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12/10【新日本】毘沙門が前人未到のWTL3連覇 1・4ドームでヒクレオ&ファンタズモと二冠懸けて再戦へ

『レック Presents WORLD TAG LEAGUE 2023』グランメッセ熊本(2023年12月10日)
優勝決定戦 ○後藤洋央紀&YOSHI-HASHIvsヒクレオ&エル・ファンタズモ×

 毘沙門がヒクレオ&ファンタズモとの40分超えの激闘を制し、前人未到のWORLD TAG LEAGUE(WTL)3連覇を達成。試合後、後藤は来年の1・4東京ドーム大会での再戦をアピールし、IWGPタッグ王座とSTRONG無差別級タッグ王座の二冠戦が浮上した。

 タッグリーグ優勝決定戦は前人未到の3連覇を目指す“毘沙門"後藤&YOSHI-HASHIと初優勝を狙うヒクレオ&ファンタズモによって争われた。IWGPタッグ王者とSTRONG無差別級タッグ王者のチャンピオン対決となったが、公式戦の初戦でも両チームは激突。ヒクレオ組が勝利しており、毘沙門にとっては雪辱戦となった。

 序盤は首の負傷を引きずる後藤とファンタズモを互いに攻め合う展開に。ヒクレオ組はリングサイドにテーブルを投入するが、テーブルクラッシュは未遂に終わる。シーソーゲームが続く中、先にチャンスを掴んだのはヒクレオ組だった。

 ファンタズモが空中殺法を連発してYOSHI-HASHIを攻め立てると、ファンタズモのサドンデス、ヒクレオのゴッドセンド(チョークスラム)と必殺技が立て続けに火を吹く。そして、一気にスーパーサンダーキス'86(ヒクレオがホイップしてのファンタズモのダイビングボディプレス)へ。YOSHI-HASHIは剣山で撃墜するが、流れは変わらない。ファンタズモはヒクレオの援護を受けて、シットダウン式スーパーパワーボムを敢行。ヒクレオがダイブする側に変わってのスーパーサンダーキス'86まで繰り出した。

 YOSHI-HASHIが回避して自爆を誘うと、後藤がゲキを飛ばしてタッチをアピール。代わってリングに飛び込むと、牛殺し、昇龍結界と得意技を連発してファンタズモを追い詰める。ファンタズモ相手に次々と合体技を重ね、消灯も完璧に決まったが、ヒクレオのカットが間に合った。

 試合時間は30分を経過し、両チームとも余力は残りわずか。死力を振り絞って毘沙門は攻勢を続け、デンジャラスニーブラ(合体式ダイビングブルドッキングヘッドロック)の構えに。これはヒクレオが後藤の首根っこを掴んで強引に阻止。場外に置かれたままのテーブルめがけて断崖式の攻撃を狙うが、YOSHI-HASHIが急行した。そして、テーブルへの断崖式消灯でヒクレオを戦線離脱に追い込む。

 孤立したファンタズモは脅威の粘りを発揮。YOSHI-HASHIを中腰にさせると、その背中を使った“ひとり消灯"を後藤に決める。さらに掟破りの逆牛殺しやサドンデス、CRIIと惜しげもなく大技ラッシュに出た。だが、後藤はギリギリでキックアウト。YOSHI-HASHIの加勢を受けると、YOSHI-HASHIのトラースキックから後藤のGTWがさく裂。デンジャラスニーブラから最後は奥の手の合体技・奈落につなげて、ファンタズモをついに沈めた。

 後藤&YOSHI-HASHIが前人未到のWTL3連覇。同時にIWGPタッグ王者として初めてWTL制覇を成し遂げた。試合後は両チームとも疲労困ぱいで大の字に。それでも立ち上がると、握手を交わして健闘を称え合った。

 マイクを持った後藤は「ヒクレオ、ファンタズモ、俺たちはリーグ初戦でお前らに負けた。そして今日、お前らに勝った。ともに素晴らしい戦いだった。俺たちはもう一度お前らと戦いたい。1月4日、東京ドーム、俺たちのこのベルトとお前らのそのベルトを懸けて、もう一度勝負だ」と再戦を希望。ヒクレオたちも毘沙門の手を掲げて応じ、3度目の決着戦が決定的となった。

 後藤は「キャリア20年、コンディションを保つのは難しいキャリアになってきましたが、今シリーズ、よっちゃんのヘルプのおかげでここに立ってます。今シリーズ、真のMVPはよっちゃんだと思います。最後はやはりMVPのよっちゃんに締めてもらいます」とYOSHI-HASHIを称えて締めを托す。

 後藤の再戦案に同意したYOSHI-HASHIは「『IWGPタッグチャンピオンだから、タッグリーグ優勝できない』とか、『お前はこういう人間だから、この先もずっとこうに決まっている』みたいな、そんなくだらない言葉はこの世の中にないと思っていて。生まれ持ったものはあるかもしれないけど、でも自分で生きてきたら、絶対変わってくると思って。その積み重ねが皆さんなり、俺たちなり、今日こういう形で報われる時が絶対来ると思います」と熱くメッセージ。「だからこそ、最後はけしからんぐらいの“極上のざんまい"を俺はしたいです」と呼びかけた。

 大きな拍手を浴びると、「去年のWTL、俺はタイミングちょっと合わせようと思ってひとりだけズレちゃって、それがずっと心残りだったけど、今日は目一杯のざんまいしたいと思ってます。カッコいいとか、カッコ悪いとか、そんなのまったく関係なくて、最後皆さんも思いっきり恥ずかしがらずにやっていただいてもよろしいでしょうか?」と観客にアピール。「最後キラキラのヤツがたぶん飛ぶと思うんですけど、キラキラのテープは俺たちのためじゃなくて、今日来ている皆さんのものだと思うので、皆さんも一緒に味わいましょう」と続ける。そして、後藤、観客とともに“極上のざんまい"を披露して、熱湯続きのWTLを笑顔で締めくくった。

【試合後の後藤&YOSHI-HASHI】

※オカダ、石井、矢野が拍手で毘沙門を出迎えると

▼YOSHI-HASHI「ありがとうございました、すみません。ありがとうございました。待っててくれたんだね」

▼オカダ「はい、もちろん。もちろんです。もちろんです」

▼YOSHI-HASHI「石井さんもすみません」

▼矢野「おめでとう」

▼オカダ「いやー、3連覇は凄いっすよ」

▼矢野「凄い」

▼オカダ「3連覇は凄いっす」

▼後藤「ありがとうございます」

▼オカダ「乾杯します?」

▼矢野「乾杯しようか」

▼YOSHI-HASHI「(トロフィーは)横で横で、横に置きましょう。あ、すみません石井さん、申し訳ないです、ありがとうございます」

▼矢野「(オカダに対し乾杯の音頭を)よろしく」

▼オカダ「じゃあ、『WORLD TAG LEAGUE』3連覇、そしてけしからんざんまい、おめでとうございます。乾杯!」

▼全員「乾杯」

▼矢野「カンパーイ、おめでとう」

▼YOSHI-HASHI「極上のざんまい、でした」

▼後藤「極上だったね」

▼YOSHI-HASHI「(けしからん)ぐらい極上のざんまい」

▼矢野「けしからん極上のざんまい」

▼YOSHI-HASHI「けしからんくらいの、くらいの」

▼矢野「くらいの極上のざんまい」

▼YOSHI-HASHI「ハイ」

▼矢野「けしからん最高でした」

▼YOSHI-HASHI「ありがとうございました。喉乾いちゃって、ビール飲んじゃったら多分キマっちゃうかもしれないですね、すぐ。でも美味しいですね」

▼後藤「こんな美味い酒はない」

▼YOSHI-HASHI「いや、本当です」

▼後藤「いやー本当、序盤で首を痛めて。今日この、最後リングに立っているっていうのは、すごい途中難しいかなと思ったんですけども、やっぱりヨッちゃんのね、ヘルプのお陰で、今こうやってここに来られてるっていうところが本当にありがたい気持ちでいっぱいだし、これが本当に絆かなって」

▼YOSHI-HASHI「ハイ」

▼後藤「このシリーズ通して本当にいい経験ができました。ありがとうヨッちゃん」

※ガッチリと握手すると

▼YOSHI-HASHI「ありがとうございました」

▼後藤「ありがとう」

▼YOSHI-HASHI「いや、本当に、そうですね。途中結構、あの、リーグ、あの、突破するのも難しくなって。3連覇するぞって言ったけど、ちょっと、正直、内心『ちょっとこれ厳しいかもな』っていうのはちょっと正直本当あったっす。でも、やっぱ諦めないで続けてきて、でも風向きが途中で俺たちに変わって、でもリーグ戦突破して。ハイ、もうスケジュール的にも結構本当キツくて。あの、準決勝の時とか、もう体ぜんぜんに動かなくて、やべー。もうみんな一緒だと思いますよ。でも、もう本当にそれはもう間違いなく、パートナーとしてゴッちゃんがいてくれたのと、あと今、乾杯を参加してくれた、あの、石井さん、カズ、矢野さん。そうCHAOSのね、あとYOHもか。一緒にいて」

▼後藤「仲間たちに支えてもらってね」

▼YOSHI-HASHI「そうですね、いやもう本当に。試合をしなくても、やっぱバックステージで声かけてもらったりして、そういうのがすごい、本当に心の強さになりましたね」

▼後藤「ウン。次は東京ドーム。リングでも言った通りSTRONGのベルトとこの(IWGPタッグの)ベルトを懸けて、もう一度アイツらと戦いたいです」

▼YOSHI-HASHI「そうですね、ハイ。『WRESTLE KINGDOM』……。ただ、俺たちは、この3連覇している間でも、着実に進化してて。まあ今回の太鼓、暴れ太鼓。あの、アニマル浜口さんに電話番を教えていただいて、今回から『アイ・アイ・アイ』って言って」

▼後藤「アイアイ太鼓ね」

▼YOSHI-HASHI「そうですね、やったりとか」

▼後藤「まあ技も常に進化してる」

▼YOSHI-HASHI「そうですね、ハイ。3連覇して俺たちはもうこれで終わりじゃなくて、さらにさらに進化して、ハイ。さらにさらにもっと、もう本当誰もね、近づけないぐらいの存在になりたいって俺は。もう今もこの3連覇っていう時点でなっていると思うんですけど、もう本当にまったく寄せ付けないぐらいの存在になりたいです。タッグとして」

▼後藤「元々タッグベルト、俺は一つでいいと思ってたんだよね、ウン。アメリカでもどこでもこのベルト持って、行ってやりますよ、ウン」

▼YOSHI-HASHI「まあ今度、アイツらのベルト懸けてやるって言ったっすけど。とりあえず勝って、アイツらのベルト、俺たちが奪い取って、そっからまた」

▼後藤「どこにでも行ってやるよ」

▼YOSHI-HASHI「新たな、新たな、このタッグベルトのこの先を俺たちは見せたいと思いました」

▼後藤「ありがとうございました」

▼YOSHI-HASHI「よしっ、ありがとうございました」

ーー改めて、タッグリーグ3連覇は新日本プロレス初だが

▼YOSHI-HASHI「ハイッ」

▼後藤「俺たちだからこそできたことだとおもいます。この偉業。誇りに思っています」

▼YOSHI-HASHI「ハイ、この『WORLD TAG LEAGUE』のクオリティと選手層がもしこれからずっと続くのであれば、この3連覇っていうのはもう多分、超えられることは絶対ないと俺は思ってます。それぐらい3連覇、意味のある高みのあるものだと思っています、ハイ。多分超えられないと思います。多分このクオリティとこの選手層が続くのであれば。俺はそれは確信しています」

▼後藤「ありがとうございました」


【試合後のヒクレオ&ファンタズモ】

▼ファンタズモ「(床に倒れ込んで)クソ……(ヒクレオが胸を叩くと)ハハハハハ……」

▼ヒクレオ「まただ。俺たちは何もできなかった」

ファンタズモ「俺は落ち込んではないぞ。ただ疲れてるだけだ。ぼろぼろで死んでる、兄弟。(ヒクレオに差し出された手を取って立ち上がる)」

▼ヒクレオ「今晩は優れたチームの方が勝った。今晩……(下を向く)」

▼ファンタズモ「あいつらはタッグリーグ何回やってる? 3連覇? 1924年にニューヨーク・レンジャースがまったく新しいチームとして結成された時みたいだ。それは公平じゃない」

▼ヒクレオ「俺たちを見てみろよ」

▼ファンタズモ「俺たちは新しい」

▼ヒクレオ「できたてのタッグチーム」

▼ファンタズモ「できたてのタッグチーム。STRONGタッグチーム王者、『WORLD TAG LEAGUE』ファイナリスト。『BEST OF THE SUPER Jr.』の時よりも、『G1』の時よりも、激しく攻められた」

▼ヒクレオ「そうだな」

▼ファンタズモ「でもな、いいんだ。(ヒクレオの肩に手を置くとヒクレオもそれに応えて)俺にはお前がいる。俺が倒れた時には、お前が起こしてくれる。お前が倒れた時には、俺が起こす」

▼ヒクレオ「なあ」

▼ファンタズモ「何だ?」

▼ヒクレオ「これで勝敗は1対1だ」

▼ファンタズモ「1対1だな」

▼ヒクレオ「1対1」

▼ファンタズモ「俺は日本語が得意じゃないが、確実にわかったぞ。言いたいことはわかった。(ヒクレオの鼻血をさして)おお、大丈夫か?」

▼ヒクレオ「俺もやられてる」

▼ファンタズモ「『トーキョードーム』と聞こえた。『WRESTLE KINGDOM』と聞こえた。ビシャモン! もう1回やりたいんだな? 3セットマッチだ。IWGPタッグ王座とSTRONG無差別級タッグ王座の全てをリング上に懸けて。プロレス界最高のステージで。その時、ニュージャパン最高のタッグチームが決まるんだ。今のところはビシャモン、お前たちだ。(拍手すると)今日はお前たち。1月4日は!」

▼ヒクレオ「1月4日! トーキョードーム!」

▼ファンタズモ「俺はGODを信じてる。お前もGODを信じてる。トーキョードームにいる皆も、GODを信じる。(カメラに向かってハートマークをつくると)アリガトウゴザイマス。(一度コメントスペースを去るが帰ってきて)ひとつだけ。(下田)ミマにありがとう。(記者、カメラマンの方を指し)あなたたちにありがとう。リングスタッフにありがとう。レフェリーにありがとう。物販チームにありがとう。椅子を並べてくれる人たちにありがとう。リングを準備したり、片付けたりくれる人たちにありがとう。今日の会場の見た目を素敵にしてくれて、このシリーズ中どの日もって訳じゃないけど今日は。とにかく俺の言いたいことは伝わるだろ。あなたたちは俺たちのために働いてくれている。あなたたちはボードで応援されたりしない。俺たちには応援ボードがあるけれど。あなたたちは俺たちと同じように日本の質のよくないホテルに泊まり、俺たちと同じように質のよくないコンビニ食を毎日食べ、俺たちと同じようにバス移動する。あなたたちの気づかれない仕事に感謝を伝えたいんだ。俺のバックステージコメントの編集はしないで。アリガトウ、ゴザイマス。ハッピーホリデー、メリークリスマス」

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