【ドラディション】藤波がカネックと30年ぶりに激突 さらなるレジェンド招へいに意欲 2018/10/19
『DRADITION 2018 THE REVENGE TOUR IN TOKYO』東京・後楽園ホール(2018年10月19日) スペシャル6人タッグマッチ ○藤波辰爾&丸藤正道&越中詩郎vsエル・カネック&藤原喜明&KAZMA SAKAMOTO× 藤波がカネックと30年ぶりに激突。絡みはわずかだったが、かつてのライバルとの対戦を満喫すると、さらなるレジェンドレスラー招へいに意欲を見せた。 カネックは1952年生まれの66歳で、71年デビューの大ベテラン。メキシコの帝王と称されるほどのトップルチャドールに君臨し、新日本の常連外国人として活躍した。藤波とは日本とメキシコを股にかけてライバル抗争を展開。中でも初来日時の78年3月30日、蔵前国技館で予定された藤波とのWWFジュニアヘビー級王座戦を当日になって欠場した“敵前逃亡事件"はあまりにも有名だ。 今回は7年ぶりの来日。ドラディションは初参戦で、藤波と対戦するのは88年6月6日、宮崎・小林大会でのタッグマッチ(藤波&木村健悟vsカネック&ドクトル・ワグナーJr.)以来、実に30年ぶりとなる。藤波のパートナーは縁の深い越中、ドラディションで一騎打ちを行いタッグを組んだこともある丸藤に。カネックは藤原&KAMZAとの異色のトリオを組んで対戦した。 カネックは大歓声に迎えられると、のっけから藤波との邂逅が実現する。藤波に声援が集中すると、カネックは自ら歓声を煽った。ロックアップで組み合うと、藤波をロープに押し込むが、ここはクリーンに離れる。カネックはすぐさまヘッドロックに捕獲。ロープに振られても、ショルダータックルをお見舞いした。しかし、連発は藤波が阻止。ヒップトスで投げ飛ばすと、コブラツイストを仕掛けてどよめきを誘うが、KAZMAたちがカットに入ろうとすると、警戒して自ら技を解き、自陣に戻った。 試合は丸藤が捕まる展開に。喧嘩腰になって藤原に逆水平を叩き込んだものの、一本足頭突き、ビンタ、急所蹴りで倍返しにあう。カネックの猛攻を一番受けたのも丸藤。頭突き、エルボードロップ、ブレーンバスターと畳みかけられると、変型羽根折り固めにも捕まってしまった。 その後も入れ代わり立ち代わりで丸藤が攻め込まれたが、藤原の脇固めに捕まったところで越中が救出に登場。すぐにタッチをもらって、ヒップアタックを乱射して試合を立て直すと、満を持して藤波がリングに飛び込んだ。 藤波はKAZMAをスリーパーに捕獲すると、一気にドラゴンスリーパーへ。これはカネックのカットが間に合った。藤波は止まらず、ドラゴンスクリューでKAZMAを追い討ちすると、越中がジャンピングヒップアタックで援護射撃。カネックは丸藤をコブラツイストに固めたが、その隙に藤波が技ありの逆さ押さえ込みでKAZMAから3カウントを奪い去った。 試合が終わればノーサイド。藤波とカネックは握手を交わして健闘を称え合う。そして、今年6月に亡くなったビッグバン・ベイダーさん、7月に亡くなったマサ斎藤さんに並んで黙とうを捧げた。 マイクを持った藤波は「今日は僕の再会の戦いで、エル・カネック選手を迎えて大会をすることができました。まだまだ自分には思い出の選手がたくさんいます。1人1人この日本で再会して、皆さんにご観戦いただきたいと思います」とさらなるレジェンド選手招へいに意欲を見せた。 「これから我々レスラーはいろんな形でいろんな戦いがあると思いますけど、皆さんのご期待に背かないよう一生懸命頑張りたいと思います」と締めくくった藤波は、カネックら出場選手とともに、笑顔で記念撮影に応じた。 バックステージでも2人は並んでコメントを発表。リング上での絡みはわずかだったが、藤波は「組んだらね、何となく前の(感覚)が蘇りましたよ」と振り返った。期待された空中戦は実現しなかったが、藤波は「飛び技がちょっとお互いに出せずじまいでしたけど、『すきあればちょっと飛んで見ようかな?』とか、それはどこかによぎるんだよね」と悔しさを垣間見せた。一方、カネックも「今日は来日してすぐだったので、自分の中では50〜60%の動きだった。大阪ではもう一度藤波と戦う機会があるので、大阪ではもっと自分の戦いを見せたい」と第2戦となる10・21大阪に意欲。「ルチャドールとして、プロレスラーとして一番大切なのが何かと言ったら、技ではなく経験。40年以上我々は経験を積んでいるので、彼の実力も同じだし、いつ戦っても満足している」と胸を張った。 カネックとの戦いを満喫した藤波は「これからまだまだ世界にはいろんなレジェンドがレスラーの中にいますんで。それを徐々にまた日本に招へいしたいと思います」と宣言。今後も再会マッチを継続していくことを示唆した。 【試合後の藤波、カネック】 ※藤波個人でコメントブースに現れる ――久々のカネックとの再会だったが? ▼藤波「もう長いね、お互いに。それはもうお互いに感じているでしょうけどね。でも、ファンの皆さんと一緒にね、先ほどマイクで言いましたけど、僕の思い出の選手、懐かしい再会に付き合ってもらって、本当に感謝ですよ。それと、またそういうメモリーをもう1回呼び起こして、それに自分の気持ちを同じように乗っけてね。もう1回、もうひと頑張りしてもらいたいなと。それが自分の1つの夢ですけどね。これからまだまだ世界にはいろんなレジェンドがレスラーの中にいますんで。それを徐々にまた日本に招へいしたいと思います」 ――30年ぶりに肌を合わした感想は? ▼藤波「組んだらね、何となく前の(感覚)が蘇りましたよ。飛び技がちょっとお互いに出せずじまいでしたけど、『隙あればちょっと飛んで見ようかな?』とか、それはどこかによぎるんだよね」 ※ここでカネックが登場。ノーサイドを強調し、2人は握手を交わす ▼藤波「以前はこんな2ショットは絶対ありえなかったんだけどね。40年近く前のあれがこうやってなりましたけど。本当に感謝ですよ。今日こうやって再会して。身体を作ってきてくれてね。見て、この身体」 ▼カネック「藤波は本当に素晴らしいレスラーで、日本でも僕の特別なライバルだったし、ここで再会できて本当に嬉しい。マサさんたちのことも追悼できてよかった。今日は来日してすぐだったので、自分の中では50〜60%の動きだった。大阪ではもう一度藤波と戦う機会があるので、大阪ではもっと自分の戦いを見せたい」 ▼藤波「2人の戦いでは、大阪でも元の府立体育館なんかでね、いっぱいいろんな思い出があるので。それを蘇らせながら戦います」 ――30年前と比べて藤波選手はどうだった? ▼藤波「凄いこと聞くねえ(笑)」 ▼カネック「この2人が生ける伝説ということで、日本でもメキシコでも尊敬されて、今でも戦っているが、ルチャドールとして、プロレスラーとして一番大切なのが何かと言ったら、技ではなく経験。40年以上我々は経験を積んでいるので、彼の実力も同じだし、いつ戦っても満足している」
『DRADITION 2018 THE REVENGE TOUR IN TOKYO』東京・後楽園ホール(2018年10月19日)
スペシャル6人タッグマッチ ○藤波辰爾&丸藤正道&越中詩郎vsエル・カネック&藤原喜明&KAZMA SAKAMOTO×
藤波がカネックと30年ぶりに激突。絡みはわずかだったが、かつてのライバルとの対戦を満喫すると、さらなるレジェンドレスラー招へいに意欲を見せた。
カネックは1952年生まれの66歳で、71年デビューの大ベテラン。メキシコの帝王と称されるほどのトップルチャドールに君臨し、新日本の常連外国人として活躍した。藤波とは日本とメキシコを股にかけてライバル抗争を展開。中でも初来日時の78年3月30日、蔵前国技館で予定された藤波とのWWFジュニアヘビー級王座戦を当日になって欠場した“敵前逃亡事件"はあまりにも有名だ。
今回は7年ぶりの来日。ドラディションは初参戦で、藤波と対戦するのは88年6月6日、宮崎・小林大会でのタッグマッチ(藤波&木村健悟vsカネック&ドクトル・ワグナーJr.)以来、実に30年ぶりとなる。藤波のパートナーは縁の深い越中、ドラディションで一騎打ちを行いタッグを組んだこともある丸藤に。カネックは藤原&KAMZAとの異色のトリオを組んで対戦した。
カネックは大歓声に迎えられると、のっけから藤波との邂逅が実現する。藤波に声援が集中すると、カネックは自ら歓声を煽った。ロックアップで組み合うと、藤波をロープに押し込むが、ここはクリーンに離れる。カネックはすぐさまヘッドロックに捕獲。ロープに振られても、ショルダータックルをお見舞いした。しかし、連発は藤波が阻止。ヒップトスで投げ飛ばすと、コブラツイストを仕掛けてどよめきを誘うが、KAZMAたちがカットに入ろうとすると、警戒して自ら技を解き、自陣に戻った。
試合は丸藤が捕まる展開に。喧嘩腰になって藤原に逆水平を叩き込んだものの、一本足頭突き、ビンタ、急所蹴りで倍返しにあう。カネックの猛攻を一番受けたのも丸藤。頭突き、エルボードロップ、ブレーンバスターと畳みかけられると、変型羽根折り固めにも捕まってしまった。
その後も入れ代わり立ち代わりで丸藤が攻め込まれたが、藤原の脇固めに捕まったところで越中が救出に登場。すぐにタッチをもらって、ヒップアタックを乱射して試合を立て直すと、満を持して藤波がリングに飛び込んだ。
藤波はKAZMAをスリーパーに捕獲すると、一気にドラゴンスリーパーへ。これはカネックのカットが間に合った。藤波は止まらず、ドラゴンスクリューでKAZMAを追い討ちすると、越中がジャンピングヒップアタックで援護射撃。カネックは丸藤をコブラツイストに固めたが、その隙に藤波が技ありの逆さ押さえ込みでKAZMAから3カウントを奪い去った。
試合が終わればノーサイド。藤波とカネックは握手を交わして健闘を称え合う。そして、今年6月に亡くなったビッグバン・ベイダーさん、7月に亡くなったマサ斎藤さんに並んで黙とうを捧げた。
マイクを持った藤波は「今日は僕の再会の戦いで、エル・カネック選手を迎えて大会をすることができました。まだまだ自分には思い出の選手がたくさんいます。1人1人この日本で再会して、皆さんにご観戦いただきたいと思います」とさらなるレジェンド選手招へいに意欲を見せた。
「これから我々レスラーはいろんな形でいろんな戦いがあると思いますけど、皆さんのご期待に背かないよう一生懸命頑張りたいと思います」と締めくくった藤波は、カネックら出場選手とともに、笑顔で記念撮影に応じた。
バックステージでも2人は並んでコメントを発表。リング上での絡みはわずかだったが、藤波は「組んだらね、何となく前の(感覚)が蘇りましたよ」と振り返った。期待された空中戦は実現しなかったが、藤波は「飛び技がちょっとお互いに出せずじまいでしたけど、『すきあればちょっと飛んで見ようかな?』とか、それはどこかによぎるんだよね」と悔しさを垣間見せた。一方、カネックも「今日は来日してすぐだったので、自分の中では50〜60%の動きだった。大阪ではもう一度藤波と戦う機会があるので、大阪ではもっと自分の戦いを見せたい」と第2戦となる10・21大阪に意欲。「ルチャドールとして、プロレスラーとして一番大切なのが何かと言ったら、技ではなく経験。40年以上我々は経験を積んでいるので、彼の実力も同じだし、いつ戦っても満足している」と胸を張った。
カネックとの戦いを満喫した藤波は「これからまだまだ世界にはいろんなレジェンドがレスラーの中にいますんで。それを徐々にまた日本に招へいしたいと思います」と宣言。今後も再会マッチを継続していくことを示唆した。
【試合後の藤波、カネック】
※藤波個人でコメントブースに現れる
――久々のカネックとの再会だったが?
▼藤波「もう長いね、お互いに。それはもうお互いに感じているでしょうけどね。でも、ファンの皆さんと一緒にね、先ほどマイクで言いましたけど、僕の思い出の選手、懐かしい再会に付き合ってもらって、本当に感謝ですよ。それと、またそういうメモリーをもう1回呼び起こして、それに自分の気持ちを同じように乗っけてね。もう1回、もうひと頑張りしてもらいたいなと。それが自分の1つの夢ですけどね。これからまだまだ世界にはいろんなレジェンドがレスラーの中にいますんで。それを徐々にまた日本に招へいしたいと思います」
――30年ぶりに肌を合わした感想は?
▼藤波「組んだらね、何となく前の(感覚)が蘇りましたよ。飛び技がちょっとお互いに出せずじまいでしたけど、『隙あればちょっと飛んで見ようかな?』とか、それはどこかによぎるんだよね」
※ここでカネックが登場。ノーサイドを強調し、2人は握手を交わす
▼藤波「以前はこんな2ショットは絶対ありえなかったんだけどね。40年近く前のあれがこうやってなりましたけど。本当に感謝ですよ。今日こうやって再会して。身体を作ってきてくれてね。見て、この身体」
▼カネック「藤波は本当に素晴らしいレスラーで、日本でも僕の特別なライバルだったし、ここで再会できて本当に嬉しい。マサさんたちのことも追悼できてよかった。今日は来日してすぐだったので、自分の中では50〜60%の動きだった。大阪ではもう一度藤波と戦う機会があるので、大阪ではもっと自分の戦いを見せたい」
▼藤波「2人の戦いでは、大阪でも元の府立体育館なんかでね、いっぱいいろんな思い出があるので。それを蘇らせながら戦います」
――30年前と比べて藤波選手はどうだった?
▼藤波「凄いこと聞くねえ(笑)」
▼カネック「この2人が生ける伝説ということで、日本でもメキシコでも尊敬されて、今でも戦っているが、ルチャドールとして、プロレスラーとして一番大切なのが何かと言ったら、技ではなく経験。40年以上我々は経験を積んでいるので、彼の実力も同じだし、いつ戦っても満足している」