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『レック Presents G1 CLIMAX 30』東京・両国国技館(2020年10月17日)
Bブロック公式戦 ○SANADAvsEVIL×

　SANADAがG1・Bブロック公式戦でEVILを下し、大逆転のブロック突破。初のG1決勝進出を決め、飯伏幸太との頂上決戦に臨むことになった。

　今G1でまさかの3連敗スタートとなったSANADAだが、そこから怒とうの5連勝を果たし、最終公式戦まで望みを繋いできた。最後の相手は6勝2敗のEVIL。セミファイナルで内藤が敗れたため、勝ったほうがBブロック突破となる元パートナー同士の大一番だった。

　序盤は暗黒の王がやりたい放題に攻め立てた。セコンドのディック東郷を暗躍させたEVILは場外マットの上にパイプイスを無造作に重ねると、そこめがけてブレーンバスターを強行。その後も一方的なEVILペースが続いた。

　凶悪化した元パートナーに負けるわけにはいかないSANADAも決死の反撃へ。ドロップキックからプランチャに繋げる得意パターンでリズムを掴むと、EVILと東郷を並べてパラダイスロックに捕獲し、手拍子を煽って観客を完全に味方につける。EVILもパワーにものを言わせて立て直しに出るが、SANADAは負けじとスワンダイブ式ミサイルキック、ネックスクリュー、タイガースープレックスと一気呵成。ドラゴンスリーパーに固めたままぶん回すと、ラウンディングボディプレスへ。しかし、時期尚早で避けられて痛恨の自爆に終わる。

　息を吹き返したEVILにペンデュラム式バックブリーカーや雪崩式ブレーンバスターで腰を攻められ、動きの止まったSANADAはScorpion Deathlockで長時間捕まる苦しい展開に。それでも起死回生のTKOをお見舞い。しつこく絡みついてSkull Endに持ち込んだ。耳や髪の毛を掴まれても懸命に絞め続けると、うつぶせ、そして仰向け状態のEVILにラウンディングボディプレスを連続投下する。

　必勝パターンで勝負あったかと思われたが、東郷が海野レフェリーの足を引っ張ってカウントを妨害。レフェリー不在になったのをいいことに東郷はリングに飛び込み、白いジャケットでSANADAの顔を覆うとナックルパンチでメッタ打ちにし、EVILとのマジックキラーもさく裂した。見かねたSANADAの盟友・高橋ヒロムが実況席から乱入したものの、返り討ちにあう。

　それでもSANADAは必死にチャンスを待った。首固めで不意を突くと、ラリアット連発で吹き飛ばされるが、EVIL狙いをドラゴンスリーパーで切り返す。ロープに押し込まれると、エプロンに立った東郷がワイヤーでのチョーク攻撃を仕掛けたが、ヒロムがトラースキックで好フォロー。わずかばかりの光明を見逃さなかったSANADAは、EVILを東郷と同士討ちさせ、すかさずオコーナーブリッジで丸め込み、逆転の3カウントを手にした。

　SANADAがEVILとの元パートーナー対決を制し、3連敗からの6連勝でBブロックを大逆転で突破。5度目のG1で初の優勝決定戦進出を決めた。この結果、「G1 CLIMAX 30」の優勝決定戦は「飯伏vsSANADA」に決定した。

　SANADAは「G1 CLIMAX優勝決定戦に進出したので、あれやりますか?」と呼びかけると、場内の照明が落とされ、観客たちの持つスマホのライトが星空のように輝く。満足げなSANADAは「皆さんの応援と後押しのお返しに、この光景は俺からのギフトだよ」と感謝の意を表すと、飯伏との頂上決戦に向け、「明日、G1の歴史にSANADAの名を残してやるよ」と決意を新たに。そして、「おい、両国! See you tomorrow」と締めくくる。今G1では1度もバックステージでコメントをしてこなかったSANADAだが、今日は言葉少なに「明日、決勝戦で、SANADAがプロレス界の希望になってやるよ」とアピールした。

　史上初の秋開催となった今年のG1もあと一戦を残すのみ。頂点に輝くのは史上3人目の2連覇を狙う飯伏か。それとも待望の新日本シングル初栄冠を目指すSANADAか。

【SANADAの話】「明日、決勝戦で、SANADAがプロレス界の希望になってやるよ」

【EVILの話】「レフェリー、お前誰かに買収されてるのかこの野郎、オイ!! 明らかなる不正だろ、オイ! テメェは正義の欠片もねぇな! そしてSANADA…お前こんなんで勝ったと思うなよ、オイ! テメェ不正だからな、こんなんで勝ったと思うな。おぼえとけ、この野郎!!」