【WWE】女子US王者ジュリア「ベルトを自分の色に染め上げる」、バトル出場の『エボリューション』へ「インパクト残す」 2025/7/10
ジュリアが10日、7・13『エボリューション』へ向けてリモート会見を行った。 昨年9月のNXTデビューから10ヵ月が経過。「こっちに来てから日本とアメリカのスタイルの違いに本当に今でも悩むところがたくさんある」とはいうものの、ジュリアは今年1月にNXT女子王座を戴冠。5月に昇格を果たすと、6・28スマックダウンでゼリーナ・ベガを破って女子US王座戴冠を果たした。 異例のスピード出世を遂げている中、「今、スマックダウンに入ったばっかりで、ホントに自分はこれからってところ」というように、ジュリアはこれからが本格的な勝負と定めている。その中で目下のテーマは女子US王座の防衛ロード。「このベルトは自分、3代目でわりとまだできたばっかり。色がついてないベルトだと思っていて。そういう何色にも染まってないものを自分の色に染め上げるのは好きなこと」と話したジュリアは「チャンピオンとして私はたくさん防衛戦とかもしていきたい」と積極姿勢。前王者・ゼリーナとのリマッチも見据えつつ、「みんなビビらず来いよって感じです。WWEだろって。WWEのヤツらみんなかかってこいって感じですね。自分はいつでも誰でも受けて立つ」と言い切った。 女子のみの大会『エボリューション』では防衛戦がなく、バトルロイヤルに出場する予定。ジュリアによると「かなりの大人数。たぶん学校のクラス1組分ぐらいの選手が一気に同じ試合に出場する」という。選手がリングにひしめき合う中で「何はともあれインパクトを残して、そこで次の防衛戦の相手とか、いい相手見つかれば」と見据えるジュリアは女子US王者としての存在感をしっかりと見せつけたうえで次につなげるつもりだ。 現在、イヨ・スカイが女子世界王者に君臨。『エボリューション』ではリア・リプリーとの防衛戦を控える。「完璧すぎて、文句なし」と一目を置き、アドバイスも受けているというジュリアにとって「お姉さん」のような存在。今年5月のロウデビュー戦でタッグ対決が実現しているが、「いつか自分とイヨさんが対等の立場で向き合えるように、すぐになってやるんで。まだ自分はこっちに来たばかりでファンの認知とかも全然自分は足りてないので、もっと上がっていって、大きな存在になってから、いつか向かいたい」と将来の一騎打ち実現を目標に掲げた。 WWE女子部門の第一人者であるアスカも特別な存在だ。6・28サウジアラビア大会『ナイト・オブ・チャンピオンズ』では移動の飛行機内で隣に座り、3時間も会話したという。「先頭を切って進んできた先人というか、アスカさんがいたからWWE女子の道が開けて、それがあったから今の自分がここにいることに何かしら繋がってるんだろうなっていうのがある」と敬意を表したジュリアは「アスカ選手と戦うのは一つの目標であり、夢であるので。それがいつ実現するかわからないですけど、復帰してくれたことはすごくうれしいですし、近いうちに戦いたい」とリングで対峙する時を見据えていた。 ジュリアがバトルロイヤルに出場する『エボリューション』は7月14日午前8時よりABEMAで生中継される。 【リモート会見の模様】 ――女子US王座戴冠おめでとうございます。 ▼ジュリア「ありがとうございます」 ――ベルト戴冠が早すぎでは? ▼ジュリア「いや、もう当然の結果だと思ってます。ベルトを獲っての心境ですか? 自分のプロレス人生を振り返ると、みんなジュリアのプロレス人生は展開が早いっていうのをよく言われるんですけど、自分でもホントそうだなと思っていて。それでこそジュリアだなって自分で思ってるので。本当に本気で獲るつもりでいきましたし、獲れてホッとはしましたね。うれしいと同時にホッとしたっていう。それと同時に出来たてのベルトなので、自分3代目なので、このベルトまだそんな色がついてないと思うんですよ。なので、ここからどういう色を付けていこうかなというのは常に考えているところです」 ――女子のみの大会『エボリューション』が行われることをどう思う? ▼ジュリア「凄くいいことだと思いますね。自分は男子のプロレスも凄く好きなんですけど、女子プロが一番好きなので。やっぱ男子には見せられない女子のよさっていうのがあると思うんですよ。それは日本とアメリカではまたスタイルというか、魅せ方というか、そういうものはまた違うものがあると思うんですけど。最初から最後まで全部女子っていうのはアメリカでは珍しいんですかね。なので、日本では当たり前だったけど、こっちでは珍しいこと。自分的には新鮮って感じはしないんですけどね。凄くいいことだと思いますし、どんどんやれるといいなと思います」 ――当日はバトルロイヤルに出ることになる? ▼ジュリア「出ます」 ――どんなパフォーマンスを見せたい? ▼ジュリア「聞いた話によると20〜30人ぐらい出るみたいですね。何人出るのか自分でも正確な人数っていうのは把握してないんですけど、かなりの大人数。たぶん学校のクラス1組分ぐらいの選手が一気に同じ試合に出場するので、何はともあれインパクトを残して、そこで次の防衛戦の相手とか、いい相手見つかればなっていうのは思ってます」 ――アスカ選手の復帰については? ▼ジュリア「メッチャうれしいですね、それは。やっぱり先頭を切って進んできた先人というか、アスカさんがいたからWWE女子の道が開けて、それがあったから今の自分がここにいることに何かしら繋がってるんだろうなっていうのがあって。なので、アスカ選手と戦うのは一つの目標であり、夢であるので。それがいつ実現するかわからないですけど、復帰してくれたことはすごくうれしいですし、近いうちに戦いたいなって思ってます」 ――女子タッグ王座に挑戦するカブキ・ウォリアーズへの期待も大きい? ▼ジュリア「そうですね。試合は必ず見ます」 ――ベルトを獲ると日本人女子全員がベルトを巻く凄い時代になるが? ▼ジュリア「確かに。いいですね、それは。日本代表で来てるわけなんで、日本人の女子プロパワーを見せつけてやりたいですね、世界中に」 ――イヨ・スカイvsリア・リプリーの女子世界王座戦で注目するところは? ▼ジュリア「どちらも天才だと思っていて、アメリカに来て自分が実感したのは体格差。日本人ってアメリカの選手と比べると、どうしても小柄に見えてしまうから、その中でどういう戦いをして、どうやって試合の中で説得力を持たせていくかが自分の中では大きいテーマで。イヨさんって身長低いし、体も小さいんですけど、本当に素晴らしい動きをする完璧。もちろんそこにも説得力があって。勉強みたいな感じで見ちゃうと思います。あの大きなリア・リプリーとどうやって戦っていくのか。しかも何度も何度も対戦してる経験が二人にはあるわけじゃないですか。そこで新しいもの、何を見せるのかなとか、凄く気になってます」 ――今年からサマースラムが2日間になるが、聞いた時にどう思った? ▼ジュリア「それはWWEの規模がどんどん大きくなってるってことですもんね。自分はすごいところにいるんだなっていうのが一番ですね。その超ビッグマッチの中に食い込んでいかなきゃなって思います。2日間あって、そこで何も起きない、そんな自分は絶対許せないので、絶対何か食い込んでやりたいなって。タイトルマッチもしたいし」 ――サマースラムを現地で見たことは? ▼ジュリア「ないです。映像では。お祭りみたいな大会ですよね。演出も派手で非現実的な世界で、お客さんも本当にプロレスを楽しんでやるぞって心から楽しみにきてる場で、選手たちも普段も気合入ってるんですけど、さらにその日のために特別なものを用意して挑みに来てるっていうのが本当に特別感のあるお祭りのような存在だなって思います。プロレスの夏祭り」 ――出場したらどんなパフォーマンスを見せたい? ▼ジュリア「常に自分らしくいるっていうことが一番ですかね。その中で何か特別な衣装だったり、見た目もそうなんですけど、試合の中でまだアメリカに来てからみせてないジュリアの特別なムーブとかっていうのは結構あるんですけど、そういうのが出来たらいいなと思います」 ――昨年のWWE入りからあっという間のメインロースター昇格だが、WWEで戦う中で自分の強みはどこに感じる? ▼ジュリア「周りの人たちに自分が認められたくって頑張ってきたというよりかは、女子プロレスラーとしてナメられたくなっていう。自分もそうなんですけど、プロレスを、女子プロを舐められたくない気持ちでずっとやってきた結果、日本での戦いがたぶん評価していただけることができて自分は今ここにいると思うんですよ。こっちに来てから日本とアメリカのスタイルの違いに本当に今でも悩むところがたくさんあるんですけど。未だに難しいなって思うことはたくさんあるんですね。そんな中で自分の強みっていったら、やっぱりいろんなものと戦ってるっていう。技がどうとかはもちろんプロレスで大事なんですけど、そういう戦いの根本にある気持ちの部分だったりとか、魂の部分だったりとか。自分はそこが何より大事だと思うんで。そういうのが伝わって、自分の熱い気持ちを会社が受け取ってくれたのかなって。そういうふうに感じてます。それがファンにも届いてると信じてます」 ――アスカ選手と飛行機の中で3時間話したとのことだが、アドバイスでヒントになったこと、感じたことは? ▼ジュリア「凄くありますね。これもアメリカと日本の違い的な話になるんですけど、日本って試合の中で負けた選手の方が輝いちゃったりとか、目立ったりとか、全部持っていったりとか、結構あるじゃないですか。でもアスカさんと話して教えてもらったのが、アメリカは、ここは勝った人に全部スポットがいく世界だからっていう。勝つか負けるかで天地の差というか、それぐらい厳しい場所にいるんだなと。その中で勝つ者も負ける者もいるわけで。負けた時にだって、負けた人にスポットが当たることがあってもいいと思うんですよ。それがプロレスの面白い部分でもあるので。もちろん自分が負けるつもりがある、ないとか、そういう話ではなくて、そこにも物語というか、ストーリーというか、そういうのが何か見えてきたらプロレスがもっと面白くなるのではないかなと感じましたね」 ――日米のファンの楽しみ方の違いは? ▼ジュリア「この話っていうのは結構いろんな人がされてるし、自分もしたことあると思うんですけど、子供が凄く多くて、本当にスターを見に来てるというか。サマースラムの話じゃないですけど、みんな非現実の世界というか、お祭りというかを楽しみに来てるんですよね。日本のファンっていうのは楽しみ方が若干違って、技術をじっくり見たりだとか、そういうじっくりと楽しんでる感じ。こっちだとたとえばロックアップでレスリングやってっていうベーシックな動きでも盛り上がって、最初ビックリしました。本当に1個バンプ取ったら盛り上がるところが全然日本と違うなっていう。盛り上がりに来てる、叫びに来てる。選手が入場する時に踊ってる人とかも見たことがあるんですよね。そういう感覚の違いは凄くあると思います」 ――ライバルになりそうな選手はいる? ▼ジュリア「今、スマックダウンに入ったばっかりで、ホントに自分はこれからってところなんですよ。チャンピオンとして私はたくさん防衛戦とかもしていきたいし、その相手っていうのがじゃあ次、誰になるんだろうって。ゼリーナはもちろん再戦を望んでる感じで、そういう目線だったりとか発言だったりとかっていうのは受け取ってますね。あとはみんなビビらず来いよって感じです。WWEだろって。WWEかかって来いよって感じですかね。自分はいつでも誰でも受けて立つんで」 ――タイミングが合えば日本でも試合が見られる? ▼ジュリア「もちろんです。日本公演楽しみにしています」 ――たくさん反響があったと思うが? ▼ジュリア「私、あんまり連絡来ないんですよ。人望がないんですかね。誰か来たっけな? だって家族にもベルト獲ったよって自分から言うぐらいですからね。プライベートの友達は結構来ました。マリーゴールドの子とか来たか。もっとみんな連絡してほしいなって思います。でもインスタグラムとかTwitterとか、ソーシャルメディア的なところではすごいたくさん反応いただきました。日本の選手たちからも」 ――WWEに来て一番苦戦した点は? ▼ジュリア「やっぱり日本とスタイルが全く違う。これ、たぶんみんな言うだろうし、自分も何度もこの話をしてきたんですけど、日本からNXTに来た時、全然違って。間を取る時間がないんですね。とにかくゴー、ゴー、ゴーで次から次へ止まる時間がない。たくさん動きがあって、たくさんの技が出て、お客さんがテレビのチャンネルを変えないように出来上がってるプロレスというか。本当にテレビで放送する用のプロレス。スマックダウンに来てからは逆に凄くゆっくりなんですよ。これはNXTとは全然違うし、自分、日本で戦ってた時は間を取りながら試合するのが好きだったんですけど、それ以上に間の取り方っていうのも違って。全部が違って全然まだ勉強中ではあるんですけど、メインロースターの上のトップスターたちを見てると、オーラで魅せるというか、あそこはNXTとも全然違って。けど、自分はそういうプロレスが大好きなので、いつか自分もオーラで圧倒できるような存在になりたいなってすごく思いました」 ――ベルトをもって今後の目標はある? ▼ジュリア「このベルトは自分、3代目でわりとまだできたばっかり。色がついてないベルトだと思っていて。そういう何色にも染まってないものを自分の色に染め上げるのは好きなことなので。WWEのヤツらみんなかかってこいって感じですね。その中でとりあえず私はシングルマッチが好きなので、私のシングル組まないなんてありえないと思います。どんどん組んでほしいなと思います」 ――イヨ選手の存在は刺激になっている? ▼ジュリア「イヨさんは完璧すぎて、文句なしというか。普通、人間ってここああだよねって言おうと思えば、いくらでも言えると思うんですけど、イヨさんって欠点がないんですよ。しかもプライベートでも。私は朝、キックボクシングのジムに通ってるんですけど、そこで一緒になることが多くて。練習でも自分に凄く厳しい姿勢というか、普段の生活から見ても、この人完璧なんだなっていうところはメッチャ尊敬しますね。カッコいいなって思います」 ――ジュリア選手にとって目標になる存在? ▼ジュリア「そうですね。こっちに来てたくさんのことアドバイスもらったり、教わったりしてるので、お姉さんみたいな感じですかね、今は。でもいつか自分とイヨさんが対等の立場で向き合えるように、すぐになってやるんで。まだ自分はこっちに来たばかりでファンの認知とかも全然足りてないので。もっと上がっていって、大きな存在になってから、いつか向かいたいなと思ってます」 ――日本時代との待遇の差はある? ▼ジュリア「大きなって思うのが、ここはドクターがいて、メディカル施設みたいなところがパフォーマンスセンターにあって。日本の会社にいた時にここが痛いってなったら、とりあえず会社に言うじゃないですか。病院に行ってくださいってなって一緒に病院についていってもらったりとかがあったんですけど、こっちはメディカルがあるから全部診てもらえる。メディカルのドクターたちが把握してるから、ドクターとプロデューサーだったり、コーチ陣たちと連携を取って、今の自分の状態というのをしっかり把握してもらってる。日本ではかなりハードな試合が多かったので、自分は負傷箇所も多かった方なので、そこが回復してきたところが何より今、喜びですね。体がどんどん元気になってる。それはWWEという大きな組織だからこそだと思うんですよ。だから長く選手生活を続けるにあたってすごく大事なことって思うのと、もう一個思い出しました。サウジアラビアに行った時、エコノミーしか乗ったことなかったので、初めてビジネスクラスみたいなシートで。横になれて、メニューが出てきて、あったかいおいしい料理が出てきて、ステンレスのフォークとナイフで食べるみたいな。ビックリしました。デザートもおいしくて。全然違うなって。WWEに所属してなかったら、こんな経験することはきっとなかっただろうなって思って。本当に初めての経験がたくさんあるんで、会社には感謝してます」 ――WWEで受け入れられるために言葉の面も大事だと思うが、語学は日本時代からやっていた? ▼ジュリア「同じ団体の中に外国人選手がいて、自分、結構、外国人選手と話すの好きな方だったんですよ。もともと勉強とは全然してなくて、私はしゃべれなくてもノリでいけるからって思い込んでた部分があって。こっちに来る前も勉強は半年前には始めたのかな。日本で出発のギリギリまで試合がたくさんあったので、なかなか集中して英語を勉強する時間が取れなくて。でもノリと勢いで何とかなるっしょっていうのはあったんですよ。だけど実際に来た時にその自信は打ち砕かれて(苦笑) 英語、本当に何よりも大事なんじゃないかなって思いました」 ――アメリカでレッスンを受けて手応えが出てきた? ▼ジュリア「恥ずかしい話なんですけど、英語クラスにずっと通っていて、今日も行ってきてて。定期的にテストを行うんですね。初めてこっちに来てテストを受けた時に、中間ぐらいまではいけるかなって変な自信があったら、0点に近い点数が出て。そこから10ヵ月ぐらい経つんですけど、今、問題もたぶん大学生がやるような難しめの問題なんですかね。凄く難しいんですけど、真ん中より上の点数が最近出るようになったので。それは数字が結果として出てるなっていうのがあるんですけど、もっと自然に話すにはどうすればいいんだろうとか、発音だったりとか。人によって発音が全然違うから聞き取れないとか、たくさんありますね。言葉が出なくなっちゃうこともあるので」
ジュリアが10日、7・13『エボリューション』へ向けてリモート会見を行った。
昨年9月のNXTデビューから10ヵ月が経過。「こっちに来てから日本とアメリカのスタイルの違いに本当に今でも悩むところがたくさんある」とはいうものの、ジュリアは今年1月にNXT女子王座を戴冠。5月に昇格を果たすと、6・28スマックダウンでゼリーナ・ベガを破って女子US王座戴冠を果たした。
異例のスピード出世を遂げている中、「今、スマックダウンに入ったばっかりで、ホントに自分はこれからってところ」というように、ジュリアはこれからが本格的な勝負と定めている。その中で目下のテーマは女子US王座の防衛ロード。「このベルトは自分、3代目でわりとまだできたばっかり。色がついてないベルトだと思っていて。そういう何色にも染まってないものを自分の色に染め上げるのは好きなこと」と話したジュリアは「チャンピオンとして私はたくさん防衛戦とかもしていきたい」と積極姿勢。前王者・ゼリーナとのリマッチも見据えつつ、「みんなビビらず来いよって感じです。WWEだろって。WWEのヤツらみんなかかってこいって感じですね。自分はいつでも誰でも受けて立つ」と言い切った。
女子のみの大会『エボリューション』では防衛戦がなく、バトルロイヤルに出場する予定。ジュリアによると「かなりの大人数。たぶん学校のクラス1組分ぐらいの選手が一気に同じ試合に出場する」という。選手がリングにひしめき合う中で「何はともあれインパクトを残して、そこで次の防衛戦の相手とか、いい相手見つかれば」と見据えるジュリアは女子US王者としての存在感をしっかりと見せつけたうえで次につなげるつもりだ。
現在、イヨ・スカイが女子世界王者に君臨。『エボリューション』ではリア・リプリーとの防衛戦を控える。「完璧すぎて、文句なし」と一目を置き、アドバイスも受けているというジュリアにとって「お姉さん」のような存在。今年5月のロウデビュー戦でタッグ対決が実現しているが、「いつか自分とイヨさんが対等の立場で向き合えるように、すぐになってやるんで。まだ自分はこっちに来たばかりでファンの認知とかも全然自分は足りてないので、もっと上がっていって、大きな存在になってから、いつか向かいたい」と将来の一騎打ち実現を目標に掲げた。
WWE女子部門の第一人者であるアスカも特別な存在だ。6・28サウジアラビア大会『ナイト・オブ・チャンピオンズ』では移動の飛行機内で隣に座り、3時間も会話したという。「先頭を切って進んできた先人というか、アスカさんがいたからWWE女子の道が開けて、それがあったから今の自分がここにいることに何かしら繋がってるんだろうなっていうのがある」と敬意を表したジュリアは「アスカ選手と戦うのは一つの目標であり、夢であるので。それがいつ実現するかわからないですけど、復帰してくれたことはすごくうれしいですし、近いうちに戦いたい」とリングで対峙する時を見据えていた。
ジュリアがバトルロイヤルに出場する『エボリューション』は7月14日午前8時よりABEMAで生中継される。
【リモート会見の模様】
――女子US王座戴冠おめでとうございます。
▼ジュリア「ありがとうございます」
――ベルト戴冠が早すぎでは?
▼ジュリア「いや、もう当然の結果だと思ってます。ベルトを獲っての心境ですか? 自分のプロレス人生を振り返ると、みんなジュリアのプロレス人生は展開が早いっていうのをよく言われるんですけど、自分でもホントそうだなと思っていて。それでこそジュリアだなって自分で思ってるので。本当に本気で獲るつもりでいきましたし、獲れてホッとはしましたね。うれしいと同時にホッとしたっていう。それと同時に出来たてのベルトなので、自分3代目なので、このベルトまだそんな色がついてないと思うんですよ。なので、ここからどういう色を付けていこうかなというのは常に考えているところです」
――女子のみの大会『エボリューション』が行われることをどう思う?
▼ジュリア「凄くいいことだと思いますね。自分は男子のプロレスも凄く好きなんですけど、女子プロが一番好きなので。やっぱ男子には見せられない女子のよさっていうのがあると思うんですよ。それは日本とアメリカではまたスタイルというか、魅せ方というか、そういうものはまた違うものがあると思うんですけど。最初から最後まで全部女子っていうのはアメリカでは珍しいんですかね。なので、日本では当たり前だったけど、こっちでは珍しいこと。自分的には新鮮って感じはしないんですけどね。凄くいいことだと思いますし、どんどんやれるといいなと思います」
――当日はバトルロイヤルに出ることになる?
▼ジュリア「出ます」
――どんなパフォーマンスを見せたい?
▼ジュリア「聞いた話によると20〜30人ぐらい出るみたいですね。何人出るのか自分でも正確な人数っていうのは把握してないんですけど、かなりの大人数。たぶん学校のクラス1組分ぐらいの選手が一気に同じ試合に出場するので、何はともあれインパクトを残して、そこで次の防衛戦の相手とか、いい相手見つかればなっていうのは思ってます」
――アスカ選手の復帰については?
▼ジュリア「メッチャうれしいですね、それは。やっぱり先頭を切って進んできた先人というか、アスカさんがいたからWWE女子の道が開けて、それがあったから今の自分がここにいることに何かしら繋がってるんだろうなっていうのがあって。なので、アスカ選手と戦うのは一つの目標であり、夢であるので。それがいつ実現するかわからないですけど、復帰してくれたことはすごくうれしいですし、近いうちに戦いたいなって思ってます」
――女子タッグ王座に挑戦するカブキ・ウォリアーズへの期待も大きい?
▼ジュリア「そうですね。試合は必ず見ます」
――ベルトを獲ると日本人女子全員がベルトを巻く凄い時代になるが?
▼ジュリア「確かに。いいですね、それは。日本代表で来てるわけなんで、日本人の女子プロパワーを見せつけてやりたいですね、世界中に」
――イヨ・スカイvsリア・リプリーの女子世界王座戦で注目するところは?
▼ジュリア「どちらも天才だと思っていて、アメリカに来て自分が実感したのは体格差。日本人ってアメリカの選手と比べると、どうしても小柄に見えてしまうから、その中でどういう戦いをして、どうやって試合の中で説得力を持たせていくかが自分の中では大きいテーマで。イヨさんって身長低いし、体も小さいんですけど、本当に素晴らしい動きをする完璧。もちろんそこにも説得力があって。勉強みたいな感じで見ちゃうと思います。あの大きなリア・リプリーとどうやって戦っていくのか。しかも何度も何度も対戦してる経験が二人にはあるわけじゃないですか。そこで新しいもの、何を見せるのかなとか、凄く気になってます」
――今年からサマースラムが2日間になるが、聞いた時にどう思った?
▼ジュリア「それはWWEの規模がどんどん大きくなってるってことですもんね。自分はすごいところにいるんだなっていうのが一番ですね。その超ビッグマッチの中に食い込んでいかなきゃなって思います。2日間あって、そこで何も起きない、そんな自分は絶対許せないので、絶対何か食い込んでやりたいなって。タイトルマッチもしたいし」
――サマースラムを現地で見たことは?
▼ジュリア「ないです。映像では。お祭りみたいな大会ですよね。演出も派手で非現実的な世界で、お客さんも本当にプロレスを楽しんでやるぞって心から楽しみにきてる場で、選手たちも普段も気合入ってるんですけど、さらにその日のために特別なものを用意して挑みに来てるっていうのが本当に特別感のあるお祭りのような存在だなって思います。プロレスの夏祭り」
――出場したらどんなパフォーマンスを見せたい?
▼ジュリア「常に自分らしくいるっていうことが一番ですかね。その中で何か特別な衣装だったり、見た目もそうなんですけど、試合の中でまだアメリカに来てからみせてないジュリアの特別なムーブとかっていうのは結構あるんですけど、そういうのが出来たらいいなと思います」
――昨年のWWE入りからあっという間のメインロースター昇格だが、WWEで戦う中で自分の強みはどこに感じる?
▼ジュリア「周りの人たちに自分が認められたくって頑張ってきたというよりかは、女子プロレスラーとしてナメられたくなっていう。自分もそうなんですけど、プロレスを、女子プロを舐められたくない気持ちでずっとやってきた結果、日本での戦いがたぶん評価していただけることができて自分は今ここにいると思うんですよ。こっちに来てから日本とアメリカのスタイルの違いに本当に今でも悩むところがたくさんあるんですけど。未だに難しいなって思うことはたくさんあるんですね。そんな中で自分の強みっていったら、やっぱりいろんなものと戦ってるっていう。技がどうとかはもちろんプロレスで大事なんですけど、そういう戦いの根本にある気持ちの部分だったりとか、魂の部分だったりとか。自分はそこが何より大事だと思うんで。そういうのが伝わって、自分の熱い気持ちを会社が受け取ってくれたのかなって。そういうふうに感じてます。それがファンにも届いてると信じてます」
――アスカ選手と飛行機の中で3時間話したとのことだが、アドバイスでヒントになったこと、感じたことは?
▼ジュリア「凄くありますね。これもアメリカと日本の違い的な話になるんですけど、日本って試合の中で負けた選手の方が輝いちゃったりとか、目立ったりとか、全部持っていったりとか、結構あるじゃないですか。でもアスカさんと話して教えてもらったのが、アメリカは、ここは勝った人に全部スポットがいく世界だからっていう。勝つか負けるかで天地の差というか、それぐらい厳しい場所にいるんだなと。その中で勝つ者も負ける者もいるわけで。負けた時にだって、負けた人にスポットが当たることがあってもいいと思うんですよ。それがプロレスの面白い部分でもあるので。もちろん自分が負けるつもりがある、ないとか、そういう話ではなくて、そこにも物語というか、ストーリーというか、そういうのが何か見えてきたらプロレスがもっと面白くなるのではないかなと感じましたね」
――日米のファンの楽しみ方の違いは?
▼ジュリア「この話っていうのは結構いろんな人がされてるし、自分もしたことあると思うんですけど、子供が凄く多くて、本当にスターを見に来てるというか。サマースラムの話じゃないですけど、みんな非現実の世界というか、お祭りというかを楽しみに来てるんですよね。日本のファンっていうのは楽しみ方が若干違って、技術をじっくり見たりだとか、そういうじっくりと楽しんでる感じ。こっちだとたとえばロックアップでレスリングやってっていうベーシックな動きでも盛り上がって、最初ビックリしました。本当に1個バンプ取ったら盛り上がるところが全然日本と違うなっていう。盛り上がりに来てる、叫びに来てる。選手が入場する時に踊ってる人とかも見たことがあるんですよね。そういう感覚の違いは凄くあると思います」
――ライバルになりそうな選手はいる?
▼ジュリア「今、スマックダウンに入ったばっかりで、ホントに自分はこれからってところなんですよ。チャンピオンとして私はたくさん防衛戦とかもしていきたいし、その相手っていうのがじゃあ次、誰になるんだろうって。ゼリーナはもちろん再戦を望んでる感じで、そういう目線だったりとか発言だったりとかっていうのは受け取ってますね。あとはみんなビビらず来いよって感じです。WWEだろって。WWEかかって来いよって感じですかね。自分はいつでも誰でも受けて立つんで」
――タイミングが合えば日本でも試合が見られる?
▼ジュリア「もちろんです。日本公演楽しみにしています」
――たくさん反響があったと思うが?
▼ジュリア「私、あんまり連絡来ないんですよ。人望がないんですかね。誰か来たっけな? だって家族にもベルト獲ったよって自分から言うぐらいですからね。プライベートの友達は結構来ました。マリーゴールドの子とか来たか。もっとみんな連絡してほしいなって思います。でもインスタグラムとかTwitterとか、ソーシャルメディア的なところではすごいたくさん反応いただきました。日本の選手たちからも」
――WWEに来て一番苦戦した点は?
▼ジュリア「やっぱり日本とスタイルが全く違う。これ、たぶんみんな言うだろうし、自分も何度もこの話をしてきたんですけど、日本からNXTに来た時、全然違って。間を取る時間がないんですね。とにかくゴー、ゴー、ゴーで次から次へ止まる時間がない。たくさん動きがあって、たくさんの技が出て、お客さんがテレビのチャンネルを変えないように出来上がってるプロレスというか。本当にテレビで放送する用のプロレス。スマックダウンに来てからは逆に凄くゆっくりなんですよ。これはNXTとは全然違うし、自分、日本で戦ってた時は間を取りながら試合するのが好きだったんですけど、それ以上に間の取り方っていうのも違って。全部が違って全然まだ勉強中ではあるんですけど、メインロースターの上のトップスターたちを見てると、オーラで魅せるというか、あそこはNXTとも全然違って。けど、自分はそういうプロレスが大好きなので、いつか自分もオーラで圧倒できるような存在になりたいなってすごく思いました」
――ベルトをもって今後の目標はある?
▼ジュリア「このベルトは自分、3代目でわりとまだできたばっかり。色がついてないベルトだと思っていて。そういう何色にも染まってないものを自分の色に染め上げるのは好きなことなので。WWEのヤツらみんなかかってこいって感じですね。その中でとりあえず私はシングルマッチが好きなので、私のシングル組まないなんてありえないと思います。どんどん組んでほしいなと思います」
――イヨ選手の存在は刺激になっている?
▼ジュリア「イヨさんは完璧すぎて、文句なしというか。普通、人間ってここああだよねって言おうと思えば、いくらでも言えると思うんですけど、イヨさんって欠点がないんですよ。しかもプライベートでも。私は朝、キックボクシングのジムに通ってるんですけど、そこで一緒になることが多くて。練習でも自分に凄く厳しい姿勢というか、普段の生活から見ても、この人完璧なんだなっていうところはメッチャ尊敬しますね。カッコいいなって思います」
――ジュリア選手にとって目標になる存在?
▼ジュリア「そうですね。こっちに来てたくさんのことアドバイスもらったり、教わったりしてるので、お姉さんみたいな感じですかね、今は。でもいつか自分とイヨさんが対等の立場で向き合えるように、すぐになってやるんで。まだ自分はこっちに来たばかりでファンの認知とかも全然足りてないので。もっと上がっていって、大きな存在になってから、いつか向かいたいなと思ってます」
――日本時代との待遇の差はある?
▼ジュリア「大きなって思うのが、ここはドクターがいて、メディカル施設みたいなところがパフォーマンスセンターにあって。日本の会社にいた時にここが痛いってなったら、とりあえず会社に言うじゃないですか。病院に行ってくださいってなって一緒に病院についていってもらったりとかがあったんですけど、こっちはメディカルがあるから全部診てもらえる。メディカルのドクターたちが把握してるから、ドクターとプロデューサーだったり、コーチ陣たちと連携を取って、今の自分の状態というのをしっかり把握してもらってる。日本ではかなりハードな試合が多かったので、自分は負傷箇所も多かった方なので、そこが回復してきたところが何より今、喜びですね。体がどんどん元気になってる。それはWWEという大きな組織だからこそだと思うんですよ。だから長く選手生活を続けるにあたってすごく大事なことって思うのと、もう一個思い出しました。サウジアラビアに行った時、エコノミーしか乗ったことなかったので、初めてビジネスクラスみたいなシートで。横になれて、メニューが出てきて、あったかいおいしい料理が出てきて、ステンレスのフォークとナイフで食べるみたいな。ビックリしました。デザートもおいしくて。全然違うなって。WWEに所属してなかったら、こんな経験することはきっとなかっただろうなって思って。本当に初めての経験がたくさんあるんで、会社には感謝してます」
――WWEで受け入れられるために言葉の面も大事だと思うが、語学は日本時代からやっていた?
▼ジュリア「同じ団体の中に外国人選手がいて、自分、結構、外国人選手と話すの好きな方だったんですよ。もともと勉強とは全然してなくて、私はしゃべれなくてもノリでいけるからって思い込んでた部分があって。こっちに来る前も勉強は半年前には始めたのかな。日本で出発のギリギリまで試合がたくさんあったので、なかなか集中して英語を勉強する時間が取れなくて。でもノリと勢いで何とかなるっしょっていうのはあったんですよ。だけど実際に来た時にその自信は打ち砕かれて(苦笑) 英語、本当に何よりも大事なんじゃないかなって思いました」
――アメリカでレッスンを受けて手応えが出てきた?
▼ジュリア「恥ずかしい話なんですけど、英語クラスにずっと通っていて、今日も行ってきてて。定期的にテストを行うんですね。初めてこっちに来てテストを受けた時に、中間ぐらいまではいけるかなって変な自信があったら、0点に近い点数が出て。そこから10ヵ月ぐらい経つんですけど、今、問題もたぶん大学生がやるような難しめの問題なんですかね。凄く難しいんですけど、真ん中より上の点数が最近出るようになったので。それは数字が結果として出てるなっていうのがあるんですけど、もっと自然に話すにはどうすればいいんだろうとか、発音だったりとか。人によって発音が全然違うから聞き取れないとか、たくさんありますね。言葉が出なくなっちゃうこともあるので」