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8/14【カッキーライド】元Uインター勢が高山にエール 垣原は鈴木に惨敗も「勝つまで諦めません!」

『カッキーライド2018』
東京・後楽園ホール(2018年8月14日)
○鈴木みのるvs垣原賢人×

 垣原が1年ぶりの試合に臨んだものの、鈴木に惨敗。それでも「勝つまで諦めません! だから、高山も絶対にこのトップロープを跨ぐまで回復してくれ。諦めるな」と宣言すると、集結したUインター勢も高山善廣にエールを送った。

 垣原は2014年12月に悪性リンパ腫に侵されていると公表した。その後、治療に努めてきたが、昨年8月、約6年ぶりに決意の復帰。藤原喜明とスパーリングマッチを行い、何度もギブアップを奪われながらも、10分以上戦い抜いた。

 あれから1年が経ち、垣原は頸髄完全損傷で療養中の高山善廣を激励すべく再び『カッキーエイド』を開催。今宵はスパーリングではなく、UWF特別ルール(持ち点3のロストポイント制)の試合に出陣し、新生UWF時代の先輩であり、今もなお最前線で戦い続けている鈴木と試練の一騎打ちに臨んだ。

 垣原は「UWFプロレスメインテーマ」に乗って入場。息子のつくしさん、娘の綾乃さんがセコンドに付く。大声援を浴びながら、鈴木とにらみ合うと、Tシャツを脱ぎ捨てた。垣原は179cm、70kgとコールされる。

 ゴングが鳴ると、垣原は高速掌底を連打して場内を沸かす。ガードの上から気にせず右のハイキックを連打した。しかし、冷静な鈴木は一気にバックに回り込むと、スリーパーに捕獲。胴絞め式に持ち込んで絞め上げる。場内は「垣原」コール一色となったが、垣原は返せず。危険と判断した和田レフェリーが試合を止め、鈴木の秒殺勝利となった。

 しかし、試合は終わらない。倒れる垣原をよそに、マイクを持った鈴木は「おい、垣原よ。俺は克服しました。だから、高山に力を与える? その程度でか。その程度の力で何を与えるんだよ? おい、それがお前の全てか? お前の大好きなこのUWF…お前の一部であって、全てではないはずだ。どうだ?」と通告。「プロレスにはな、こんな方法もあるんだ」と宣言すると、勝ち気ににらみつけてきた垣原を場外に叩き落として乱闘に持ち込んだ。

 鈴木は垣原を客席に投げつけると、止めようとする綾乃さんを威嚇し、パイプイスで暴行。垣原も抵抗を見せるが通じない。リングに戻ると、垣原は死力を尽くして掌底を乱れ打ったが、鈴木は止まらず、スリーパーからゴッチ式パイルドライバーの構え。しかし、場内から悲鳴が上がると、鈴木はあえて自ら技を解いた。

 「おい、垣原よ。この続きは取っておいてやる。もっと体を鍛えて、出直して来いよ!」と鈴木は通告。悔しさをあらわにする垣原に対し、不敵な笑みを浮かべて、リングを去っていた。

 完敗に垣原がうちひしがれる中、元Uインターのスタッフ、選手たちがリングに集結。山崎一夫、安生洋二、中野巽耀、山本喧一のほか、桜庭和志も姿をあらわした。選手たちが順に高山へメッセージを送ることに。

 山本はすでに引退しているが、垣原が高山のために戦おうという姿を見て、「逆に自分が後輩のくせに北海道で隠居している場合じゃないなと思いまして、僕でよければリングに上がらせてくださいと言いました」と自ら出場を志願したことを明かし、「高山さんが復帰するのはいつになるかわかりません。でも、僕はこれを機に、高山さんのぶんまで頑張れるように、体を鍛えて。高山さんの代わりと言っちゃなんですけど、頑張っていきたいと思います」と現役復帰を示唆した。

 桜庭は言葉少なに「皆さん、応援してください。よろしくお願いします」とコメント。中野は「今回の興行に関して、垣原がやろうかどうか迷ってまして、俺がやれと命令しました。俺も責任を取るからと。やってくれたしね」と語った上で、「これだけのファンの皆さんが集まってくれました。ありがとうございます」とファンに感謝の意を表した。

 安生は「でも、鈴木みのるっていうのはプロだねぇ。いやあ、あそこまでバッサリとカッキーを斬って…。お前、幸せもんだよ、あそこまでやられたら」と垣原に声をかけ、「こんな空気を作っておいて、鈴木みのる、売店に行って、今はTシャツを売ってるらしいぞ。プロ中のプロの仕事だよ。見事だよ。だからみんなプロ中のプロから、ちゃんとTシャツを買って帰れよ」と独特の口調でまくし立て、笑いを誘った。

 最後に山崎が「鈴木みのるの手厳しい試合、これは来年に向けてしっかり鍛え直してこいよという彼のメッセージだということは、カッキーが一番よくわかっていると思います。来年もぜひもう1回鍛え直して、鈴木選手と戦ってください」とゲキ。それを聞いた垣原は「情けない姿を見せちゃいましたけど、鈴木みのるに勝つまで諦めません!」とリベンジを誓い、「だから、高山も絶対にこのトップロープを跨ぐまで回復してくれ。諦めるな。皆さんも高山を応援してください」とメッセージを送ると、最後は「いくぞ! ノーフィアー!」の大合唱で大会を締めくくった。

 バックステージで垣原は「鈴木みのるが強くて、垣原賢人が弱かったっていうだけですね。まあ、本当にリングは甘くないということを痛感しました。当たり前ですけどね」と反省の弁。「1年前に比べて、いい練習もできてましたので。自分なりには自信あったんですけど、これが現役バリバリでやっているトップ選手との力の差なんだなって。それを感じました」と鈴木との差を痛感したようだ。

 それでも仲間たちからの言葉やファンの歓声を聞いたことで、姿勢は前向きに。「正式には主治医に言ってないです。反対されるのはわかっているので」と復帰は見切り発車なものの、治療自体は順調に進んでいる。今後の試合出場にも意欲を見せた垣原は、「これで終われないですから。リング上でも言いましたけど、本当に鈴木みのる…プロレス王に勝つまでリングに上がりますんで。諦めません。だからこそ、高山選手も苦しい状況だと思うんですけども、諦めないで必ず復活してもらいたいです」と“帝王"に改めてエールを送った。

【試合後の垣原】
――かなり鈴木選手にやられてしまったが、今の心境は?

▼垣原「鈴木みのるが強くて、垣原賢人が弱かったっていうだけですね。まあ、本当にリングは甘くないということを痛感しました。当たり前ですけどね」

――試合前の調子としてはどうだった?

▼垣原「1年前に比べて、いい練習もできてましたので。自分なりには自信あったんですけど、これが現役バリバリでやっているトップ選手との力の差なんだなって。それを感じました」

――というところからのスタートになると?

▼垣原「そうですね。これで終われないですから。リング上でも言いましたけど、本当に鈴木みのる…プロレス王に勝つまでリングに上がりますんで。諦めません。だからこそ、高山選手も苦しい状況だと思うんですけども、諦めないで必ず復活してもらいたいです」

――鈴木選手との再戦はいつぐらいに?

▼垣原「力の差がこんなに離れているって今日わかりましたんで。そんな簡単には相手も受けてくれないと思いますし。やっぱり自分が勝てるぞと思った時に再戦したいと思っています。それがどれぐらい先なのかちょっとわからないですけど」

――それまでに他の試合に出場する気持ちもある?

▼垣原「そうですね。もちろん。やります」

――Uインターに縁のあるスタッフが集まったが?

▼垣原「本当に感謝、感謝ですね。いい選手が集まってくれたんで。一生懸命熱い試合をしてくれたんで、本当に心から感謝です」

――垣原選手にとってUインター魂とは?

▼垣原「なんでしょうかね…。うーん、なんでしょう?」

――1年経って、自分の中で復活してきた手応えはある?

▼垣原「うーん、どうだろうなあ。やっぱり練習量では手応えありましたけど、練習と試合は全然別物だったなって」

――試合前はスピード勝負したいと言っていたが、それは出せなかった?

▼垣原「自分が弱かったです」

――場外乱闘で綾乃さんが動揺していたが、父親としてはあの場面で逆に火が点いた感じ?

▼垣原「娘を見る余裕がなかったので、そこまでは…」

――昨年、藤原選手とスパーリングをした時は「家族に弱いところを見せてしまった」と話していたが、今日はどうだった?

▼垣原「そうですね。まあ、勝ってないんで。強いところは見せられなかったですね」

――現在の治療の状況は?

▼垣原「そちらのほうは順調です」

――練習も大丈夫だし、試合もやっていいと?

▼垣原「主治医には言わずにしれっと試合をしているんですけど。正式には主治医に言ってないです。反対されるのはわかっているので」

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