【NOAH】5ヶ月ぶり再戦でも清宮連破、OZAWAがGHCヘビーV5 遠藤&杉浦と3WAY防衛戦へ 2025/5/18

『STAR NAVIGATION 2025』後楽園ホール(2025年5月18日)
GHCヘビー級選手権試合 ○OZAWAvs清宮海斗×

 GHCヘビー級王者のOZAWAが約5ヶ月ぶり再戦でも清宮を撃破。大荒れの激闘の末に完勝して“OZAWA時代"を再び確固たるものとした反逆王者は、遠藤哲哉、杉浦貴と“サバイバル3WAY形式"で対決することが決定的となった。

 “OZAWAショック"が発生した元日武道館でのGHC戦以来となる因縁のリターンマッチが、春の後楽園で実現。OZAWAは「清宮負けたらNOAH退団」を勝手に宣言して煽りまくったものの、笑顔で拒否して笑顔で受け流した清宮は「後楽園でOZAWAをぶっ殺します」とニッコリと微笑んで決戦当日を迎えた。

 笑みを浮かべて入場した清宮は“狂乱のプリンス"ぶりを発揮。OZAWAに避けられたものの、ゴング直後からフルスイングのビンタを振り回す。反撃したOZAWAがブレイクダンスを披露しても、その横に寝転んでまたも笑顔。一部からブーイングが飛んでもどこ吹く風で、喧嘩腰にOZAWAを殴りつけると、顔面を容赦なく蹴り上げて、南側スタンド席に連行し、床直撃のブレーンバスターを強行した。馬乗りになって執ように殴りつけると、ここでも狂乱の笑みを見せる。新たな成長と進化を見せつけると、後楽園ホールは割れんばかりの「清宮」コールに包まれた。

 OZAWAに主導権を渡さず、ヒザ攻めも重ねた清宮は、三角飛び式シャイニングウィザードからシャイニングランサーをさく裂。決定的な場面だったが、OZAWAはカウントを数えるレフェリーの手を掴んでなりふり構わず抵抗する。そして、清宮のシャイニングウィザードをレフェリーに誤爆させると反撃開始。清宮の動きを過剰に真似てから、シャイニングウィザードを叩き込んだ。

 しかし、ここで清宮の狂気がさらに覚醒。ムクリと立ち上がると、OZAWAのエルボーやビンタを満面の笑顔で受け止め、シャイニングウィザードを乱射する。さらに、乱入したヨシ・タツを返り討ちにすると、ヨシ・タツがなめていたチュッパチャプスを奪い取り、自ら舐めてニヤリ。それをOZAWAの口に突っ込むと、シャイニングウィザードをまたまた叩き込み、スカイウォークエルボーの体勢に。

 だが、OZAWAはパイプイスの座面で清宮を殴りつけて棒立ちにさせると、コーナー最上段からスパニッシュフライを敢行。清宮のお株を奪うスカイウォークエルボーを華麗に決めてどよめきを誘う。そして、ビッグベンエッジからReal Rebelを投下。乱戦に終止符を打った。

 5ヶ月前とは違った味わいの展開となったが、今度は王者として清宮を撃破。“OZAWA時代"を改めて確固たるものとした反逆王者は、悠然とマイクを握って得意の大演説を開始した。

 「清宮、やっぱりまだまだ早いよ。清宮程度のレスラーで俺に勝てるワケがないだろ? 動きとかみてると結構いい筋してるから、俺が教えたらもっと良くなるよ。決めました。清宮海斗は俺のパシリとしてTEAM2000Xの新メンバーになります」。まずはそう勝手に宣言して場内をどっと沸かせた。

 そこへNOAH・Tシャツを着込んだ男が現れる。この日、杉浦の導きでTEAM 2000Xを離脱した遠藤だった。「OZAWA、T2000Xでの無価値な勝利を得るためにこのリングに来たわけじゃないんだ。お前と戦うために、そのGHCヘビーのベルトを獲るために、このリングに来たんだよ」と直言すると「次の挑戦者は遠藤哲哉だ」と表明した。

 遠藤はかつてインタビューでOZAWAを「双子だ」と主張していたが、たもとを分かって宣戦布告を発した形。OZAWAは「エンテツ! どうしちゃったんだよおお。双子だったじゃん? どうしたんだよぉおお」と嘘泣きをキメたうえで、「キサマ〜! 許さない。遠藤哲哉、絶対に“更生"させてやる。そしてえええ!! エンテツをこんな姿に変えてしまったロートル・杉浦貴! いるか? 杉浦貴出てこい!!」と杉浦を呼び出した。

 杉浦が静かに姿をみせると、OZAWAは「決めました。お前らまとめて二人相手にしてやる。ルールはサバイバル3WAYマッチだ! 説明しよう。サバイバル3WAYマッチとは、最後の一人まで残った選手が勝者となる3WAYマッチだ」とひじょうに分かりやすく説明しながら提示し、次期防衛戦&裏切り清算の一挙両得構想をプレゼンした。

 負けじと遠藤も「悪いな、俺の最大の“復讐"はそのベルトをこの腰に巻くことだ。そして俺たちは双子じゃねえ。三つ子なんだよ」と杉浦の肩を抱いて場内も笑顔に染まる。

 遠藤らが去ると、OZAWAは再び大演説を開始。超満員札止めとなった場内を見渡しながら「今日は後楽園ホールにこんなにもたくさんのお客様がお集まりいただきまして、誠にありがとうございます」と感謝。「しかし! 一抹の不安があるのです。もしワタクシがチャンピオンでなくなった時、またお客様は来なくなってしまうのではないか。また清宮政権のような泥舟に戻ってしまうのが怖くてたまりません。私が革命を起こしてこのような光景をもたらしました。つきましては、私がチャンピオンで居続けることがこのNOAHを守ることにほかならないのです」と続けて場内も“納得"の空気感で満たされた。

 「おい、上のちょっと権力を持っている偉いヤツら、よく聞け! 俺を全力で推しなさい。会社、いや、サイバーファイトを上げて俺を全力で推しなさい! 俺がこのNOAHに新しい光景をもたらしてやる。俺がこのプロレスリング・ノアの光だ! The Real Rebel!」。そう叫んで、改めてのOZAWAコールとともに今年4度目の“札止め後楽園"を締めくくった反逆王者。OZAWAが放つ黒い光は、さらにその輝きを増した。

【OZAWAの話】「清宮海斗、イージー! おい、会社が全力で…いや、サイバーファイトが全力で俺を推すというのは、どういうことかわかってるな? 例えば…例えばだ。俺が場外に出てなかなか帰ってこない。もうカウントが19まで行った。レフェリーはどうするか? カウントを止めろ! 20まで数えるな。俺が負けたらどうするんだ? そういうことだぞ。レフェリーとか、もう全員に伝えておけ。俺が絶対に勝てるように仕組め。わかったな」

【清宮の話】「(コメントスペースに座り込むが、笑顔で)負けちゃいましたね! 完敗ですよ。あいつにもう二度も負けたんですよ。もう何もない。言い訳は何もないです。ただ、リング上で相手をぶち殺したいなんてなかなかないですよ。そんな言葉、今まで出てこなかったから。そういう意味では、あいつに感謝してますよ。こんなね、感情をかき乱される相手も初めてだから。絶対にあいつの前に戻ってやりますよ。必ずあいつの前にもう一度立ちます。NOAHとか、NOAHの未来とか、もうそんなんじゃなくて、あいつと俺の戦いです。あいつの前にもう一度戻って、あいつを必ず(笑顔で)ぶち殺します」


【遠藤の話】

▼遠藤「まあね、行動っていうのは早いほうがいいから。俺ももうNOAHのリングに上がって5ヵ月経とうとしているんで。最近のT2000Xのやり方っていうのは俺にとって受け入れられないというか。やっぱプロレスラーとして勝利っていうのは根底にあるけど、そこまでの過程っていうのも俺の中にこだわりがあって。それが最近のT2000Xのやり方との、なんていうのかな、ズレが生じたんで。改めてここで言わせてもらうけど、俺は今日をもちましてT2000X抜けさせてもらいます。まあ、さっきリング上でも言ったけど、俺はプロレスリング・ノアに復讐をしに来て。ずっとやっていく中で、なんていうのかな、復讐するためにやってきたんだけど、俺たちがバチバチやるにつれて、逆にNOAHが盛り上がっていくっていう現実があって。だったらいっそ舵を逆に取って、トップを目指して。DDTがNOAHに負けてないっていうところを証明してやろうと思って、今回挑戦を表明させてもらいました。OZAWAとはずっと組んで横で見てきたんだけど、ずっと戦いたいと思ってた。だから、遅かれ早かれOZAWAに挑戦する時は来たんじゃないかな。それがいいタイミングで今日合ったんじゃないかなと思います。サバイバル3WAYに関してはDDTでも経験してるし、杉浦と俺は今日結託したけど、もし最終的に俺と杉浦貴が残ったら、そこはもちろん心を鬼にして勝ちに行くし、杉浦貴をぶん殴ってやりますよ。何か質問ありますか?」

――戦略的に最初に2人でOZAWA選手を倒しにいく?

▼遠藤「うーん、まあ、難しいところですけどね。もちろんOZAWAが2人を相手にするって言ってるんで、2対1でやってもいいのかなと思うんですけど、結局なんかそれってハンディキャップマッチじゃんってなっちゃうんですよ。自分の中の美学に反するというか。もちろん試合の展開っていうのは当日にならないとわからないけど、俺がシミュレーションしている中では、それはちょっと考えづらいかなと思いますね」