果たした。父はメキシコ人レスラーのスンビードで、二世レスラー誕生となる。永井は2003年1月16日、神奈川県伊勢原市出身の21歳。高校卒業後、陸上自衛隊に2年間在籍し、2022年の入門テストに合格。2023年4月入門で嘉藤、村島が同期となる。
二人の新人がこの日、念願の初マット。デビュー戦対決に臨んだ。ともに丸坊主で黒のショートタイツ&リングシューズ。花道を全力疾走してリングに飛び込み、開始のゴングを聞いた。
二人は道場での鍛錬の成果を発揮するように、リストの取り合いなど基礎的な動きで先手争いを展開。安田がレッグロックで動きを止めれば、永井はダブルレッグロックで切り返す。負けじと安田はレッグロック、グラウンドヘッドロックで絞め上げた。永井もケサ固め、ヘッドシザースで応戦。スリーパーを仕掛けたが、安田は素早くハンマーロックで切り返した。
その後も一進一退の腕の取り合い、足の取り合いが続き、永井が腕極めケサ固め、チキンウイングアームロックと腕攻めを展開すると脇固めを極めて勝機を作った。負けられない安田は意地で耐えるとチョップやエルボーで必死の反撃をみせるものの、永井もエルボーで応戦。激しい打ち合いを繰り広げ、安田がランニングエルボーで競り勝った。打点の高いドロップキックも決め、逆エビ固めで捕らえたが、永井が耐え続けてタイムアップのゴングが鳴らされた。
永井が腕攻めで優位に立ったが、安田も意地で食い下がって時間切れドロー。デビュー戦対決で10分間を戦い抜いた。初陣を終え、安田は「ホントに自分がまだまだだなっていう…悔しいですね」と力不足を痛感。父スンビードから「厳しい世界だけど、とにかく頑張れ」と激励されており、「見てる人に気持ちが伝わるような選手になりたいです」と誓った。
一方、永井は「こうやって新日本のリングにたどり着いたんだよ。(勝利は)まだだったけどな、ほかのヤツらから全部奪ってやるよ!」と勝ち気に宣言。「石森太二選手のような動けて飛べて、力も強くて、体力もあって、誰が見ても凄い、目を引かれる体に自分は憧れたので、そういう選手になって、新日本プロレスのトップに立ちたいと思ってます」と理想像とともに誓った。
デビュー戦対決は武藤敬司vs蝶野正洋が有名だが、この二人のように安田と永井のライバル関係もこの日から始まった。
【試合後の安田】
――デビュー戦を終えた今の率直な気持ちは?
▼安田「ホントに自分がまだまだだなっていう……悔しいですね。自分はやっぱり時間が……(※言葉に詰まり)すいません。時間がかかってるんで、それをもっと出せたかなっていう。ちょっと悔いはあります」
――どのようなタイプの選手を目指してますか?
▼安田「見てる人に気持ちが伝わるような選手になりたいです」
――お父さん(スンビード。1994年、1995年にIWA JAPANに来日経験あり)にデビューは伝えた?
▼安田「はい、伝えてます」
――ちなみにその時、どのような言葉を言われた?
▼安田「もう、ホントに厳しい世界だけど、とにかく頑張れっていう。ホントにシンプルな一言です」
――新日本プロレスを選んだ理由は?
▼安田「やっぱり一番自分には輝いて見えたし、新日本が一番だって思ってるからです」
――(日本人選手では)地元でデビューは珍しいと思うが。
▼安田「はい」
――そのあたり(の思い)は?
▼安田「ホントに期待していただいてるっていう、そこはホントに責任にも感じながら。これから(気持ちを)引き締めてやっていきたいなと思います」
【試合後の永井】
▼永井「(※大きく息を切らしながら)ああ! 札幌出身でもなければ、ルチャドールの息子でもねえ。だけどな、こうやって新日本のリングにたどり着いたんだよ。俺は(勝つのは)まだだったけどな、ほかのヤツらから全部奪ってやるよ!」
――格闘技のバックボーンは?
▼永井「(※落ち着いた口調になって)レスリングは(経験なく)、格闘技は素人なんですけど、中高(中学・高校)で陸上(ハンマー投げ)をやってました」
――どのようなタイプの選手を目指している?
▼永井「自分の目標はやっぱり、石森太二選手のような動けて飛べて、力も強くって、体力もあって、誰が見てもすごい、目を引かれる体に自分はあこがれたので、そういう選手になって、新日本のトップに立ちたいと思ってます」