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3/10【NOAH】大熱闘で原田陥落…稔が25周年イヤーに悲願のGHCジュニア王座奪取

『ザ・リーヴpresents GREAT VOYAGE 2019 in YOKOHAMA』神奈川・横浜文化体育館(2019年3月10日)
GHCジュニアヘビー級選手権試合 ○田中稔vs原田大輔×

 熱闘の末に原田を下し、稔が25周年記念イヤーに悲願のGHCジュニア王座奪取を果たした。

 これまで稔は国内のジュニア主要タイトルを総なめにしてきたものの、GHCジュニア王座だけは未戴冠だった。デビュー25周年の記念イヤーを迎え、稔はベルト奪取の決意を胸に王者・原田と約1年2ヵ月ぶりの再戦に臨んだ。

 ジュニアにこだわりを持つ2人の試合は激しい先読み合戦から幕開けしたが、まず原田が動いた。稔が不用意にヘッドロックに来た瞬間、バックドロップで投げ飛ばす。首を押さえて苦しむ稔に対し、原田はエプロンでデスバレーボムをお見舞い。その後も首に一点集中攻撃を続ける。稔の抵抗を受けても、ブレーンバスター式牛殺しでさらに首へダメージを重ねた。

 大きな「稔」コールが巻き起こると、挑戦者が決死の反撃へ。エルボー合戦から右ハイキックをぶち込むと、顔面に低空ドロップキックを発射。投げ捨てジャーマン、投げ捨てドラゴンを連発すると、左腕をタイガーに、右腕をドラゴンに固める変型スープレックスもさく裂した。原田も雪崩式ハリケーンドライバーで巻き返したが、稔は一歩も引かない。負けじと雪崩式リストクラッチフィッシャーマンバスターでお返しし、ダイビングフットスタンプをズバリ。ここが好機と稔は連発を狙う。

 これを原田が回避。脇腹へのエルボーを連続で放って稔の動きを止めると、ラリアット、ニーアッパー、ローリングエルボーと得意技を惜しげもなく繰り出した。ベルト奪取に燃える稔も不意を突くグラウンドコブラやHEATクラッチでニアフォールを奪い取り、カッキーカッターを繰り出したが、トルネードカッキーカッターは不発に。原田はブレスストップ(胸板へのエルボー)を合わせると、飛びつき腕十字を狙う稔をみちのくドライバーIIでマットに突き刺し、片山ジャーマンで仕留めにかかる。

 決定的な場面だったが、執念に突き動かされた稔がギリギリで肩を上げた。しばし呆然とした原田はローリングエルボーでダメ押しを狙ったが、稔はカウンターのジャンピングハイキックをグサリ。場内が沸騰するなか、王者の顔面をローキックで容赦なく射貫くと、コーナー最上段からの雪崩式ハーフハッチを敢行する。原田もフォールを返して粘ったが、止まらない稔はFIRE BALLスプラッシュで熱戦に終止符を打った。

 稔が悲願のGHCジュニア王座初戴冠。フリーになった時から狙っていたベルトを腰に巻いたことで、欠けていた1ピースが埋まり、国内のジュニア主要タイトルを全て腰に巻いたことになった。感慨もひとしおで、「10年半思い続けたベルトをようやく手に入れましたよ。新日本プロレス、全日本プロレス、ノア、ZERO1、WRESTLE-1、FMW…国内の俺が巻きたいと思ったジュニア、国内の団体のジュニア、これで勢揃い。全部獲りましたから」と感激した表情で振り返った。

 同時に王者としての責任も感じているようで、「ただ、スタートはこれからなんで。獲ることが目的じゃないから。俺は現IWGPジュニアヘビー級チャンピオン、現世界ジュニアヘビー級チャンピオン、こいつらと勝負していきますから」と新日本と全日本のジュニア王者を強く意識。「どういう勝負の仕方をしても、俺はIWGPジュニアチャンピオン、世界ジュニアチャンピオン、こいつらに負けませんよ。GHCジュニアはそいつらに負けない」とプライドを垣間見せた。

 「このベルトを俺が初めて欲しいと思った10年半前のように、業界全体に響きまくるベルト、海外のレスラーも欲しくなるような魅力的なベルト、そこまで俺が戻す…いや、あの時よりも上に持っていきますから」と誓った稔は、「最後に声を大にして言っておきますよ。田中稔に任せとけ」と断言。秋に予定されている25周年記念興行に向けて、先日引退を発表した獣神サンダー・ライガーとのタッグを熱望するなど早くも新たな動きを見せていた。

【試合後の稔】
▼稔「10年半思い続けたベルトをようやく手に入れましたよ。新日本プロレス、全日本プロレス、ノア、ZERO1、WRESTLE-1、FMW…国内の俺が巻きたいと思ったジュニア、国内の団体のジュニア、これで勢揃い。全部獲りましたから。ただ、スタートはこれからなんで。獲ることが目的じゃないから。俺は現IWGPジュニアヘビー級チャンピオン、現世界ジュニアヘビー級チャンピオン、こいつらと勝負していきますから。それが間接的な勝負なのか、もしかしたら直接向き合って勝負する時が来るか、それはわからないですよ。ただ、どういう勝負の仕方をしても、俺はIWGPジュニアチャンピオン、世界ジュニアチャンピオン、こいつらに負けませんよ。GHCジュニアはそいつらに負けない。まあ、何にしても、輝きが負けないベルトを作っていきますよ。もう1回、Hi69君とタッグのベルトもやりたいし。俺が戦前から言ってたように、このベルトを俺が初めて欲しいと思った10年半前のように、業界全体に響きまくるベルト、海外のレスラーも欲しくなるような魅力的なベルト、そこまで俺が戻す…いや、あの時よりも上に持っていきますから。最後に声を大にして言っておきますよ。田中稔に任せとけ」

――獣神サンダー・ライガー選手の引退については?

▼稔「みんな思ってたかもしれないけど、ライガーさんってずっといると思ってたんですよね。引退がないというか。ずっとプロレス界にいてくれる人だと思ったし。一緒にユニットを組んだり、壁になってくれたりした人なんで。寂しいですよ。ライガーさんのあの会見を見ると、寂しいとか言ってちゃダメなのかなというのもあって。まだちょっと新日本の方たちと話した程度ですけど、今年25周年で僕がやりたいと思っていたカードが、ライガーさんと組んで…だったので。ビックリしちゃったんですよ。何としても今年の秋に後楽園をやりたいから、ライガーさんにお願いできるなら、スケジュールは忙しいかもしれないですけど、秋の後楽園で最後もう1回組みたいなというのがあるんですよね。ビックリしたのと、ずっといてくれると思った人だったから、寂しい…寂しいというのは軽い表現で、表現できないような…。俺の25周年と、ライガーさんが引退するというのと。今、俺がこういう風にフリーでいろいろやっているというのが繋がった縁だと思うので、何としても秋に俺の25周年第2弾、後楽園でライガーさんに出てもらいたいですね。組みたいです。最後に組ませていただきたいです」

※原田は医務室直行のためノーコメント

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