5/23【WRESTLE-1】「身体が小さい人たちに勇気、希望を与えられる存在になりたい」 無期限メキシコ武者修行へ藤村康平インタビュー
カズ・ハヤシ社長の勧めによってメキシコヘの無期限武者修行が決まった藤村康平。160cmと小兵の藤村は「身体が小さい人たちに勇気というか希望を与えられるような存在になりたい」と現状打破を見据えて意気込んでいる。WRESTLE-1提供の藤村インタビューは以下の通り。
【藤村インタビュー】
──藤村選手、ついに念願のメキシコ修行が決定しましたね。
▼藤村「そうですね。5月4日の後楽園ホール大会でタッグを組んだハヤシさんから、僕が変わる案として『小さい人間はルチャの本場・メキシコに行ってこい』って提案されていたんですよ。そもそも僕もメキシコにはプロレス界に入る前から興味があったんですけど、マスクをかぶりたいっていう希望もあってプロレスラーを目指していたんですね」
──あ、マスクマン志望だったんですね。
▼藤村「はい。ファン時代はマスクマンの選手全般が好きだったんで。だから僕が目指しているプロレスラー像はメキシコにあるのかなって思っています。今回こういう形でハヤシさんから提案していただいて、願ったり叶ったりでしたね」
──せっかく可愛らしい顔しているのにマスクかぶっちゃっていいんですか?(笑)。
▼藤村「いや、この童顔を隠したいっていうのもありますね(笑)」
──なるほど(笑)。でも、2月にUWAの世界6人タッグ王座を取ったりとかしたじゃないですか? その前は福岡に帰ったりいろいろ悩んでいる様子があったので、王座奪取をきっかけにガーッとあがっていくのかなと思ったんですけどね。
▼藤村「そううまくいかなかったですね。6人タッグのベルトも取ったはいいものの、一度しか防衛してないし。まあ、ベルトに関してはたとえ落としたとしても次のステップに進めるかなと思ったんですけど、そのまま以前と変わらず何もないまま進んでしまったので」
──覚醒のきっかけにはならなかったんですね。
▼藤村「壁に当たったっていうんですかね」
──その原因ってご自分でわかりますか?
▼藤村「ベルトを取って満足したというわけじゃないんですけど、やっぱり追われる立場っていうのはキツいなって実感しましたね。今チャンピオンの方はみんなそうだと思うんですけどね。でも、追っている時が一番自身の気持ちもガーッと燃えますよね」
──追う立場だったのが追われる立場になって、どうしたらいいかわからなくなってしまったと。
▼藤村「追われる立場に慣れてないというか、そういうメンタルの弱さはありましたね。だから、メキシコではメンタルも含めて鍛え直して帰ってきたいですね」
──所属しているNEW ERAというチームは最近はガタガタとしていますけど、チームメイト同士でタイトルマッチをやったり勢いがあったじゃないですか?
▼藤村「本当にNEW ERAというチームがあるのかどうなのかもわからないぐらいゴチャゴチャしてて(笑)」
──そうですよね(笑)。でも、そういう勢いのあったチームと一緒に自分もステップアップしたっていう感覚はなかったですか?
▼藤村「そうですね。NEW ERAを結成した時はみんなチャンピオンで、みんなベルトを持って会見をやったんですよ。その時に僕だけベルトを持っていなくて、『まずは僕もベルトを持ちたいです』って言ったんですけど、稲葉さんと児玉さんと一緒にベルトを取れたので1段階のステップアップはできたと思うんですよ。ただ、それから低迷してしまったんで。まあ、ここでくすぶっているよりは海外に行ったほうがいいのかなと思っていましたね」
──やっぱりその小柄な身体というのはレスラーとしてハンデを感じたりしますか?
▼藤村「かなり感じますね。常に100キロ近くある選手と闘っているんですけど、やっぱり30キロから40キロぐらいの体重差がありますからね。ダメージの負い方もみんなとは違うと思うんで」
──例えばキャリア的には後輩となるタナカ岩石選手なんかに負けて、いつも突っかかってこられるじゃないですか?そこも身体が小さいというハンデが大きいというか。
▼藤村「凄く悔しいんですよね。彼から見れば僕は突っかかっていける存在なんでしょうけど、僕自身が上の選手に突っかかっていかなきゃいけないわけで。だから、下のACEの選手に突っかかっている場合じゃないんですよ」
──藤村選手自身もまだ上を目指している段階ですもんね。
▼藤村「そうですね。でも、メキシコでは身体が小さくても活躍しているルチャドールがたくさんいますし、これからプロレス界で生きていく上で必要となるというか、武器となるような技も見つかるかなと期待しているんですよ」
──このハンデを克服する突破口がメキシコにあると。
▼藤村「はい、それはハヤシさんもおっしゃっていましたね。それがメキシコにあるかもしれないと」
──カズ社長もそうですけど、メキシコでスターになるきっかけやスターになった選手もたくさんいますからね。ちなみに海外は行ったことはあるんですか?
▼藤村「プロレスラーになる前に社員旅行で韓国に行ったぐらいで、住むというのは初めてですね。まあ、不安もあるんですけど、楽しみのほうが大きいですね」
──先輩たちからメキシコについてはいろいろ聞きました?
▼藤村「聞きました。アンディさんが以前行っていて、スペイン語もペラペラなんですよね。もうお腹が痛くなるのは当たり前で、夜は出歩くなとかいろいろ注意されましたね。あとはプロレスも違うと。組み手が違っていたり、細かいところまで違うらしいんですよね。そういうのも体験してみたいし、あとロープが千切れる可能性が高いとも言われました(笑)。だから、ロープはいつもよりしっかり握れと」
──ハハハハ! それはいい経験になりそうですね(笑)。
▼藤村「まあ、いろいろ不安なところもあるんですけど、やっぱり希望していた本場のルチャを学べるのでそこは楽しみのほうがはるかに大きいですね。実は福岡には日本で唯一のルチャ・リブレ教室があって、そこに通っていたことがあるんですよ」
──へえ! ルチャ教室が日本にあるんですか!
▼藤村「はい、磁雷矢さんがやられていたんですけど、ケガをして福岡に帰っていた時にリハビリを兼ねてそこでルチャを教わったんですよ。本当にかじった程度なんですけど、その時にルチャは自分に合っているのかなって感じたりしましたね」
──そうだったんですね。
▼藤村「あとはW-1に入門した時にはエル・イホ・デル・パンテーラさんがいていろいろ教わっていたんですけど、メキシコで会えたらいいなって思っていて、それも楽しみなんです」
──なるほど。楽しみ多きメキシコ遠征なんですね。
▼藤村「はい。あとは僕は身体が小さいですけど、こうしてプロレスラーになれました。でも、自分は小さいからプロレスラーになれないと思っている人たちもたくさんいると思うので、そういう人たちに勇気というか希望を与えられるような存在になりたいですね。身体が小さいからといって諦めるようなことをせず、その道を広げられるようなウルティモ・ドラゴンさんのような人間になりたいです」
──ちなみにどれぐらいの期間行くんですか?
▼藤村「無期限ですね。じっくりとルチャを吸収して帰ってきたいですね」