8/1【新日本】モクスリー初黒星で放心 “矢野ワールド"全開のリングアウト決着に博多沸騰
『HEIWA Presents G1 CLIMAX 29』福岡市民体育館(2019年8月1日)
Bブロック公式戦 ○矢野通vsジョン・モクスリー×
無傷5連勝でG1・Bブロックを独走中だったモクスリーが、矢野にまさかまさかのリングアウト負け。狂犬が“矢野ワールド"に引きずり込まれて、G1のみならず新日本での初黒星を喫して“放心"した。
破竹の5連勝で、G1初出場初優勝へ爆走中の世界のスーパースターは、博多の地で6戦目で臨んでクセ者・矢野(2勝3敗)と対決。今宵も一回客席を堂々とかっ歩しながら現れて貫禄を漂わせたものの、待っていたのはまさかの結末だった。
最初から最後までペースを握り続けたのは矢野だった。まずはモクスリーをスカして怒りを煽った矢野は、場外から水をぶっかけての“鬼ごっこ"に持ち込んでニヤニヤ。モクスリーに捕まっても、すかさず「ごめんなさーい!」「プレゼントフォーユー!」と叫んでDVD“YTR・VTR"を差し出し、箱をあければ「テン・サウザンズ・エン!」と10枚の千円札で買収にかかる“用意周到さ"だった。
モクスリーも蹴り上げて夏目漱石の紙幣がパラパラとリングを舞う。すると今度は大げさにロープに逃れる「ブレイク!」連呼でモクスリーを小バカにし、場外に誘い出して今度はテーピングでの“緊縛刑"を狙った。
ところがモクスリーも反撃し、逆にテーピングで鉄柵に矢野の腕を固定。慌てて矢野もテーピングの“早剥がし"でリングに滑り込むと、今度は早ワザでコーナーマットを剥がして“金具むき出しコーナー"を作り出す。
するとモクスリーも対抗してコーナーを剥がし、そのまま両者は“コーナーポストちゃんばら"を展開。モクスリーが競り勝って振り上げたところでレフェリーが“没収"し、すかさず背後から金的→スクールボーイで矢野が3カウントを奪いにかかった。
慌てて肩を上げたモクスリーも、矢野を金具コーナーにぶつけて顔面へのニーアタックを発射。矢野が場外に転落したところでテーブルを持ち出し、鉄柵に立てかけて矢野の顔面を叩きつける。得意のハードコアでようやく自らの“土俵"に入った…かと思われた。
だが、矢野は突っ込んできたモクスリーを“おつき"の海野を盾にして防御。さらには海野を突き飛ばしてモクスリーに当てるや、二人の股間を同時に撃ち抜いてから二人の足をテーピングで仲良くグルグル巻きに。すでに場外カウントは10を超えており、モクスリーは必死に剥がしたものの、そのまま場外カウント20が数えられた。
モクスリー敗戦が決まった瞬間、場内を爆発的歓声が包んだ。完全に自らの土俵に世界のスーパースターを引きずり込んで“仕留めて"みせた矢野は、得意の「ヤノ・トー・ル!」を唱和してから、キッチリと1万円を回収して逃走していった…。
一方で初黒星を喫したモクスリーは、矢野が消えた後にようやく“二人三脚状態"から脱出。リングに上がると、約1分間に渡って放心し、博多の観衆からモクスリーコールで励ましを受けた狂犬は「他のヤツをぶっ潰したら、ヤノに仕返ししてやる!」と怒りをあらわにしたものの、「お前の奇妙な戦い方に付き合ってしまったのがいけなかった…」とやはり後悔に暮れていた。