5/9【ドラディション】藤波との初遭遇へヒロム「間違いなく特別な日になる」
ドラディションは9日、5・30後楽園大会に参戦する高橋ヒロムのコメントを発表。藤波辰爾との初遭遇が実現するヒロムは「高橋ヒロムのプロレス人生でも間違いなく特別な日になる」と確信している。
ヒロムは新日本の現IWGPジュニアヘビー級王者。昨年6月にBEST OF THE SUPER Jr.史上初の3連覇を成し遂げた試合後、実況席で解説を務めていた藤波に対戦をアピールした。あれから約1年、その希望が叶うことになる。
ヒロムは越中詩郎、AKIRAと歴代IWGPジュニアトリオを結成し、船木誠勝、新崎人生と組む藤波と対戦する。藤波は新日本ジュニアの先駆者。ジュニア新旧エース対決が実現することになり、ヒロムは「日本で“ジュニアヘビー級"の礎を築いた藤波選手に直接触れることにより、何を感じ、そして何を吸収できるのかがとても楽しみ」と昂り、「高橋ヒロムのプロレス人生でも間違いなく特別な日になる」と確信している。「冷静になって考えたら、何ですか? このメンバーは。プロレス界のスーパースターばかりではないですか! こう見えてヒロムってめちゃくちゃ緊張するんだよ!」と言いつつ、「この中で一番目立てるように頑張ります。先輩方、どうぞ現在のIWGPジュニアヘビー級王者を堪能してください」と自信をみせている。
一方、藤波は「彼も今までにないヒロムカラーというのを作ってるし、あの若さで凄いなと思ってますよ」とヒロムを高評価。「俺に30年前、40年前のジュニアの動きを望んだところで俺自身がどれだけ対応できるかわかりませんけど、自分が今持ってる精一杯で対戦したい」と意気込んだ。
【ヒロムのコメント】「第93代IWGPジュニアヘビー級王者の高橋ヒロムです。2022年6月、BOSJを3連覇した時、解説席にいらっしゃった藤波辰爾選手に『いつの日か俺と戦ってください』とお伝えしました。それがついに現実となります。日本で“ジュニアヘビー級"の礎を築いた藤波選手に直接触れることにより、何を感じ、そして何を吸収できるのかがとても楽しみです。高橋ヒロムのプロレス人生でも間違いなく特別な日になると確信しています。それにしても、えっ? えっ? 冷静になって考えたら、何ですか? このメンバーは。プロレス界のスーパースターばかりではないですか! こう見えてヒロムってめちゃくちゃ緊張するんだよ! とにかくこの中で一番目立てるように頑張ります。先輩方、どうぞ現在のIWGPジュニアヘビー級王者を堪能してください」
【会見後の藤波】
▼藤波「(諏訪魔は)迫力あるね。さっきの話じゃないけど、入門した時からちょっとひと味違うというかね。一回はドラディションのリングで戦うチャンスはあるだろうしね」
――鶴田さんの感覚を味わうことになるかもしれない?
▼藤波「俺の感覚では鶴田選手とちょっとまたタイプが違うかな。三沢君の方が鶴田君タイプかなというね。全日本でも空気を持ってるというのか。新日本vs全日本という意識があるんでね。自ずと周りもそう感じて。ただ単に対戦ではなくて、背負ってるものでリングに上がってるみたいな感じがするんでね」
――諏訪魔選手は「間接的な勝負」と言っていたが?
▼藤波「そうそう。昔ながらの空気感があるね。今まで会見の場においても、横にいてちょっと違うもんね。雰囲気というのか。諏訪魔という部分の脱皮なのか、ひと回り大きくなる機会なのかもしれないね。僕なんかは新日本でずっと上がってきて、ジュニアからヘビー級になって長州とやって、そして自分の飛龍革命で猪木さんと当たる。選手が自分で感じるんだよね。自分のレスリングのカラーというのか、時折それを変えていかなきゃいけない、脱皮しなきゃいけないって。彼自身もチャレンジしてるのかなという気がするね。だったら、どうこう言わず受け止めるだけなんでね」
――諏訪魔選手は出禁レベルの暴れっぷりを見せるかもしれないが?
▼藤波「ドラディションは各団体ある中で回数が少ないだけに、一回一回ファンにどういうものを提供するか。かえってそういうものの方がファンにとっては反対によかったりする部分もあるからね。責任は俺が取るんで。その責任は何かって言ったら対戦しかないでしょうしね。俺の人生、いろんなところで責任取らされてきたんで(苦笑) 今は暴動とかはないけど、昔の新日本プロレスはそういうファンのエネルギーを感じたんで、もう一回ファンのエネルギーを会場に運んでほしいよね」
――昔は藤波ファンと長州ファンが会場で喧嘩していたと?
▼藤波「そうそう。会場の中で長州ファンと藤波ファンがやり合う姿がリング上から見えましたよ。それぐらいの現象を起こしたよね」
――5・30後楽園大会でヒロム選手と初対決するが?
▼藤波「それも自分の中で非常に興味があってね。彼も今までにないヒロムカラーというのを作ってるし、あの若さで凄いなと思ってますよ。今度対戦して肌を合わせた時に、当然、俺に30年前、40年前のジュニアの動きを望んだところで俺自身がどれだけ対応できるかわかりませんけど、自分が今持ってる精一杯で対戦したいですけどね」
――新日本のジュニアの端緒を作った藤波選手と、今現在のエースであるヒロム選手の対戦は意義のある一戦になりそうだが?
▼藤波「そうですね。今のレスラーはジュニアもヘビー級もわりと体格的にもいろんな部分でも近い部分がある。我々の頃は雲泥の差でヘビー級との格差があって、体格差が違ったし。自分もジュニアが長かったんだけど、気持ちの中ではそういうランク付けはなかったんだよね。自分はジュニアの体だったんだけど、いつかは猪木さんのようにヘビー級になりたいというのがずっと夢だったんでね」
――ヒロム選手はジュニアへのこだわりが強い選手だが?
▼藤波「こだわりは大事でしょうね。彼なりに“俺のジュニアはこうだ"っていうのがあるでしょうからね。僕の場合は当時、ジュニアはこうだって特別なあれはないし、ジュニアとヘビーの違いとか考えたことなかったしね。今みたいにジュニアだから飛んだり跳ねたりしなきゃいけないというのはないし。だから先ほど言ったDRAGON STADIUMもそう。リングに上がる心得ですよ。どういうものが大事なんだよというものは猪木さんなり、カール・ゴッチなり自分が教えを乞うたものを少しずつ伝えていけたらなと。押しつけじゃないですよ。押しつけじゃなくて、吸収する選手はすればいいでしょうし、拒否すれば拒否するでいいでしょうし。自分がまだプロレスに携わっている以上は、そういうところに目がいっちゃいますよね。プロレスってただ単に相手の体の壊し合いじゃないよと。もちろん危険は伴うんだけど、プロレスってもっと芸術的で、お客さんが手に汗を握る。そういうところを味わってもらいたいですね。我々はレスリングの基礎があったうえでリングに上がるわけだから。ヒザをすりむいたり、おでこをすりむいたりとか、そういうものと同時にリングに上がる前の気持ちをどう持っていくのか。僕らが先輩たちから教えを乞うたことを伝えていきたいなと。何を言わんとしてるのかが何となくわかるように伝えてみたいなと」
――先日、大谷選手をリングに呼び込んだが、どんな気持ちだった?
▼藤波「やっぱりつらいですよ。大谷君だけじゃなくて高山君もそう。僕らが若い頃も危険が伴ってたんだけど、今はここにきて我々が想像できないダメージ、ケガが多いんでね。レスラーは上がりたくても上がれない状態になってしまうのが非常につらい。僕は12月で70ですけど、まだ幸いにもリングに立ててる。そんな幸せな状況にいる中で、あんな若くして、まだ先があるのにリングに上がれない。それを見るのがつらい。本来のプロレスが見せなきゃいけない部分をもっと重要視するというのかな。道場というのは単なる形あるだけの建物じゃないんですよと。みんなが何を培っていくか。あとは自分たちが団体に持ち帰って羽ばたいていくでしょうし。そのきっかけを、場所を。DRAGON STADIUMでやる大会でまた違ったファンが増えていくでしょうしね。そういうチャンスの場にしてあげたいなと思います」