プロレス/格闘技DX

　1・26幕張大会の三冠ヘビー級選手権試合「斉藤ジュンvs安齊勇馬」へ向けた会見が20日、東京・湯島の全日本事務所で行われた。

　昨年12・31代々木大会でジュンが三冠王座初戴冠。弟・斉藤レイとの斉藤ブラザーズで保持する世界タッグ王座も併せ、5冠王者に君臨した。1・3後楽園大会で安齊が芦野祥太郎との一騎打ちに勝利し、三冠挑戦を表明。1・26幕張大会で2025年最初の三冠戦が行われることになった。

　第75代王者・ジュンは戴冠から26日で迎える初防衛戦。三冠王者となってから1ヵ月近くが経過し、「前から自信はあったんだが、この三冠ベルトを手にして、より自信がついたとは言えるだろう。それが必ず力に繋がる」と自信は深まるばかり。「この三冠ベルトを実際に手にするとメチャクチャ気持ちがいいんだよな」と頂点に立つ男としての充足感に満たされてもいる。だからこそ、「この気持ちよさを知ってしまったら、もう手放せないから、永遠に防衛していきたいな」と長期政権を見据えた。

　対する安齊は勝てば昨年8月に第72代王者から陥落以来、5ヵ月ぶり2度目の戴冠となる。「大変なこともあったんですけど、刺激的な毎日ですげえ楽しくて」と王者時代を振り返った安齊は陥落後の三冠戦線を目の当たりにし、喪失感とともに「やっぱりあのベルトにしか出せない魅力があるな、あのベルトをかけてでしか味わえない刺激がある」と確信した。

　再びその戦いに身を置き、刺激を堪能するべく安齊は返り咲きに乗り出した。過去2度の三冠挑戦はいずれも外敵王者が相手だったが、今回は所属対決。「過去2回はその状況をどうにかしたいという思いで、全日本を背負って戦いに挑むっていう思いだったんですけど、今回は自分のためだけというか、自分がただ三冠ベルトを巻きたいからっていう思いで戦いに挑みます」と言い切った安齊は「相手が斉藤ジュンなこともありますし、普通の試合にはならないんだろうな、絶対に極上の刺激が待ってるんだろうな」と武者震いした。

　王者・ジュンはこの日の会見で“おやつタイム"と称して持参した大福を堪能した。ジュンのスイーツ好きはすっかり定着しているが、安齊は「僕が最初に甘いものが好きって言ってた」と主張。好みは「カスタード一択」で、シュークリームを食べて対抗し、「俺が幕張で勝って、あなたを見下ろしながら代わりに大福食べますよ」と予告した。スイーツ好きのジュンにとってこれ以上の屈辱はない。ジュンが永久防衛の第一歩を踏み出すか、それとも最年少王者・安齊が5ヵ月ぶりの返り咲きを果たすか。

【会見の模様】

▼安齊「全日本プロレスの安齊勇馬です。今回、三冠ベルトに挑戦表明させていただいて、自分の中で三冠のベルトが一番カッコいいっていうか、全日本で戦っている限り、この三冠を目指さないというのは違うなと思って。8月まで自分が三冠を巻いて、大変なこともあったんですけど、刺激的な毎日ですげえ楽しくて。自分がベルト落としてから自分以外が戦う三冠戦をずっと見てて、やっぱりあのベルトにしか出せない魅力があるな、あのベルトをかけてでしか味わえない刺激があるなと思って。やっぱりその中に自分がもう一回いきたいという思いで今回、三冠ベルトに挑戦させていただきました。自分は過去2回三冠ベルトに挑戦してるんですけど、その時はどちらも全日本の選手以外にベルトが渡ってしまっていて、その状況をどうにかしたいという思いで、全日本を背負って戦いに挑むっていう思いだったんですけど、今回は自分のためだけというか、自分がただ三冠ベルトを巻きたいからっていう思いで戦いに挑みます。必ずこの幕張で自分が三冠ベルトを手にして、自分の腰に巻きたいと思います」

▼ジュン「三冠チャンピオンになっての初めての防衛戦がこの安齊勇馬なわけだが、安齊は俺よりデビューが遅い後輩なわけだが、俺より先に三冠ベルトを手にして5回も防衛しているわけだから、それは全く関係ない。俺が必ず防衛して三冠チャンピオンとして防衛ロードを歩んでやる。DOOM。あ、じゃあおやつタイムにさせてもらうぜ。甘いもの好きだろ」

※ジュンが大福を安齊につきつけて引っ込める

▼安齊「質疑応答待ってくださいね。前から思ってたんだけど、意気込み言い終わっておやつタイムじゃないですからね。甘いものが好きだからいいって理由にもならないですし」

※ジュンは構わず大福を食べる

▼安齊「ただ、今までの会見を見てて、こういうおやつタイム、甘いものを食べる時間があるんだろうなと思って。むしろ僕が最初に甘いものが好きって言ってたのに、今や斉藤ジュンの方が甘いもののイメージがついてしまってるので。今回、僕も甘いものを持ってきたので。あなたが食うなら僕も食っていいですよね?」

※シュークリームを取り出して食べ始める

――三冠王者になってからのジュン選手にどんな印象がある?

▼安齊「もともとパワフルなプロレスをしていて、その中でやっぱりずっと兄弟としての、タッグとしての強さは証明っていうのはされてたんですけど、このベルトを手にして、強さを証明して、さらに自信もつくと思うので。今まで戦った斉藤ジュンではないと思っていますね。僕、去年のチャンピオン・カーニバルの開幕戦で戦って勝ってはいるんですけど、その時勝てたからって気持ちは一切なく、イチチャレンジャーとして全力で挑むだけですね」

――安齊選手の言う「三冠戦でしか味わえない刺激」を堪能できると?

▼安齊「やってみないとわからないというのもあるんですけど、相手が斉藤ジュンなこともありますし、普通の試合にはならないんだろうな、絶対に極上の刺激が待ってるんだろうなとは思ってます」

――昨年大みそかに三冠王者になったことによる変化は?

▼ジュン「前から自信はあったんだが、この三冠ベルトを手にして、より自信がついたとは言えるだろう。それが必ず力に繋がるし、この三冠ベルトを実際に手にするとメチャクチャ気持ちがいいんだよな。この気持ちよさを知ってしまったら、もう手放せないから、永遠に防衛していきたいな」

――三冠ベルトの初防衛戦という初めての経験になるが、守る立場としてのプレッシャーはある?

▼ジュン「プレッシャーというものは特には感じていないな。今は俺がチャンピオンだから、勝って当たり前だと思ってるし。挑戦者の安齊勇馬を叩き潰す。ただ、それだけだね」

――先に三冠ベルトを獲った安齊選手にどんな印象がある?

▼ジュン「さっきも言ったが、安齊は5回防衛してるわけだ。5回防衛したのは確かに凄いことだが、回数とか俺自身は関係ないからな。これから永遠に防衛していくわけだから。最初の挑戦者が安齊勇馬。俺と同じで甘いものが好きみたいだし。俺の分はないのか?」

▼安齊「大福食ったじゃん」

▼ジュン「1個で足りるわけねえだろう」

――今回2度目の戴冠を果たして、前回やりたかったことはある?

▼安齊「まずベルトを手にしたら、僕3月30にベルトを巻いて8月17日まで腰にベルトを巻いたって大田区で獲った一瞬だけなんですよ。巻かなかった理由っていうのはいろいろあるんですけど、今回ベルトを手にしたら、まずは自分の腰にちゃんと巻いて、あの日より確実にベルトが似合うようになってると思ってるので、それをまず見せたいですね」

――当時はベルトが似合っていないと思っていた?

▼安齊「似合ってなかったっていうよりかは、自他ともに認めてチャンピオンだと思うので。その当時はいろんな意見があったと思うので、それを全部覆してから腰に巻こうという思いがあったんですよ。その半ばに負けてしまって腰に巻けなかったので、今だったらという思いですね」

――今回勝てば自信を持って巻ける?

▼安齊「胸を張って腰に巻いて俺がチャンピオンだって言いたいですね」

――甘いもの好きはジュン選手のアイデンティティだが、全日本の甘いもの好きは俺という形にしたい?

▼安齊「アイデンティティが欲しいっていうか、僕はずっと前から甘いものが好きで、ちらほら載っけていたんですけど、別にリング上で甘いものを食う必要はないかなと思ってたんですけど、気づいたらリング上で、会見で、いろんな場所で甘いものを食べて、誰しもがスイーツ=斉藤ジュン、ビール=斉藤レイみたいになってしまっているので。今回、僕が三冠勝って、俺の方が先に言ってたぞというのを言いながら、僕がリングでスイーツを食べたいですね」

――それを聞いてどう思う?

▼ジュン「今、安齊は俺の方が最初だったと言ったけど、そうだったかな? そうだっけな? いや、たぶん違うと思うぞ。それに甘いものが好きなら、やっぱりリング上で食べたいと思うだろうし、どこでも食べたいわけだから。なんにせよ、俺には勝てないから、どっちみちそれはやってこない。かわいそうに」

▼安齊「さっきも言った通り、俺が幕張で勝って、あなたを見下ろしながら代わりに大福食べますよ」

――スイーツは何系が好き?

▼安齊「僕はカスタード一択ですね」

――今回は勝ったらジュン選手の好きな大福で勝ちを祝いたい?

▼安齊「きっと、いつものことなら大福を用意してると思うので、その大福を俺が食べたいですね」

▼ジュン「だから今言ったみたいに、それはやってこないわけだから。俺を見下ろして、その大福を食べると。いや、それは絶対に起きないぜ。俺がお前を見下ろして大福を…大福以外かもしれないけど、それをゆっくり食べてやる。それをよーく見てるがいい」