【NOAH】“未知"駆使で高橋ヒロム攻略、ダガ&Eita連破で恩返しVの青写真も ジュニアGPへ小田嶋大樹インタビュー 2025/10/31

 11月8日の後楽園大会から開幕するノアジュニアのシングルトーナメント『NOAH Jr. GRAND PRIX 2025』。史上最年少でGHCジュニアタッグ王座戴冠を果たしたホープ小田嶋大樹は、1回戦でいきなり現GHCジュニア王者の高橋ヒロムと対決する。

 自らヒロムの1回戦での激突を迫って希望通りに実現。キャリア1年でジュニアタッグ戴冠を果たしたばかりか、今度はヒロムとの一騎打ちも実現させた。とはいえ、シングルではいまだ未勝利。それでも「ワクワク」が止まらないという大器に、その胸の内を聞いた。

【小田嶋大樹インタビュー】

――『NOAH Jr. GRAND PRIX 2025』で希望通り高橋ヒロム相手の一回戦が決まりました

▼小田嶋「ワクワクしてますね。現GHCジュニア王者であるだけでなく、日本ジュニア界トップの選手ですし、IWGPジュニアも何度も獲ってますし。実際Eitaさんとのタイトルマッチも近くで見ていて、強さとか凄さをより体感しているので、それを実際体感できて、そして超えられるチャンスが目の前にあるのが、すごく楽しみでワクワクしてます」

――ヒロムに突っかかっていって怒りの感情もみえたが、ワクワクのほうが大きい?

▼小田嶋「もちろんGHCジュニアのベルトを取られて悔しいという思いはあります。でも、ヒロムさんのインタビューをみていてもNOAHに対するリスペクトがないとは思っていませんし、僕が突っかかっていったのも、僕自身が眼中に入ってなかったじゃないですか? 『自分もいるんだぞ!』っていうのをアピールしたかったのもあったんで、怒りよりは『超えてやるぞ!』っていうワクワクが大きいですね」

――『NOAH Jr. GRAND PRIX 2025』開催自体への意義はどう捉えている?

▼小田嶋「ノアジュニアで、これだけ大人数でのリーグ戦やトーナメントは久しぶり。しかも新人として出るワケじゃないくて、GHCジュニアタッグのチャンピオンとして出ますからね。丸腰で出るのとは意味が違う。だから『ノアジュニアはこれだけ凄いんだぞ!』っていうのを、しっかり見せたい思いは強いです。ただガムシャラに目の前のことをやるだけじゃなくて、ノアジュニアのレベルの高さ、面白さを届けたい。そんな気持ちも強まってます」

――とはいえシングルではいまだ未勝利です

▼小田嶋「そうなんですよ。シングル初勝利の相手が高橋ヒロムになるなんて…めちゃくちゃ楽しみですね。ワクワクします」

――勝ち筋は見えている?

▼小田嶋「ずっと考えてます。一番の作戦は『最後の最後まで勝ちを諦めないこと』だな…っていうのは、この間の両国ジュニアタッグのタイトルマッチで一番思ったこと。そのうえで自分な得意なことを相手より多く出せば、勝つ道は見えてくる。それはレスリング時代より師匠(本田多聞)から叩き込まれてきたことなので」

――ヒロムを上回っているものとは?

▼小田嶋「Eitaさんとのタイトルマッチも、宮脇さんとの試合もそうでしたけど、ヒロム選手は受けきったうえで自分の大きい技で勝ちきってる。だから、そのリズムを崩したいですね。相手が『自分のパターンに持ち込んだ』と思ったところで、ヒロム選手が今まで絶対に受けたことがない技で畳み掛けられれれば。それこそ回転地獄五輪シリーズだったり。そこが肝になる気がしてますね」

――師匠の回転地獄五輪シリーズは“パート12"までありますが…

▼小田嶋「はい、そこには本田さんの体格だからこそできる技も含まれてるんですけど、逆に僕の体格だからこそできる変わり種も考えているので」

――噂の回転地獄五輪パートDaikiですね

▼小田嶋「はい! すでに考えて磨いてはいるんですけど、まだ出すチャンスがなくて。つまりは誰も知らないんです。対策の立てようがない。この“未知"を最大限に活かして“シングル初勝利の相手が高橋ヒロム"を実現させようと思っています」

――勝ち上がって当たりたい選手というのは?

▼小田嶋「勝ち進めばダガさんと当たる可能性があるんですよ。デビュー間もない頃、一度だけダガさんとシングルをやったことはあるんですけど、それ以降はシングルをやったことがないので。そして決勝で当たりたいのはEitaさん。(タッグチームの)TBAとして一番近くでみていたEitaさん。準決勝と決勝は(11・21)仙台で行われるので、準決勝でダガさん、決勝でEitaさんに勝って、師でもあるお二人に勝って恩返ししたいですね」

――ジュニアタッグも最年少で巻きましたが、ここでも優勝となったら、ノアジュニア新世代の“先輩"にあたる宮脇純太やカイ・フジムラからのジェラシーが凄いことになりそうです

▼小田嶋「ジュニアタッグを獲った時点で(ジェラシーを)感じてはいるので、その気持ちが“憎しみ合い"じゃなくて切磋琢磨していくエネルギーになれば、ノアジュニアとしておのずと盛り上がっていくと思いますね」

――とはいえ『一緒に頑張っていきましょう!』ではなく…

▼小田嶋「もちろん。僕は一生懸命やるだけですけど、それに先輩方がついてこられなかったら“それまで"だと思います。勝手に突き抜けます。新弟子たちのデビューも控えてますし、僕だって下から追い上げられることも絶対あると思うので」

――新世代でノアジュニアを引っ張る、その先頭に立つと

▼小田嶋「はい。ヒロム選手が『杉浦貴vsマイケル・モデストの試合が好きで、実際に会場にも行っていた』というのを知って、GHCジュニアへのリスペクトだったり、ノアジュニアを盛り上げる気持ちも本気なんだな…って思ったんですけど、でも所属は新日本プロレスなワケで。他団体の選手に『ノアジュニアを盛り上げる』って言われてるのって、すごく悔しいんですよ」

――お前らじゃ盛り上げられないから、俺が盛り上げてやるよ…とも受け取れる

▼小田嶋「そうなんです! そこが本当に悔しくて。それこそEitaさんと戦った後に『メインディッシュを倒しちゃったから』みたいなことも言ってたので、まだまだノアジュニアはいるんだぞ、ナメんなよ!って気持ちになって」

――Eita選手がメインディッシュなら、ご自身はどんな料理?

▼小田嶋「“おいしい"って分かってるのがメインディッシュじゃないですか。だけど僕は“食べたことないけど、食べてみたらめっちゃ美味かった"って存在になりたい。フルコースを食べてみて『初めて食ったけど、あれが一番食いごたえがあって美味かったな』って思わせてやりたいですね」