プロレス/格闘技DX

『スターライト・キッド デビュー10周年記念大会 キッちゃんファミリー危機一髪!?』新宿FACE(2025年10月20日)
○井上京子&鷹木信悟&葛西純vsエル・デスペラード&ドラゴン・キッド&スターライト・キッド×

　キッドがデビュー10周年記念大会のメインでデスペラード&D・キッドと“キッちゃんファミリー"を結成。京子&鷹木&葛西に敗れたものの、再結成を熱望しつつ、「最高の空間を本当にありがとうございました!」と感謝で節目を締めた。

　キッドは2015年10月11日にデビュー。今年10周年を迎え、この日記念大会を開催した。キッドはメインでDRAGONGATEのD・キッド、新日本のデスペラードと“キッちゃんファミリー"を結成し、京子&鷹木&葛西の豪華トリオと激突した。京子はプロレスファン時代のキッドにとって憧れの存在。10周年の節目で対戦が実現した。

　デスペラードと葛西、D・キッドと鷹木の顔合わせを経て、序盤からキッドと京子の対戦が実現した。京子のパワーに押されながらもキッドはエルボーを連発。ラリアットをことごとくかいくぐってドロップキックを見舞ったが、京子は倒れない。モンゴリアンチョップで返り討ちに。鷹木と葛西はダブルタックルでデスペラードに突っ込み、キッドがフライングボディアタックを放っても軽々とキャッチして投げ飛ばす。さらに京子がスティンクフェースでキッド、D・キッド、デスペラードを次々に苦もんさせた。

　3箇所に分かれての場外乱闘に突入。京子&鷹木&葛西は3人同時にマスクに手をかけ、デスペラードとD・キッドは鷹木と葛西によって剥がされてしまった。マスクを交換する形で難を逃れると、キッドが葛西に噛みつかれるなど劣勢となったが、鷹木にエルボーを連発して立ち向かい、張り手を見舞うと、飛びつきスイングDDTで突き刺した。

　D・キッドもスタナーやウラカンラナで続いたが、ドラゴンラナは決められず。葛西に串刺しラリアット、ブレーンバスターで攻められたが、D・キッドも619でやり返す。デスペラードは葛西とエルボー合戦で火花を散らし、リバースタイガードライバーを狙い合う。葛西がカウンターのラリアットを叩き込めば、デスペラードはリバースタイガードライバーを阻止してバックドロップで逆襲した。

　葛西がキッド相手に竹串を突き刺そうとしたが、デスペラードが阻止。奪い取った竹串を葛西に突き刺すと、キッドとの合体スライスブレッドをさく裂。キッドが旋回式ダイビングボディプレスを投下した。京子にはドラゴンスクリュー、その場飛びムーンサルトと足攻めを展開したが、マフラーホールドには持ち込めず。雪崩式ブレーンバスターで叩き落とされた。

　ならばとデスペラードとD・キッドが鷹木と葛西を場外に蹴散らし、キッドがコーナー最上段からのプランチャを発射した。リングに戻るとデスペラードがバックドロップで京子をセット。キッドがムーンサルトを投下していく。さらにキッドが京子、デスペラードが葛西をマフラーホールド、D・キッドがクリストで鷹木を同時に捕らえて見せ場を作った。

　だが、鷹木と葛西が連続串刺しラリアットでキッドを鎮圧。京子もラリアットを振り抜く。さらに鷹木がデスバレーボム、葛西がパールハーバースプラッシュを立て続けに決めると、京子がハイアングルパワーボムを敢行。キッドは返せず3カウントを聞いた。

　試合後、葛西が「キッちゃん10周年おめでとう。まさかあんたとは一番対極にいるこのレスラーを呼んでくれるなんて夢にも思わなかったよ。ただ、水と油だから交わったら面白いところがある。来年もまた呼んでくれや」とメッセージを送れば、鷹木は「あらためましてスターダムのリングに鷹木信悟がきた、きた、きたあ!」と絶叫。「おチビちゃん、オファーをくれてありがとう。そして10周年おめでとう。おチビちゃんの張り手効いたから、次があれば俺とのシングルマッチもあるんじゃないか?」と投げかけた。

　そして京子は「キッちゃん、プロレスラーになってくれてありがとう。10年前、こんな戦えるなんて思ってなかったね。私37年やってるけど、こんな刺激的なカード組んでくれて、本当にありがとう。これからも元気でファンの人喜ばせてね。おめでとう」と感謝と祝福のメッセージ。握手を交わしたキッドは深々と頭を下げた。

　キッドが「なんかしゃべって、お兄ちゃんたち」と呼びかけると、D・キッドは「今のあとになんもないよ。最高の締めだったんじゃないの?」と返答。キッドから「このグダグダ感がキッちゃんファミリーですね」と指摘されながらも、D・キッドは「一つだけ。10周年おめでとう」と祝福した。

　「コスチュームも今日のために作ってきていただいて、本当にうれしいです。妹は大喜びです。今日戦ってくださった京子さん、鷹木さん、葛西さん、本当にありがとうございました」と感謝したキッドは「そしてお兄ちゃんたち、グダグダになったけど、またキッちゃんファミリーやりたいです」とキッちゃんファミリー再結成を希望。「最後フルコース食らってボロボロなんですけど、今日は全席完売で、これだけのたくさんのご来場ありがとうございます。本当にうれしいです。私って本当にものとか続かないタイプなんですけど、こうしてプロレスを10年間続けられてるって私にとって本当に凄いことなんですよ。でも、こうして10年間プロレスを続けられるのは、どんな時でも応援してくれるファン、スターダムの選手、スタッフ、関係者の皆さん、そして家族が支えてくれてるおかげです。本当にありがとうございます」と感慨とともにすべてに向けて謝意を示した。

　そして最後に「私はまだまだここのリング上で戦っていきますけど、デビュー10周年をこうして大会として残せたことが本当に幸せです。この空間にいるみんな、そしてYouTubeを見てくれてるみんなの記憶に残る大会になってくれていたらうれしいなって心から思っています。11周年目もスターライト・キッドの応援これからもよろしくお願いします。今日は最高の空間を本当にありがとうございました!」と締め。キッド10周年記念大会の幕が下りた。

【試合後のキッド&デスペラード&D・キッド】

▼キッド「『スターライト・キッド デビュー10周年記念大会 キッちゃんファミリー危機一髪!?』本当にありがとうございました」

▼D・キッド「ありがとうございました。そしておめでとうございます。

▼キッド「お兄ちゃんたちのマスクとコスチューム、サプライズでビックリしました」

▼D・キッド「第2回とかあるんだったら、また使えるけど」

▼キッド「これはまた組むしかないですよ」

▼デスペラード「血まみれになっちゃった」

▼キッド「でもお兄ちゃんが竹串から助けてくれたおかげで免れました」

▼デスペラード「どっちがおいしいのかなと思ったけど」

▼キッド「いやいや、今日はこの姿で終わらせてください。本当に今日の大会のためにたくさんご協力いただいた皆さん、ありがとうございました。お兄ちゃんたちも、京子さん、鷹木さん、葛西さんも本当にありがとうございました。出て下さった皆さんにも感謝でいっぱいです。本当にチケット売れるかちょっと心配だったんです。カード何一つ出てなかったから。お兄ちゃんたちをいっぱい振り回してしまったと思います。でも付き合ってくれるお兄ちゃんたちが大好きです」

▼D・キッド「楽しいけど」

▼キッド「また組みましょ」

▼D・キッド「逆にね、僕らもあれで。信悟と久しぶりに…」

▼デスペラード「しかも向こうは向こうで勝手に意気投合してるじゃないですか」

▼D・キッド「そうそう。またあるのかな?」

▼デスペラード「何かある」

▼キッド「また今日で新たな扉がいっぱい開かれたと思いますので、まだまだ私、11周年目も頑張っていきたいと思います。お兄ちゃんたち、これからもよろしくお願いします」

▼D・キッド「よろしくお願いします」

▼デスペラード「僕、控室の廊下出たくなかったんですよ。大先輩だらけで怖くて。久々でした、あの感じ」

▼D・キッド「怖いってあるんですか?」

▼デスペラード「あります、あります。お会いしたことないベテランの、下田さんクラスの人がいっぱいいまして。怖いじゃん」

▼キッド「すいません。今日は本当に私が呼びたい人を呼びまくって、引退された方まで呼んじゃって。やりたい放題やらせていただきました。ちっちゃい頃から女子プロレスを見続けて、デビュー10周年を迎えて、自分が昔見てたものを再現できたっていうのは本当にうれしかったです。歴史あるな、女子プロレスって思ったし、まだまだ私やっていきたいなって思っちゃいましたね。これからもワガママに付き合ってください! ということで今日は『スターライト・キッド デビュー10周年記念大会 キッちゃんファミリー危機一髪!?』本当にありがとうございました!」

※デスペラード&D・キッドは先に控室へ

――10周年大会を終えての心境は?

▼キッド「全席完売ということで、本当にうれしさでいっぱいです。私がやりたいこと、見たいものを詰め込んだ大会だったんですけど、皆さんの記憶に残るような大会になっていたら凄くうれしいなと思いますし、プロレスを10年続けられてる自分にもビックリなんですけど、プロレス人生10年間を大会に残せたことが本当にうれしさでいっぱいです。協力してくれたスタッフ、関係者、会社に本当に感謝でいっぱいです。ありがとうございます」

――出た選手も思い出に残るような興行を意識した?

▼キッド「過去のものを引っ張り出してきたりとか、分かるお客さんには凄く伝わるものだと思いますし、私が何より一番見たかったっていうものがあるので。協力してくれた選手の皆さんに本当に感謝でいっぱいです。私、試合前バタバタで見れなかったんですけど、このあとゆっくりみんなの試合を見たいなと思います。本当にありがとうございます」

――次回記念大会は?

▼キッド「どうしましょう。来年も呼んでくださいとか、おっしゃってた方もいましたけど。でも、こういうものは大事に大事に取っておくべきだと思いますし、10周年大会やるとも思ってなかったので。数年前の私は。でも、いろんなものに刺激を受けてやりたいなって実現できたのは私自身もビックリです。次やる時はどうしましょうかね? 刻んでいきますか? どうですか? でも、こういうのは大事にしたいなって私は思ってます。本当に1から10、1から100までやってる人たち凄いなって思いました。私は今回スターダムに全面バックアップしてもらいつつって感じだったんですけど、個人で自主興行やられてる方とか凄いなって尊敬します。もうやりたくないかもしれないかもしれない。何が起こるかわからないから楽しみにしといてください。私にはこれも(ワンダー王座)あるんで。まだまだスターダムのワンダーチャンピオンとしてスターダムを引っ張っていきたいと思います」

――10年を迎えてスターライト・キッドの魅力は?

▼キッド「最初はスターダムのマスコットキャラ、人気先行って感じだったんですけど、ここ数年で戦い方を変えてきたりで実力も人気に伴ってきたというか。数年前の私だったらこのベルトを持ってることすら考えられないことだなと思いますし、大会を開催できるような、スターダムで大きい存在になれるとは数年前は思わなかったです。でも、こうやってワンダーチャンピオンとしてもそうですし、10年間やってきて、まだまだこれからもレベルアップ、成長していきたいと思いますし、女子プロレス界を引っ張っていく存在に。やっぱ全女やNEO、男子を引き継いでる私にとっては、していかなきゃいけないなと思ってます。今日の大会を通して、より強く感じました」

――京子選手から「プロレスラーになってくれてありがとう」と言われたが?

▼キッド「自分が幼い頃、ファンとして見てた人たちと同じリングに上がってるっていうことが…スターダムでも何回かチョコチョコあったんですけど、今日は特にNEO色が強いというか。一番近かった女子プレス団体だったので。私自身も夢のような空間。うれしいし、ママに一番の恩返しができたかなと思います」

――お母さんも観戦していた?

▼キッド「もちろん。あとで感想を聞きたいと思います。泣いてくれてたらうれしいな」


【試合後の京子&デスペラード&葛西】

▼鷹木「来た、来た、来た、大勝利!」

▼京子「本当にありがとうございました」

▼鷹木「まさか葛西さんから『来た、来た、来た』って言われると思わなかった。自分が言うところなかったから、これはどっかでやらなきゃって最後、強引にやらせてもらいましたけど、試合後、京子さんに…」

▼京子「教えといてよ!」

▼鷹木「葛西さんが知ってるわけないと思って。これ次があるんじゃないですか? 俺22年目ですけど」

▼葛西「27年」

▼京子「36年」

▼鷹木「20年、次は25年、30年、35年、40年と頑張れるように。このトリオはあるかもしれないですね。あとドラゴン・キッド! たまには挑発してくれよ。ドラゴンオジサン対決、いつでもやる準備はできてるぜ。どっちがオジサンか? もちろんあんたがオジサンだけどな」

▼葛西「キッちゃん、10周年おめでとう。まさかね、10周年に俺っちを呼んでくれて、こんな超刺激的なマッチメーク組んでくれるなんてね。俺っちから何かしなきゃいけないのに、いいプレゼントもらっちまったよ。さすがは井上京子さん、超刺激もらいましたよ」

▼京子「ありがとうございます!」

▼葛西「そして鷹木信悟。俺っちと似たようなにおいがするなって思った。次リングで会うときは味方じゃねえ。ハードコアでぜひやらせていただきたいね」

▼鷹木「ウチの若いヤツ、永井大貴が葛西さんの名前を出したからね。鷹木&永井組vs葛西&誰か組って近い将来あるんじゃないですかね」

▼葛西「やっぱプロレスはよ、点を線にしなきゃ面白くないんだ。ガッチリ結ばせてもらおうじゃねえか」

▼鷹木「やりましょう」

▼京子「素晴らしい。今のは私、入ってないからね。やんないよ。デスマッチとかやんないよ。キッちゃん、10周年ホントおめでとうございました! 本当にプロレスラーになってくれてありがとう。もう何もないです。そして今日、私、ヒザが悪かったんですけど、試合前にちょっと弱音吐いたんですけど、二人が『全部サポートします』と言ってくれたんで。本当にありがとう。私に勝たせてくれたから」

▼鷹木「いやいや。生のナイアガラドライバー見たかったんで」

▼京子「ありがとうございました。キッちゃん10周年おめでとう!」