【Fortune Dream】小橋と前田が白熱トークバトル 共通点はウエスタンラリアットと子育て? 2019/6/10 23:30
『Fortune Dream 6』東京・後楽園ホール(2019年6月10日) Fortune Dream 6 Special Talk Battle △小橋建太vs前田日明△ 現役時代にまったく接点のなかった小橋と前田が白熱のトークバトルを展開。「ウエスタンラリアット」と「子育て」という意外な共通点が見つかり、大盛り上がりの末に時間切れ引き分けとなった。 これまで小橋は『Fortune Dream』で長州力、天龍源一郎、佐々木健介、豊田真奈美、蝶野正洋…と錚々たるメンバーとトークバトルを繰り広げてきた。今回の相手は前田。現役時代にまったく接点はなかった顔合わせとなった。 小橋が『GRAND SWORD』、前田が『キャプチュード』に乗ってそれぞれ登場。小橋コール、前田コールがこだまする。対角線に立ち、全日本の木原リングアナに選手コールされて、互いに拳を突き上げた。 2人が初めて顔を合わせたのは昨年8月の『TAKAYAMANIA EMPIRE』。控え室で10分ほど会話したのがこれまで唯一の繋がりだという。その日、前田はリング上でのあいさつを行ったが、その寸前まで小橋と談笑。スタッフに呼ばれると、そのままリングに立ち、「プロレスラーの体はな、神経で動くんじゃないんだよ! 魂で動くんだよ! お前も魂に体を動かしてもらって、このリングに戻ってこい!」と頸椎完全損傷でリハビリ中の高山善廣を激励した。小橋はこの言葉に心を動かされたという。 それを聞いた前田は「『神経で動いているんじゃない』と言ったあと、あれ、しまったと思って。次の言葉を考えてないと思って」と何の準備もせずにあいさつしていたことを告白。新生UWF旗揚げ時に語った「選ばれし者の恍惚と不安、2つ我にあり」という言葉もぶっつけ本番で発したものだったと振り返ると、小橋は驚きの表情を浮かべていた。 そんな前田に対し、小橋は思いきって「今日、前田さんにオファーをして、快く受けてくださって。なんで受けてくれたんですか?」と質問。前田がRINGSで活躍していた頃は多忙を極めており、小橋の試合を見た記憶がほとんどなかったが、引退後にビッグマウスラウドに関わるようになり、最近のプロレスをチェックする必要に迫られ、そこで初めて“絶対王者"の試合に触れた。「天龍さんたちと手が合ってガンガンやってて。あの時に突然、腎臓がんになって。大丈夫かなと。手術して、抗がん剤ってなると、体はゲッソリしちゃうのかなと思ったら、全然体を維持している。大したヤツだなと思って。で、しばらく試合をしてるから、腎臓取ったら、受け身もどうなのかなと思ったら、全然そういうのを感じさせない試合でね。本当に凄いなって」。そんな思いが今日のトークバトルに繋がっていた。 小橋も秘めた思いを披露。「前田さんは僕がプロレスに入る前からトップレスラーだったんで。ダブルリストアームソルト。前田さんが使われてましたね? 僕も赤いパンツをはいていた頃、デビューから1年から2年ぐらいの時にあの技を使っていたんです」と前田を意識して技を使っていたことを明かして、意外な繋がりが明らかになった。 前田の好きな文学トークはあまりかみ合わなかったが、ともに3歳の娘を持つ父親だということもあり、子育てトークは大盛り上がりに。小橋が「僕は生まれた時からイヤイヤ気でした。今もいやいや気です」と愚痴をこぼすと、前田は「コチョコチョを覚えたほうがいいですよ」とアドバイスする場面も見られた。 リング上の話題に戻り、新日本と全日本の違いについて問われた前田は「当時は新日本がストロングスタイルで、全日本がアメリカンスタイルとか言ってたんですけど、今考えたら変わらないですね。違いがあるとしたら、相手が自分たちに対して不真面目なことをしてきた時にどう対処するのかという部分で差があるのかなと」と指摘。天龍がスタン・ハンセンをKOした時の驚きを口にすると、「天龍さんに翌日どうなったんですかと聞いたら、何ともないんだよ。馬場さんがちゃんとスタン・ハンセンを説得してなだめたらしい。プロモーターが凄いなと。あれ、新日本だったらどうなってるのかなって」とプロモーター視点での違いにも触れた。 当時、小橋は若手としてハンセンの暴走を止める立場。対戦した時だけでなく、セコンドとしてもウエスタンラリアットの餌食に何度もなってきたことを振り返り、「僕が止めに入ると一番やりやすい僕に来るんです。僕はハンセンを止めてなくて、ジャンボ鶴田さんを止めているのに」とぼやくと、前田も「俺も猪木さんを止めていたのに」と共感。前田も当時の新日本の若手で一番ラリアットを食らった選手と言われており、他の選手が後ずさりして結局自分が餌食になったことを明かすと、小橋も「わかります」と頷くばかりだった。 ほとんど接点がない状態から始まったトークバトルだったが、終わってみれば時間が足りなかったほど白熱。最後に前田が現在のプロレス界で怪我が増えていることを指摘した上で、受け身の重要性を説くと、ガッチリと握手を交わして白熱の戦いはお開きとなった。 【トークバトル後の前田】 ――小橋さんとトークで戦ってみてどうだった? ▼前田「凄い真っ直ぐな人だね。頑張ってほしいですね」 ――改めて現役時代の印象は? ▼前田「凄い真面目に一生懸命やっている選手だなと思いましたね」 ――スタン・ハンセンの話も出たが? ▼前田「そうですね。当時は馬力が一番の頃ですね。だいたいラリアットをやると、後頭部を打たないようにこう(首を曲げる)するんですけど、その先に足があって、足の先に天井が見えるんですよね」 ――前田さんはアンドレ・ザ・ジャイアント選手とも戦っているが? ▼前田「いやあ、あの頃はみんな馬力がありましたね」 ――満員のプロレス会場はどうだった? ▼前田「本当に相変わらず後楽園ホールも1個の聖地としてね。これからも新しいファンが増えて、プロレス界がドンドン続いていくと嬉しいですね」
『Fortune Dream 6』東京・後楽園ホール(2019年6月10日)
Fortune Dream 6 Special Talk Battle △小橋建太vs前田日明△
現役時代にまったく接点のなかった小橋と前田が白熱のトークバトルを展開。「ウエスタンラリアット」と「子育て」という意外な共通点が見つかり、大盛り上がりの末に時間切れ引き分けとなった。
これまで小橋は『Fortune Dream』で長州力、天龍源一郎、佐々木健介、豊田真奈美、蝶野正洋…と錚々たるメンバーとトークバトルを繰り広げてきた。今回の相手は前田。現役時代にまったく接点はなかった顔合わせとなった。
小橋が『GRAND SWORD』、前田が『キャプチュード』に乗ってそれぞれ登場。小橋コール、前田コールがこだまする。対角線に立ち、全日本の木原リングアナに選手コールされて、互いに拳を突き上げた。
2人が初めて顔を合わせたのは昨年8月の『TAKAYAMANIA EMPIRE』。控え室で10分ほど会話したのがこれまで唯一の繋がりだという。その日、前田はリング上でのあいさつを行ったが、その寸前まで小橋と談笑。スタッフに呼ばれると、そのままリングに立ち、「プロレスラーの体はな、神経で動くんじゃないんだよ! 魂で動くんだよ! お前も魂に体を動かしてもらって、このリングに戻ってこい!」と頸椎完全損傷でリハビリ中の高山善廣を激励した。小橋はこの言葉に心を動かされたという。
それを聞いた前田は「『神経で動いているんじゃない』と言ったあと、あれ、しまったと思って。次の言葉を考えてないと思って」と何の準備もせずにあいさつしていたことを告白。新生UWF旗揚げ時に語った「選ばれし者の恍惚と不安、2つ我にあり」という言葉もぶっつけ本番で発したものだったと振り返ると、小橋は驚きの表情を浮かべていた。
そんな前田に対し、小橋は思いきって「今日、前田さんにオファーをして、快く受けてくださって。なんで受けてくれたんですか?」と質問。前田がRINGSで活躍していた頃は多忙を極めており、小橋の試合を見た記憶がほとんどなかったが、引退後にビッグマウスラウドに関わるようになり、最近のプロレスをチェックする必要に迫られ、そこで初めて“絶対王者"の試合に触れた。「天龍さんたちと手が合ってガンガンやってて。あの時に突然、腎臓がんになって。大丈夫かなと。手術して、抗がん剤ってなると、体はゲッソリしちゃうのかなと思ったら、全然体を維持している。大したヤツだなと思って。で、しばらく試合をしてるから、腎臓取ったら、受け身もどうなのかなと思ったら、全然そういうのを感じさせない試合でね。本当に凄いなって」。そんな思いが今日のトークバトルに繋がっていた。
小橋も秘めた思いを披露。「前田さんは僕がプロレスに入る前からトップレスラーだったんで。ダブルリストアームソルト。前田さんが使われてましたね? 僕も赤いパンツをはいていた頃、デビューから1年から2年ぐらいの時にあの技を使っていたんです」と前田を意識して技を使っていたことを明かして、意外な繋がりが明らかになった。
前田の好きな文学トークはあまりかみ合わなかったが、ともに3歳の娘を持つ父親だということもあり、子育てトークは大盛り上がりに。小橋が「僕は生まれた時からイヤイヤ気でした。今もいやいや気です」と愚痴をこぼすと、前田は「コチョコチョを覚えたほうがいいですよ」とアドバイスする場面も見られた。
リング上の話題に戻り、新日本と全日本の違いについて問われた前田は「当時は新日本がストロングスタイルで、全日本がアメリカンスタイルとか言ってたんですけど、今考えたら変わらないですね。違いがあるとしたら、相手が自分たちに対して不真面目なことをしてきた時にどう対処するのかという部分で差があるのかなと」と指摘。天龍がスタン・ハンセンをKOした時の驚きを口にすると、「天龍さんに翌日どうなったんですかと聞いたら、何ともないんだよ。馬場さんがちゃんとスタン・ハンセンを説得してなだめたらしい。プロモーターが凄いなと。あれ、新日本だったらどうなってるのかなって」とプロモーター視点での違いにも触れた。
当時、小橋は若手としてハンセンの暴走を止める立場。対戦した時だけでなく、セコンドとしてもウエスタンラリアットの餌食に何度もなってきたことを振り返り、「僕が止めに入ると一番やりやすい僕に来るんです。僕はハンセンを止めてなくて、ジャンボ鶴田さんを止めているのに」とぼやくと、前田も「俺も猪木さんを止めていたのに」と共感。前田も当時の新日本の若手で一番ラリアットを食らった選手と言われており、他の選手が後ずさりして結局自分が餌食になったことを明かすと、小橋も「わかります」と頷くばかりだった。
ほとんど接点がない状態から始まったトークバトルだったが、終わってみれば時間が足りなかったほど白熱。最後に前田が現在のプロレス界で怪我が増えていることを指摘した上で、受け身の重要性を説くと、ガッチリと握手を交わして白熱の戦いはお開きとなった。
【トークバトル後の前田】
――小橋さんとトークで戦ってみてどうだった?
▼前田「凄い真っ直ぐな人だね。頑張ってほしいですね」
――改めて現役時代の印象は?
▼前田「凄い真面目に一生懸命やっている選手だなと思いましたね」
――スタン・ハンセンの話も出たが?
▼前田「そうですね。当時は馬力が一番の頃ですね。だいたいラリアットをやると、後頭部を打たないようにこう(首を曲げる)するんですけど、その先に足があって、足の先に天井が見えるんですよね」
――前田さんはアンドレ・ザ・ジャイアント選手とも戦っているが?
▼前田「いやあ、あの頃はみんな馬力がありましたね」
――満員のプロレス会場はどうだった?
▼前田「本当に相変わらず後楽園ホールも1個の聖地としてね。これからも新しいファンが増えて、プロレス界がドンドン続いていくと嬉しいですね」