4/25【リアルジャパン】関本と初タッグ、カシンと初対決 4・27後楽園へ船木誠勝インタビュー
リアルジャパン4・27後楽園大会で関本大介とタッグを結成し、ケンドー・カシン&石川雄規組と対決する船木誠勝。関本とのタッグも初なら、カシンとも初対決。新鮮な組み合わせとなる一戦に向けての心境を聞いた。
【船木誠勝インタビュー】
――リアルジャパン4・27後楽園大会で関本大介選手とタッグを組むが?
▼船木「いままで、ないですね。初めてです。タッグやシングルで闘ったことはありますけど、組むことはなかったですね」
――(レジェンド王座の)ベルトをかけて何度も戦った相手でもある
▼船木「そうですね。お互い知ってるんですけども、知った上で言えば、一緒にタッグを組んでやるという感覚がまったくないまま組むような気がします」
――どんなチームになりそう?
▼船木「そうなんですよね。(関本が)すごく頑丈なのは知ってますので、そういう意味では頼もしいとは思いますね。どうですかね? (どんなチームになるのか)パッとアタマに思い浮かばないんですけども…絶対に合体なんてないですね」
――タッグマッチではあるけれども、船木選手に限らず4人全員がシングルマッチのような気持ちで戦うのではないかと。
▼船木「そうですね。そんな感じじゃないですかね」
――初代タイガーマスクの欠場している間にリアルジャパンのメインを張ってきた2人という意味では価値のあるチームだが?
▼船木「そうですよね。まあ、なにがどうなるのかわからないですけども、これが始まりなのか、2度と組まないのかはわからないですけど、やってみる価値はあると思いますね」
――関本とのタイトルマッチを振り返ってみて?
▼船木「すごくいい経験になりましたね。自分がフリーになって何回かいろんな人と闘ってきた中で、ダントツの上位ですよね。それこそ1番、2番ですよ。勝った試合も負けた試合もすごく印象に残ってます。なので、それも含めて組むというのがちょっとしっくりこないというか、もしかしたら(近い将来)3回目のシングルマッチがあるような感じもするんですよ。なので、自分としては組むよりも、やる相手のような気がします」
――組んでみることで、途切れていた関係がどう発展していくかというきっかけにもなり得る
▼船木「そうですね。正直、組んじゃうとやりづらいというか、そういう気持ちもあるんですね。やっぱり組むということは、敵じゃないですから、そういう意味では距離感を保ちながらのタッグになるような気がしますね」
――初代タイガーマスクの欠場を受けて自身は『リアルジャパンを守る』と発言したが、それも関本の存在あってこそなし得た?
▼船木「相手がいないと試合は成り立たないので、そういう意味ではホントに目の前にいてくれたのが関本選手だったんですね」
――関本とは世代的にはまったく異なる
▼船木「一世代後になると思います。年齢も10歳くらい違うんじゃないですかね。実はですね、2005年にさかのぼるんですけども、“真説タイガーマスク"というビデオ映画、佐山さん監修でタイガーマスク役をやったんですけども、(関本が)そのときの練習相手だったんですよ。そのときに佐山さんと2人で、この選手はいいですねという話をしていたんです。そこから5,6年後ですか、動く姿を初めてリングで見まして、やっぱりいい選手に育ちましたよね」
――チームでやるとなると連係は?
▼船木「わかんないですけども、当日、会って話をしてみたいと思います。カシン選手とも2年前にタッグを組んだんですけど、連係なんかまったくなかったですから。最後に握手をしようとしたんですけども手を払われて、その後に控室が別だったので、一応控室にいったんですけども、もうすでに帰った後で…」
――カシンはいなかった?
▼船木「ええ、そんな感じだったんで、関本選手とも一夜限りになるかもしれないですけどね」
――タッグで戦うということについては?
▼船木「タッグマッチはやっぱり連係がすごく重要になりますので、ホントに気心が知れた人と組む方が自分は好きですね。こういう知らない人と組むとバラバラになってしまうので、正直、あまり知らない相手とパートナーとして組むのは好きじゃないです」
――しかし見る方からしたらそこが一番の見所になる
▼船木「たぶんそうです。やっぱり勝ちたいですから、勝つということでは連係がすごく大事だと思います。勝敗はどうなるかわからないし、誰が負けてもおかしくない。実力者ばかりなのでわからないですよね。ですので、自信は、ないですね」
――勝つことへの自信ではなく、チームとして機能させる自信がない?
▼船木「そうです。タッグチームとしての自信はないですね」
――連係を意識するよりも自分自身で勝ちを取りにいく?
▼船木「それも含めて、関本選手の意識(しだい)のような気がしますね。合わせてくれるのか、自分本位でいくのか、そこだと思います。自分はやるからには勝ちたい。タッグマッチでも勝ちたい。そういう意味では関本選手の動向がすべてですね」
――試合が始まってみないとわからない?
▼船木「わからないですね。ただ、しっかりと話をして技を組み合わせれば絶対に勝てると思うんですよ、お互いの必殺技がありますから。そういう意味でもやっぱり合体して、試合が進められたらすごくうれしいですよね」
――相手は石川雄規&ケンドー・カシン組だが、予想がつかない?
▼船木「そうなんですよね。どちらかというとテクニシャン同士が集まってますので、向こうの方がなんとなく噛み合ってるような気がします。ただこっちには向こうにない武器、関本大介という武器がありますので、ハマったら強いと思いますね」
――石川とは昨年12月、後楽園での6人タッグで対戦している
▼船木「そうなんです。それも初対決だったんです。彼はUWFの後半のときに、空中さんがマレンコ道場から連れてきて仮の練習生みたいなかたちでUWFにきてたんですけども、そこからすぐにUWFが解散して藤原組にそのまま入門の形で藤原組でデビューしたんです。年齢は自分よりちょっと上ですよね。年上の後輩になるんですよね。2歳年上ですね」
――石川は船木選手と何度でも戦いたいと言っているようだが?
▼船木「そうですね、不思議と手が合ったというか、流派、最初の出は一緒なので、すごく合ってるような気がしました。自分にないテクニックも彼は持ってますので、すごく新鮮だったですね」
――石川は船木選手を狙ってくるのでは?
▼船木「そうですね。というか、(石川とカシンの)2人ともオレの方を狙ってくるのかなって(笑)。そんな感じしますね。標的はオレなんですよ。それもわかっていれば対処できますから、自分を軸にしたタッグマッチになるような気がしますね」
――カシンも初対決なので船木選手を狙ってくる?
▼船木「そんな感じがします。それがわかっていれば対処する作戦を立てられますので、そういうかたちで試合が進んでいくような気がします」
――相手チームもチームワークがなさそうな…
▼船木「そうですねえ。ただ、石川が攻撃しているときにカシンが加勢するのはありそうな気がするんですよね」
――カシン選手の出方によっては試合として成立するのかという懸念もありますが。
▼船木「そうなんですよね」
――カシンとはいままで当たる機会がなかった
▼船木「自由奔放という感じがしますね。マスクを被ることによって、元の奥底にあるホントの性格を出してるような気がしますね」
――両選手は同郷ですが、レスラーとしてはまったくタイプが異なる
▼船木「タイプは違うけれども根本の中身には東北人の気質があると思いますね。あまり他人と戯れないというか、あまり青森出身ということだけで意気投合するとはならない、そんな人たちなんですよ。なんとなくですけども、みんなが個人。東北ではひとりで酒を飲むのが好きとか、そういう人がけっこう多いです(笑)。みんな口下手ですからね、つるむという文化があまりないんです」
――カシンとの今後についても興味がある?
▼船木「一回組んでますし、今回は戦う。どうなるんですかね。それもまたわからないです。まあ、どっちでもいいです(笑)」
――シングルマッチに発展するのかという期待もある
▼船木「それもたぶんこの後で(わかる)。この流れとしてはありそうな気がしますよね」
――組むにしても戦うにしてもこのカードに絡む全選手が船木選手と今後シングルで対戦する方向になっていくのか、という見方もある
▼船木「そういう意味では、なんとなくですけども、自分が軸にされてるような感じがしますね。みんな、石川選手にしてもカシン選手にしても同世代なんですよね。同世代ですけども自分は人よりも3年、6年早くこの業界に入ってますので、ちょっと先いってたのかなと。いまこうして並んでるというのも、不思議な縁ですよね。世代としては闘魂三銃士と変わらないですから。なのでちょっと特殊な位置にいるような感じがしますね、自分は」
――だからこそ、船木選手はあえてあらゆる世代の選手と戦うことができる位置にいるのかも
▼船木「そうですね。今年、48歳ですから、50歳の節目まで第一線でやっていきたいなとの気持ちでいます」
――大会のメインでおこなわれるレジェンド王座戦に絡んでいこうとの気持ちはある?
▼船木「それは、あります。タイトルマッチをやったのが昨年9月なので、半年以上あいている。あのときは残念ながらケガをしてましたので、100%ではなかった。言い分けになっちゃいますけども、本来の自分とはちょっと違ったかたちだったので、100%の状態でもう一回タイトルマッチに挑戦させてもらいたいという気持ちがあります」
――メインの大谷晋二郎vsスーパー・タイガーは気になる?
▼船木「そうですね。お互い2人とも自分がやった相手なので。最近スーパー・タイガーとしての成長がプロレスラーとしてすごく上がってると思うんですよね。全日本プロレスで連戦もしてますので、前のタイガーではない。期待してもらっていいと思いますね。どっちが勝っても次に挑戦してみたいですね。もちろんそのためにはこのタッグマッチでちゃんと勝たないといけない。なかなか難しいですけどね(苦笑)」
――改めて船木選手にとってリアルジャパンとは、どういったリング?
▼船木「自分はフリーなんですけども、本来の自分のホームリング。本来の自分の試合ができるホームリングとして自分はとらえてますね」
――スタイル的に本来の自分が出せるという意味でホームだと
▼船木「ハイ。自分は毎年1年間のスケジュールをリアルジャパンさんが出してくれるときに入れるんですね。自分のスケジュールは、リアルジャパンの日程が入っている状態から始まってます」
――リアルジャパン参戦を軸にしてスケジュールを組んでいると。
▼船木「そこだけはほかがきても、もう入ってますのでと(断る)。リアルジャパンが第1優先のリングです。というのも、自分があこがれた初代タイガーマスクがいるから、というのが一番ですよね。その人にあこがれて、それでプロレスラーになって、いろいろあったんですけどもやっとその人の団体に出られた。その人が出られないときに助けられる。それが一番うれしいことです。すべてを含めて、いま48歳になって一番やるべきこと、プロレスラーとしてそれが一番やるべきことだという気持ちでいますね」
――原点に還れるリングでもあると。
▼船木「ハイ。先日なんですけども、タイガーマスクが(83年1月に)出した“いきなり王者 吠え吠えタイガーマスク"という本を急に思い出して、古本を買ったんですよ。子ども向けの本なんですけど、いま読んだらけっこうビックリするような本格的なことが書いてある。タイガーマスク時代に佐山さんがこんなこと書いてたんだなとビックリしましたね。中学生時代にタイムスリップして一気に読んでしまいました。スーパーヒーローらしからぬ発言とか、いま読んでもまったく古くないですよ。その本を出してすぐに引退してる。当時は引退の方に食われてしまってあまり記憶に残っていないと思うんですけど、自分はおぼえていたんですね。いまになってみれば、そろそろやめるということも考えていたのかもしれないですね。タイガーマスクに対する不安とか、飛んだり跳ねたりだけじゃない、そればかりがクローズアップされてることもすごく辛いと。格闘技的要素があって初めてタイガーマスクが成り立ってるんだよということも書いてあるんですよ。だからビックリしましたね。いまでもまったくぶれてないということがあらためてわかりました。そういう佐山さんのつくったリングに上がれる。それが一番うれしいことです」