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12/31【RIZIN】大逆転勝利に場内総立ち 堀口が歓喜の初代バンタム級王座獲得

『Cygames presents RIZIN.14』さいたまスーパーアリーナ(2018年12月31日)
RIZINバンタム級タイトルマッチ ○堀口恭司vsダリオン・コールドウェル×


 コールドウェル相手に劣勢が続き、打つ手無しと思われた堀口だったが、ワンチャンスをものにして、フロントチョークで大逆転勝利。場内が総立ちになる中、歓喜の初代バンタム級王座獲得を果たした。

 堀口は2017年に行われたRIZINバンタム級GP制覇。現在、RIZINでは無傷の7連勝で名実ともにエースとなっている。そんな堀口と初代バンタム級王座を争うのはBellator世界バンタム級王者のコールドウェル。12勝1敗の戦績を誇るBellator軽量級最強の男を堀口が迎え撃った。身長で13cm、リーチで20cmもコールドウェルが上回っており、堀口にとっては厳しい戦いが予想されたが、それが現実のものになった。

 1ラウンドのゴングが鳴ると、堀口に声援が集まる。堀口が踏み込もうとすると、コールドウェルは飛びヒザ蹴りの構え。不発に終わったが、場内はどよめいた。コールドウェルはロープ際で長い腕と足を絡めて有利なポジションに持ち込む。そして、左腕をアームロックに捕獲。決定的な場面に場内は悲鳴に包まれたが、ロープ近くだったことが幸いし、何とか窮地を切り抜けた。コールドウェルはそのままスリーパーを狙ったものの、堀口はスタンドに戻すと、場内はドッと沸いた。

 堀口はローキックでコールドウェルの前足にあたる右足を射貫くと、踏み込んでフックに繋げる。さらに、不意を突いた前蹴りでスリップを奪い、徐々にペースを押し戻していく。コールドウェルのタックルで足を取られ、場外に転落しそうになったが、堀口はギリギリで踏ん張った。

 2ラウンド開始直後に、コールドウェルが強引に前に出ると、堀口がバランスを崩したのを見逃さずに、グラウンドで上になる。背中でクラッチを取られながらも、堀口は何度も立とうとするが、コールドウェルはそれを阻止し、反撃を許さずにロープ際で相手の体を完璧にコントロール。反撃の糸口を見つけられない堀口はそれでも何とかスタンドに戻したものの、ここでラウンド終了となった。

 コールドウェル優勢のまま最終ラウンドへ。悲鳴にも似た堀口への声援が巻き起こる。コールドウェルはフェイントから低空タックルを狙うも、堀口は回避。ボディストレートを放つと、カウンターの左フックを狙ったが、コールドウェルは巧みにグラウンド戦へ。そして、2ラウンド同様にロープ際で堀口を押さえ込む。もう打つ手なし…と思われたが、その瞬間、堀口はフロントチョークに捕獲。ロープ付近のわずかな隙間を使って絞め上げ、大逆転の一本勝ちを奪い取った。

 この勝利に場内は沸騰。観客は総立ちに。会心の勝利に堀口は歓喜の雄叫び。ベルトを腰に巻き、トロフィーを受け取っても叫び声をあげた。勝利者インタビューに移り、堀口が「ここに集まってくれて皆さん、本当にありがとうございます。楽しめましたか?」と呼びかけると、場内は大歓声に包まれる。

 「日本で戦っているのに負けるわけにはいかないんで! 日本人は負けられないでしょ? だからしっかりベルトを獲れて、ちょっと嬉しいです」とアピールした堀口は「来年、しっかりと格闘技をもっともっと盛り上げていくんで、皆さん会場に来てください」と全国の格闘技ファンに呼びかけた。

 「向こうのBellatorのチャンピオンが日本に乗り込んできてくれたので、自分もしっかりとお礼ではないですけど、向こうに行ってまたリマッチしたいなと思っています」とバックステージではコールドウェルの再戦要求にまで応じる構えを見せた堀口は「もっともっとこの日本の格闘技というのを、昔のPRIDE時代じゃないですけど、広めていきたいなと。楽しんだぞっていうのをもっともっと伝えていきたいなと思います」と宣言。2019年のRIZINもこの男中心に回っていきそうだ。

【試合後の堀口】
――試合を振り返ると?

▼堀口「相手が凄いデカくて、力を感じる試合でしたね」

――試合前との変化も含めて、コールドウェル選手の印象は?

▼堀口「プラン通りに戦えたかなと思っています」

――コールドウェル選手は「アメリカで迎え撃ちたい」と発言していたが?

▼堀口「向こうのBellatorのチャンピオンが日本に乗り込んできてくれたので、自分もしっかりとお礼ではないですけど、向こうに行ってまたリマッチしたいなと思っています」

――大みそかにチャンピオンになったことを改めて振り返ると?

▼堀口「RIZINのベルトは日本のベルト。外国に持って行かれるのは自分的に納得いかないんで、しっかり獲れて良かったなと思いました」

――逆に向こうに乗り込むということはBellatorのベルトを日本人として獲りたい気持ちがある?

▼堀口「もちろんあります」

――今後については?

▼堀口「もっともっとこの日本の格闘技というのを、昔のPRIDE時代じゃないですけど、広めていきたいなと。楽しんだぞっていうのをもっともっと伝えていきたいなと思います」

――超満員の会場が久々に総立ちになったが、今後それが続くキッカケになる試合だと思う?

▼堀口「自分の試合がキッカケになってくれた嬉しいなと思っています。総立ちになったのはちょっと見てなかったですけど(笑)」

――日本代表としての責任は果たせた?

▼堀口「まだまだこれからだと思います」

――最後のギロチンは途中までそぶりを見せていなかったが、プランはあった?

▼堀口「プラン的に自分の中ではありました。1回負けているんで、コールドウェル選手が。だから、チャンスがあれば入るなと思ったんですけど、レスラーの癖なのかわからないですけど、凄くいい位置にあったので、これは入るなと。コーチ陣はあんまりやるなって言ってたんです。やっぱり下になるとリスクがあるからやるなって言ってたんですけど、自分は練習でずっと繰り返してて、手応えがあったんで、ここでいくしかないなと」

――3ラウンドが始まるまでは、陣営としてどんな判定だと思っていた?

▼堀口「1ラウンドと2ラウンドは取ってるって言ってたんですけど、自分の中ではテイクダウンを取られているし、コントロールされているので負けているだろうという判断でした。セコンドは落ち着かせるためにかわからないですけど、3ラウンド取りにいけばいいって感じだったんですけど、自分は決めなきゃダメだなと思ったので行きました」

――メインの那須川vsメイウェザー戦の感想は?

▼堀口「体重差が出た試合だなと思いましたね。やっぱり10kgという差はデカいと思いました」

――2ラウンドまでの展開で、あのぐらい組まれて下になるのは想定内?

▼堀口「そうですね。自分の中では想定内でした。向こうはレスリングで、リーチもあるし、本当に想定内です」

――理想としてはスタンドでというのがあった?

▼堀口「本当ならもっともっと自分のスタンドを活かしてやる感じだったんですけど、相手もあることなので。自分の中では寝かせられるなと思ってたんで、本当に予想通りです」

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