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6/23【大海賊祭】土砂降りもオカダ戦決行 30周年・鈴木が子供たちに「世の中甘くねえぞ、勝ち続けろ!」

 土砂降りの中、30周年記念試合としてオカダ・カズチカと対戦した鈴木みのるが熱戦の末に30分ドロー。試合後、リングサイドで観戦した子供たちに「世の中、そんなに甘くねえぞ、勝ち続けろ!」とメッセージを送った。

 鈴木がデビュー30周年記念野外フェスティバル『大海賊祭』を生まれ育った横浜の地で開催した。「横浜から世界へ!子供たちの可能性は無限大!」をテーマにした2日間にわたる無料の野外イベントで、アーティストのライブ、お笑いステージ、横浜に縁のある元プロスポーツ選手のトークショー、海賊船「大海賊祭号」を運航しての横浜港周遊クルーズ、各ワークショップなどが行われ、18000人が集まった。

 中心にあるのはもちろんプロレス。全3試合のメインイベントで、鈴木は「デビュー30周年記念試合」として、前IWGPヘビー級王者のオカダと一騎打ちを行った。奇しくもオカダは1987年生まれの30歳。「俺のこの30年の歴史はこいつの人生と同じ歴史なんで、同じ長さなんで、ピンときた」という鈴木が、「大人になったらこんな面白いこといっぱいあるぞと見せられる一番の相手」とあえて無料イベントでビッグマッチ級の戦いを決めた。

 鈴木とオカダは新日本マットで昨年2度対戦。2・5札幌(IWGPヘビー級戦)では40分を超す激闘の末にオカダが勝利。8・8横浜(G1公式戦)ではどちらも譲らず30分ドローに終わった。

 野外のイベント広場は昼前から小雨が降り続いていたが、プロレスが始まる15時半には雨脚が強まって土砂降りに。そして迎えたメインイベント。鈴木は中村あゆみさんが生で歌う「風になれ」30周年バージョンに乗って登場する。短い髪を銀に染め、大一番でしか着用しない白タイツ姿だ。対するオカダが姿を現すと、雨空にレインメーカードルが乱れ飛んだ。普段は圧倒的な声援で迎えられるオカダだったが、今日ばかりは鈴木に歓声が集中する。

 異様なシチュエーションでの一戦は、鈴木がレインメーカー封じの右腕攻めでリードしていく。鈴木のパイプイス攻撃は和田京平レフェリーが奪い取って阻止したが、こんな時でも場内は鈴木への声援がこだました。

 一方、雨水に足を取られたオカダはスリーパーに捕まってしまい、卍固めでも絞め上げられるが、ゴッチ式パイルドライバーはことごとく防ぐ。逆にツームストンパイルドライバーで鈴木をマットに突き刺し、ダブルダウンに持ち込んだ。

 ここから2人はエルボー合戦を展開。鈴木は「こんなもんか!」、「来いよ、オラ!」と雄叫びを上げると、両手を背中に回してあえてオカダのエルボーを受け止める。そして、強烈な4連打を繰り出すと、さすがのオカダも崩れ落ちた。

 しかし、オカダも引き下がらない。立ち上がった直後にショートレンジ式のレインメーカーを連続して振り抜く。さらに、鈴木の後頭部にドロップキックを一閃。雨の影響で体勢を崩しながら正面からもドロップキックを発射し、レインメーカーの構えに入った。

 ふらつきながら避けた鈴木は、雨でスリップしながらもフロントハイキックを叩き込み、ドロップキックで追撃を果たす。さらに、腹部を正拳突きで射貫きつつ、左右の張り手をこれでもかと連打、連打、また連打。場内も「オイ!オイ!」のかけ声で後押しすると、とうとうオカダが崩れ落ちた。25分経過のコールとともに、鈴木はスリーパーに捕獲。「落とせ」コールが客席から発生する。

 へたり込んだオカダを強引に立たせると、今度こそはとゴッチ式パイルドライバーを仕掛ける。これだけは食うまいと必死の抵抗を見せたオカダは、対鈴木用の秘密兵器・ゴッチ式ツームストンパイルドライバーをズバリ。ピンチをチャンスに変えた。

 オカダはレインメーカーで仕留めにかかるも、今度は鈴木が張り手で阻止。残り時間があと2分となると、再び卍固めに捕獲する。体勢が崩れても、グラウンド卍固めでギブアップを迫ったが、オカダが執念で耐え抜き、両者の戦いは時間切れ引き分けとなった。

 土砂降りの中で行われた30周年記念試合は決着つかず。それでも両者への声援がこだまし、先にリングを降りたオカダには「オカダ」コールが送られた。

 マイクを持った鈴木はリングサイドの子供たちに対して語りかける。勝てなかった悔しさをあらわにすると、「いい試合をして頑張ったなんて言ってくれるのはお前らのお母さんだけだろ? おい、クソガキども。よく頑張ったって言われても、頑張ったなんて思うんじゃねえ。世の中、甘くねえ。勝ち続けなきゃな、上に行けねえんだ」。自らの戦いで示した厳しくも熱いメッセージに、場内は「みのる」コールの大合唱となった。

 「俺が言いたいのは…ガキども、世の中、そんなに甘くねえぞ。勝ち続けろ!」と吠えた鈴木。さらに、「それからしょぼくれている中年どももいるだろう。俺は先週50歳になった。だけどな、俺は誰にも負けねえよ。相手が30歳であろうと、20歳であろうと。お前らがなにもしねえで指をくわえてプロレス見てるだけだったら、お前らが欲しいもの、全部俺が持っていく」と中年ファンにも辛口エールを送る。そして観客の声援を受けて鈴木は「IWGP? あれは俺が予約済みだ」と断言し、場内を沸かした。

 「さあ、このあと、すげえヤツがまだまだ出てくる。そして、俺に生きる希望を与えてくれた中村あゆみも出てくる。お前ら、こんなんで帰るつもりじゃねえだろうな? 祭りはまだまだこれからだ!」と雄叫びをあげると、最後の最後に「サンキュー」と言葉少なにファンへの感謝の気持ちを口にした鈴木だった。

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