1/4【新日本】ライガー敗戦も佐野と再会実現、獣神引退試合第1弾に歴代新日ジュニア集結
『バンドリ!Presents WRESTLE KINGDOM 14 in 東京ドーム』東京ドーム(2020年1月4日)
獣神サンダー・ライガー引退試合I ○田口隆祐&佐野直喜&大谷晋二郎&高岩竜一with小林邦昭vs藤波辰爾&ザ・グレート・サスケ&タイガーマスク&獣神サンダー・ライガー×withエル・サムライ
ライガーの引退試合に約12年ぶりの古巣参戦となった藤波を筆頭にゆかりのある歴代新日ジュニアが集結。最後は田口に敗戦したものの、ライガーは奮闘し、東京ドームを沸かした。
昨年3月に引退を決意したライガーは89年4月にデビュー戦を行った東京ドームをその舞台に定め、10ヵ月にわたって全国のファンに別れを告げてきた。そして、とうとうやってきた2020年新春のドーム2連戦。初日は縁のあるメンバーとの8人タッグマッチに臨んだ。
組むのは憧れ存在だった藤波、マスクマンのライバル・サスケ、近年のパートナー・タイガーの3人。対戦相手は同期・佐野、90年代にしのぎを削った後輩の大谷&高岩、現役新日本を代表した田口が並んだ。セコンドには、かつての好敵手であるエル・サムライ、デビュー戦の相手・小林邦昭がつき、特別レフェリーもかつてIWGPジュニア王座やスーパージュニア優勝戦を争った保永昇男が務めた。
田中ケロリングアナが「東京ドームで生まれた獣の神。同じここ東京ドームで戦いの歴史に幕を下ろす。2020年1月4日、その時が来た!」と前口上。12年ぶりの新日本参戦となった藤波や獣神とのハーフマスク姿のサスケらが登場すると、最後にライガーがリングイン。東京ドームは大きなライガーコールに包まれた。
先発を買って出たライガーは佐野を手招き。いきなり同期対決が実現する。互いの気持ちを確認するかのようにグラウンド戦を繰り広げると、佐野はあいさつ代わりにドロップキックからトペスイシーダを浴びせた。大谷も惜別の気持ちを込めた顔面ウォッシュをお見舞い。同時にサスケやセコンドのサムライも蹴り飛ばす。ライガーは掌底連打で反撃を果たしたが、大谷は自ら顔を突き出して真っ向から受け止めた。
獣神と龍と新日本のロゴが入ったガウンで入場し、古巣とライガーへの思いを表現した藤波がドラゴンスクリューで相手軍をナデ斬りにすると、タイガーもサスケも奮戦し、ライガーに繋ぐ。仲間の思いに応えようと、ライガーは田口に雪崩式フランケンをお見舞い。タイガーとサスケは場外ダイブで相手チームを場外に足止めする。ここぞとばかりにライガーはどどん狙いを丸め込んでニアフォールに追い詰めて場内を沸かした。だが、田口は延髄斬り、スライディング式ヒップアタックで猛攻。今度こそどどんをお見舞いし、獣神を仕留めた。
敗戦したライガーは同期の佐野ら出場メンバーと抱擁し、握手を交わす。最後は8人で両手を掲げると、東京ドームは大きなライガーコールに包まれる。サスケとタイガーはライガーを肩車で抱え上げた。明日(5日)がいよいよライガーのラストマッチ。「引退試合II」として佐野と組み、高橋ヒロム&リュウ・リーと激突する。
【試合後のライガー&藤波】
▼ライガー「明けましておめでとうございます。今日、明日と引退マッチを組んでもらっています。その中で今、サスケ選手が感謝の言葉を述べられましたが、僕のほうがJ-CUPやスーパージュニアでみちのくプロレスさんには大変お世話になっています。タイガーマスク選手を新日本プロレスに上げたらどうかなと言ったという時も、サスケ選手がタイガーのためです。よろしくお願いしますと2つ返事でした。本当に感謝しています。藤波さんは僕がプロレスラーになるキッカケを作ってくれた方です。その方に最後リングの上で手を上げていただいた。これこそ、ただただ感謝です。こんなに嬉しい、ありがたいことはありません。本当に藤波さん、ありがとうございます。それから、今日ドームにお集まりいただいたファンの皆様、その皆様に今まで支えてきていただいたと心から思っております。ただ、まだあと1日あります。ヒロム選手が今日ジュニアのタイトルマッチをやります。彼がベルトを奪取して、チャンピオンとして僕の対角線に明日立ってくれることを祈ってます。願ってます。まだまだ気は抜けません。明日、試合があります。終わってからですね、引退どうのこうのっていうのは。リングに上がる以上、そういう気持ちを持ってはダメだと思っております。早くも明日のために僕は臨戦態勢に入っていると。そう思っていただいて結構です。ありがとうございました」
▼藤波「ライガー選手、お疲れさん。このお疲れさんを言うのは、まだ現役を続行している立場からすると、非常に複雑な気持ちがあるんですけど。まだまだ十分リングで戦えるというか。今回、僕は1・4のリングにもう1回立たせてもらったその感謝をまず言いたいなと。本当にありがとう。また、新日本プロレスに本当に感謝申し上げます。本当に自分は最初入場する時に緊張気味で、ちょっと足がよろめきましたけど、あれで階段を落ちずによかったなという。そういう中で、自分ももう1回呼び戻してもらったということで、ライガー選手に本当に感謝したいと思います。これから彼自身もいろんな新たな道を切り開いていくと思うんですけど、そういう中で後進の指導であったり、新日本プロレスのいろんな部分でこれから力を見せてくれると思うんで、僕もまたいろいろな形で、彼自身に何かあれば馳せ参じますんで。とにかく今回はありがとうございました」
――久しぶりの新日本プロレスの東京ドームはどんな感じだった?
▼藤波「いやあ、最高ですね。とにかく1月4日、新年早々にリングに上がって、こんなレスラー冥利に尽きることはないですよね。久々に正月明けというか、非常に緊張していました。前は1・4が普通だったので、なかなか正月気分になれなかったんだけど、それを久々に感じさせてもらったというか。心地いい緊張感でしたね」
――田中ケロリングアナについては?
▼ライガー「僕が子供の頃から、プロレスファンになってから、ケロさん…あえてケロさんと呼ばせてもらいますけど、ケロさんでしたから、嬉しかったですね。とにかく感謝ですね。みんなに感謝。タイガーマスク選手、サスケ選手、サムライ選手、そして藤波さん。パートナーにも感謝ですし、ファンの皆さんにも感謝、記者の皆さんにも感謝。ただ、その感謝の言葉を述べるのはまだ1日早いのかなって。僕の中で。だから、ケロさんがどうのこうのも、それも明日だね。ごめん、悪いけど。今日の試合を見ててさ、『ライガーしょうがねえな、引退もな』って思った? 寂しいなってないでしょ? これが俺が目指していた引退試合。もっとスゲエ試合を明日するから」
――明日のパートナーである佐野選手と肌を合わせてどうだった?
▼ライガー「あそこでトペが来るとは思わなかったし、思いっきり胸に突き刺さりましたし。やっぱりリングに上がるとね、レスラーは歳って関係ないと思うよ。あとは自分の中に描くレスラー像だと思うんで。やっぱり佐野さんは凄いよ。佐野さんは凄いけど、明日はパートナーだから。俺の目の前にはヒロムしか見えてないから。だから、チャンピオンとして上がって来いよと。(ヒロムに)勝ったらわからないよ? 引退撤回だよ。ヒロム引退だよ。知らないよ?」
――それを願っているファンもたくさんいると思うが?
▼ライガー「それはまずいだろ? えばっちゃダメだよ。だけど、俺は実力でいくからね。本当に自分の持っている全てをぶつける。レスラーがリングに上がったから、キャリアは関係ないよ。ぶつかり合わなきゃ。それだけです」