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12/14【新日本】毘沙門が歓喜のWTL連覇、オージー・オープンとの死闘制す 「空前絶後のざんまい」締め

『WORLD TAG LEAGUE 2022 & SUPER Jr. TAG LEAGUE 2022』宮城・仙台サンプラザホール(2022年12月14日)
「WORLD TAG LEAGUE 2022」優勝決定戦 ○YOSHI-HASHI&後藤洋央紀vsマーク・デイビス&カイル・フレッチャー×

 オージー・オープンとの死闘を制して毘沙門が歓喜のWORLD TAG LEAGUE連覇。予告通りに「空前絶後のざんまい」締めを決めた。

 連覇を狙う“毘沙門"後藤&YOSHI-HASHIと初出場・初優勝に王手をかけた“オージー・オープン"デイビス&フレッチャーが『WORLD TAG LEAGUE 2022』決勝戦で雌雄を決した。リーグ戦の戦績は互いに7勝2敗。公式戦ではオージー・オープンが勝利しており、YOSHI-HASHIは雪辱とともに「空前絶後のざんまい」を予告していた。

 首や肩にテーピングを施し、リーグ戦のダメージが色濃く残るオージー・オープンは短期決戦を意識したのか合体攻撃を連発して早くもYOSHI-HASHIを追い詰める。後藤が立て直したものの、場外戦になると再びオージー・オープンの独壇場に。

 毘沙門を抱え上げて、背中合わせで正面衝突させると、エプロンへの同時バックドロップ、場外同時ボディスラムと大技ラッシュでたたみかけた。さらに、本部席のテーブルを強奪し、YOSHI-HASHI相手にエプロンからテーブルめがけての断崖式コリオリスを狙うが、これは後藤が間一髪で阻止する。

 オージー・オープンペースはなおも続き、2対1の状況を作って好機。フレッチャーがコーナーからのケブラーダで後藤を足止めすると、YOSHI-HASHIに照準を合わせ、合体スパインバスターからコリオリスの構えに。

 しかし、後藤が急行してカットに成功。デイビスを裏GTRで黙らせると、フレッチャーにはテーブルめがけての断崖式GTRを敢行する。テーブルは真っ二つにへし折れてフレッチャーは大の字に。気迫全開のYOSHI-HASHIはデイビスと真っ向から打撃戦を繰り広げると、後藤が加勢し、牛殺し&トラースキックから消灯がさく裂する。

 体を引きずるようにしてフレッチャーがカットに飛び込み、激闘は継続。オージー・オープンはパワーボム&エルボースマッシュで後藤を戦線離脱に追い込むと、YOSHI-HASHIには合体式ブラックアウトをズバリ。サンドイッチラリアットから再びコリオリスを仕掛けた。

 だが、その動きを利用したYOSHI-HASHIはデイビスにカナディアンデストロイヤーを決めて大逆転。加勢した後藤もフレッチャーに頭突きをぶち込んだ。さらに、後藤はデイビスとラリアット合戦で火花。後藤の延髄ラリアット、YOSHI-HASHIのドラゴンスープレックスが立て続けに火を吹き、デイビス排除に成功する。孤立したフレッチャーは猛抵抗を見せるも毘沙門の消灯が再びさく裂。あえてフォールせず、秘策の奈落でダメ押しし、熱戦に終止符を打った。

 毘沙門が歓喜のWTL連覇達成。マイクを持ったYOSHI-HASHIは「WORLD TAG LEAGUE、今年も優勝することができました。そして、今日はダブルメインイベントIのリオ・ラッシュとYOHも優勝しました。1つだけ納得いってないことがあって。やっぱりメインイベントを締めた人間はマイクで最後喋らないといけないと思う。いかがでしょうか?」と観客に問いかけて、CHAOSの同門であるYOH&ラッシュをリングに呼び込んだ。

 YOSHI-HASHIに優勝を祝福されると、YOHは「CHAOSに! 空前絶後の! いい風吹いた!」と雄叫び。「CHAOSにいてよかったなとホントに心の底から思います。先輩方とメインを締めるというのもそうですし、地元に錦を飾れるのもレスラー人生の中で凄く今誇りに思ってます」と思いを吐露した。ラッシュも「今この瞬間は俺のキャリアの集大成と言える」と喜びを噛みしめ、「この瞬間は俺の心の中で永遠に生き続ける。アリガトウゴザイマス」と叫んで拍手を浴びた。

 後藤も「大好きなここ仙台で2連覇。嬉しすぎて、今日は消灯できません」とアピールすると、最後は予告していた「空前絶後のざんまい」締めに。YOSHI-HASHIは「お待たせいたしました。空前絶後のざんまいをしたいと思うのですが、俺たちだけだと普通のざんまいで終わってしまいます。なので、今日、来場のここに来ていただいている方々、そしてNEW JAPAN WORLDを見てくれている方々、一緒にやってくれますか?」と呼びかけた。

 YOHとラッシュがロープに飛んで前転すると同時に、観客を含めた全員で手を叩き、手を開いた瞬間に選手たちが叫ぶと、それに合わせて観客は重低音ストンピングを決めるのが「空前絶後のざんまい」締めの手順。手間取りながらもなんとかポーズを決めて観客を一体にさせると、満面の笑みを見せた後藤&YOSHI-HASHIとYOH&ラッシュだった。

 「自分の意思と少しの仲間がいたら、きっときっと明るい未来が訪れると俺は今日確信したし、去年俺が言った『なりたい自分になる』。今年なれたかと言ったら、正直なれなかったかなと思う。だから今度こそはなりたいなって思いました」とWTL連覇を成し遂げた直後にさらに先を見据えたYOSHI-HASHI。パートナーの後藤は「新日本のタッグのベルトが今ここにない時点で、俺はまだまだいける、いかなければいけない、そういう風に思います。よっちゃんがどう思っているかわからないけど、次に狙うのはこの新日本でのタッグベルト。そこ一本じゃないかなと俺は思います」と“FTR"ダックス・ハーウッド&キャッシュ・ウィーラーが保持するIWGPタッグ王座に狙いを定めた。

 YOSHI-HASHIは「とりあえず次の東京ドームでしょ? IWGPタッグのベルト、新しく生まれ変わった毘沙門がベルトをいただきます」と挑戦の舞台を来年の1・4東京ドーム大会に指定。後藤は「俺らが新しい歴史を作ってやるよ」と予告した。

【試合後の後藤&YOSHI-HASHI】
▼ラッシュ「(後藤とYOSHI-HASHIの前を横切り)コングラッツ!」

▼YOSHI-HASHI「サンキュー!」

▼YOH「(後藤とYOSHI-HASHIの前を横切りながら)おめでとうございます(笑)」

▼YOSHI-HASHI「おめでとう!」

▼YOH「ありがとうございます」

▼YOSHI-HASHI「一緒にざんまいできて嬉しかったよ」

▼YOH「ありがとうございます(笑)」

▼YOSHI-HASHI「ありがとう。絆、そう! 俺たちの絆」

▼後藤「大好きな仙台でこうして2連覇。最高の形でWORLD TAG LEAGUEを締めくくることができました。(YOSHI-HASHIに向かって)ありがとう!」

▼YOSHI-HASHI「ゴッちゃん、ありがとう!」

▼後藤「ヨッちゃーん!」

▼YOSHI-HASHI「ありがとう。去年優勝したけど、心残りだったのがこの…(体についた銀の紙テープを掴んで)何だろう? 終わった後にさ、このドカーンといってたこのキラキラ? これさ、去年、(WORLD TAG LEAGUEと同時開催の)SUPER Jr.の決勝(がメイン)だったでしょ? SUPER Jr.の決勝がメインであるべきだったと思う、本当に。G1があってさ、SUPER Jr.がセミっていうのは俺は納得いかないよ、正直。あれで良かったと思う。ただ、心残りだったのがこの銀紙のキラキラ。このキラキラができなかったことがさ、凄い心残りで、今年それが実現できたっていうのは凄く嬉しい。俺が入門してデビューしたばっかりの頃かな? ある先輩と試合が終わった後、『このキラキラ浴びたいです』って話をしてたんだよ。でもね、その先輩に言われたんだよ。『お前ではこんなキラキラ浴びれないだろう』って。それさ、俺ずっとずっと思ってたの。でもさ、今日こうやってこのキラキラを浴びることができてさ、凄い嬉しかったしさ、他人の言葉とかさ、周りのことだけでさ、俺自身の人生もそうだしさ、他の人の人生も左右されるはずがないから。自分の意思と少しの仲間がいたら、きっときっと明るい未来は訪れると、俺は今日確信したし、去年俺が言った『なりたい自分になる』。今年なれたかと言ったらさ、正直なれなかったかなって思う。だから、今年こそはなりたいなって思いました、ゴッちゃん」

▼後藤「なれたんじゃないの?」

▼YOSHI-HASHI「まだまだ俺もゴッちゃんもなりきれてないと思うし、まだまだいけると思うから」

▼後藤「そうだね。新日本のタッグのベルトがここにない時点で、俺はまだまだいける。いかなければいけないという風に思います。YOSHI-HASHIがどう思ってるか…ごめん! ヨッチャンがどう思ってるのかわかんないけど、次狙うのはこの新日本でのタッグベルト、そこ1本じゃないかなと思います」

▼YOSHI-HASHI「もちろん。俺たちはまだまだ絶対もっともっといけると信じているし、もっともっといきたい、必ず。とりあえず次の東京ドームでしょ。IWGPタッグのベルトを、新しく生まれ変わった毘沙門がベルトをいただきます」

▼後藤「俺たちが新しい歴史を作ってやるよ!」

【試合後のデイビス&フレッチャー】
▼デイビス「愛してるよ」

▼フレッチャー「(ガックリと顔を落として)俺も愛してる。だけど、今日は無理だった」

▼デイビス「お前を誇りに思う。人生の3年を一つの目標に捧げる気持ちが分かるヤツはいるか? 目の前にキャリアの頂点があるのに、そこに手が届かない気持ちがわかるか? 契約もデカい会社のサポートもない状態でコロナ禍を過ごす気持ちがわかるか? 俺たち2人きりで、オーストラリアから動けずに、次に自分らの身に起こることもわからない。次にどこかのリングに上がれるのがいつなのかもわからない。いつWORLD TAG LEAGUEに出場する機会を得られるかもわからないんだ。これがどんな気持ちかわかるか? ここにいるどのチームもこの気持ちを想像できないだろ! 毎晩、星取表を見るのがどんな気分かわかるか? 俺たちはキャリアの3年を失ったんだ! これがどんな気分かわからないだろ! 苦悩と先が分からない不安だ! お前らマヌケどもにはこの気持ちがわからないだろ! だけど、カイル・フレッチャーと俺は、それがどんな気分か知ってるんだ。この悲しみと痛みを知ってるんだよ。今日はここセンダイでWORLD TAG LEAGUEのトロフィーを懸けてビシャモンと対戦することで、俺たちのキャリアの頂点にたどり着いた。俺たちは負けたけどな。俺たちは10月にFTRに負けて、今日はビシャモンにやられた。WRESTLE KINGDOMにオージー・オープンの席はない。俺たちはこれからオーストラリアに帰らないといけない。次に何が起こるかも、俺たちの未来に何があるかもわからないんだ。だけど、心の中でわかっているのは、俺たちはこの負けを受け入れるということ。今回の負けが俺たちを奮い立たせてくれる。敗北の痛みが俺たちをイラつかせる。俺たちは寝ることも、食べることも、息をすることもできなくなる。唯一できるのは、今回の勝利を取り戻そうと考えることだ! 俺たちがこの先どうなるのかはわからない。(拳で床を殴りながら)ただ、打ち倒されて負けるたびに、俺たちはもっと強くなって戻って来ることだけはわかってる! 俺たちはより熱い炎を胸に抱いて戻って来るんだ! 確かにセンダイで俺たちは負けた。だけど、俺たちはこれで終わりじゃない。絶対に終わりじゃない! 2022年は俺たちがみんなに自分らが何者かを見せる年だった。俺たちは毎日ここに立ち、俺たちが世界一のタッグチームだと言った。今でもそう思ってる! 俺たちと同じ経験をしたタッグチームはいない! ベストを尽くして、本気を出せ。俺たちはもっと強くなって、もっと強いハングリー精神を持って、もっと良いチームになって戻って来る。俺たちが世界を回す! カメラを止めろ!」

▼フレッチャー「(デイビスと一緒に立ち上がり)俺たちは戻って来る…俺たちは戻って来るんだ…」

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