【新日本】藤田がスーパージュニア最年少初制覇「新日ジュニアすげぇだろ!」 CHAOS殺法連発のYOHを熱戦撃破 2025/6/1

『セキチュー Presents BEST OF THE SUPER Jr.32』東京・大田区総合体育館(2025年6月1日)
優勝決定戦 ○藤田晃生vsYOH×

 藤田がCHAOS殺法を連発してきたYOHを熱戦撃破し、最年少でスーパージュニアを初制覇。「どうだ、新日ジュニア、すげぇだろ! もっともっとすげぇ景色を必ず見せるから。期待しててくれ」と吠えた。

 今年のスーパージュニアで、藤田はフランシスコ・アキラ、高橋ヒロム、マスター・ワトとトップ勢を破って開幕3連勝。その後、2連敗を喫して足踏みが続いたものの、終盤戦でも3連勝を果たした。5人が同点で並ぶ形となったが、直接勝利で上回っていた藤田がAブロック代表として初の優勝決定戦進出。一方、対戦相手となるBブロック代表のYOHは後半戦5連勝で4年ぶりに決勝まで勝ち上がってきた。どちらが勝っても初優勝となる新日本生え抜き対決となった。

 かつて所属していたCHAOSにこだわるYOHは、序盤からオカダ・カズチカの必殺技レインメーカーを仕掛けると、ロープに逃れて「ブレイク!」と連呼したり、髪の毛を掴んで浴びせ倒したりと、今度は矢野通ばりの動きを連発。「ヤノ・トー・ルー!」と雄叫びを上げた。藤田にペースを奪われても、YOSHI-HASHIの得意技ヘッドハンターで逆転。首攻めを重ねると、同じくYOSHI-HASHIの得意技バタフライロックで絞め上げた。

 負けじと藤田はレッグラリアット、トップロープ上からのトペコンヒーロ、スワンダイブ式ミサイルキックと得意技で反撃開始。TMDKで学んだ技術を活かし、しつこく左腕に絡みついて、YOHを苦もんさせた。YOHの抵抗を受けても止まらず、ネ申スペシャルに捕獲。ザック・セイバーJr.ばりのクラーキーキャットに持ち込んでギブアップを迫る。

 苦しい状況に追い込まれたYOHだったが、藤田の逆水平連打に対し、手招きして仁王立ち。それどころか、ロープに飛んだり、両手を背中で組んだり、アイルビーバックを決めたりと、様々な動きを披露しながら逆水平を受けまくる。そして、一転して荒々しくラリアットを振り抜いて活路を開くと、胸板が真っ赤に腫れ上がっているにもかかわらず、大胸筋を動かしてどよめきを巻き起こす。

 YOHのCHAOS殺法は続き、石井智宏ばりに逆水平とナックルパンチを交互に乱射。レフェリーの注意を受けると、グーパンチではなくデコピンに切り換える。そして、雪崩式ブレーンバスターから今シリーズで多用しているアナコンダバイスに捕獲。藤田が立ち上がってもアナコンダバスターで叩きつけて絞めに絞めた。

 丸め込んで逃れた藤田は、YOHのレインメーカー狙いをダイヤモンドカッターで切り返して試合を五分に戻す。なおもエルボー合戦、スープレックス合戦でしのぎを削るが、引かないYOHは後藤洋央紀の得意技・牛殺しを繰り出した。さらに、コーナーを利用しての“ひとり消灯"までさく裂。必殺のDIRECT DRIVEの構えに。

 粘る藤田もThrill Rideを狙ってポジションが二転三転。ならばとYOHはレインメーカー式ジャンピングニーから再びレインメーカーへ。だが、藤田はこれをザックドライバーで切り返すと、Abandon Hopeがさく裂。最後はThrill Rideで叩きつけて3カウントを奪った。

 CHAOS殺法を連発したYOHを破って、22歳の藤田がスーパージュニア初制覇。2016年の覇者ウィル・オスプレイが持つ23歳の最年少記録を更新した。藤田が優勝トロフィーと優勝旗を受け取ると、場内は大きな「藤田」コールに包まれた。

 「何が新日本の未来だ。紛れもなく今現在のジュニアは俺だ! 新しいことをする時、新しい時代が幕を開けようとする時、賛否は必ずある。だが、俺にはもっともっとぶつけてくれ。否定的なことでも何でもいい。でもな、もっともっと見て、もっともっと会場に来てくれ。何度も言ってるけど、希望もヘイトも全部俺が背負う」。リーグ戦覇者としての決意をあらわにすると、藤田は「どうだ、新日ジュニア、すげぇだろ! もっともっとすげぇ景色を必ず見せるから。期待しててくれ」と力強く宣言した。

 「みんなの声が聞こえてきたから、最後のひと踏ん張りになった。みんなありがとう」と観客に感謝しつつ、「俺から目を離すなよ」と叫んで締めくくると、TMDKの仲間たちが藤田を祝福する。メンバーと抱擁を交わすと、エプロンに座ってのTMDK締めも披露。G1を制した時のザックと同じようにトロフィーを手に場内を練り歩いて声援に応えた。

 スーパージュニアの先には当然、IWGPジュニア王座挑戦がある。現在のIWGPジュニア最年少戴冠記録は4代目ブラック・タイガーの22歳11ヵ月で、藤田はギリギリでこの記録を更新する可能性が残されていた。

 藤田は「エル・デスペラード。このスーパージュニアを獲ったら、あんたのベルトに挑戦できるだろ」とベルト獲りに意欲を見せたものの、「でも、試合前に葛西純が来て、あんたとやるらしいな。こんだけ最年少、最年少言ってきたけど、あんたが今、葛西純の方向を向いているんだったら、俺は最年少記録を捨ててやる」と宣言。王者デスペラードが6・24後楽園大会での葛西戦に照準を合わせていることに理解を示し、記録更新にはこだわらず。「葛西純の方向を向いたエル・デスペラードには興味がない。ぶっ倒して、必ずベルトを防衛して、俺の前に立ってくれよ。俺の方向を向いたあんたをこのトロフィーを持ってぶっ倒してやるからな」と葛西を破ったデスペラードとのタイトル戦を見据えていた。


【試合後の藤田】

▼藤田「獲ったぞ。史上最年少がどうとか、藤田には早えとか、散々言われたな。見たか? 俺はその言葉が悔しくてやったんじゃない。お前らにそう言われても、お前らは見てくれている。『藤田の試合は納得いかない』、そう言いながら見てくれてるんだろ。だったら、俺はもっとすげぇ試合をする。もっと強え試合をするんだ。お前らを黙らせる。そして、俺の試合に希望を持ってくれている人たちには、俺の試合を見て生きてるって感じてほしいし、もっともっと頑張ろうって思ってくれればいいかなと思ってる。今日のPVの煽りにもあったな。記憶より記録。それはちょっと間違ってるぞ。もちろん記録にはこだわり続けた。でも、そこじゃないんだ。今から俺が言おうとしていることは。俺は試合前だったからあまりハッキリは見れてないけど、エル・デスペラード。このスーパージュニアを獲ったら、あんたのベルトに挑戦できるだろ。なあ、今も見てんだろ。でも、試合前に葛西純が来て、あんたとやるらしいな。こんだけ最年少、最年少言ってきたけど、あんたが今、葛西純の方向を向いているんだったら、俺は最年少記録を捨ててやる。葛西純の方向を向いたエル・デスペラードには興味がない。ぶっ倒して、必ずベルトを防衛して、俺の前に立ってくれよ。俺の方向を向いたあんたをこのトロフィーを持ってぶっ倒してやるからな。まあ、試合後だから、頭が回りきってねえけど、今一番言いたいことはそういうことだ。記録だけにこだわったわけじゃない。あと、TMDKのメンバーがいてくれたから、セコンドについてくれたから勝てたと思う。そし、変態、YOH。散々言ってきたな。ベルトのかかった試合で俺は負けて、その遺恨があったから、あんたとやるのに燃えていたわけじゃないんだ。俺がヤングライオンの時、俺がTMDKに入ってすぐの時、あんたはすげえ伸び伸びやってた。自由にやってた。俺はそこからヒントを得たんだ。学ぶものがあって、今の俺があるんだ。今の俺があるのも、あんたがいたからと言って過言ではない。またお願いします、YOHさん。とりあえず言いたいことは以上かな。みんな来て。ザック、ロビー、ハートリー、陵ちゃん、乾杯しよう、乾杯。ありがとうね。(呼び込んだTMDKのメンバーに祝福されると)セコンドありがとうね。みんな来てくれたから頑張れたから。ありがとう。乾杯しよう」

▼ザック「すごいよ。驚いたよ。2年だっけ? すごいよ。あなたはすごいよ」

▼藤田「ありがとう。パパたちのおかげね。ありがとうね、ハートリー。ありがとう、TMDKに乾杯!」