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9/16【NOAH】初の杉浦超えで拳王がN-1死闘V 「清宮じゃねえ、俺がノア進化させる」

『N-1 VICTORY 2019 GRAND FINAL』エディオンアリーナ大阪第1競技場(2019年9月16日)
「N-1 VICTORY 2019」優勝決定戦 ○拳王vs杉浦貴×

 拳王が30分に迫る死闘の末に、初の“杉浦超え"を達成。『N-1 VICTORY』初代覇者の座をつかんだ。11・2両国大会で因縁深きGHCヘビー級王者・清宮海斗に挑戦することになった拳王は、「清宮じゃねえぞ。俺がこのプロレスリング・ノアを必ず進化させてやる」と大阪ビッグマッチで公約した。

 ノア約4年ぶり進出となったエディオンアリーナ大阪“第1競技場"大会。武藤敬司、桜庭和志、藤田和之、秋山準ら豪華メンバーが出場するなかでメインを飾ったのは、グローバル・リーグ戦改め『N-1 VICTORY』優勝決定戦だった。Aブロックを全勝で勝ち上がった杉浦と、Bブロックを3勝1敗で突破した拳王が“初代N-1覇者"の座を争った。

 まずは拳王が気迫を見せる。いきなりサッカーボールキック7連発でどよめきを誘うと、特設花道に連行して断崖式ブレーンバスターの構えに。しかし、踏ん張った杉浦は花道上でネックスクリューを敢行。拳王は首を強打して動きが止まる。見逃さない杉浦は首攻めに打って出た。

 反撃の糸口を掴めずに攻め込まれた拳王だったが、杉浦が断崖式中年ズリフトを狙った場面で動く。こらえた拳王は狭いエプロンでジャーマンを強行すると、場外に転落した杉浦めがけてコーナー最上段からのダイビングフットスタンプを投下だ。さらにリング上でもダイビングフットスタンプで急降下し、たまらず杉浦は脇腹を押さえてもん絶した。

 それでも“全勝優勝"がかかる杉浦も沈まず。三度に渡ってフロントハイキックを相打ちに持ち込むと、両者得意のアンクルホールドを奪い合ってし烈なシーソーゲームに。競り勝った杉浦がハイクラッチジャーマンからランニングニーをこれでもかと乱射したものの、拳王も再び足を絡め取ってアンクルホールドに持ち込み、ホイップ式で土手っ腹を蹴り飛ばす。またもや大ダメージを負った杉浦の腹部めがけて、この日3度目のダイビングフットスタンプを投下し、ヒザ立ちになった杉浦の側頭部を左右のミドルキックで蹴り飛ばしてフィニッシュ態勢に入った。

 意識もうろうの杉浦だったが、3発目の蹴り足をキャッチして五輪予選スラムで大逆転。逆に鬼の後頭部エルボーを連発するや、後頭部へのニーバットもズバリ。そして2度目の予選スラムを発射だ。カウントの大合唱となったが、拳王はギリギリでキックアウト。ならばと杉浦は左手で拳王の左手を掴んで自由を奪い、右のエルボーでメッタ打ち。腰砕けになりながらも拳王がビンタを返すと、今度は壮絶なビンタ合戦になだれ込む。ここでも押し切った杉浦はフロントネックロックで捕獲し、決定的チャンスを掴んだ。

 だが、突き飛ばすようにして首を抜いた拳王は、立ち上がるなり、杉浦の後頭部をローキックで蹴りぬく。なおも沈まない杉浦はエルボーとミドルキックのラリーに持ち込んだものの、かいくぐった拳王は高速ドラゴンスープレックスから右ハイキックをズバリ。再びダイビングフットスタンプを見舞ったものの、杉浦は肩を上げる。場内が熱気に包まれるなか、拳王は秘策の前宙式ダイビングフットスタンプを敢行。昨年のグローバル・リーグ戦で丸藤を破った荒技で、今度は杉浦を仕留めた。

 30分に迫る死闘の果てに、追い続けた杉浦を初めてシングルで破って、N-1初代覇者の座を手中に。同時に新生ノア年間最大の大舞台となる11・2両国大会でGHCヘビー級王者・清宮に挑戦することも決まった。

 今年3月。ノアはリデット・エンターテインメント社が親会社につく新体制へと移行。マットの色やロゴが一新されるなかで、一度は「新生ノア」けん引の両輪となることを誓った拳王と清宮だが、その2ヶ月後にはタッグを解消して決裂した。その後拳王は反骨集団『金剛』を結成して“清宮路線"の新生ノアに異を唱え続けてきたが、その両雄が年間最大の舞台でGHCヘビー級王座を懸けて激突することになる。

 優勝トロフィーを受け取った拳王のもとに、すかさず清宮が現れた。「拳王、俺は今までこのベルトを守ってきたことに自信がある。でも、今のあなただったら、いろいろあったけど、俺は11月2日、両国で新しい景色を見せられると思う」とマイクで語りかけると、拳王も「奇遇だな、清宮。俺もそう思うぞ」と呼応。一方で「お前が作る新しい景色じゃねえぞ。N-1優勝者、この俺が作る新しい景色だ。おい、いいか。新しい景色? このプロレスリング・ノアのリングをダイヤモンドのように輝く景色を必ず見せてやるからな」と言い切って若き王者とにらみ合った。

 誰よりも早く“脱・丸藤&杉浦"の新生ノア創造を訴え続けてきた拳王だが、「あいつらがノアで作ってきた実績、そして存在感…。今日すぐには超えられると思ってねえぞ。これから徐々に徐々に結果を出して、そして拳王というレスラーをこのプロレスリング・ノアのリングの中で輝かしく…とてもメチャクチャ輝かしく見せれるようになったら、ようやく杉浦貴と丸藤を超えたんだ」と強調。そのうえで「そしてプロレスリング・ノアはさらに進化すると思うだろ? いいか。清宮じゃねえぞ。俺がこのプロレスリング・ノアを必ず進化させてやる」と大阪ビッグマッチで改めて公約した。

 そして「まずは両国だ。両国、俺がベルトを奪って、大成功に終わらす。そしたら、お前ら、行きたいところはどこだ?」と呼びかけ、場内からは「武道館!」の声。「そうだよな。いいか、東京オリンピックも見たい。だがな、改装した日本武道館で、てめえらが一番見たいのはどこだ?」と続けると、再び場内は「ノア!」の声に染まった。清宮から覇権を奪い取り、新生ノアの盟主としてかつての“聖地"武道館帰還へ。大志を抱くN-1覇者・拳王の壮大な挑戦が、再び大阪からスタートする。

【試合後の拳王】
――遂に杉浦選手に勝利した

▼拳王「そうだよな。N-1優勝したのももちろん嬉しい。だがな、おい。それ以上にやはり杉浦を倒したこと、杉浦を超えれたこと、それが一番嬉しいよな」

――杉浦選手もタフで、終わりの見えない戦いになった

▼拳王「それでこそ杉浦貴だろ? 俺が本当に倒したいと思った男、杉浦貴だろ? そのぐらい強くなかったら、俺も倒した意味ねえよ。だがな、あのメチャクチャ強え杉浦を倒して、俺はまた1つ、強くなっただろ?」

――この1勝は本当に大きい

▼拳王「俺が今年決めた誓い、てめえも知っているだろ? N-1優勝。まず1つはクリアした。そして、11月2日、両国国技館。ベルト奪取はもちろんだ。それだけじゃねえぞ。超満員だ。俺がな、魅力的な男になって、必ず実現してやるよ。そしたら、おい。リングでも言っただろ。お前らの行きたいところまで連れていってやるよ」

――拳王コールも巻き起こったが?

▼拳王「俺がずっと言ってきた信念がようやく伝わったんじゃねえのか? 会社の言うことを聞いてやっているサラリーマンレスラー、それでもいいと思うよ。それでも正しいと思うよ。だがな、おい。それだけではこのプロレスリング・ノアはさらに輝かしいリングにならねえと思うんだよな、俺は。だからな、おい。俺は、俺の思う信念を貫いて、必ずこのノアのリングを再び輝かしいリングにしてやるからな」

――次は清宮戦となるが?

▼拳王「おい、清宮。いいか、おい。お前なんかな、会社に持ち上げられてるレスラーだ。そんなヤツはな、これから強くなんねえんだよ。今は強いかもしんねえ。だがな、あと1ヵ月、俺が死に物狂いで努力して、お前からベルトを奪ってやる。覚悟しておけ、コノヤロー」

※杉浦はノーコメント

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