8/11【新日本】小細工無用で石井を正面突破 タイチ激闘勝利にあべみほも号泣
『HEIWA Presents G1 CLIMAX 29』東京・日本武道館(2019年8月11日)
Bブロック公式戦 ○タイチvs石井智宏×
タイチが小細工無用の正攻法でNEVER王者・石井を正面突破。3ヵ月ぶりの再戦で雪辱を果たしたタイチの姿を見て、苦楽を共にしてきたあべみほも号泣した。
ともに脱落が決定している3勝5敗のタイチと4勝4敗の石井が最終公式戦で激突した。両者は3・13岡山(NEW JAPAN CUP2回戦)、6・9大阪城ホール(NEVER王座戦)で今年2度対戦。石井が2連勝を飾っており、タイチにとっては雪辱戦となった。
ゴング早々にあいさつ代わりにアックスボンバー、デンジャラスバックドロップを決めたタイチは、その後も試合をリード。石井がショルダータックルを繰り出しても、タイチは倒れずフロントハイキックを突き刺し、凶器や犯則攻撃は一切使わず、正攻法で圧倒する。
しかし、石井は鬼の形相で立ち上がると、カウンターのパワースラムで反撃開始。串刺し攻撃は自爆に終わり、ジャンピングハイキックの餌食になるが、こん身の右エルボーからジャーマンでぶん投げた。気迫全開の石井はタイチのローキックに被弾しても「効かねえんだよ!」と吠えて、エルボーを打ち返す。よろめく場面もあったが、串刺しラリアットですぐに反攻すると、雪崩式ブレーンバスターで引っこ抜いた。バックドロップもさく裂すると、気合いで立ち上がったタイチをラリアット、スライディングラリアットでなぎ倒す。
普段ならばラフファイトで反撃に転じるタイチだが、今日はどこまでも正攻法を崩さず、串刺しジャンピングハイキックで巻き返す。両者への歓声が激しく交錯する中、タイチはバズソーキックを打ち抜くと、アックスボンバーがクリーンヒット。決定機を掴んだ。タイチはタイチ式ラストライドを狙うも、石井は意地のリバース。それでも止まらないタイチはハイキック、延髄アックスボンバー、ジャンピングハイキック、タイチ式ラストライドと怒濤の猛ラッシュ。場内はカウントの大合唱となったが、石井はギリギリでキックアウトした。
天翔十字鳳やブラックメフィストは決まらなかったが、石井のラリアットを仁王立ちで受け止め、強烈な右エルボーからアックスボンバーを発射。しかし、譲らない石井は倒れず、ノーモーション頭突きでカチ上げた。反撃に転じた石井は強烈なラリアットを振り抜くと、しつこく垂直落下式ブレーンバスターを狙っていく。
そんな石井を必死に振り払ったタイチはソバット、ハイキック、デンジャラスバックドロップと再び猛攻。ふらつきながら立ち上がる石井にジャンピングハイキックを放つと、もう一発デンジャラスバックドロップを敢行した。これでも石井が沈まなかったが、タイチは最後まで真っ向勝負を止めず、延髄斬りに被弾しながらも、すぐさま天翔十字鳳をぶち込み、最後はブラックメフィストで3カウントをもぎ取った。
セコンドも介入させず、マイクスタンドやアイアンフィンガーも使わず、タイチが正攻法で石井から初勝利。4勝5敗で初出場となったG1はフィニッシュとなった。奮闘した末に激勝したタイチを見て、セコンドのあべみほはリング上で号泣する。さすがにダメージを引きずりながらコメントブースに現れたタイチだったが、「言った通り、内藤、石井、2つのチャンピオンを倒したぞ。タダの負け越しじゃねえぞ。意味あるんじゃねえか、チャンピオン2人倒すって」と胸を張った。
「それ(ベルトを)取ったんだから、返してくれよって。もう1回、もう1回やろうぜって…言いたいところだけど、石井はもういいや。当分いいや、石井は」と早期の再戦は否定したタイチだったが、インターコンチネンタル王者とNEVER王者からの勝利は今後に繋がってくるはず。「また、今後いろいろやるからな。また来年だな」と予告したタイチだった。