8/3【新日本】鬼門大阪でオカダの連勝ストップ SANADAが残り13秒で歓喜の“ライバル"超え
『HEIWA Presents G1 CLIMAX 29』大阪府立体育会館(エディオンアリーナ大阪)(2019年8月3日)
Aブロック公式戦 ○SANADAvsオカダ・カズチカ×
オカダの鬼門とも言える大阪でG1の連勝が「6」でストップ。残りわずか13秒の場面でSANADAがラウンディングボディプレス2連発で激勝し、7度目の対戦で初めて“ライバル"オカダを撃破した。
IWGPヘビー級王者のオカダは無傷の6連勝でAブロック首位を独走中。そんなレインメーカーと対戦するのがSANADAだ。5・4福岡でのIWGP王座戦で両者は激突。オカダがベルトを死守したが、SANADAを「ライバル」と認めた。SANADAは2勝4敗とすでに脱落が決まっており、オカダとの対戦は通算で6戦全敗。圧倒的不利な情勢は否めないが、唯一ポジティブな要素は大阪という土地だ。オカダにとってG1の大阪大会は2016年に石井、2017年にEVILに不覚を取った言わば鬼門。本当の意味でオカダとライバルになるために、SANADAが初勝利を狙ってレインメーカーに挑んだ。
試合は静かな立ち上がりとなったが、先にオカダが動く。コーナーにSANADAを据えて、ドロップキックで場外に蹴落とすと、フロントハイキックや鉄柵に両足を固定してのDDTで追い討ち。首にダメージを重ねると、リングに戻ってもスライディング式ビッグブーツを突き刺した。場内はSANADAコールに包まれる。
声援を力に変えたSANADAが低空ドロップキックで反撃の狼煙。リープフロッグからのドロップキックを決め、間髪入れずにプランチャを浴びせると、またまたSANADAコールがこだまする。パラダイスロックに捕獲してその声に応えると、フラップジャックを食らってしまったものの、先読み合戦で競り勝ち、バックドロップで投げ飛ばした。
しばらく守勢が続いたオカダだったが、SANADAがスワンダイブ式ミサイルキックを狙った瞬間に組みつき、リバースネックブリーカーをズバリ。ダイビングエルボードロップを投下した。レインメーカーは時期尚早だったものの、SANADAのドラゴンスリーパーで捕まった場面ではコーナーを蹴り上げてバックに回り込み、ツームストンパイルドライバーをお見舞いした。しかし、粘るSANADAはまたもレインメーカーをかいくぐり、ネックスクリューで繰り出して、両者大の字に持ち込む。
這うようにして向かい合った2人はエルボー合戦で気持ちをぶつけ合うが、オカダは前後からドロップキックを乱れ打ってアクセルを踏み、再びレインメーカーへ。三度切り返したSANADAはドラゴンスリーパーで絞め上げると、タイガースープレックスに切り換えて追撃。TKOもさく裂する。ラウンディングボディプレスは読まれてしまうが不時着すると、ムーンサルトで飛びつき、Skull Endの体勢に。
これを待っていたオカダは後転しながら手首を捕らえて、ショートレンジ式レインメーカーを2連射。絶叫してから正調レインメーカーで勝負に出る。だが、SANADAはカウンターのラリアットでねじ伏せると、ドラゴンスリーパーの体勢からぶん回し、とうとうSkull Endで捕まえた。
SANADAは残り時間が5分を切ってもSkull Endにこだわる。オカダが首を引き抜いたり、押さえ込んだりして脱出を図っても、すぐに捕獲し直して絞めに絞めた。時間切れが迫る中、オカダがギブアップしないとみるや、ラウンディングボディプレスで勝負に。しかし、オカダがこれを剣山で撃墜。両者への声援が交錯する。
残り時間はあと1分。執念を燃やすオカダは正調ドロップキックからレインメーカーを仕掛けていく。しかし、ひらめきを見せたSANADAがこれを上空ホイップ式TKOで切り返すと、背中に、そして正面からラウンディングボディプレスを2連発で投下。残り時間わずか13秒で値千金の3カウントを手にした。
SANADAが歓喜のレインメーカー超え。全勝優勝まで見据えていたオカダに土を付けた。マイクを持ったSANADAが「やっと…やっとライバルに勝ちました。ライバルに勝ったんで、久しぶりにあれ、やっていいですか?」と呼びかけると、会場の照明が落とされ、観客が持つスマートフォンのライトが光り輝く。
「本当のことを言うと、去年、この会場でライバル、オカダ・カズチカに負けたので、大阪が嫌いでした」と昨年2月のIWGP王座戦を振り返ったSANADAだったが、「が、今日を境に、日本で一番ここ大阪が…メッチャ好きやで」まさかの大阪弁でアピール。大きなSANADAコールが巻き起こると、「おい、大阪! See you next time!」の雄叫びで大会を締めくくった。
「会場に来れなかった人が見てるんだろ? 最後のやつはテレビ見ているヤツらへの俺からのギフトだよ。今後楽しみにしておけよ」とバックステージでも珍しく多弁だったSANADA。すでに脱落は決まっているとはいえ、G1後に繋がる価値ある1勝となった。一方、オカダは「ライバル、初勝利おめでとう。一番負けたくない相手に負けたな。まあ、ライバルが勝ったことによって、俺とSANADAさんの物語は楽しくなってくるでしょうね」と強がったが、まだ単独首位とはいえ、初黒星の影響が心配されるところ。次戦の8・7浜松では、SANADAがアーチャーと、オカダがEVILと対決する。