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5/4【NOAH】大スギウラコール爆発! 杉浦がKAZMAとGTL制覇、GHCシングル&タッグ二冠獲り宣言

『GLOBAL TAG LEAGUE 2019』東京・後楽園ホール(2019年5月4日)
「GLOBAL TAG LEAGUE 2019」優勝決定戦 ○杉浦貴&KAZMA SAKAMOTOvs潮崎豪&中嶋勝彦×

 杉浦&KAZMA組が現GHCタッグ王者“AXIZ"を激闘の末に破ってタッグリーグを制覇。KAZMAが男泣きするなか、大スギウラコールを聖地で爆発させた杉浦は、GHCシングル&タッグ二冠獲りを宣言した。

 今年のタッグリーグ頂上決戦は、貫禄の首位通過を果たした王者“AXIZ"と、辛くも2位に滑り込んだ杉浦軍コンビによる顔合わせに。4・29横浜大会での公式戦はAXIZに軍配が上がっていただけに、序盤から杉浦が劣勢に立たされた。潮崎の猛烈な逆水平を浴びて早々に胸板から流血。豪腕ラリアットまで被弾し、さらに潮崎の逆水平、中嶋のミドルキックを無数に浴びて“サンドバック状態"となった。

 それでも自然発生的な“スギウラコール"に支えられて乗り切り、KAZMAとの息の合った連係もみせながら逆襲。鬼のエルボー連打で中嶋の視線をさまよわせ、非情の後頭部エルボーまで見舞って予選スラムで仕留めにかかった。

 屈さぬ中嶋もフランケンシュタイナーで切り返して猛反撃。杉浦からコーナーに詰められて暴走気味にエルボーを乱打されても不敵な笑みで立ち上がり、逆にカウンターのトラースキックをドンピシャリ。逆にターンバックル・ジャーマン→コーナーでの暴走エルボー乱射で杉浦のお株まで奪うや、潮崎と二人がかりで逆水平&ミドルキックの交互乱打をぶち込みまくった。

 だが、場内は大ブーイング、逆にスギウラコールのボルテージは上がる。構わずAXIZはフィッシャーマンバスター&トラースキックの合体攻撃を敢行し、中嶋は杉浦必死のエルボーもことごとく避けて強烈な左ミドルキックを連発だ。懸命なスギウラコールのなかで不敵な笑みを浮かべた中嶋は、左右のビンタやエルボーをこれでもかと乱射。崩れ落ちた杉浦に馬乗りになってのエルボーまで連打し、前後からのサッカーボールキックで一方的に蹴りまくる。そして必殺のバーティカルスパイクで突き刺した。

 もはやこれまで…。客席からはため息も漏れたものの、杉浦はカウント3寸前でキックアウトした。客席からは“重低音ストンピング"も発生し、祈るようなスギウラコールが爆発。逆に中嶋が狙った非情の顔面蹴りを必死にキャッチした杉浦は、アンクルホールドで捕獲。KAZMAも獣神サンダー・ライガーから手ほどきを受けたという掌打を、ここ一番で潮崎に放ってカットを阻止だ。杉浦は中嶋のブーツに噛み付く執念すら見せながらアンクルホールドで絞めに絞めまくり、ついに中嶋がギブアップを意思表示すると、場内は立ち上がる観客が続出する“沸騰状態"に染まった。

 と同時に場内は特大のスギウラコールが爆発。ノア本格参戦から約2年で、初のタイトル獲得となったKAZMAも男泣きに暮れ、祝福のサカモトコールも送られた。

 公式戦での雪辱に成功して、優勝トロフィーを受け取った杉浦は「チャンピオン、分かってるよね? 今日俺が優勝したけど、1対1だよな。今度、そのベルトを懸けてもう1回やろうよ」とベルトを懸けての“決着戦"をマイクで要求。返す刀で「あとシングルのチャンピオンいるよな? この間の後楽園で俺に無様に落とされて負けたよな? 清宮わかってるよな?」と、公式戦で直接土をつけた若きGHCヘビー級王者の清宮にも改めて宣戦布告した。

 「新しい風景? 関係ねえ。俺は頂点に立つためにプロレスラーになったんだ。もう一度ベルトを二つとも、もらいにいく」。“新生ノア"となって若返りムードが充満するノアだが、48歳の杉浦がGHC二冠を改めて宣言しても、場内は万雷の拍手で後押しした。

 KAZMAも「清宮が言っていた新しい風景とはちょっとだけ違うけど、杉浦軍の新しい風景、どうですか!?」と問いかけ、今度は「杉浦軍」コールも発生。目頭をおさえたKAZMAは「こんな声援もらえるなんて本当に思ってなかった。本当にありがとう。でも、一番に感謝したい人がいます。それは杉浦貴、あなただ。あなたが文体のあと、俺の手を取ってくれなかったら、俺はこんな素晴らしい風景を見ることができなかった。あなたがいたから、今この風景が見れてます。本当に杉浦貴ありがとうございます」と頭を下げ、杉浦も深々と頭を下げ返して応じた。

 一方でこの日は清宮海斗と決別した拳王が、若き王者の清宮を「会社の犬」と断じ、突じょとして親会社のリデット・エンターテインメントにまで宣戦布告して“反体制"を宣言。ここに噛み付いた杉浦は「一つ言わせてもらう。俺は会社の犬だ! なんで分かるか。いろんなこと言っているヤツがいるけど、なんでか分かるか? このノアがなければ、俺はここで理想のプロレスができない。そして、ノアがなければみんなこうやって集まってくれない。だから、俺は犬でも何でもなってやるよ、ノアのために」と、あえて“会社の犬"宣言を放った。

 反骨集団『金剛』結成を宣言した拳王の反体制マイクには「え〜…?」といった反応だった場内だが、杉浦の“会社の犬"宣言には万雷の拍手喝采。苦難続きの方舟マットを身体を張って守り続けたからこその“現状への感謝"が、苦楽をともにしてきたファンの心を揺さぶった。“新生ノア"を浮上させるのは、若き王者の清宮でも、反体制の拳王でもなく、48歳にして実直な積み重ねが結実しつつある、この男なのかもしれない。

【試合後の杉浦&KAZMA】
▼杉浦「まあ、心強いパートナーがいたから、ここまで戦ってこれたと思ってるから」

――厳しい試合だったが、改めて決勝の相手だった2人については?

▼杉浦「やっぱりチャンピオンだから強いし、個々の力もあるしね。ただ、個々の力は向こうのほうが上かもしれないけど、今日に限ってはこっちのほうがタッグチームとして絆があったのかな? わからないけど。それの結果だと思うし」

――リーグ戦が初タッグだったが、優勝できた最大の要因は?

▼杉浦「1つでは言えないかもしれないけど、俺のモチベーションの位置まで来て、彼が戦ってくれたことかな。それを一番俺は感じる」

▼KAZMA「自分はスギさんが俺のことを信用してくれた。それに応えるのが精一杯だよ。でも、かみ合った時にスゲェ力になるんだなっていうのを改めて感じました」

――一気に二冠挑戦が見えてきたが、行けそう?

▼杉浦「オジサンまだ行くよ」

▼KAZMA「スギさんは両方とも行くけど、俺はタッグベルトに行くから。ゼッテエ行くから」

――新しいチャンピオンがいて、今日は新しい動きがいろいろあった中で、最後に「俺は会社の犬だ」と宣言したが、それはどういう気持ちから?

▼杉浦「前の試合でアホみたいに長いマイクアピールで、お互いみんな言いたいこと言って。俺は会社の犬じゃないとか。まあ、いろんなこと言うけど、それでトップに立とうという気持ちはわかるけど、会社がなければこんな場はないので。会社がなければ、俺はプロレスできないと思うんで。そういう意味で、犬と呼ばれてもいいかなって」

▼KAZMA「会社があってのレスラーじゃないのかなって改めて思いますよ。僕はフリーだから何とも言えないけど、俺は俺の道を行くし。俺の道の進む先に…いや、進む横には杉浦貴がいてくれる。それだけで十分だ。俺は杉浦貴と一緒にやる」

――段々と杉浦軍に人が集まってきている。杉浦選手の人望で集まっている?

▼杉浦「それはわからないけど、今日声援も凄い送ってくれた。段々やろうとしていることをみんな認めてくれている。で、応援してくれているのはありがたいことだね」

――今、観客の支持率が集まっているが、自分ではどう感じている?

▼杉浦「コツコツと1つ1つ頑張ってきたからじゃないですか?」

――改めて自分のスター性を痛感した?

▼杉浦「そうだね(笑) 今そこは…犬なんで」

【試合後の中嶋&潮崎】
▼中嶋「ごめん…豪さん…ごめん…。最後の最後でやられた。でもまだイーブンだ、イーブン…」

▼潮崎「次、タイトルマッチは勝つぞ」

▼中嶋「(※足を引きずりながら)ベルトだけは…ベルトだけは渡さねえ…」

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