10/25【大日本】鈴木大荒れで再試合も竹田制してデスマッチ王座戦が両国メインに

『大日本プロレス・最侠タッグリーグ2018決勝戦』東京・後楽園ホール(2018年10月25日)
○竹田誠志&塚本拓海vs鈴木秀樹&菊田一美×

　再試合の末、デスマッチ王者・竹田がストロング王者・鈴木の眼前で菊田に勝利し、11・11両国大会メイン出場を決めた。

　セミファイナルに組まれたのは鈴木&菊田と竹田&塚本のストロングvsデスマッチによるタッグマッチ。11・11両国大会でストロング王者・鈴木(挑戦者は関本)とデスマッチ王者・竹田(挑戦者は高橋)がそれぞれ11・11両国大会で防衛戦を控え、勝者チームの王者が同大会のメインイベントを務めることになる。

　先発で王者二人が向き合う。竹田がタックルで飛び込むと、押し潰した鈴木が上になる。竹田が下から腕ひしぎ逆十字の構えをみせても食い止め、アームロックを狙ったが、反転した竹田が馬乗りになり、再び腕ひしぎ逆十字を狙う。決まらないとみるやブレークしたが、立ち上がった鈴木はフロントネックロックで捕獲。そのまま首固めで丸め込み、返した竹田は腕十字を仕掛けても食い止め、胴締めスリーパーを狙う。竹田も相手の両足を自らの両足で挟んでのレッグロックでやり返した。

　王者同士によるレスリング勝負は続く。鈴木がタックルでテイクダウンを奪えば、下から左足を取って逆にテイクダウン。V1アームロックを狙う。食い止めた鈴木は片足タックルでテイクダウンを奪ったが、竹田は下から三角絞めを仕掛ける。切り抜けた鈴木は指を固めての踏みつけ式腕固めで捕獲。キャメルクラッチに移行しようとしたが、竹田は手に噛みついて脱出。ならばと鈴木はエルボースマッシュを打ち込んだが、竹田は電光石火の飛びつき腕ひしぎ逆十字で絡みつく。鈴木もすぐさまアキレス腱固めで切り返し、竹田はロープに逃れた。

　その後、塚本と菊田が喧嘩腰に渡り合い、竹田が胸板にローキックを連打するなど菊田を圧倒。デスマッチ軍が主導権を握った。菊田も水車落としで塚本を投げ飛ばしたが、竹田と塚本はロッキンポとトラースキックのサンドイッチ攻撃で鎮圧。鈴木がカットに入っても二人がかりで場外に蹴散らし、合体技を狙った。

　すると鈴木がコーナー上の竹田にイスを投げつけて阻止。そのままリングに飛び込んだが、竹田がお返しとばかりにイス攻撃を連発した。怒った鈴木は馬乗りになってエルボーを連打し、竹田のノドにイスを食い込ませるなど大荒れ。二人が激しい殴り合いを展開し、収集不可能と判断したレフェリーが無効試合の裁定を下した。

　場内から罵声も飛ぶ。鈴木も「今しょっぱいって言った奴ら、俺の目の前で言ってみろ。殺してやるから」と怒声を上げたが、「竹田さん、最初に僕がメインとセミをごちゃまぜにしてしまい、大変申し訳ないと思い、試合をしたんですが、これまた大変申し訳ないことをしたので、これで終わったら三下、前座でしかないので、もう一回やりましょうか。今やりましょう」とアピール。再試合に突入した。

　ゴングと同時に菊田がドロップキックで竹田に突っ込み、ボディへの掌底を連打。トラースキックを繰り出したが、これは竹田がキャッチしてアンクルホールドで捕らえた。塚本は菊田の帯を使って鈴木を絞首刑に処してセーブする好フォロー。菊田も耐えかねてタップし、竹田がギブアップ勝利を決めた。試合後も鈴木と塚本が場外で乱闘。周囲の制止も構わずにらみ合った。

　これで11・11両国大会のメインイベントはデスマッチ王座戦「竹田vs高橋」に決まった。マイクを持った竹田は「今日さ、こういう試合ってわかってたけど、俺らあえてストロングの土俵で戦ったよ。あなたがイスを持ち込んだってことは、俺らの土俵にまんまと足を踏み入れたってことだ。イコール俺らの勝ちってことだよな」とアピール。「でも鈴木秀樹、やっぱりあんたは強いよ。強いけど、デスマッチファイターもデスマッチだけじゃない」と意地をむき出しにした。

　鈴木が「メインどうぞ。メイン頑張ってください」と言い残して去ると、竹田はリングから降りていた塚本を呼び込み、「主役は竹田、鈴木だったかもしれないけど、今日一番光ってたのは塚本拓海だろ」と称えた。塚本コールの中、「今日はお前のおかげで大日本の両国大会、結果的に勝ち取れました。両国大会、高橋匡哉は通過点。終わった後に塚本拓海、1年越し後楽園ホールでやろうぜ」と呼びかけた。王者から指名を受けた塚本も「俺も止まってるわけにいかないんで、わかりました。あなたの結果を楽しみに待ってます」と呼応。最後に竹田は「大日本プロレスはデスマッチ団体。両国国技館は俺が締めてやる!」と予告した。

【試合後の竹田&塚本】
▼竹田「リングで言って、あいつが俺らの土俵に入ってきたけどね。鈴木秀樹が俺じゃなく塚本拓海の火を点けた。これに関しては悔しいね。それはあいつの作戦だったかもしれない。秘策だったかもしれない。でもね、やっぱり1年近く、1回落としたとはいえ、鈴木秀樹という男が1年間この大日本のベルトを巻いているってことはやっぱり凄いし、説得力があるよ。今日だって凄い痛感した。でも…でもね、塚本を見て思ったんだけど、俺らはプロレスができないからデスマッチをやってるわけじゃない。地があって、レスリングができて、バックボーンがあって、ちゃんとしたものができるから、デスマッチをやってるんだよ。それを今日、塚本が証明してくれたと思う」

▼塚本「そこがプロレスの面白いところであり、俺の地力であるので。菊田もデビューしてしばらくどうしていいかわからねえみたいな顔してリングに上がってましたけど、でも今日みたいな、あんな痛え掌底。あんなのやっていい。でもよ、あいつはまだあれだな。自分の気持ちが折れてる。誰かみたいになれとは言わないけど、そこで自分のオリジナルを出すんだったら、それでもっともっと上を目指してくれよ。簡単に俺らは超えれるようなヤツじゃねえ。まあまあ、今日はちょっと冷静さが足りなかったというのはある。でも、楽しかったですよね、鈴木秀樹」

▼竹田「楽しかったし、なんだろう、普通じゃないね。変化球というか。やっぱりあの人の芯は頭おかしいヤツだから。ああいうのがやっぱりストロングでもいないと大日本プロレスも面白くなっていかないと思うよ。今日、そういうのを肌で感じて、ちょっとは吸収する部分もあったから。結果的に俺が勝って、両国はメインになったけど、社長がどう言うかわからないし。でも、デスマッチ団体だから、俺がデスマッチで締めて、この1年を竹田誠志で終わらせて、来年頭にでもクレイジーラバーズでタイトルマッチをやってやります。そして、今日もだけど、葛西純が乱入したみたいだけど、あんなんじゃな両国も葛西純に食われて終わるんだよ。だから、それはさせねえよ、俺は。葛西純のインパクトを遥かに超えて、高橋匡哉をぶっ潰して、最後は両国の天井に拳をあげて立つぞ。そして、塚本拓海とクレイジーラバーズで狂わしてやります」