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2/25【NOAH】「今までで一番“怖くてめんどくさい丸藤"が出る」 3・10横浜文体GHC戦へ公開調印式

 3・10横浜文体大会のGHCヘビー級選手権試合「(選手権者)清宮海斗vs丸藤正道(挑戦者)」に向けた公開調印式が25日、都内・ハードロックカフェ東京で開かれ、“口撃"でも圧倒した丸藤が「今までで一番“怖くてめんどくさい丸藤"が出る」と予告した。

 マットカラーの緑に別れを告げ、ロゴも刷新される新体制移行後初のビッグマッチとなる横浜文体大会。“新星か天才か"のキャッチコピーのもとで行われるGHC戦に向けては、丸藤が日夜清宮の左腕を徹底的にいたぶる展開で、前夜の後楽園大会では新兵器“パーフェクト・キーロック"まで繰り出して直接ギブアップ勝ちをおさめている。

 この日の調印式では昼時の六本木のファンを前にして、丸藤が「昨日は左腕をしっかり攻撃させてもらったんで、次は足行きます。(※清宮に)足行くぞ」と残る前哨戦(3・2土浦、3・3清水)での“足殺し"を公言した。

 清宮も「僕は気持ちを見せたいなと思っているので。腕が折れようが、足が折れようが、横浜文体では最後には俺がリングに立ちたい」と言い切ってみせたものの、これも丸藤流の英才教育。「腕とか足とか折るつもりは無いから。心を折ってやりますよ。その時があいつの負ける時ですよ」と丸藤は語り、そのうえで「立派に育ってほしいし、ノアを引っ張っていって欲しいし、新しい時代を創っていって欲しい気持ちは俺も持ってるんで。そのなかでしっかり伝えられることを伝えつつ、“今回は"俺が勝ちます」と清宮を一度、あえて谷底に突き落とす構えをみせた。

 “ファンと一緒に成長する王者像"を掲げる清宮は、そのひたむきな姿勢で着実に支持を獲得しつつある。この日の公開会見でも「今のノアの顔は俺です。駆け上がる、みんなと一緒に」と繰り返したが、丸藤は「みんなと一緒に駆け上がる…っていうのは、後ろについてきてもらうのか、それとも自分でその人たちを背負っていくのか。そこで意味が変わってくる」と指摘。前哨戦では清宮のドロップキック一撃でKOされているものの「俺も20年でいろんなモノを食らってきてるんで、問題ないよ。俺を驚かしてくれないと、フツーに俺、勝っちゃうよ?」と笑った。

 “準備すべきこと"を問われても、「もうちょい日焼けしようかな(笑) あと(髪型で)刈り上げてる部分をもうちょい赤く染めようかな」と笑い飛ばし、若き王者の外堀を余裕とともに埋めまくった。前夜清宮をタップさせた変型キーロックは「久々に思いついた」というが、持ち味の“ひらめき"は健在ながら、そこに円熟とねちっこさも加わっただけに「おそらく今回は今までで一番“怖くてめんどくさい丸藤"が出るんじゃないですかね。かわいそうに」と予告した。

 緊張気味に言葉を選んだ清宮に対して、丸藤は足を組みながらサラサラと言葉を並べて公開調印式でも“圧倒"した形。ともあれ、横浜文体まで残り2週間、前哨戦は残り2回。“あたらしいノア"の顔をめぐる綱引きは、ラストスパートに入る。


【公開調印式の模様】

▼丸藤「皆さん、本日はお集まりいただき、ありがとうございます。3月10日・横浜文体、メインイベント最後にベルトを巻いているのは、この丸藤正道です。そこからが俺にとってもまた新しいスタートになるんで、皆さんぜひ、清宮海斗を応援してあげてください。よろしくお願いします」

▼清宮「横浜文体、必ずこのベルトを守って、上の世代と完全決着をつけたいと思っています。今のノアの顔は俺です。駆け上がる、みんなと一緒に」

※両者調印書にサイン

――清宮選手は前哨戦で左腕を攻めら続けているが?

▼清宮「ずっと一部分を攻められるというシチュエーションは初めてなので、もちろん不安はあるんですけど、不安よりも“丸藤さんを超えたい"っていう気持ちのほうが上回っているので、思いをぶつけたい。気持ちでカバーしていきたいと思います」

――ベルトを獲った横浜文体は思い出の地、今度はそこに王者として立つが?

▼清宮「横浜文体だけではなくて、地方の各会場でも新しいファンの方や、子供とか女性のお客さんもどんどん増えてきているので、景色っていうのを、一回だけじゃなくてどんどん変えていきたいと思っているので、次の横浜文体でも新しい景色を創っていきたいと思います」

――丸藤選手は前哨戦で左腕を攻め続けているが、手応えのほどは?

▼丸藤「昨日は左腕をしっかり攻撃させてもらったんで、次は足行きます。(※清宮に)足行くぞ。宣言します。足だ、足」

――満身創痍に追い込む真意は?

▼丸藤「彼はこれまで、タイトルマッチやリーグ戦で確かに強い相手に結果を残してきたかもしれないけど、その試合を僕も見させてもらってると、お互いの技と技とのぶつけ合いというか、お互いの持ってるもの、普段やってるものをいかに駆使して戦って結果を出すか…というのが続いていると思うので、今までにない一つの形というのがこういう攻め方であり。ただ、実はそういった攻め方というのは、昔よく行われていた形。彼が新しいものを創りたいならば、古いものも経験してもらわなきゃ困るなということで、今回一点攻め。腕、次は足行きます」

――今回の横浜文体からマットの色やロゴが変わる。緑のマットへの愛着もあったと思うが?

▼丸藤「もちろん愛着もありますし、何よりもファンの方たちが俺たちよりも気にしてくれてる部分があって。でも“緑"だったり、ノアの良き歴史というのは確実に俺の心の中には刻まれているので。俺がいる場所がノアだと思ってるんでね。マットの色が変わろうが、周りにいる人間が変わろうが、特に問題はないし気にしてないです」

――視覚的にも体制的にもノアが大きく変わったことが印象付けられる大会になりそうだが、そこにGHC王者として立つことについて?

▼清宮「常に新しいものを見せていきたいと僕は思っているので、全体の流れもプラスの方向に持っていって。やっぱり対戦相手が丸藤さんだというのも運命だと思うんで、丸藤さんを超えた先に本当の新時代というものが僕はあると思うので、必ずベルトを守ります」

――丸藤選手をGHCの挑戦者として迎えて退ける…ということを、後輩世代は今まで誰もなし得ていないが?

▼清宮「丸藤さんというのは、やっぱりノアの中で大きな存在。今までノアを守ってきた一人だと思うので、それを超えるというのは簡単なことではないと思いますが、だからこそ今、俺が挑戦して時代を変えないといけないと思ってるので、必ず倒します」

――清宮選手の入門時に試験官を務めたのが丸藤選手だった。その選手がGHC王者になって、自分自身が挑戦することについて?

▼丸藤「言うなれば彼がオムツしてる時から俺はプロレスしてるワケだから。そんな入門試験うんぬんなんて、関係ない。実際、今ベルトを持ってるのは彼なワケだし。ただ、ここまで爽やかなチャンピオンはノア史上初めてなんじゃないかなって思うんで。立派に育ってほしいし、ノアを引っ張っていって欲しいし、新しい時代を創っていって欲しい気持ちは俺も持ってるんで。そのなかでしっかり伝えられることを伝えつつ、“今回は"俺が勝ちます」

――かつて丸藤選手が三沢さんを挑戦者に迎えたGHC戦に似たシチュエーションだが、その際は三沢さんに敗れた

▼丸藤「ずっと三沢さんの付け人をしていたし、ファンの頃から見ていた三沢光晴っていう人間に、三沢光晴というチャンピオンに挑戦したいと思う気持ちがあるなかで、自分がチャンピオンで三沢さんが挑戦してくるシチュエーションになったワケですけど…。やっぱりこのプロレス界、何があるか分からないなっていうのが一つの答えだと思うし、その時と今が重なると言われるならば、その時と同じくらいの重い試合、歴史に残る試合を残さないといけないなと思ってるんで。あの時、結果は俺が負けてしまったんで、今回も歴史は繰り返す…ということで、俺が勝つんじゃないかなと思います」

――丸藤選手から見て、清宮選手はベルトを巻いてからどう変化した?

▼丸藤「若くして責任感も出てきてると思うし、まだ成人したてだから人間的には一気に成長するのは難しいかもしれないけど、今の彼はスポンジみたいになんでも吸収できるような状態だと思うんで、日々成長してると思うし。ただ、俺は絶対にそういうことは無いと思うんで。うらやましくもあり、まだまだだぞ!っていう部分も思ってるんで。いろんな思いを持ちながら、この試合に臨むことによって、ただ試合だけじゃなくて、そういう状況をお客さんが見てもらえれば、さらにこのタイトルマッチが楽しくなると思う。試合だけじゃなくて、いろんなことをひっくるめて横浜文体を迎えたいなと思っています」

――清宮選手は、最近の丸藤選手については?

▼清宮「一点攻め、というのは今まで(の挑戦者)にない攻め方だったので、ちょっと未知な部分でした。昨日の試合でもやられてしまった…というのはあるんですけど、僕は気持ちを見せたいなと思っているので。丸藤さんの戦い方。腕攻め、足攻めがどうこよりも、腕が折れようが、足が折れようが、横浜文体では最後には俺がリングに立ちたいと思います」


【会見後の丸藤囲み取材】
――調印式での清宮の雰囲気を目にして?

▼丸藤「チャンピオンですけど、ハタチそこそこで雰囲気なんて醸し出せるワケがないし、今は等身大の清宮海斗というものをさらけ出してれば、おのずとお客さんは応援したくなってくれると思うんで。かっこつける必要も、考えすぎる必要もないと思う。俺はもう若くないから、しっかり考えて発言しますけど…。ヘタに考えすぎたりかっこつけると嘘くさくなるし、本来の自分以下の力しか出なくなってしまうはず。チャンピオンですけど弱い清宮とはやりたくなので」

――復帰後のコンディションは?

▼丸藤「影響ないですね。しっかり休ませてもらったんで」

――負傷を重ねたことでファイトスタイルも変わっていく?

▼丸藤「やっぱり俺もバカじゃないから、怪我して欠場してしまった間というのは、前よりも良い状態にしたいと思っていて。コンディションはもちろん、スタイルなのか、心境的な部分なのか。“変わった"って部分を見せていきたいと思っているので」

――前夜キーロックをフィニッシュにするなど、また違った丸藤正道の顔が見え始めているようにも思えるが?

▼丸藤「なんか久々に思いついたんだよね。技も新しい技を考えようとするとなかなか難しくて。古い技がフィーチャーされるようにもなって。すべてには表があれば裏もあるし、光があれば影もあるんで」

――個人的にも今までにはなかったGHC戦になりそう?

▼丸藤「そうかもしれないですね。清宮のファンの人たちは一生懸命応援しないと、彼の心が折れてしまう。腕とか足とか折るつもりは無いから。心を折ってやりますよ。その時があいつの負ける時ですよ」

――清宮選手は今『駆け上がる、みんなと一緒に』が合言葉になっているが

▼丸藤「みんなと一緒に駆け上がる…っていうのは、後ろについてきてもらうのか、それとも自分でその人たちを背負っていくのか。そこで意味が変わってくると思うし。まぁおそらく今回は今までで一番“怖くてめんどくさい丸藤"が出るんじゃないですかね。かわいそうに(笑)」

――清宮に足りない部分は?

▼丸藤「足りないものだらけ。全部です。逆に今、満たされていたら彼の成長なんてないし、22歳のチャンピオンとしてそれがピークだったら、かわいそうで仕方ないよ。だからあえて全て足りないと言うし。どう成長していくのか。そこはイチレスラー、イチ先輩としては素直に楽しみ」

――警戒するなら一発でKOされたドロップキック?

▼丸藤「そうだね。ドロップキックは気をつけるかな。あとタイガースープレックスはまだ食らってないから。でも俺も20年でいろんなモノを食らってきてるんで、問題ないよ。俺を驚かしてくれないと、フツーに俺、勝っちゃうよ? 想定外…そういうものを見せてくれることを期待してます」

――今、王者になって創りたいノアとは?

▼丸藤「ノアというものが今、変わっていこう、成長していこうとしているなかで、一回また俺が先頭に立って、誰の目から見ても分かりやすいものを示したい。今さら個人の成長うんぬんは無いかもしれないけど、まず団体のために一回はトップに立っておかないといけないな、と思ってます」

――あと約2週間、前哨戦以外でどう準備していく?

▼丸藤「そうですねえ…もうちょい日焼けしようかな(笑) あと(髪型で)刈り上げてる部分をもうちょい赤く染めようかな(笑)」

――GHCジュニアに挑戦する田中稔選手が横浜文体でのメインをつかみたいと発言しているが?

▼丸藤「ダメです。田中選手の気持ちも知ってますけど、昨日の試合で田中選手と組んで、そこで田中選手が原田なり清宮から勝ったとしたら、俺もちょっと譲らざるを得ないかもしれないけど、昨日は俺がチャンピオンから勝ったって時点で、そこは譲れないですね、ちょっと」

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