8/10【新日本】8年ぶり再会対決…ザックが肩攻め完遂で完勝 5連敗・KENTAは「これが現在の位置」
『HEIWA Presents G1 CLIMAX 29』東京・日本武道館(2019年8月10日)
Aブロック公式戦 ○ザック・セイバーJr.vsKENTA×
ザックがKENTAとの“再会対決"で肩攻めを完遂させて完勝。5連敗となったKENTAは「これが現在の位置」と噛み締めた。
KENTAとザックの“再会対決"がG1武道館大会を舞台に実現した。ノアにルーツを持つ両雄のシングルマッチは、2011年5月のノア英国大会以来、約8年2ヶ月ぶり。ともにすでに脱落が決まっているが、かつてノアの“聖地"だった日本武道館での最終公式戦となった。
まずはじっくりと探り合い、KENTAが離れぎわに狙ったハイキックや顔面蹴りはことごとく空を切って緊張感が高まったものの、ザックがKENTAの左肩を狙って主導権。KENTAもパワースラムやダイビングラリアット、さらには串刺しの低空ドロップキックなどで反撃に出たものの、ザックもダイビングフットスタンプを避けてのノーザンライトスープレックス→チキンウイングアームロックで左肩を絞めつけ、WWE時代の長期欠場の要因となった“古傷"をえぐっていった。
それでもKENTAは、左腕を何度もひねられながらも、右腕を使った強烈エルボーで応戦。打撃戦に発展すると、ザックがカウンター気味のエルボースマッシュで競り勝ったかにみえたが、KENTAもランニングローキックをキャッチしてのローリングラリアットをズバリ。そして今度こそのダイビングフットスタンプで急降下して好機をつかむ。
ザックもgo 2 sleep狙いを左腕へのオーバーヘッドキックで切り返してそのまま左腕をつかんだものの、譲らぬKENTAも右腕を使って強烈なビンタを連打。さらにはクロスカウンター式の掌打でザックを腰砕けにしてみせた。
崩れ落ちたザックも続く顔面蹴りを避けてのヨーロピアンクラッチで巧みに丸め込んで一気にニアフォールまで持ち込む。続くKENTAのラリアットも避けてジムブレイクスアームバーを狙ったが、KENTAも切り抜けてGAMEOVERへと切り返して決定機をつかんだ。
ザックもロープをつかんだものの、すかさずKENTAはロープを頼るザックのアゴを蹴り上げると、ブサイクへのヒザ蹴りを発射。続けざまに必殺のgo 2 sleepで仕留めにかかる。
だが、インパクト直前にフロントネックロックで絡みついて切り返したザックは、そのまま三角絞めへと変化。抵抗するKENTAの右腕を足で絡め取るや、一気に左腕をつかんで引っ張ってジムブレイクスアームバーが完成。左肩が完璧に極まったところで、たまらずKENTAもギブアップを意思表示した。
ノア時代の“格差"をひっくり返して約8年ぶりのシングルマッチに完勝。4勝目を上げて今夏G1を終えたザックは「よくわかったか、KENTA。誰がダイセンパイだ? 誰がお前にとってのダイセンパイになるんだ?」と勝ち誇ったものの、「俺が倒すべきKENTAはあいつじゃない」と、かつて憧れたKENTAの“真価発揮"を望んだ。8月31日には、母国イギリスで新日本がビッグマッチを行うだけに「次はイギリスだ。俺はメインイベントでこのベルトを防衛したいと思っている。イギリスの大会はロイヤルクエストと銘打たれているが、あれはザッククエストなんだ」と見据えた。
一方で“新天地"新日本でのG1公式戦を終えたKENTAは、4連勝からの5連敗。「これが今の俺の現在位置」と受け止めつつも、「人生1回の失敗で終わらなくて、またやり直せるっていうのも人生の醍醐味だと思うんで。その人生の醍醐味、見せつけてやりたいと思います」と“真の再起"を誓ってみせた。
【ザックの話】「よくわかったか、KENTA。誰がダイセンパイだ? 誰がお前にとってのダイセンパイになるんだ? それはザック・セイバーJr.だ。まだまだお前はあまちゃん。このサブミッションマスターの前ではいい子にしてなきゃだめなんだ。ファンのみんなも見てくれたかもしれないが、俺が倒すべきKENTAはあいつじゃないんだ。この完売の武道館で新時代を築くのは俺だと思っていたが、それは残念ながらできなかった。しかし、2019年のザック・セイバーJr.、これからの俺はアンタッチャブルになるぞ。今、俺はより強くなっている。この団体で戦っているレスラーたちはまだまだセミプロだ。俺のプロフェッショナルに比べればセミプロなんだ。俺がマンチェスター・ユナイテッドなら、あいつらはサブリーグにいるようなもんだ。テクニシャンと言えば俺だし、グラップリングがしたいならやってやろう。ザックドライバーを決めてほしければやってやろう。どんな試合であれ、俺は対応していく。今年のG1は残念ながら自分にとって悲劇でしかなかった。8ポイントとしか取れなかったし、本当にひどい出来だった。でも、自分がファイナルまで勝ち上がれなかったのは、俺が悪いんじゃない。世間が悪いんだ。今回は残念ながら自分のG1史上最低の成績で負け越してしまったが、ブリティッシュヘビー級チャンピオンという称号はまだ俺のもとにある。ここでメインイベントを飾るのが俺の夢でもあったができなかった。それは残念だけれど、ブリティッシュヘビー級チャンピオンであることは変わりない。東京ドーム、マディソンスクエアガーデン、その次の大切な試合だったが、これが終わったら、次はイギリスだ。俺はメインイベントでこのベルトを防衛したいと思っている。イギリスの大会はロイヤルクエストと銘打たれているが、あれはザッククエストなんだ」
【KENTAの話】「負けちゃったね。まあでも、これが今の俺の現在位置なんでしょうね。しっかりとこれを受け止めて、この先、どうしていくか。人生1回の失敗で終わらなくて、またやり直せるっていうのも人生の醍醐味だと思うんで。その人生の醍醐味、見せつけてやりたいと思います」