5/30【ドラディション】新日ジュニア新旧エース対決実現 藤波とヒロムが初遭遇でシングル約束
『レック株式会社presents DRADITION 15th ANNIVERSARY THE RISE OF SPIRIT TOUR PHASE-1 IN TOKYO』後楽園ホール(2023年5月30日)
○藤波辰爾&船木誠勝&新崎人生vs越中詩郎&高橋ヒロム&AKIRA×
藤波とヒロムの新日ジュニア新旧エース対決が実現。ヒロムの要求に藤波が呼応し、両者が一騎打ちを約束し合った。
ドラディション15周年記念第1弾興行となったこの日の後楽園大会で時空を超えた新日ジュニア新旧エース対決が実現。新日ジュニアの始祖・藤波と現IWGPジュニア王者・ヒロムが初遭遇を果たした。藤波は船木&人生と豪華トリオ、ヒロムは越中&AKIRAと歴代IWGPジュニア王者トリオを結成しての対戦となった。
いきなり藤波とヒロムが先発で対峙した。慎重に組み合うと腕を取り合い、藤波がヘッドロックやフロントヘッドロックで絞め上げて動きを封じにかかる。ヒロムがチョップを連発しても左張り手で応戦した。
その後も船木とAKIRA、越中と人生、船木と人生と豪華な顔合わせが次々に実現。ヒロムは船木相手に逆水平を連発し、串刺しラリアット、低空ドロップキックの連続攻撃を浴びせる。ヒザ蹴り、ランニングローキックと船木の反撃を食らい、掌底、ミドルキック、ランニングローキックと打撃の雨を降らされた。
ヒロムは人生のダイビングブレーンチョップ、ダイビングショルダーの猛攻を浴びたものの、拝み渡りは決めさせず。掟破りの逆拝み渡りの構えに入ったが、船木に阻止された。藤波は越中にヒップ攻撃を連発され、ヒロムのトラースキックも被弾。AKIRAのムササビプレスを食らった。それでもドラゴンスクリューでヒロムを蹴散らすと、AKIRAにワンハンドバックブリーカーで追い討ち。スリーパーからのドラゴンスリーパーで絞め上げてギブアップを奪った。
藤波がドラディション15周年記念興行のメインで快勝。ヒロムとの遭遇はわずかな時間で消化不良になった感は否めない。それでも試合後、藤波から呼び寄せられたヒロムは何やら語りかけて握手を求めた。拒んだ藤波だが、リングを降りたヒロムに向かって「お前、さっきなんて言った? シングルでやれ?」と問いかけた。するとヒロムはマイクを持って「どうせならやりましょうよ。6人タッグじゃ藤波辰爾さんを感じることができませんでした。なので! シングルでやりましょう」とアピール。藤波も「そのうち、お前にいい返事を返してやるよ」と呼応し、近い将来のシングル対決を約束した。
【試合後の藤波】
――ヒロム選手と初めて触れた感触は?
▼藤波「やっぱり体幹というのか、あれだけ動いてると俺なんかリング上に足が地につかない状態だったけどね。相手にせざるを得ない状況に、彼はそういうオーラを持ってるね。まぁ、楽しみました。いい汗かいた」
――あいさつではなく、ああいう形でマイクを持つのも珍しいが?
▼藤波「そうですね。あんまり僕はマイクが得意じゃないんだよね。活舌もよくないんで。ファンがあれだけ楽しんでくれれば、やっぱり長くやっとくもんだなと。長くやってれば、今まで自分が経験してないプロレスの楽しさを味わわせてくれるんで。高橋ヒロム君ともこういう接点は本来はなかっただろうにね。1年でも長くやってるからこういう戦いができたんで。しばらく自分自身のために、また自分自身のファン、夢の続きをもうちょっと見ていきたいなと。ドラゴンスタジアム、これからの動きがあって、とにかく自分が若手を見ていきたい。その中でどういう選手が化けていくのかな。プロレスラーは不思議なもんでね、ちょっとしたタイミングで世にボンと出ちゃう選手がいっぱいいるんでね。そういうきっかけを作ってあげたいというのかな。真っ白な状態で若い選手を見てというのをやっていきたいかなと。とにかく50周年過ぎてアフター50周年どうするかという中で、こういうものをやりたい、ああいうものをやりたいと浮かんでくるんで、そういうのを糧としながらリングに上がり続けたいなと」
――ヒロム選手とのシングルがその糧の一つになる?
▼藤波「ねぇ。ファンがあってのプロレスなんだけど、俺モネ最後にね。ファンのああいうのについポロっとね。彼自身、これ明日とか言わんだろうな。とにかく期限は抜きに、そういう自分でしっかり『いいよ、シングル受けてやるよ』ってものをなげかけておかないといろんなものが始まらないんでね」
【ヒロムの話】「ビックリした。焦った。今日の6人タッグ、ただただ楽しかったよ。ファンに戻ったよ、楽しさが。でも俺にはそれしかなかった。それだけしか残らなかった。やっぱり藤波さんを6人タッグじゃ感じることはできませんでした。生意気なこと言ってるのは百も承知です。でもああやって…やっぱり凄いよね。まさかリング上であんな風に言われるとは思わなかった。やらざるを得ないでしょう。やるしかないでしょう。いつでもいいですよ。今年でもいい、来年でもいい、再来年でもいい。藤波辰爾さんが俺に勝てる、そう思う時まで俺は待ってます。生意気なんでね。やっぱり俺は間違ってなかった。ジュニアの最初の人間を感じたい。ただそれだけです。藤波辰爾さん、本当にありがとうございます。心の底から尊敬してます。ただ、リング上は生意気なもんで申し訳ございません」