プロレス/格闘技DX

　『Judgement2023〜後楽園史上最長5時間スペシャル〜』が21日、東京・後楽園ホールで行われ、KO-D無差別級王者・火野裕士が納谷幸男との壮絶な肉弾戦を制して初防衛に成功。フェロモンズの飯野“セクシー"雄貴が挑戦を表明したものの、Ωの司令塔・大石真翔が拒否し、5・3横浜武道館大会での火野V2戦の挑戦者は“保留"となった。

　DDT旗揚げ26周年記念興行として開催されたこの日の後楽園大会は、大会名を上回る6時間のロングランとなった。メインを張ったのは王者・火野に納谷が挑戦するKO-D無差別級王座戦。スーパーヘビー級同士の一戦はチョップの打ち合い、ショルダータックル合戦、ミドルキックの応酬、エルボーのラリーで身を削り合うような攻防が展開された。

　初戴冠に燃える納谷はニーリフト、ダイビングエルボードロップ、バックドロップで追い込んだものの3カウントは奪えず。20分過ぎには頭をぶん殴るようなラリアットの打ち合いとなり、打ち勝った火野が強烈なラリアットからFuckin'BOMBで叩きつけて3カウントを奪取した。

　肉弾戦を制した火野がKO-D無差別初防衛を果たした。試合後、V2戦の舞台が5・3横浜武道館大会に決定。するとフェロモンズの面々がリングを占拠し、男色“ダンディ"ディーノが飯野を次期挑戦者にするよう迫った。

　すると火野は「確かにお前はごつくて強い。でも今のキャラクターではちょっと。お前が前みたいなマジメなスタイルでかかってくるんやったら、やったってもいい」と条件付きで受けて立つ構えを見せた。

　だが、Ωの司令塔・大石が「今のお前は冷静さを欠いている。飯野雄貴はもういない。セクシーしかいないんだ」と火野に釘を刺し、「仮に火野がいいと言っても俺が認めない。俺を納得させてみろ」と飯野の挑戦を拒んだ。ディーノは「デカくて重くて強いヤツ? 足りねぇな。これからのDDTに必要なのはデカくて重くて強くて、いやらしいヤツだ」と持論を展開。最終的に今林久弥GMがフェロモンズ陣営の要求を“保留"とした。

　「あそこまでやられるとはね。今後が楽しみ。(これまでの納谷とは)全然違う。この前、戦ったときは“火野裕士に勝ちたい"。今は違う。DDTを背負いたい、チャンピオンになって引っ張りたい。その気持ちが全然ちゃうねん」と納谷を評価した火野。王座奪取ならなかった納谷は「今までずっとしょっぱいレスラーと言われ続けてきて。火野さんと出会って、去年1年かけて成長できた思いがあって。ビッグマッチでメインイベントを任せてもらって、緊張しましたけど、火野さんと戦えてよかったです」と涙ながらに振り返り、「この涙は悔しさなので、次、タイトルに挑戦するときは絶対、何が何でもベルトを獲るべきだと思います。この悔しさをバネにもっと頑張ります」と前を向いた。

　また、高木三四郎社長が全試合終了後、「後楽園の午前・午後区分、午後・夜間区分を借りて行いましたけど、初めての試みでお客さんも喜んだんじゃないかなと。最初から最後までお客さんの緊張の糸が切れなかったのはよかったと思ってます」と大会を総括。「5時間スペシャルと銘打ったんですけど、結果的に6時間スペシャルになってしまいました。来年またやれればDDTの季節の風物詩にしたいと思ってます」と恒例化に前向きな姿勢を見せた。また、惜敗した納谷についても言及。「お客さんも後押ししていましたし、納谷君も一歩も引いてなかった。今までは体格やポテンシャルを生かし切れてなかったんですけど、もう立派にDDTを支える選手の一人だなと思いました」と高く評価していた。


☆5/3(水・祝)神奈川・横浜武道館『MEGA MAX BUMP 2023 in YOKOHAMA』12:30開場、14:00開始

▼KO-D無差別級選手権試合
[挑戦者]
未定
vs
火野裕士
[第80代王者]
※火野2度目の防衛戦