【GLEAT】リンダマンが中嶋熱闘撃破でG-REX奪還 11・3BUNTAIで電撃退団宣言のCIMAと最後の対決へ 2025/10/9
『GLEAT Ver.EX〜GLEAT vs 強敵〜』後楽園ホール(2025年10月9日) G-REX選手権試合 ○エル・リンダマンvs中嶋勝彦× リンダマンが中嶋を激闘の末に破って、2年7ヵ月ぶりにG-REX王座を奪還。11・3横浜BUNTAI大会に向けて、初防衛戦の相手にCIMAを指名した。CIMAは「負けたら退団」を条件に提示して一度はリングを去ったものの、再び姿を現して「11・3BUNTAIがこのリングで最後の試合」と宣言。2人による“最後の対決"が浮上した。 現在、中嶋はG-REX王座、LIDET UWF王座の2冠を保持している。中嶋と共闘関係にあるリンダマンは8・9新木場大会でLIDET UWF王座に挑戦するも敗北。それでも「リンダマンは諦めが悪いんだ」と今度はG-REX王座挑戦を表明し、後楽園大会のメインで再び中嶋に挑んだ。 緊張感溢れる先制争いが続いたが、リンダマンが決死のトペコンヒーロで飛翔。勢いに乗ったかと思われたが、リングに戻ると、中嶋はバックルごとリンダマンの顔面を蹴り上げて形勢打開。サッカーボールキックを皮切りに腰に集中攻撃を浴びせ、逆エビ固めに捕獲した。 中嶋の攻勢はなおも続いたが、リンダマンはフロントスープレックスで反撃ののろし。熊殺しやミサイルキックで攻め立てると、スリーパーを狙われた瞬間、バックドロップで引っこ抜いた。大ダメージを負った中嶋が首を押さえて大の字になると、レフェリーが状況を確認し、リンダマンを下がらせる。リンダマンが「どうした?」と挑発すると、客席からは「勝彦」コールが巻き起こった。 試合続行となると、リンダマンは一気に試合を決めるべく、ダイビングボディプレスへ。しかし、中嶋は剣山で迎撃する。互いにロープを掴んで立ち上がると、そこにリンダマンは串刺しドロップキックを発射。容赦なくストンピングやエルボーを乱れ打って怒号を上げた。そして、中嶋を強引にコーナーに据えると、雪崩式ジャーマンの構えに。抵抗を受けると、パワーボムに切り換え、すぐさまジャーマンを狙う。 ロープに逃れた中嶋はキチンシンクで逆転。ふらつきながらもリンダマンの土手っ腹にサッカーボールキックを叩き込んだ。スリーパーで絞め上げてからランニングローキック3連発を叩き込むと、絶叫して立ち上がったリンダマンがエルボーを連発してきても、即座に黙らせてバーティカルスパイクがさく裂。リンダマンが肩を上げたものの、中嶋はノーザンライトボムの構えに。 なんとか防いだリンダマンはラリアットを一閃。雄叫びを上げると、ジャーマンでぶっこ抜きにかかる。ロープを掴んだ中嶋を強引に引き離し、ジャーマンスープレックスを2連続で繰り出した。中嶋は肩を上げたものの、リンダマンはタイガースープレックスホールドにつなげて、3カウントを奪った。 リンダマンが初代王者以来、2年9ヵ月ぶり2度目のG-REX戴冠。「久しぶりのG-REX、新チャンピオンはこの俺、エル・リンダマンだ!」と勝利の喜びをあらわにすると、「中嶋勝彦、お前とはもう何喋ってもしょうがないから、最後に握手だけさせてもらっていいか」と中嶋に呼びかけ、握手を交わした。 「ファンがなんと言おうと、周りがなんと言おうと、俺の目には常に中嶋勝彦が輝いて見えていたよ」と中嶋にメッセージを送る。そんな中嶋を諏訪魔が花束で襲撃する事件が発生。場内は騒然となったものの、リンダマンは仕切り直しでマイクを持つと、「今日勝ったのはこの俺、リンダマンだ!」と改めてアピールした。 「このベルトはただの強さの象徴じゃないぞ。俺はこのGLEATを輝かしい道に導くためのバトンだと思っているからよ。しっかりと他のチャンピオンから受け取ったバトンは、俺が責任を持って全うしてやるよ」と所信表明したリンダマンは、これまで敗れてきた田村ハヤト、石田凱士、T-Hawkへのリベンジを視野に入れた。 そして、「まず一番大事なGLEATの責任、バトンを受け取ったからには、来月11月3日、年間最大のビッグマッチ、横浜BUNTAIあるな。このビッグマッチで俺がG-REXのタイトルマッチをやる」と宣言。「俺は所属同士で最後決めるべきだと思うんだよ。この俺のタイトルマッチの相手、逆指名させてもらうぞ。CIMA出てこい!」と吠えた。 突然の指名を受けたCIMAはリングに上がると、リンダマンに殴りかかり、「おい、それがお前のやり方やな。ええよ。面白いやないか」としばらくにらみ合う。そして、「ガチンコにはガチンコでいこう。このリングに負けたほうが退団や」と衝撃発言。「お前、責任取れよ。ボケが」と吐き捨てると、会場フェンスを投げ飛ばすなど大暴れして去っていった。 普段とは違うCIMAの姿に不穏な空気に包まれるが、リンダマンは「いいじゃねえかよ、CIMA。おい、これがリアルだろ? だけどな、こんなもん、全部ひっくり返してやる。おい、CIMA。お前のやり方は近くでずっと見てきたんだ。お前をよ、本当の意味でも超えなきゃいけねえよ。ファンタジーとしても、存在としてエル・リンダマンが、若い世代がこのGLEATのリングで超えていかなくちゃいけねえんじゃねえのか!」と絶叫。「今の年齢のCIMAが、今のコンディションのCIMAが歯を食いしばって、どうしようもない現実に向き合っている姿が、本当はプロレスファンみんなは見たいんじゃねえのかよ!」と思いの丈をあらわにした。 そして、プロレスラーとしての姿勢を語り、「プロレスに関わる全員に俺は幸せになってほしい」と呼びかけると、最後に恒例の「GLEATしようぜ」で後楽園大会を締めようとする。だが、CIMAが再びリングに突然登場。「おい、考え直すぞ。お前とのシングルが俺のこのリングで最後の試合や」と11・3BUNTAI大会での団体離脱を示唆した。 場内がまたも騒然となると、リンダマンは「おい、待てよ。てめえはいつもはそうやって言うことだけ言って帰るんだろ。おい、CIMA。強い気持ちで言ったんなら、お前もリングに上がって、お前の強い気持ちを心に秘めて、拳に込めて、みんなで一緒にGLEATしようぜ、やってくれよ」と呼び止める。しかし、CIMAは応じずにリングをあとに。仕方なくリンダマンは「CIMAこのヤローの気持ちをみんな拳に込めてください。いくぞ、後楽園準備はいいか!」と絶叫。波乱続出の後楽園大会を「GLEATしようぜ!」の大合唱で締めくくった。 【試合後のリンダマン】 ▼リンダマン「勝ったのはエル・リンダマンだ。リング上で言った通り、俺は覚悟を持ってプロレスやってるよ。プロレスラーはコスチューム着て、リングに上がって、必死にやってるよ。だけど、ファンのみんなもリング上で言った通り、スーツっていうコスチュームを着て、通勤電車乗って、仕事して、家族の前で寝巻き着て、食卓囲んでんだろ。でも、その1秒1秒が必死で、一生懸命で、大事なもので、尊いものなんだよ。プロレスは全部プロレス、人生は全部プロレス。ワークライフバランスとかねえから。ライフはワークで、ワークがライフで、全部がプロレスなんだよ。別にする必要ないよ。ライフがプロレスだ。いいか。ファンも全員プロレスラー、俺もプロレスラー。だから、一生懸命頑張ろうぜ。こんなに素晴らしいプロレスに関わっている人全員ひとり残らず幸せにしてやるからよ。今、連盟とか知らないよ。どういう形で付き合っているのか、本当にあるのかないのかもわかんねえけどさ。いいよ、何でもいいよ。連盟に俺たちは入ってないけど、全員お前らひとり残らず、まとめて幸せにしてやるから。お前ら覚悟しとけ。BUNTAIに来るヤツらは、BUNTAIを見るヤツらは、GLEATを見るヤツらは…最悪そこに来なくてもいいよ。プロレスに関わるヤツら最終的には全員幸せにしてやる。G-REXチャンピオン・リンダマン2度目の政権はGLEATだけじゃないぞ。プロレスを、そしてプロレスに関わるすべてを幸せにすることだ。楽しみにしとけ」 ――挑戦者にCIMA選手を指名したが? ▼リンダマン「どうっすか? いや、CIMAを俺は大好きで、俺もCIMAが言った『リアルとファンタジーが入り混じった世界がプロレスや』って言葉が大好きで。やっぱりずっと一緒にいて、怖い部分も知ってて、本当は強いってことも知ってて。そのうえで、最近のCIMAが明るいって。明るいことは大事だし、明るいことは大好きで、明るいことに助けられてきた。俺もファンのみんなもそうだと思うよ。だけどな、明るいからって、俺は最近のCIMAがどうしようもない現実から逃げているように見えるんだよ。俺はそのCIMAを見てるのがイヤなんだよ。だからさ、俺だけじゃなくて、たぶんファンのみんなも、そして俺自身も、どうしようもない現実に歯を食いしばって向かい合うCIMAが見たいと思うし、そこで全力でG-REXのタイトルマッチ、BUNTAIのメインという最高の舞台で、歯を食いしばって戦うCIMAが見たい。そして、俺はそれをもちろん勝敗でも超えなきゃいけないし、今日のリング上のマイクみたいにあんなバンバンぶん投げてくるよ。だけどな、存在でも勝ち負けでも全部ひっくり返さないと、GLEATの未来、そして世代交代はないからよ。いつまでもベテランが出てきて、入場曲が鳴って、リングに上がっているだけで、ワーッ、楽しいみたいな、それだけの世界にさせないぞ。プロレスのリングで命張って戦っているのは、何よりも若い選手であるべきで、バリバリの選手であるべきで。トップランナーは常に俺たちじゃないといけないと思っているから。少なくともGLEATのリングはこのベルトを持っている限り、エル・リンダマンはそれを体現していく。そういうことでCIMAを選びました。たぶん誰も文句ないと思います。文句あるのはCIMAぐらいじゃないですか?」 ――CIMA選手が退団を口にしたが、それをどう受け止める? ▼リンダマン「わかんないです。退団するのも本気の意志だったら、俺はそれもGLEATだと思いますよ。それも含めてGLEATだと思う。俺はさっき言ったように、つらいも悲しいもいろいろな気持ちがあるけど、全員強い気持ちを持って。みんな元気がないから、活力がないから。戴冠するぞっていう強い気持ちでも何でもいい。悔しいでも、このヤローでも、嬉しいでも、やったーでも、何でもいい。強い気持ちを持って彼が言ったんだったら、そこに戦いはあって、そこにGLEATがあって、G-REXがあって、BUNTAIがあるんだったら、それは大仕事じゃないですか」 【CIMAの話】「リングで起こったことがすべてやからな。これが今のGLEATのやり方で、スタイルでしょう。そこは俺もまったく否定せえへんし。むしろ、火を点けてもらったことに関してはありがたいよ。でも、ちょっと前からこの団体が俺に何をやらしたいのかわからんし、俺も何をやったらいいかわからん。とにかく与えられたもの、今のGLEATの中でベストの…いや、ベスト以上のものを出そうと思って疾走してきたけど。このやり方もひとつのGLEATのやり方やと思います。別にそれは本当にいいと思います。ここは本当に素晴らしい会社です。鬼塚の発表もそう。まあ、1日2日前、東京スポーツさんに、もしかしたら誰か離脱者が出るかもわからない。それはもしかしたら、今日、チェック(島谷)やったかもしらん。でも、あの記事を読んだ時に、『ああ、俺かな』って正直思ったよ。それがこの団体のやり方やから。おそらく日本の団体でどこもそんなことやってへんから。俺は素晴らしいと思うし、見てるぶんには面白いやろ。でも、等の本人は違うからな。セミでできるだけみんなにワイワイしてもらって、喜んでもらって。メインがおそらくシリアスな試合になるやろうと思って、セミはワイワイワイやって、その対比を見せたかったけど。まあ、その10分20分30分もせんうちに…。GLEATのほうからしたらそういう“仕掛け"かもわからんけど、俺のほうからしたらそういう“仕打ち"やわ。外堀から固めるんやろ。ええやないか。BUNTAI、11月3日、さっき黒潮TOKYOジャパンとここに座って、ものの30分前にここに座って。ニコニコして、『次はBUNTAIで』って言って時に、黒潮TOKYOジャパンが『いやあ、スケジュールが…』って言った時に、なんかおかしいなと思ったわ。いろいろおかしいなって。それで、30分後にこれやろ? 俺はリンダマンがどうとか、そんなこと何も言わん。会社のやり方も俺は所属させてもらってるから、何も言わない。ただ、俺は虫けらちゃうからな。コンピューターじゃないぞ。(胸を叩きながら)人間であり、選手やから。そして、プロレスラーやから。俺も来年29年、49歳。30周年、50歳。終活に入ろうと思ってたけど。28年のプロレス人生で初めてや、こんな仕打ち受けたのは。でも、もう1つの立場からしたら、GLEATの立場からしたら、これは仕掛けやな。生ものやぞ、これは。おい、この生半可な団体に、その生ものを受け入れる覚悟があんのか? まあ、契約があるから、しっかり話はするけど。リングで言ったのが俺の気持ちや。プロレス史上、たぶん初ちゃうか、こんなん。俺は28年で初めてや。俺から見たら仕打ちやからな。仕掛けじゃないぞ。仕打ちや。その責任はこの首にかけても取ってもらうからな」
『GLEAT Ver.EX〜GLEAT vs 強敵〜』後楽園ホール(2025年10月9日)
G-REX選手権試合 ○エル・リンダマンvs中嶋勝彦×
リンダマンが中嶋を激闘の末に破って、2年7ヵ月ぶりにG-REX王座を奪還。11・3横浜BUNTAI大会に向けて、初防衛戦の相手にCIMAを指名した。CIMAは「負けたら退団」を条件に提示して一度はリングを去ったものの、再び姿を現して「11・3BUNTAIがこのリングで最後の試合」と宣言。2人による“最後の対決"が浮上した。
現在、中嶋はG-REX王座、LIDET UWF王座の2冠を保持している。中嶋と共闘関係にあるリンダマンは8・9新木場大会でLIDET UWF王座に挑戦するも敗北。それでも「リンダマンは諦めが悪いんだ」と今度はG-REX王座挑戦を表明し、後楽園大会のメインで再び中嶋に挑んだ。
緊張感溢れる先制争いが続いたが、リンダマンが決死のトペコンヒーロで飛翔。勢いに乗ったかと思われたが、リングに戻ると、中嶋はバックルごとリンダマンの顔面を蹴り上げて形勢打開。サッカーボールキックを皮切りに腰に集中攻撃を浴びせ、逆エビ固めに捕獲した。
中嶋の攻勢はなおも続いたが、リンダマンはフロントスープレックスで反撃ののろし。熊殺しやミサイルキックで攻め立てると、スリーパーを狙われた瞬間、バックドロップで引っこ抜いた。大ダメージを負った中嶋が首を押さえて大の字になると、レフェリーが状況を確認し、リンダマンを下がらせる。リンダマンが「どうした?」と挑発すると、客席からは「勝彦」コールが巻き起こった。
試合続行となると、リンダマンは一気に試合を決めるべく、ダイビングボディプレスへ。しかし、中嶋は剣山で迎撃する。互いにロープを掴んで立ち上がると、そこにリンダマンは串刺しドロップキックを発射。容赦なくストンピングやエルボーを乱れ打って怒号を上げた。そして、中嶋を強引にコーナーに据えると、雪崩式ジャーマンの構えに。抵抗を受けると、パワーボムに切り換え、すぐさまジャーマンを狙う。
ロープに逃れた中嶋はキチンシンクで逆転。ふらつきながらもリンダマンの土手っ腹にサッカーボールキックを叩き込んだ。スリーパーで絞め上げてからランニングローキック3連発を叩き込むと、絶叫して立ち上がったリンダマンがエルボーを連発してきても、即座に黙らせてバーティカルスパイクがさく裂。リンダマンが肩を上げたものの、中嶋はノーザンライトボムの構えに。
なんとか防いだリンダマンはラリアットを一閃。雄叫びを上げると、ジャーマンでぶっこ抜きにかかる。ロープを掴んだ中嶋を強引に引き離し、ジャーマンスープレックスを2連続で繰り出した。中嶋は肩を上げたものの、リンダマンはタイガースープレックスホールドにつなげて、3カウントを奪った。
リンダマンが初代王者以来、2年9ヵ月ぶり2度目のG-REX戴冠。「久しぶりのG-REX、新チャンピオンはこの俺、エル・リンダマンだ!」と勝利の喜びをあらわにすると、「中嶋勝彦、お前とはもう何喋ってもしょうがないから、最後に握手だけさせてもらっていいか」と中嶋に呼びかけ、握手を交わした。
「ファンがなんと言おうと、周りがなんと言おうと、俺の目には常に中嶋勝彦が輝いて見えていたよ」と中嶋にメッセージを送る。そんな中嶋を諏訪魔が花束で襲撃する事件が発生。場内は騒然となったものの、リンダマンは仕切り直しでマイクを持つと、「今日勝ったのはこの俺、リンダマンだ!」と改めてアピールした。
「このベルトはただの強さの象徴じゃないぞ。俺はこのGLEATを輝かしい道に導くためのバトンだと思っているからよ。しっかりと他のチャンピオンから受け取ったバトンは、俺が責任を持って全うしてやるよ」と所信表明したリンダマンは、これまで敗れてきた田村ハヤト、石田凱士、T-Hawkへのリベンジを視野に入れた。
そして、「まず一番大事なGLEATの責任、バトンを受け取ったからには、来月11月3日、年間最大のビッグマッチ、横浜BUNTAIあるな。このビッグマッチで俺がG-REXのタイトルマッチをやる」と宣言。「俺は所属同士で最後決めるべきだと思うんだよ。この俺のタイトルマッチの相手、逆指名させてもらうぞ。CIMA出てこい!」と吠えた。
突然の指名を受けたCIMAはリングに上がると、リンダマンに殴りかかり、「おい、それがお前のやり方やな。ええよ。面白いやないか」としばらくにらみ合う。そして、「ガチンコにはガチンコでいこう。このリングに負けたほうが退団や」と衝撃発言。「お前、責任取れよ。ボケが」と吐き捨てると、会場フェンスを投げ飛ばすなど大暴れして去っていった。
普段とは違うCIMAの姿に不穏な空気に包まれるが、リンダマンは「いいじゃねえかよ、CIMA。おい、これがリアルだろ? だけどな、こんなもん、全部ひっくり返してやる。おい、CIMA。お前のやり方は近くでずっと見てきたんだ。お前をよ、本当の意味でも超えなきゃいけねえよ。ファンタジーとしても、存在としてエル・リンダマンが、若い世代がこのGLEATのリングで超えていかなくちゃいけねえんじゃねえのか!」と絶叫。「今の年齢のCIMAが、今のコンディションのCIMAが歯を食いしばって、どうしようもない現実に向き合っている姿が、本当はプロレスファンみんなは見たいんじゃねえのかよ!」と思いの丈をあらわにした。
そして、プロレスラーとしての姿勢を語り、「プロレスに関わる全員に俺は幸せになってほしい」と呼びかけると、最後に恒例の「GLEATしようぜ」で後楽園大会を締めようとする。だが、CIMAが再びリングに突然登場。「おい、考え直すぞ。お前とのシングルが俺のこのリングで最後の試合や」と11・3BUNTAI大会での団体離脱を示唆した。
場内がまたも騒然となると、リンダマンは「おい、待てよ。てめえはいつもはそうやって言うことだけ言って帰るんだろ。おい、CIMA。強い気持ちで言ったんなら、お前もリングに上がって、お前の強い気持ちを心に秘めて、拳に込めて、みんなで一緒にGLEATしようぜ、やってくれよ」と呼び止める。しかし、CIMAは応じずにリングをあとに。仕方なくリンダマンは「CIMAこのヤローの気持ちをみんな拳に込めてください。いくぞ、後楽園準備はいいか!」と絶叫。波乱続出の後楽園大会を「GLEATしようぜ!」の大合唱で締めくくった。
【試合後のリンダマン】
▼リンダマン「勝ったのはエル・リンダマンだ。リング上で言った通り、俺は覚悟を持ってプロレスやってるよ。プロレスラーはコスチューム着て、リングに上がって、必死にやってるよ。だけど、ファンのみんなもリング上で言った通り、スーツっていうコスチュームを着て、通勤電車乗って、仕事して、家族の前で寝巻き着て、食卓囲んでんだろ。でも、その1秒1秒が必死で、一生懸命で、大事なもので、尊いものなんだよ。プロレスは全部プロレス、人生は全部プロレス。ワークライフバランスとかねえから。ライフはワークで、ワークがライフで、全部がプロレスなんだよ。別にする必要ないよ。ライフがプロレスだ。いいか。ファンも全員プロレスラー、俺もプロレスラー。だから、一生懸命頑張ろうぜ。こんなに素晴らしいプロレスに関わっている人全員ひとり残らず幸せにしてやるからよ。今、連盟とか知らないよ。どういう形で付き合っているのか、本当にあるのかないのかもわかんねえけどさ。いいよ、何でもいいよ。連盟に俺たちは入ってないけど、全員お前らひとり残らず、まとめて幸せにしてやるから。お前ら覚悟しとけ。BUNTAIに来るヤツらは、BUNTAIを見るヤツらは、GLEATを見るヤツらは…最悪そこに来なくてもいいよ。プロレスに関わるヤツら最終的には全員幸せにしてやる。G-REXチャンピオン・リンダマン2度目の政権はGLEATだけじゃないぞ。プロレスを、そしてプロレスに関わるすべてを幸せにすることだ。楽しみにしとけ」
――挑戦者にCIMA選手を指名したが?
▼リンダマン「どうっすか? いや、CIMAを俺は大好きで、俺もCIMAが言った『リアルとファンタジーが入り混じった世界がプロレスや』って言葉が大好きで。やっぱりずっと一緒にいて、怖い部分も知ってて、本当は強いってことも知ってて。そのうえで、最近のCIMAが明るいって。明るいことは大事だし、明るいことは大好きで、明るいことに助けられてきた。俺もファンのみんなもそうだと思うよ。だけどな、明るいからって、俺は最近のCIMAがどうしようもない現実から逃げているように見えるんだよ。俺はそのCIMAを見てるのがイヤなんだよ。だからさ、俺だけじゃなくて、たぶんファンのみんなも、そして俺自身も、どうしようもない現実に歯を食いしばって向かい合うCIMAが見たいと思うし、そこで全力でG-REXのタイトルマッチ、BUNTAIのメインという最高の舞台で、歯を食いしばって戦うCIMAが見たい。そして、俺はそれをもちろん勝敗でも超えなきゃいけないし、今日のリング上のマイクみたいにあんなバンバンぶん投げてくるよ。だけどな、存在でも勝ち負けでも全部ひっくり返さないと、GLEATの未来、そして世代交代はないからよ。いつまでもベテランが出てきて、入場曲が鳴って、リングに上がっているだけで、ワーッ、楽しいみたいな、それだけの世界にさせないぞ。プロレスのリングで命張って戦っているのは、何よりも若い選手であるべきで、バリバリの選手であるべきで。トップランナーは常に俺たちじゃないといけないと思っているから。少なくともGLEATのリングはこのベルトを持っている限り、エル・リンダマンはそれを体現していく。そういうことでCIMAを選びました。たぶん誰も文句ないと思います。文句あるのはCIMAぐらいじゃないですか?」
――CIMA選手が退団を口にしたが、それをどう受け止める?
▼リンダマン「わかんないです。退団するのも本気の意志だったら、俺はそれもGLEATだと思いますよ。それも含めてGLEATだと思う。俺はさっき言ったように、つらいも悲しいもいろいろな気持ちがあるけど、全員強い気持ちを持って。みんな元気がないから、活力がないから。戴冠するぞっていう強い気持ちでも何でもいい。悔しいでも、このヤローでも、嬉しいでも、やったーでも、何でもいい。強い気持ちを持って彼が言ったんだったら、そこに戦いはあって、そこにGLEATがあって、G-REXがあって、BUNTAIがあるんだったら、それは大仕事じゃないですか」
【CIMAの話】「リングで起こったことがすべてやからな。これが今のGLEATのやり方で、スタイルでしょう。そこは俺もまったく否定せえへんし。むしろ、火を点けてもらったことに関してはありがたいよ。でも、ちょっと前からこの団体が俺に何をやらしたいのかわからんし、俺も何をやったらいいかわからん。とにかく与えられたもの、今のGLEATの中でベストの…いや、ベスト以上のものを出そうと思って疾走してきたけど。このやり方もひとつのGLEATのやり方やと思います。別にそれは本当にいいと思います。ここは本当に素晴らしい会社です。鬼塚の発表もそう。まあ、1日2日前、東京スポーツさんに、もしかしたら誰か離脱者が出るかもわからない。それはもしかしたら、今日、チェック(島谷)やったかもしらん。でも、あの記事を読んだ時に、『ああ、俺かな』って正直思ったよ。それがこの団体のやり方やから。おそらく日本の団体でどこもそんなことやってへんから。俺は素晴らしいと思うし、見てるぶんには面白いやろ。でも、等の本人は違うからな。セミでできるだけみんなにワイワイしてもらって、喜んでもらって。メインがおそらくシリアスな試合になるやろうと思って、セミはワイワイワイやって、その対比を見せたかったけど。まあ、その10分20分30分もせんうちに…。GLEATのほうからしたらそういう“仕掛け"かもわからんけど、俺のほうからしたらそういう“仕打ち"やわ。外堀から固めるんやろ。ええやないか。BUNTAI、11月3日、さっき黒潮TOKYOジャパンとここに座って、ものの30分前にここに座って。ニコニコして、『次はBUNTAIで』って言って時に、黒潮TOKYOジャパンが『いやあ、スケジュールが…』って言った時に、なんかおかしいなと思ったわ。いろいろおかしいなって。それで、30分後にこれやろ? 俺はリンダマンがどうとか、そんなこと何も言わん。会社のやり方も俺は所属させてもらってるから、何も言わない。ただ、俺は虫けらちゃうからな。コンピューターじゃないぞ。(胸を叩きながら)人間であり、選手やから。そして、プロレスラーやから。俺も来年29年、49歳。30周年、50歳。終活に入ろうと思ってたけど。28年のプロレス人生で初めてや、こんな仕打ち受けたのは。でも、もう1つの立場からしたら、GLEATの立場からしたら、これは仕掛けやな。生ものやぞ、これは。おい、この生半可な団体に、その生ものを受け入れる覚悟があんのか? まあ、契約があるから、しっかり話はするけど。リングで言ったのが俺の気持ちや。プロレス史上、たぶん初ちゃうか、こんなん。俺は28年で初めてや。俺から見たら仕打ちやからな。仕掛けじゃないぞ。仕打ちや。その責任はこの首にかけても取ってもらうからな」