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6/10【みちのく】ハヤトとのBAD BOY対決制す 卍丸が無骨に東北ジュニア王座V2 後楽園大会

 後楽園大会『驚天動地』が10日、開催され、メインイベントでは東北ジュニア王座を懸けて卍丸とフジタ“Jr”ハヤトのBAD BOY対決が実現。王者・卍丸が挑戦者・ハヤトの鋭い打撃や必殺のKIDを切り抜け、最後は卍落とし2連発で勝利し、王座2度目の防衛を果たした。

 卍丸は昨年の11・3矢巾町で気仙沼二郎を破り、東北ジュニア王座を初戴冠。今年の3・20矢巾町で佐々木大地の挑戦を退けると、次期挑戦者にBAD BOYの盟友・ハヤトを指名した。ハヤトは右ヒザ負傷により、昨年7月から欠場を続けてきたが、3月に復帰。コンディションを整えて、満を持しての王座挑戦となった。

 盟友対決はのっけから激しい打撃戦で幕開け。互いに引かないとみるや、卍丸が欠場の理由になった右ヒザ攻めに打って出る。執拗に足関節を絞め上げると、STFに移行。首もガッチリと捻り上げたが、ハヤトは悲鳴を上げながら何とかエスケープした。

 ハヤトも得意の蹴り技で逆襲。エプロンを走って場外の卍丸をサッカーボールキックで蹴り抜くと、リングに戻っては串刺しフロントハイキック、串座利ニーを往復式でぶち込む。ラリアットで吹き飛ばされてもすぐに反撃に転じ、アンクルホールドに捕獲した。

 両者は正面から打撃戦を繰り広げて、互いの気持ちをぶつけ合う。押し勝ったハヤトだったが、卍丸もすかさずハーフネルソンスープレックスを返して譲らず。まけじとハヤトもジャーマンで引っこ抜き、両者ダウンとなった。

 ここからハヤトはアクセル全開に。鋭い打撃を織り交ぜながら、KIDを多用。何度も卍丸を捕獲していく。苦しい展開を強いられた王者・卍丸だったが、鼻血を吹き出しながらも必死に抵抗。絞殺寸前まで追い込まれたが強引に担ぎ上げ、卍落としをお見舞いして九死に一生を得た。

 卍落とし連発は読まれて飛びつき十字固めでまたもやタップ寸前まで追い詰められると、再びKIDを仕掛けられてしまうが、今度は力ずくで引っこ抜いた垂直落下式ブレーンバスターで脱出。まさかの逆KIDで絞め上げると、粘るハヤトに垂直落下式ブレーンバスター、そして卍落とし2連発を敢行して熱戦に終止符を打った。

 試合後、ハヤトと握手を交わし、感謝の気持ちを伝えた卍丸は「こんななりをしてますけど、この団体のチャンピオンです。これといって伝えたいことが今日はないので、サラッと終わろうと思います。また近いうちに遊びに来てください」と観客にメッセージ。そして、カメラマンの撮影にも応じず、ベルトを手にそのまま控え室へ。無骨な卍丸らしいマイクで2度目の防衛戦を締めた。

 バックステージで今の心境を問われた卍丸は「正直、アイツがやってきた功績は塗り替えられない。やっぱり1回勝っただけだから。同じスタートラインにちょっとは近づいたかなというだけですね。まだ並んではいないです」と改めて盟友・ハヤトを賞賛。「俺もこれを機に心を入れ替えることなくマイペースでいこうかなと思います」とらしい言葉を続ける。今日の激闘を通じてハヤトとの繋がりを深めた様子で「これでまた一段と仲良くなれたと思いましたね。今まで以上に、正直なところ。これから一緒に帰ろうかって感じです。ファミレスでも一緒に行こうかなって」と笑顔を見せた。

 後楽園のメインを締めたという実感がないという卍丸だったが、これで2度目の防衛を果たした。今後の防衛ロードにについては「BAD BOY対決はしばらくいいなっていう感じが今はしますし、正規軍に誰かいれば。最初に言っておきますけど、よその団体の選手とやる気はないので。やっぱり同じ団体で底上げというか、レベルを上げたいので。誰が名乗り出てきてくれたら、いいよって感じですね」と団体内の選手に呼びかけた。

【試合後の卍丸】
――今の素直な心境は?

▼卍丸「正直、アイツがやってきた功績は塗り替えられない。やっぱり1回勝っただけだから。同じスタートラインにちょっとは近づいたかなというだけですね。まだ並んではいないです。同じスタートラインには立ててないです、正直な話」

――今日の勝利だけではまだ?

▼卍丸「全然足りないですね。やっぱり強いだけではアイツみたいに第一線でずっと残れないっていうのを改めて感じましたね。だから俺もこれを機に心を入れ替えることなくマイペースでいこうかなと思います」

――最後もらしく締めたが?

▼卍丸「なんか不思議な感じがしましたね。後楽園のメインとか、そういうことではなく、お客さんって何人ぐらいですかね? 1000人ぐらいですかね? なんかずっと家で過ごしていた人間が、急にあんな人たちの前に出て、何とも不思議なフワフワした感じを覚えました」

――それはいい意味でのフワフワ?

▼卍丸「夢なのかなと思いましたね。現実は誰とも口を利くことなく部屋にこもっているのに、急に1000人とか…なんだこれって。逆に実感がないというか」

――ただ、試合は相当激しいものになったが?

▼卍丸「アイツもやっぱエグいですね。今まで優しくしてあげてきた人をあんなにポンポンと蹴っ飛ばす人間はいますかね?」

――相手がハヤト選手だからこそやれた?

▼卍丸「そうですね。これでまた一段と仲良くなれたと思いましたね。今まで以上に、正直なところ。これから一緒に帰ろうかって感じです。ファミレスでも一緒に行こうかなって」

――最後に「ありがとう」と言っていたが?

▼卍丸「勝手に俺がチャンピオンになって、強引に指名した感じなんで。それを嫌な顔をせずに、すぐ最初に握手してくれたし、すぐ気持ちを入れてくれたんで。そこはありがとうって感じですね。アイツも今までやってきた実績がある分、負けられない気持ちっていうのももちろんあるわけで。それなのに簡単に挑戦してくれたのが、そこは感謝ですね」

――ハヤト戦という大一番を越えて、この先はどう考えている?

▼卍丸「どうしようかな? ベルト返上しようかな?(笑) BAD BOY対決はしばらくいいなっていう感じが今はしますし、正規軍に誰かいれば。最初に言っておきますけど、よその団体の選手とやる気はないので。やっぱり同じ団体で底上げというか、レベルを上げたいので。誰が名乗り出てきてくれたら、いいよって感じですね。すんなり受けようかなと思います」

――こうやってハヤト選手と試合をやってよかった?

▼卍丸「うーん、ちょっと後悔。体が痛すぎるから。ボロボロですよ。ちょっと後悔。でも、やれてちょっと嬉しい。勝てたのも嬉しい。これからどうしようって感じですね。まあ、ちょっと考えて」

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