プロレス・格闘技の情報満載!全日本・ノア公式モバイルサイト

7/7【KAI自主興行】約束の初シングル実現 KAIが鷹木と熱戦ドロー「楽しかった」

☆『第1回横浜こどもホスピス チャリティープロレス大会』
神奈川・横浜ラジアントホール(2018年7月7日)
△KAIvs鷹木信悟△

 「楽しかった」…KAIがアニマル浜口ジム時代に対戦を誓い合ったドラゲー・鷹木とのシングル初対決で30分ドローの熱戦を繰り広げ、再戦を誓い合った。

 KAIが自主興行を開催するのは、昨年10・28保土ヶ谷大会以来8ヵ月ぶり3度目。今回はNPO法人横浜こどもホスピスプロジェクトが後援し、『第1回横浜こどもホスピス チャリティープロレス大会』と題して行われた。

 こどもホスピスは「小児緩和ケア」を提供する場。病気によって遊びなどが制限されたり、友達と離れて寂しい思いをしたり、病気や障がいのため外出もままならなかったりする子どもたちに遊びや学びを支援するものだ。また、小児がんなど重病と戦う子どもとその家族に安らぎを与える場でもあり、教育、保育、遊びの専門家が友人となって未来に向かって生きること、成長を促し続けることも目的としている。

 「みんなで横浜に『こどもホスピス』を創ろう!!」を合言葉とした今大会。KAIはたくさんの支援者の力添えを得て開催にこぎつけた。そして自らメインイベントに登場し、DRAGON GATE・鷹木との一騎打ちに臨んだ。

 二人はアニマル浜口ジム出身で、鷹木が先輩にあたる。先にプロレスラーとしてデビューした鷹木はKAIにとって目標となる存在だった。また、“大仁田信者"という共通項もあり、昨年10・31後楽園大会で行われた大仁田厚引退試合では、大仁田&鷹木&KAIのトリオが実現。浜口ジム時代から対戦を誓い合っていた両者のシングル初対決がついに実現することになった。

 君が代の吹奏が行われ、厳かな雰囲気の中で開始のゴングが鳴った。まずは静かな立ち上がりとなったが、鷹木が打ち込んだ逆水平を合図に打撃戦に突入。KAIがエルボーで応戦すれば、鷹木は逆水平で押し返す。タックル合戦で正面衝突を繰り返し、鷹木が競り勝って「気合だぁ!」と叫んだが、負けじとKAIはカウンターのドロップキックで反撃し、「気合だぁ!」と絶叫。エプロンに出た鷹木をフロントハイキックで蹴落とした。

 鷹木がリングに戻ろうとしたところにKAIが低空ドロップキックを見舞って左ヒザを射抜く。ここからKAIは左足攻めを開始。鷹木の左足を何度も鉄柱に叩きつけ、リングに戻ってもボディプレスを投下し、アキレス腱固めで絞め上げた。

 鷹木もKAIを場外に転落させ、鉄柱攻撃でお返し。「こっから俺の時間だ!」と宣言すると、本部席のテーブルに叩きつけたり、テーブルで殴りつけたりと圧倒。エプロンへのスタンガン、机上パイルドライバーを敢行した。すかさず鷹木は首へのピンポイント攻撃を展開。ネックロックで絞め上げ、DDTを連発すると、ネックスクリューをさく裂させた。

 負けじとKAIはカウンターのフランケンシュタイナーで鷹木を場外に吹き飛ばして反撃。一度は鷹木のテーブルの破片攻撃で食い止められたが、トペスイシーダを発射した。予告したサンダーファイアーパワーボムは鷹木が「それだけは決めさせるか!」とリバース。負けじとKAIも鷹木が仕掛けたサンダーファイアーパワーボムを決めさせない。鷹木がスライディングパンピングボンバーを叩き込めば、KAIはエプロンでの攻防を低空ドロップキック、ドラゴンスクリューで制して譲らず。ヒザをついた状態で頭突きを打ち合った。

 激しいエルボー合戦に突入すると、KAIが低空ドロップキックで左ヒザを射抜いたが、鷹木もワンツーエルボーで応戦して譲らない。KAIがバックドロップで投げれば、鷹木もバックドロップで徹底抗戦。KAIがトラースキックを打ち込んだ次の瞬間、鷹木はパンピングボンバーを叩き込む。鷹木がサンダーファイアーパワーボムからのSTF→裏STFで追い込むと、パンピングボンバー、MADE IN JAPANで一気にたたみかけて勝機をつかんだ。

 KAIも3カウントを許さない。鷹木が勝負に出たラストファルコンリーをDDTで切り返すと、シャイニングウィザードを3連射。3発目は師匠・武藤敬司ばりのLOVEポーズから決めた。お返しとばかりにサンダーファイアーパワーボムを敢行すると、ジャーマン、トラースキック、スプラッシュプランチャで一気呵成。鷹木の反撃をトラースキック、延髄斬りでせき止め、ラリアットでなぎ倒すと、メテオインパクトも爆発させたが、ニアロープで3カウントを奪えず。ラリアットとパンピングボンバーをショートレンジで打ち合ったものの、タイムアップを告げるゴングが鳴らされた。

 KAIと鷹木のシングル初対決は決着つかず。30分時間切れドローに終わった。試合後は勝利者賞がミスター高橋特別審判部長の判断で和田京平レフェリーに贈呈され、KAIが思わず「そりゃないよなぁ!」とぼやく一幕も。「鷹木さん! プロレス楽しいですね。17、8年前、アニマル浜口ジムで一緒に切磋琢磨してた時に、いつかシングルマッチやりましょうって言いましたよね? ちょっと想像してたリングとは違うけど、体がしびれるようなリングを想像してたんですよ。でもホント戦えて光栄です。本当にありがとうございます」と鷹木に感謝したKAIは「でも、今日は決着ついてないんで、またいつかどこかのリングで今度は白黒つけましょう」と再戦を呼びかけた。

 鷹木にも当然、異論はない。「KAI、普通の感想だ。お前強いぞ!」と称えると、「こっちはちょっと余裕かもしんねぇと思ったけど、とんでもねぇ。俺もな今日はリスクを背負ってこの横浜に来た。7月22日には神戸ワールド記念ホール、年間最大のビッグマッチ、俺はメインでタイトルマッチをする。今日負けたら、会社に何言われるかわかんなかったからよ、意地でもロープつかんででも負けるわけにいかなかったんだ」とこの一戦にかけていた覚悟を告白。KAIの再戦アピールに「今日は確かに白黒ついてない。決着戦の場所はKAI、お前、神奈川県出身だろ? もっとでかいところいっぱいあるんじゃねぇか? これで終わりとは言わせねぇぜKAI」と呼応し、「まぁ俺はおそらく7月22日、DRAGON GATEの最高峰のベルト・ドリームゲートを獲る。99%の確率で獲る。その時は指名してやるよ。俺とKAIの試合でDRAGON GATEに火つけてやろうじゃねぇか!」とまで言い切り、「今日は来てよかった。お前と戦えてよかった。またよろしく!」とKAIに感謝し、握手、抱擁を交わした。

 「今日は皆さん、ご来場ありがとうございました!」と改めて感謝したKAIは今大会の出場選手をリングに呼び込むと、「今大会のコンセプトは皆さんに心の底から楽しんでいたただいて、笑顔になってもらって思い出を作る。夢をはぐくむ場所だと思ってます。それはまさにこのプロレスだと思ってます。このプロレスに通じるものがあるから自分は今日、第1回横浜こどもホスピスチャリティープロレス大会としてやらさせていただきました」と続けた。「横浜こどもホスピスプロジェクトというのは重い病気と戦ってること家族に笑顔になってもらって、思い出を作ってもらって、夢をはぐくむ場所として活動しています」と説明したKAIは「皆さん、今日でこどもホスピスの存在を知っていただきましたね。ということは皆さんも今日からメンバーです。帰ったらいろんな人に横浜こどもホスピスというのがあるのを教えてください。それが力になり、設立に向かって成功します。よろしくお願いします」と訴えた。そして最後に「みんなで横浜にこどもホスピスを…」と呼びかけると、観客と一緒に「作ろう!」と叫んで盛況となった横浜大会を締めた。

 会場出口で観客をお見送りしてからバックステージに戻ってきたKAIはさすがに疲労困ぱいだったが、充実感たっぷり。「いやぁプロレス楽しいですね。楽しいけど、楽しいばかりじゃないですよ。きついことだってありますけど、そういうのをね、やっぱ耐えてこその楽しさもあるし、すべて含めて楽しかったです」と鷹木との熱戦を振り返った。リング上で合意したように、いつか再戦を実現させるつもりで、「いつ何時どのリングでもやりたい相手」と敬意を表したうえで、「戦えてよかったで満足するだけじゃなく、次は戦う時は白黒絶対つけたい」と決着戦を見据えていた。

【試合後のKAI】
▼KAI「いやぁプロレス楽しいですね。楽しいけど、楽しいばかりじゃないですよ。きついことだってありますけど、そういうのをね、やっぱ耐えてこその楽しさもあるし、すべて含めて楽しかったです。今大会、横浜こどもホスピスチャリティープロレスとしてやらさせてもらったのは、横浜にこどもホスピスを作ろうってホスピスプロジェクトが今動いていて、そこでテーマにしてるんですよ。病気と戦っている子どもたち、親に楽しんでもらって、笑顔になってもらって、思い出を作る場所を作ろうと動いているのを聞いて、これってプロレスに通じるものがあるなと思って。プロレスでお手伝いできたらいいなって思って今日させていただいだんですけど。ホント今日できたのは俺一人の力じゃないし、いろんな人たちのご協力があってこの大会ができたわけであって、こどもホスピスっていうのも一人だけの力じゃなくて、いろんな人の力でできていくものだから、今日知ってもらって、いろんな人に話していただいて、皆さんで作っていこうというふうに言わせていただきました」

――メッセージ性の高い大会で鷹木とのシングル初対決が実現したが?

▼KAI「戦いたかった相手ですよね。ウソ偽りなく17、8年前にお互い好きな選手が大仁田厚、大仁田さんということで意気投合して、その時は電流爆破のリングで戦いましょうと言いましたけど、戦うリングは違ったけど、こういう意味のある大会で意味のある相手とサシで戦えて本当によかったです。その戦えてよかったで満足するだけじゃなく、今日は白黒つかず勝利者賞も京平さんに持って行かれちゃったし、次は戦う時は白黒絶対つけたいなと思いますね。言ってくれましたからね」

――ドリームゲートを獲ったら指名すると?

▼KAI「いつ何時どのリングでもやりたい相手です。でも強いですね。やっぱりね、浜口ジムにいる時から鷹木さん、光ってましたね。もう一人いたんですけど、その人はその時がきたら口に出したい相手なんで今日は出さないですけど、その二人は凄かったですね」

――先にデビューした鷹木は目標だった?

▼KAI「自分もDRAGON GATEというリングあまり知らないんで、鷹木さんも想像してた団体とは違うところでデビューして、ホントすぐ半年ぐらいでデビューして、自分観に行ったんですよ。凄いキラキラしてみえて。凄いなと思って、追いつかないといけないなと思って、自分も全日本プロレスに入団して、その間も鷹木さん、メイン張ったりとか、表紙張ったりとかして、凄いなって。離されてどんどん遠い存在に思えた部分もあったんですけど、ひょんなところから組んだりとか、組んだりとかして、急接近して。自分もそろそろサシでやってみたいなと思って連絡したら快く受けてくれて今日に至ったわけです」

――今日の相手は鷹木以外考えられなかった?

▼KAI「そうですね。感謝しかないですね」

――第2回、3回大会も開催していく?

▼KAI「これはこどもホスピスの田川代表が『第1回とつけましょう』と言ってくれたんです。自分たちじゃないんです。それは自ずと第2回やるからじゃないですか。自分も伊藤代表もやるつもりでいます。まぁ、こういうのは続けていくのが一番ですからね。こういうふうに微力なんですけど、地域貢献とか社会貢献とかして、プロレスの地位も上げていきたいし、お互い相乗効果になればいいなって思いますね。そういうふうに自分の大会は今後もやっていきたいと思ってます。その中で自分の見たい、やりたいプロレスというのを追求して、お客さんに来てもらって満足して帰ってもらうというのがコンセプトなんで。早く今日の自分以外の試合を観たいですね。ニコニコプロレスチャンネルで今度放送するんで、日にちはまだ決まってないけど、解説に行きます。楽しみです。いやぁ、きつかった。でも楽しかった。ありがとうございました」

プロ格 情報局